ゆれる

欠けたティーカップに
注いだ希望の水
じわじわとしみ出してく

裂けた布は二度と
ひとつにはならない
すべてを飲み込んだ朝

枯れていく花のように
静かにそうして受け入れた

消えてく それは突然訪れる
目を閉じて落ちてく 暗い闇の中
誰もが 背負いながら 歩いてく

ゆらりゆらり

揺れながら...

「おおきくなるまでは我慢しなきゃダメ」と
鵜呑みにしてた幼な子
(お前だけは幸せでいられるように)
願いは隠されていた

晴れわたる空の下
腫れた心は張り裂けた

溶けてく 身体の先しびれてる
救い出して欲しいの 溺れないように
汚れた 細い糸を手繰り寄せ

ほろりほろり

泣いていた...

人は皆平等に
散りゆくのだと受け入れた

「消えてく」
たしかにその通りでも
残された時間は あなたに捧げよう
憂き世と 別れ告げる その日まで

ゆらりゆらり

揺れながら...
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