薫り語り

不意に強く薫る 朱華色(はねずいろ)の風は
乾いた心を 吹き抜けて
花散らし 何処へ向かう?

誰にも頼らず ひとりきり
強くなることが 生きることと思ってた
諦めと孤独が 全てだった ずっと
あなたに会うまで

ひらひらと降り積む 幾千の感情(おもい)たち
閉ざしてた心が すこしずつ解けてく
あたたかな温もり 薫り立つ此の場所で
人のあはれに 優しさに
愛(かな)しさに 気づいたから

ひとつひとつ違う 命の色模様
どれもが切なく咲き匂い
ひとときの夢を見てる

あなたの痛みに触れるたび
胸が騒ぐ理由(わけ) 今は上手に言えない
幸せとは何か?真実とは何か?
いつの日かきっと

寄りそえば世界は 柔らかに色づいて
大切な気持ちを すこしずつ知ってく
繰りかえす季節も 人々の営みも
傷ついた過去 それさえも
未来へと 繋がってる

眼を閉じて 深く息を吸い込み
今 ここにある 慈しみを 祈りを 抱きしめよう

ひらひらと降り積む 幾千の感情(おもい)たち
ひらかれた世界へ 煌めきを帯びてく

笑い 泣き 語らう 鮮やかな時間(とき)の中
本当の自分を すこしずつ知ったよ
あたたかな温もり 薫り立つ此の場所で
人のあはれに 優しさに
愛(いと)しさに 出会えたから
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