港町雪月花

七つの姉と 五つの俺が
しゃがんで泣いた 嵐の夜明け
あの日から あの日から
母さんの 光る汗は
ふりつもる 我が家の雪を
集めてすてる 小川となって
父亡き港の 街を流れる

小さくなって 生きては駄目と
姉貴も俺も 叱られたっけ
あの日から あの日から
母さんの 光る汗は
ほの暗い 我が家の窓に
希望を点す ラムプとなって
父亡き港の 街に輝く

七つの姉も 二十才で嫁ぎ
漁師の妻のきびしさを知る
いつの日も いつの日も
母さんの 光る汗は
哀しみを 黙って流し
しあわせはこぶ 銀河となって
父亡き港の 春を呼んでる
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