酔いのブルース

風が圧(の)し掛(か)かる 冬の海嵐
俺の過去すべて 消してくれないか
明日へも飛べぬ 時化(しけ)た人生よ
生きて来た証(あか)し みんな消してくれ
酔えぬ…いくら… 飲んでも
何で…何で… 夜よ…
夢見てた暮らし あいつは もう居ない
男ひとり 馬鹿なブルースよ

夜明け雪の町 北の港町
夢の足跡(あしあと)を ひとりつけながら
軋(きし)む船音に 煙草火をつけて
これからの俺の 道灯(みちあか)りにして
波よ… 風よ… 怒鳴れよ
朝よ… 朝よ… 来るな
何でだョ 何で俺だけ置いてゆく
男ひとり 泣けるブルースよ

夢がぼやけてく ひとり寒空に
港出る船が 何故だか愛しい
あの時お前を しっかり抱いてりゃ
あの時お前に はっきり言えたら
男… 意地を… 通すばかり
女… 泣いて… ばかり…
死ぬほどに 惚れたあいつが消えやせぬ
男ひとり 酔いのブルースよ
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