男の庵

春まだ遠い 如月は
北風 襟立て 裏通り
なまじ器用に 生きてはゆけぬ
そんな奴らの 吹きだまり
夢の入り口
ここは隠れ家 男の庵

心底惚れて 惚れぬいた
女もやがては 出ていった
誰も覗けぬ 心の奥に
今も棲んでる 面影と
夢で逢おうか
未練つぎ足す 男の庵

本音をかくし 群れるのは
身過ぎや世過ぎで 生きるため
勝手気ままも 承知の上と
開き直れば すむものを
夢かうつつか
ここは隠れ家 男の庵
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