酔いしぐれ

酒場どおりに そぼ降る雨は
お前の涙か 懺悔(ざんげ)の粒か
詫びりゃチクリと 胸を刺す
酒の水面(みなも)に 泣き顔が
浮かんで揺れる 酔いしぐれ

運命(さだめ)哀しい 浮世の風も
あなたとだったら 寒くはないと
言ったお前に 背を向けて
ひとり願った しあわせを
悔やんで呷(あお)る 酔いしぐれ

花が散るよに ネオンが消えりゃ
未練の残り火 ポツリと灯(とも)る
夜も更けゆく 居酒屋で
酒の水面の 面影に
瞼(まぶた)があつい 酔いしぐれ
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