安月名莉子、デビュー5周年記念で魅せたアーティスト性『5th Anniversary One-Man Live「Azu is」』レポート 2023/12/14
安月名莉子、デビュー5周年記念で魅せたアーティスト性『5th Anniversary One-Man Live「Azu is」』レポート
  • LINEで送る
デビュー5周年を迎えたアニソンアーティスト・安月名莉子が、11月26日(日)渋谷チェルシーホテルにて『5th Anniversary One-Man Live「Azu is」』を行った。

この日の渋谷は朝から、自他共に認める雨女・安月名莉子の面目躍如となりそうな空模様。しかし次第に回復し、会場には安月名莉子自らデザインを手がけたモノトーンのライブグッズに身を包んだファンが列をなす。若い男性が中心ながら女性の姿も目立ち、様々なアニメ作品で楽曲を歌唱してきた安月名莉子らしい幅広いファン層が窺える。

SOLD OUTで超満員となった渋谷チェルシーホテルのステージ上は、ドラムセットやギターが並ぶシンプルな構成。定刻となり、バンドメンバーに続いて安月名莉子が登場すると、「歌声の止むときは運命の終わり」というフレーズで始まる、アニメOPらしいアップテンポな前奏の『かたち』で開演。

楽曲に合わせ緑のペンライトが点灯した場内へ向け、格好良さとベロア生地にこだわった大胆な衣装に身を包んだ安月名莉子が伸びのある歌声を響かせた。
「みんな逢いたかったよ。盛り上がっていけますか?」
と声をかけ、一転して情熱的な『Keep weaving your spider way』に歌い継ぎ、ペンライトが赤く変わった客席を扇動して、コールを引き出す。
「楽しんでいただけてますでしょうか?皆の熱いパワー見せてください」
と問いかけ、「Yes! I KNOW yes! 」の軽快なフレーズが印象的な『Chance! & Revenge!』へ。自身のイメージカラーである蒼いライトに照らされた安月名莉子が指先で客席に狙いをつけ「準備は?」「OK」のコールで一体となる。










宇宙にまつわる単語を散りばめた壮大なスケールの『Glow at the Velocity of Light』で、クラップに乗ってハイトーンを響かせ、再び自己紹介した安月名莉子は、
「良い天気でしたね」
と語りかけ場内の笑いを誘う。そして台風や降雨に見舞われた過去のライブを振り返りつつ、10月29日にリリースした新譜と同名のライブタイトル『Azu is』が、「As is (そのままの)」と、自身の名前との造語であることを明かし、
「ありのままの、私の音楽を聴いてもらいたいと思ってこのタイトルにしました。
これが安月名だ! っていう音楽を最後までお聴かせしますので、最後まで楽しんでいってください」
と力強く『Whiteout』へ。白いライトに照らされながら、「Tell me」「Why me?」という印象的なリフレインをブルース調に歌う。続いて暖色のライトが灯り、客席へ「主、失くした言葉は 寂しく街を彷徨う」という強いメッセージの幻想的なバラード『Sayonara』を届けた。







アコースティックギターを携えた安月名莉子は、自身が作詞作曲を手がけた新曲『DAISY』へ。「今の私だから書けた歌詞・メロディー」である「一輪咲いた 儚いデイジー 胸にあった 費やした時間が今 輝きだした」という鮮烈な歌詞を、想いを込めて歌う。さらに
「もっと蒼い炎を見せて」
とリクエストして『BLUE CYALUME』へ。同じく自身が作曲し、ZAQが編曲したアップテンポなメロディに「絶対生きたい君と叶えたい だって誓ったあのステージで…」と心情を吐露する様な熱い詞を乗せ、蒼い光が眩く客席へ向けて放つ。
「バンド最高」
と叫んだ安月名莉子は、コロナ禍が落ち着きをみせたことで、リリースイベントや海外でのライブでようやく会話が出来るようになったと近況を報告。
「自己肯定感爆上がりで(笑)凄くパワーになってます」
と謝意を伝えると、自ら作詞作曲を手がけ、バンド編成では初歌唱となる『ないものねだらせたもん勝ち』へ。「コンプレックス=最強だ コンプレックス≠最悪だ」という青春の叫びに、ライブTシャツにも刻み込んだ「Wild & Free! Go my way!」のコール&レスポンスを決めて一体となる。

ここでギターの弦をつま弾き、一転してスローバラードのカバーナンバー『Stay Alive』へ。白いライトが瞬く会場へ、切々とハイトーンを響かせて喝采を浴び、テンポアップして『たたくおと』へ。イエローのライトが瞬く中、「世界ぜんぶがきらいと泣いた痛い僕を雨ピンで綴じた」と歌い上げる。間を置かず、ピンクのスポットライトに照らされながら甘酸っぱく切ないラブソング『君にふれて』で「君と一緒に “特別”をただ 見つけたいんだ」と、しっとり歌い継ぎ、MCで気持ちを伝えることへの難しさを吐露。色々な表現活動の中から歌に出逢った頃から、路上ライブなどで苦しさもあったアーティスト活動の思い出を振り返る。

「5年前に、オーディションを受けてなかったら…と思うと、今ここにいるみんなと逢えてない世界線もあるんですよ。だから1つ1つ運命を大事にしたいなと思ってます」
と、微笑を浮かべて場内を見渡し、持ち歌が3~4曲、デビュー前の曲と共に挑んだ1stライブや、片耳が難聴になった苦しい時期もあった5年間を振り返る。
「今までMCで、成長が止まらないです…って言い続けて来たんですけど、今になって初めて言える言葉があって。5周年を経て、ようやく、安月名莉子が完成できたなと思います」
と述べると、大きな拍手が沸き上がる。
「常にここがスタートライン…って言い続けて…色々なスタートラインがあるな、と思ってたんですけど。新しいスタートラインを捜す旅が今から始まった…っていう、わくわくが止まらないです。どんな音楽がこれから産まれるのか、とても楽しみなので、皆さんに、私の気持ちが届いたら、とっても嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします。
ここから最後まで一気に突っ走っていきたいと思います。体力有り余ってますよね?」
と扇動した安月名莉子は、ダンサブルナンバー『Shouting My Soul』で「渋谷いくよ!」と絶叫した。










タンバリンを手にした安月名莉子は『はいてはすう』の前奏に乗って、ベース・西塚真吾、ドラム・濱野喬亮、ギター&バンマス・北島優一を紹介。クラップしたくなる軽やかなメロディに乗せ「死にたいとかってつぶやいても2ふぁぼ」という痛切な詞を声高らかに歌い上げる。「そうだ、そうだ 何度でも」というリフレインが鮮烈なアッパーチューン、『be perfect, plz!』で盛り上がると、『BEYOND』を軽やかに歌い、客席と手を振り合うミラーで一体に。歌い終え、
「ありがとうございました」
と頭を下げた安月名莉子とバンドメンバーが大きな拍手を受けながら、ステージを後にしたが、暗転した場内に大きなクラップと「アンコール」の声が沸き上がる。

 熱い想いに応え、安月名莉子が再登場。満員御礼の場内を見渡した安月名莉子は
「この景色見たら…」
と、こみ上げる想いを吐き出す様に、
「おっきくなりたい…」
宣言。
「もっとおっきくなりたい…と思いました(笑)今までの私なら言えなかったですけれど、自分の楽曲に凄い自信がある今なら言える…って感じました。
こうやって新しい言葉を、5周年を迎えて言える様になるっていうのが、今、凄く嬉しくて。その感謝の気持ちを、皆さんに伝えたいなって思います。
今、本当に素敵な、色々なクリエイターの皆さんが手がけてくださった楽曲が沢山あるし、自分自身の楽曲にも自信があるので…もっともっとおっきくなりたいです。
完成した安月名を、ここからの安月名を、見届けて頂けたら嬉しいです。音楽は嘘をつかないので、真っ直ぐ、これからも歌を届けていきたいなと、今、ここに立って、本気で思いました。これからもずっとずっと、応援よろしくお願いします。
不器用な面もある私ですけど、私の歌を愛してくれてありがとうございます」
と安月名莉子らしい言葉で想いを伝え、大きな賛同の拍手を得る。バンドメンバーを呼び込んで各人に感謝を伝えると、
「まだ聴いてない曲あるよね」
と前置きし、『知らなきゃ』へ。「絶望の果てであのひとは笑ったの 綺麗 理解したい いつかこんな私でもあのひとみたいに輝く日が?」という、これまでの自身に重なる様な歌詞をラップパートと変調が入り交じる高BPMの難曲に合わせて歌いきる。盛り上がりのままにアップテンポな応援ソング『selfish』で、「全力でいよう わがままはそう ささやかな願いごと 好きな自分でいたいって 叶わなくてもone more」と、等身大の人間賛歌を響かせた。

「最後はみんなで、1番おおきなジャンプしようね」
と、叫んで飛んだ安月名莉子は、勢い余ってタイミングを大きく外し、
「これが安月名です」
と崩れ落ちながら爆笑を誘い、場内が満面の笑みでフィナーレへ。
「今日は本当にありがとうございました」
と謝意を示し、5周年の記念すべきライブは大団円を迎えた。










デビュー以来
「“喜怒哀楽”人間の全部の大切な感情に触れる音楽を歌いたい」
という想いを籠めてきた安月名莉子の、歌への愛が溢れる、エモーショナルなライブだった。
アーティストとして新しいスタートラインを目指す安月名莉子。その6年目の大いなる飛躍への期待が高まった渋谷の夜空には、星が瞬いていた。

ライター:こもとめいこ♂


『安月名莉子5th Anniversary One-Man Live「Azu is」』セットリスト

セットプレイリスト (未配信・カバー楽曲除く)
https://open.spotify.com/playlist/7EAL3Gs6kbnDlVH1RWmiui?si=Psim8HSQRQK04wA17Ytw4A&pi=a-Wxh7QxIvSSuP&nd=1&dlsi=c1d4624d9d9a47cd

01.かたち
02.Keep weaving your spider way
03.Chance! & Revenge!
04.Glow at the Velocity of Light
05.Whiteout
06.Sayonara
07.DAISY
08.BLUE CYALUME
09.ないものねだらせたもん勝ち
10.Stay Alive (Cover)
11.たたくおと
12.君にふれて
13.Shouting My Soul
14.はいてはすう
15.be perfect, plz!
16.BEYOND

EN.1 知らなきゃ
EN.2 selfish

■「安月名莉子Official Site」
https://azuna-riko.com/
■公式YouTube Channel「安月名莉子ちゃんねる」
https://www.youtube.com/@user-ds3nv5co7d


<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>