梅の木ものがたり

雪を背おって 凛(りん)と咲く
おんな意気地の しだれ梅
どんな苦労も はねのけて
生きろと教えて くれる花…
去年の春の 涙忘れて
いのちかぎりに 咲けという

それが時代の せいならば
泣いてどうなる ものじゃない
おもいがけない 夜嵐(よあらし)に
小枝をまげて 耐える花…
ひとたび行くと 決めたこの道
照らすほのかな 雪あかり

ひとつふたつと 咲くほどに
頭(こうべ)たれよと 親ごころ
人のぬくもり 忘れずに
春に先がけ 香る花…
人生一度 なってみせます
明日(あす)は誰かの 道しるべ
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