魔法にかけられた少女

13の少女は 魔法にかけられて
悲しみに布団をかぶり
自分の身体を掻(か)き毟(むし)っていた
暗い押し入れの中で

どうして私だけ ねえ
私だけ みんなで笑うの?
居場所さえ 見つからず
誰かに救い 求めてた

心を殺して 少女は眠った
日々をロボットのように歩く
笑顔も消えて 目をつむったまま
真実を伝える声もなくした

鏡に映った 少女の姿は
長かった 髪は剃られて
いつもいくつも 言われたままの
傷は瘡蓋(かさぶた)のままで

どうして私だけ ねえ
私だけ みんなで責めるの?
仕方がないんだと
紫の痣(あざ)見つめてた

ひとつの違いに 縛られながら
人を好きになるのも嫌で
未来が見えて 絶望するの
恋はしないと言っても 愛した

魔法がとければ 元に戻れるの
いつも夢見た 君でいいよと
鏡の中の私は 言うの
そして眠りから 目覚めた…

魔法がとけてく 少女は生きた
黙っていたら 変わらないよと
勇気を出して 少女は叫んだ
思い切り 私を愛して

生きると
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