sa・ku・ra

さくら、サクラ、舞えよ、踊れ
ぼくをつつみこんで…

この花を見る度に
また一つずつ咲いてゆく記憶
めぐり逢い、愛しあい
そう、永遠に続くと信じた

重ねし言の葉、
甘き髪の匂い、
薄紅に染まりし
おぼろ月夜の恋

さくら、サクラ、舞えよ、踊れ
ぼくをつつみこんで
春を告げる風に乗せて
名前を呼んでみる
さくら、サクラ、埋め尽くして
現(うつつ)を幻で
そしてぼくはひとみ閉じて
あの日に帰るんだ

この花が散りゆけば
またひとひらの想い出に変わる
すれ違い、傷つけた
後悔さえも、淡い色になる

いまならわかるんだ
あの言葉の意味が
さよならの代わりに
告げられた、ありがとう

さくら、サクラ、花の雫
君がくれた涙
ずっと、ずっとぼくの中に
生き続けてるんだ
さくら、サクラ、いまの君は
誰を見つめてるの?
思わずさしのべた指を、
せつなくすり抜ける

年に一度、君は必ず
春の予感を届けに
あの日のままの姿で、そっと
ぼくに会いに来てくれるんだ

さくら、サクラ、ねえ、聞かせてよ
せめて霞む前に
いまもぼくは君の中に
生き続けてるかな?
さくら、サクラ、舞えよ、踊れ
はかなき夢模様
そしてぼくは目を醒まして、
また歩き始める
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