ひとひらの雪

はらはらと はらはらと
雪が降る こころに
赤い花 赤い花 雪椿ひとひら
なぜ 一夜だけの なぜ 恋人(ひと)なの
なぜ もえ残るの くちびるが
素肌にはおる 絹の単衣(ひとえ)に
移り香が闇にこぼれ じれる黒髪

こらえても こらえても
あふれだす 愛しさ
雪の宿 雪の宿 降りつもる哀しみ
なぜ 朝が来るの なぜ 別れの
なぜ ひとり行くの そばにいて
汽笛が遠く 白い平野を
追いすがる瞳の中を あなた消えてく

あなたに心 心やつれて
雪国の春は遠く 空に降る雪
雪国の春は遠く 空に降る雪
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