雨宿り

クチナシの香り
黄昏に溶けてく
夕立に濡れた頬は
涙を隠してくれる

差し出した傘に
まだ残るあなたの
温もりに跳ねた恋のしぶきに惑う胸

降りゆくまま身を委ねて
雨の仕業と言い聞かせて

あなたを見つめてる
かりそめの恋と知りながら
さよならは聞きたくないの
雨宿りが終わるまで

借りてた傘を 返すからと
改札越し 待ち合わせて
もう一度だけ 二人で会う理由(わけ)を探しても
時は過ぎる

独り言は 聞こえよがし
はやる心抑えきれずに
最後のわがままも
言えぬまま恋は暮れていく
虚しさに乾く心は
雨雲に手を伸ばして

ごまかすように 刹那のキスをして
遮る別れの言葉
戸惑う瞳にも 気づかないふりで

降り始めた 帰り道は
あの日と同じ傘の中
明日が来たら忘れるから
雨よ今は降り続いて
二人だけを隠していて

あなたを 見つめれば
かりそめの恋が この頬を濡らす
最後に 握りしめるの
二人だけに あの雨がくれた
雨宿りのような恋を

さよならの声は
朝焼けに溶けてく
駆け抜けた通り雨に
今でも見ている夢
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