前田佳織里、1st LIVE「Are You Ready?」の追加公演でみせた、ライブハウスならではのパフォーマンスと成長 2025/09/16
前田佳織里、1st LIVE「Are You Ready?」の追加公演でみせた、ライブハウスならではのパフォーマンスと成長
  • LINEで送る
9月4日、声優アーティスト・前田佳織里がワンマンライブ“前田佳織里1st LIVE 2025 「Are You Ready?」~Extra show~”の東京公演を、LIQUIDROOMにて開催。今年4月に初のワンマンライブを開催した前田が追加公演として本公演を、そして9月13日にはZepp Fukuokaでの福岡公演をそれぞれ開催。いずれも観客と距離近く楽しむ、大成功の公演となった。そのうち本稿でレポートする東京公演では、1st LIVEからカバー曲を入れ替えたのに加え、引き続き披露した楽曲もライブハウスならではの魅せ方を行うなど、様々な形で成長を感じる姿をみせてくれた。

まずはオープニングSEとして「Awakening Overture」が流れると、楽曲に合わせた観客のクラップが場内を包むなかまずはバンドメンバーが、続いて前田が入場。1st LIVE同様に「光ったコインが示す方」からライブをスタートさせる。冒頭から力強くまっすぐに歌声を放ちながらのステージングを繰り広げれば、1サビでは彼女が振る拳に合わせてフロアいっぱいのペンライトが揺れ、場内のボルテージも上がる。2コーラス目に入るとお立ち台に上って場内をぐるっと見回し視線を交わせば、落ちサビでは突き出した手を強く握ってから大サビへ。1曲目から、1st LIVE以上に力強さや頼もしさが増したパフォーマンスをみせた。続く「Stranger」でも、サビなどでの拳を振りながらのパフォーマンスで場内の空気を引っ張っていく前田。1サビ明けの間奏では跳ねて煽るなど、ライブハウスならではの近い距離感を生かしてオーディエンスの熱をさらに高める。大サビの冒頭でも拳を振りかぶり、脚も蹴り出すなどしてさらにファンを乗せていくと、「ポジティブガール」では移動しながらポップなナンバーを軽快に乗りこなしつつ観客に接近してパフォーマンスを展開。2コーラス目に入るとステージ両端まで足を運び、視線に加えて指差しなども絡めたコミュニケーションでオーディエンスを喜ばせる。







この日最初のMCではまず、場内を包む熱気に「すごいねー!」と満足気な表情をみせる前田。「声優になってからライブハウスでライブをするのは初めて!」ということで、ファンの近くでライブをできる嬉しさもあらわにする。また同時に、オールスタンディングとなったフロアに向かって「めいっぱい踊って飛び跳ねて、楽しんでください!」とのメッセージも送っていた。
それに続くのは「Fantasy」から始まる、スタイリッシュな表現を堪能できる楽曲群。1-Aメロ終わりに衣装をドレッシーなものからクールなダンスナンバーにマッチするものへと早替えしフロアから歓声が上がると、メリハリついたダンスをみせながら、クールでありながらも確固たる強さをもった歌声を響かせていく。さらに1サビ明けには「踊れ!」とオーディエンスのボルテージを引き上げれば、大サビ前のセリフをお立ち台に足をかけて「リキッドルームー!」と会場に合わせたシャウトに変えて場内の熱を高めて「My “I”」へ。引き続きイントロからダンスでも魅せていくと、2コーラス目冒頭のラップではまたもお立ち台に足をかけながら、フロウにややクセをつけてノリよくスタイリッシュにキメてみせる。さらに2サビでは歌詞になぞらえて、かがんでフロア前方の「You」を指差してコミュニケーションを取ったりと、ここでも観客と一緒にこの会場を楽しみ尽くしていく。
その余韻の残るなか始まったミドルバラード「最後の花火が上がる頃に」では、ゆっくりとフロアを端から端まで見回しながら、じんわりと観客の心にそっと優しく切ない歌声を響かせていき、観客もその歌声に聴き入る。またサビでは自身の腕振りがオーディエンスの腕振りを呼び起こし、色とりどりのペンライトの光がまるで花火のようにきらめく美しい光景を作り出せば、大サビではお立ち台に上ってそれを見下ろし味わっていく。そのまま最後まで美しく歌声を響かせて、前田はステージから降りた。



曲明けにはしばしバンドセッションタイムが繰り広げられ、その演奏がクラップを呼び起こし改めて場内が盛り上がりをみせると、その最後に前田がセーラー服風の衣装に着替えて再登場し「もってけ!セーラーふく」のカバーを披露!テンポが非常に速く早口な楽曲ではあるが、彼女ならではのキュートさもしっかりと生かしつつ歌っていき、サビでの「キャ? ワ! イイv」のフレーズに合わせた魅力的なあざとかわいいポーズでも観客を沸かせる。大サビ前にはフロアへと前田のサイン入りカラーボールをプレゼントとして投げ込み興奮をもたらせば、最後は「A M U S E!!……の狂犬!」と自身の“二つ名”になぞらえた歌詞アレンジまで盛り込んだ。
歌い終わった前田は「歌い出したときの歓声が、予想以上すぎて!」と嬉しそうな様子をのぞかせ、「現地に足を運んで生で音を感じてもらって、アーティスト活動の中で大事にしている“遊び心”を通じてわくわくしてもらいたい」という想いからの選曲であることも明かしていた。
そんなこの曲に続けて、もう1曲カバーを披露。観客がタオルを掲げさせると、流れ出したのは『マクロスΔ』の「いけないボーダーライン」!タオルを回して場内の盛り上がりを先導すると、歌唱面でも歌声の芯をやや強くするのと同時に、Bメロやサビのロングトーンを尻下がりに歌うなどしてボーカルワークに原曲をリスペクトした艷やかさも付加。大サビでの転調後には歌声にさらに力を込めて場内の熱をぐっと高め、魅せ方・聴かせ方の成長も感じさせてくれた。ラストのかき回しのなかお立ち台に上って「ショータイムは終わらない」を続け、1-Aメロ途中での「おいおいおい!もっと来いよー!」との煽りや力強い歌声で、場内のボルテージUPも止まらない。2サビではまたもお立ち台に足をかけて荒っぽく歌うなど、さらにパワフルなステージを展開。曲明けには「サイコー!」のシャウトからMCパートを始め素直に高ぶりを表せば、「みんなと一緒に成長している曲な感じがする」とこの場の盛り上がりを通じて感じたことを率直に伝えていた。

そして次に「キュンアピ」を披露することを告げると、お立ち台に上ってお手本をみせながらの“キュンアピダンス”の振付講座を経てスタート。冒頭から愛らしく響かせる歌声に呼応してフロアがピンクに染まるなか、キュートなパフォーマンスをみせる前田。それをなぞるオーディエンスとともに、一体感も生んでいく。サビでまたも愛らしくダンスで魅せれば、2-Aメロでは「私は……かわいいでしょ?」とあざとく問いかけ、落ちサビ最後のセリフなども含めて直前までとは違う形でファンをとりこにし、そのまま「ゆめガール」へ。冒頭からすさまじいコールが響くなか、この曲でもイントロやサビなどではキュートなダンスを披露。さらに2サビ後にはオーディエンスとともに曲に合わせた“応援の振付”タイムがスタート。会場全体がそれを行うさまをお立ち台から見下ろし、盛り上がりに満足気な表情をみせれば、続いて各血液型や誕生月などファンを区切っての振付でともに楽しむ。最後に再び会場一体となっての振付を目にし「今日からお前らが、ゆめガールだ!」と“認定”してフロアを沸かせると、熱量そのままに「ヤババ!」へ。歌声にエールを乗せてポップなナンバーを彩れば、自身の先導によって腕振りが巻き起こった1サビでは、そのフロアを楽しそうに覗き込む場面も。その後も笑顔をあふれさせながらこの曲らしい前向きなエネルギーで場内を満たしていくと、それに心を躍らせるファンの姿を目にした前田は表情に嬉しさもにじませながら、ジャンプエンドでフィニッシュ。曲明けにも「楽しすぎてヤババー!」と歌詞になぞらえ喜びをあらわにし、「みんなの顔がキラッキラで、めっちゃ楽しかった!ありがとう!」と感謝を伝えていた。
そんな「楽しい!」で満たされたライブも、次がラストナンバー。この追加公演に向けて、またファンに楽しんでもらえるようカバー曲など新しい要素を込めたことを改めて言葉にすると、昔の自分と重ね合わせながら歌ったナンバー「花香リ春薫ル」の披露へ。淡いピンクの逆光に照らされて歌い始めれば、その言葉どおりに情感をめいっぱいに込めて、しっかりと前を見据えて素直な想いをボーカルに乗せていく。その歌声は大サビでやや強さを増し、決意などが込められたかのようなものに。そんな大事な曲を最後までまっすぐ響かせ、一礼とともに前田はステージを降りた。





だが、暗転の中でも拍手は鳴りやまず、そのままアンコールを求める声に変化。そしてその声が次第に「ま・え・だ!」「か・お・り!」と紛れもなく彼女へ送られるものへと発展すると、その声に応えてステージに再登場。「常識外れヒューマン」からアンコールを始め、それに呼応してフロアはグリーンの輝きに染まる。そんなフロアをお立ち台から見下ろしながら歌っていくと、1サビラストにはそこからジャンプ!大サビ後にも「Fuー!」とシャウトしたりと、自身の高ぶりや楽しさをパフォーマンスの形で発露していく。またサビ中の「問題ナイ」のフレーズは前田の先導により大きなコールとなり、再度観客のボルテージを上げていった。
歌唱後には改めて、自然発生的に誕生した独特すぎるアンコールの声にも言及。袖にいながら笑っていたことも明かしつつ感謝を伝える。そして最近、音楽を入り口にファンになったという声が届いたことへの嬉しさを語ると、「昔から前田の応援をしてくれている方々とも、ずっと温かくて最高の場所を作っていきたい。いろいろ入り口はあるかもしれないけど、『前田のライブに来たら、もれなく次の日超笑顔!』っていうアーティストになりたいなと思ってます!」との決意も表明。そんな彼女が次に歌うのは、初めて1曲全体の作詞を手掛けた曲。今と昔とを繋げる、「Progress」だ。昔抱えていた葛藤も引き出しつつ歌い始めると、サビではボーカルに力をぐっと込め、ぱあっと開けるようなサウンドに乗せて希望感じる歌声を響かせていく前田。そんな“今”の彼女へと観客から、自然と拍手がおくられる。そして楽曲に疾走感が生まれると、歌声にもさらに強さが。終盤にはお立ち台に上って腕振りで場内の一体感を生めば、ラストはオーディエンスとともに大合唱。その声をイヤモニを外して受け止めながら、最後まで穏やかな微笑みとともにフロアを見つめ、「ありがとー!」の言葉とともに曲を締めた。

歌い終わって、「ライブってすごいね!」と生の感慨を言葉にする前田。そんな彼女に、1st LIVEでは号泣してしまったこの曲をしっかり歌いきったことへの称賛の声が上がり、「これからも成長する姿、見ていてください!」と呼びかける。そしてファンをバックに“狂犬のポーズ”で記念撮影を行うと、「いっぱいみんなで、盛り上がりたいなって思います!」の言葉からラストナンバー「Dream's Top Star!!」へ。イントロからすさまじいコールが巻き起こるなか、前田はステージを歩きながら歌唱。Bメロでは拳を突き上げサビの冒頭では腕振りとコールを扇動するなど、言葉どおりにラストまで“みんなで”盛り上がっていく。1サビ明けの間奏でもマイクを向けてさらにフロアを引っ張っていけば、ただ盛り上げるだけでなくDメロではスタイリッシュなラップに続いて力いっぱいに歌い上げたりと、魅せるポイントも交えていく。最後も前田自身が思いっきり楽しそうにコールを先導し、お立ち台の上からのジャンプエンドでフィニッシュ。最高の笑顔で清々しく「ありがとうございましたー!」と感謝を告げ、熱くて楽しい夏の終わりの一夜を締めたのだった。









ライブハウスならではのパフォーマンスやファンとのコミュニケーションを通じて、またひとつ新たな経験を積んだ前田佳織里。しかもそのなかでボーカルの強度や歌声のへたらなさ・ステージングのタフさなど、1st LIVEからの成長を感じさせてもくれた。この経験を生かして次はどんな楽曲を生み出し、そしてライブを通じて私たちに届けてくれるのだろうか?今後の活動におけるさらなる飛躍が、心から楽しみでならない。

原稿:須永兼次
写真:鳥居洋介


前田佳織里1st LIVE 2025 「Are You Ready?」~Extra show~ 東京公演
2025.09.04@LIQUIDROOM
【SET LIST】
M00. Awakening Overture
M01. 光ったコインが示す方
M02. Stranger
M03. ポジティブガール
M04. Fantasy
M05. My “I”
M06. 最後の花火が上がる頃に
M07. もってけ!セーラーふく
M08. いけないボーダーライン
M09. ショータイムは終わらない
M10. キュンアピ
M11. ゆめガール
M12. ヤババ!
M13. 花香リ春薫ル
EN1. 常識外れヒューマン
EN2. Progress
EN3. Dream's Top Star!!


<リリース情報>
LIVE Blu-ray
“Kaori Maeda 1st LIVE 2025 「Are You Ready?」”


◆受注期間:8月15日(金)18:00 ~ 9月30日(火)23:59
https://www.asmart.jp/maedakaori_blu-ray2025_asm
※こちらはアーティストオンラインショップ「A!SMART(アスマート)」での予約受付商品となります。
※商品のお届けは11月中旬ごろを予定しております。


◆形態
・Blu-rayのみ:
価格:¥8,800(tax in)
品番:AZXS-1056  POS:4573630212717

※LIVE本編映像+ドキュメント映像収録
※トールケース、12Pブックレット
※収録内容:
2025.4.27に開催された、LINE CUBE SHIBUYAでの初のワンマンライブを収録。
ライブに向けたリハーサルや、当日の舞台裏の模様を記した「1st LIVE “Are You Ready?” Behind The Scenes」と題したメイキング映像も収める。
(注)ワンマンライブのすべての演目が収録されるわけではございません。


・ 収録公演:
前田佳織里 1st LIVE 2025 「Are You Ready?」
2025年4月27日(日) 会場:東京・LINE CUBE SHIBUYA

・収録曲:
M00. Awakening Overture
M01. 光ったコインが示す方
M02. Stranger
M03. ポジティブガール
M04. Fantasy
M05. My “I”
M06. 最後の花火が上がる頃に
M07. 愛がとまんない!feat.前田佳織里
M08. ショータイムは終わらない
M09. キュンアピ
M10. ゆめガール
M11. ヤババ!
M12. 花香リ春薫ル
EN1. 常識外れヒューマン
EN2. Progress
EN3. Dream's Top Star!!

・メイキング映像:
1st LIVE “Are You Ready?” Behind The Scenes


ニュース提供:A-Sketch

<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>