ナイスポーズRYUTist | RYUTist | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | こっち向いてよ 今から撮るから 変な顔しないで ちゃんと考えて いっつもふざけて そんなのばっかりで また今度ねって まあしょうがないかって いつからそんなむずかしくて分厚い本を読むようになったの タイミングの悪い 退屈な主人公 大して起こらない 大変な事態 西日と建物の影を縫って走ってく電車の窓際で うとうとした肩を叩かれて振り返るまばたきの中 いっせいに飛ぶ綿毛 透明な空の手 見えるもの見えないもの 全てをもう信じてしまう こんな時がきたら私はおどろいて立ち止まるはずだったのに 君の主張は 一貫してこうだ 思い出はもっと 目に焼き付けろ 私はそうは 全然思えない 憶えていられないこともあるよ あの日謝れなかったことをなんとなくうやむやに謝る アイムソーリー ソーソーリー ドンウォーリー ドンウォーリー ハユドゥーイン ハユドゥーイン テイキットイージー テイキットイージー さっきからどこか上の空つまんなそうなほっぺたつっついて 怖がらせないで そんな訳ないよ 絶対心霊写真じゃないよ 終わらないで来週の楽しみ 昨日の夢の中の不思議 いつまでも話していたい こんなこと考える日がくることをぼんやりと知っていたけど ぎりぎりで青だった横断歩道渡った君と ためらって渡らなかった私 そうだ今だ!行くぞ! 弱々しく見つめない 背中を伸ばし顎を上げて 指でつくった四角 真ん中に据えた君が思い切り地面を蹴って ジャンプして両手でピースをした ナイスポーズってだけ叫んだ ガッツポーズだけしてみせた ずっと考えてくれてたの? ナイスポーズってだけ叫んだ |
結婚しました柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | やっぱハワイより船に乗ろうよ 麦わらの影の網目 なんにも変わらないね こっちだけが休みで悪いね うちのチワワと亀と鳥は今日も明日もまたかわいいね 閉じこもってしまう部屋は無い方がいいと思う つくりもののまつげからこぼれ落ちる涙のうしろを マツダの軽で追いかける泥まみれの赤い靴 芍薬でしょうか薔薇でしょうか あの日の花火を例えるなら 今好きなことどれくらい 好きでいられるかなんて話 夢見た 夢のために今日も なにもかもやりすごせそうな気配 はじめて大きな音をたてて こだわりのテーブルを叩く よろこんで買って来た 箱の中身はちばてつや 振り返ると春夏秋冬と 気づかなくなってきた髪の毛の 色や長さに気をつけないと あっという間に謝れないまま 流れる川が ただ流れる 流れていくのをただ見て居る だますよりはだまされる方が まだいい まだいい まだいいよ 雪もあんまり降らなくなって 暮らしやすい楽な北国 明日の朝の雨降りは ふたりでは持てぬ傘が要る 絵に描いてた梅は散ってしまい 枝だけ広がる画用紙も 許せるようになった日々が お待たせと頭を掻いて 広げた手はとぼけたふりして 何もかも知りながら待っていた 離されない手をただ離さないように 離されない手をただ離さないように |
ラッキーカラー柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | いつも夜が遅いふたりのため喫茶店をつくろう 歩いて行けて歩いて帰れるところにつくろう 雪で止まった電車の窓に遮られ消えるためいき 今日の終わりをなぐさめる火曜定休の店を 君の悩みは聞けば聞くほど仕方がない いつか死んじゃったらどうしようって ラッキーカラーの深いイスにもたれて 黒い水をすする さっきから目が合わないね 今日のラッキーカラーの深い海にのまれて 身動きの取れないすーすーしてるくちびる 面白いことだけ好きなあなたのために ある日突然空っぽになった部屋をどうぞ 壁が倒れて急に野原の真ん中聴く強いざわめき 裸のままで寝たらしいあなたの凍えて光る腕 これは神様の捨てちゃいけない落としもの どこでそんな風に思ったっけ 淡々とした愛がわからなくなって すぐに地図を見てる いくつも灯台があるね 今日のさっきまでが急になつかしくなって 気づくなら気づくようにぶるぶるぶるしている目 なにも悟らないで なにも承知しないで かばんを開けたのや上着を羽織るのや 席を立つのも意味なんてないよ ラッキーカラー・ラ ラッキーカラー・ラ ラッキーカラーは黄色とオレンジ 急に離れることのできないふたりのために 毎日少しずつ広がる岸辺と岸辺に住み いつか橋をつくろう |
アニマルフィーリング柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 髪をかきあげてアニマルフィーリング すべり落ちたその先に 固い意志も時にはにかむのみ そう ring そう フィーリング 露草のようにしたたるばかりに 身も蓋もない喉元の問い とぼけたふりしてたなれの果て slow quick そう フィーリング るるるるるる るるるる るるるるる ときどきそういう風に 色とりどりに るるるる るるるるる ときどきそういう風に 見殺しじゃないよ 鍵をかき集めじゃんけんぽん 負けた人と人同士で 流鏑馬したいと言いかねない slow quick そう フィーリング るるるるるる るるるる るるるるる ときどきそういう風に 色とりどりに るるるる るるるるる ときどきそういう風にフィーリング 1・2・3 で始まる笛が 1・2・3 で終わる 輪になって始まる夢が 輪になって終わる 1・2・3 で始まる笛が 1・2・3 で終わる 輪になって始まる夢が 輪になって そう フィーリング |
佐野岬柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 3万借りたら5万返すよ くっついてくるつむじの匂い 金なんかなくても俺なんかいなくても なんでもかんでも立派にやってる あんたにわたしの気持ちがわかれば 返事のひとつも来るでしょ年賀状 お金があってもあんたがいなくても こうして書いてる毎年やってる やっぱり来ないや7日に来ないや たましいこぼれて流れる駐車場 落ち着け今夜はまだ6日だ 今まで一度も裏切りは無いだろ 紙切れひとつで金魚をすくって も一度すくって土に返す時 ヨーグルトのスプーンを立てて ペンで名前を書いて拝んでた レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 男ばっかりの夏のお楽しみ いつも曇りで断崖絶壁 白黒してるきびしい横顔 「人生は長い」聞き流せない 食えよ喰らえよ若いんだから ここから絶対入ってくんなよ 独り占めしたけっこういい部屋 ノックひとつで飛んでくうずら レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 馬鹿と火傷に薬は塗らない お前の付き添い ヨーロッパくんだり 河を映して崩れた瞳を 抱きしめた時だけ本当だったな 父親の手が悪ふざけをして 死んだ息子の好物を配る ひとりひとつの固い固い桃 知らず知らずのタフなメッセージ レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 僕の愛情がひとまわりして そこらじゅうが喜びはじめて 喜びすぎてついやってしまった それでもうれしい誕生日が来る! レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド |
涙柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 今年いちばんに欲しいものは? そのつぎに欲しいものは? つぎに欲しいものは? すぐに叶えられることは? ちょっとむずかしいことは? きっと無理なことは? 君の好きな人が好き 誰かの言葉ばかり 言ってるのわからないの? 言ってるのわかってるよ 茶柱が立ってた いいことがきっとあるよ うれしい今よりも起きてもないことを信じちゃうよ ここが朝になったり 夜になったりするように そこが朝になったり 会いたい人に会ったり 寝ないでがんばってたり 目を見て言うよほんとうに 目を見て言うよほんとうに ある日坂道で考えてた さんさんと日差し浴びた このテーブルにおいでよ その日までがんばるよ 上の階のおやじさんが 今夜も月を見ている 安心して眠って 安心して なにも変わらない誕生日が 過ぎてった夏の高架 ほっとしてかけた電話 真面目くさった夜の会話 もういよいよ終わりか 踊るように外に出て 踏んだとこから星屑が 舞い上がるきらきらと あの朝昼夜どれのどの時よりも楽しく 久々に通ってみた青い青いもみの木 メリーメリークリスマスフォーユー ここが朝になったり 夜になったりするように そこが朝になったり 恋しさをこらえてたり 寝ても寝ても疲れてたり わかった全部 わかった全部って思うほど あーあ すぐに涙がでちゃう 全然泣かないあなたの前で この涙いくつくらいで その涙ひとつくらい あーあ すぐに涙がでちゃう 全然泣かないあなたの前で この涙いくつくらいで その涙ひとつくらい |
いい人柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ああ 祝福は遠い 人のつぶてを踏んづけてきた 踏んづけてきた あの日のあの時のあの人の心は そこにあっただけ そこにあっただけで 気がつけばあざになっていた 気がつけばあざになっていた ありふれたあざ ありふれたあざ ありふれた朝に 私は悪い人で とびきり悪いやつで もう道は細く もう窓は重い あじさい畑の一輪も雨をあきらめて しゅんと折れていた しゅんと折れていた それに水をやる人を見た それに水をやる人を見た ああ いい人を見た ああ いい人を見た ああ いい人のした いいことを見た 見た 見た 見た 喜んだ 見た 見た 見た 焼きついた ビバ ビバ ビバ 間に合った 見た |
すこやかさ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 旅から帰った思い出が たのしいことばかりなら よどみなく青くすらすらと 話し続けたら イメージの中では何週間も何年間も あたためたはずのやさしさは幻 おそるおそるドアをノックする ノックすると 私が見たのは想像以上の朝 しんとした部屋をそっと行く そっと行くと 見つめ返す すこやかさ すこやかさ どう?このシャツどう? うーん どうでしょう? うーん どうだろう 低いでしょ 赤いでしょ でかいでしょ 月でしょ もってない言葉で 叫んでるイメージで 以心でしょ 伝心でしょ 努力は大事でしょ おそるおそるドアをノックする ノックすると 私が見たのは想像以上の朝 しんとした部屋をそっと行く そっと行くと 見つめ返す すこやかさ なだらかな肩 |
心の中の猫柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 田舎の山を下って 港の見える丘まで 窓の外の青空は 隠しても眩しかった ただいまとドアを開け 床たたくマシュマロが お互い気が向いた時に なついたりほころんだり 聞こえないはずなのに 聞こえた気がするような 日差しの中で声のかぎりを聞かせてほしい 猿になっても 雉になっても きっとわかるから さびしむし楽しむし 腹に乗る膝に乗る 風呂のふたに寝そべる 心の中 猫が居る 寒い足指先に さわった気がするような 光の中できみの鳴き声聞かせてほしい いつになっても 灰になっても きっとわかるから まだ枯れそうもない恋しさに返事してほしい ニャーでいいから それでいいから 返事してほしい |
東京メロンウィーク柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク そう 君が思った通り 誰より冴えた眼差しが捉えていた よってたかってばかにされた計画 線路沿い垂れたつぼみが かたくかたく縮こまった後に 目を覚ました 秘密がやっと明るい日向に 出て大きく伸びをした今日は メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク そう 君の信じた通り 誰にも止められなかった情熱は 山をひとつふたつ越え 昇る空も知らない限りに 自信と迷いの雲行き 容赦ない荒野 潤み淀む目だけに確かに 見えている景色の先には メロンウィーク ああ メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク メロンウィーク ああ メロンウィーク 僕のとこにも 私のとこへも来た 東京メロンウィーク 君が差し出した 東京メロンウィーク 私のとこへも来た 東京メロンウィーク 君が差し出した 東京メロンウィーク |
ジョイフル・コメリ・ホーマック柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 来るな春よ ジョイフル・コメリ・ホーマック あれやこれの使い道わからないまま ひんやりした銀色の筒をなんとなく買ったね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 店はいつも ジョイフル・コメリ・ホーマック 自転車に乗って坂道を雨に打たれ 駆け込んで自販機のあったかいボタンなんべんも押したね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック だれにも内緒でバス停の片隅 丸太ひとつの手作りベンチこっそりと置いたね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック うんざりするほど ジョイフル・コメリ・ホーマック 行くな春よ ジョイフル・コメリ・ホーマック No one knows your mind. No one knows your mind. |
捧げます柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | いのち膨れる(ふくれる)低いメロディー 腕をつかんでやっと引き止める 女神立つ かもめ鳴く 晴れただけの一日 もっと気軽なスーツで相撲とっても だれも怒らないし だれも憎まないし 捧げます! パパパパ パパパパ パパパパ 壁にはりつく白いメロディー やけに悲しいワルツしかもう 弾けぬ自動演奏ピアノ 切れる明かりのひもが垂れてる 愛で何かが変わったとしたら 変わるんだとしたら 捧げます! パパパパ パパパパ パパパパ |
ワンコロメーター柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 2丁目の吉田さんのとこのワンコのことだけど こないだの祭りの日の夜に迷子になってからというもの 呼べど叫べど探せど出てこないよ どこいったの? なにあったの? まるで葬式吉田さんち ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー ヒマラヤの奥地のテレビ番組中継の アナウンサーのうしろを通り過ぎようとするこども 満点の笑顔 めずらしいもの見てみたいよ そろそろ帰ろうとしてるその子が連れてるワンコが ここにワンコがいるぞ 吉田さんちの吉田さんちの ここにワンコがいるぞ きみのワンコがいるぞ ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? 3684キロキロメーター ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? 3684キロキロメーター 遠すぎるよちょっと遠すぎるよ 時が過ぎると人になつくよ 遠すぎるよちょっと遠すぎるよ 時が過ぎると人になつくよ ワンコロリン ワンコロリン コロリン ワンワン コロリン ワンコロリンワン ワンコロリン ワンコロリン コロリン ワンワン コロリン ワンコロリンワン ワンコロリン ワンコロリン コロリン ワンワン コロリン ワンコロリンワン ワンコロリン ワンコロリン コロリン ワンワン コロリン ワンコロリンワン 2丁目の吉田さんのとこのワンコのことだけど こないだの祭りの日の夜に迷子になってからというもの 呼べど叫べど探せど出てこないよ どこいったの? なにあったの? まるで葬式吉田さんち ここにワンコがいるぞ 吉田さんちの吉田さんちの ここにワンコがいるぞ きみのワンコがいるぞ ここにワンコがいるぞ 吉田さんちの吉田さんちの ここにワンコがいるぞ きみのワンコがいるぞ ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー ワンコロメーター ワンコロメーター おしえてワンコロメーター あの子のとこまで何メーター? なぞめいた番犬レーダー アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) アア~(アア~) ワン! |
セパタクローの奥義柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | Shining Morning 刺されたくなきゃ 長いズボン 長い袖 籠にのこぎり、なた、かま すいかは今のうち冷やしとけらいでんを すこやかにまっすぐ伸びやかで 節の長さのいいのだけを選んで たおすリズムをうまくやるには サンバサンバそれともルンバ セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー 竹とれ 節とれ 角とれ さーさーさーさーさっさと起きた起きた 竹ならべ山から水汲んで流せ流せ そこの人ひまならほらこっちおいで 流しはじめはぜひ町内会長で ちっちゃい子からとらせてあげなきゃ 咲いた咲いたひまわり咲いた サンタサンタ来ないなサンタ 読んだ読んだ7巻読んだ セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー セパタクロー |
スプライト・フォー・ユー柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 新幹線の窓から富士山が見えた 富士山見るのははじめてだった 新幹線には何度も乗ってたけれど 富士山見るのははじめてだった あいつなんかもう友達じゃないや そう思ってるんだろうな そう思ってるんだろうな 泣きたいほうが涙こらえて 富士山見れてうれしかった いなか者だからね 飛行機から見ても信じられなかったから はじめて富士山見れてうれしかった 窓辺に座るあなたのことを 何度も写真に撮ろうとしても カメラ忘れたり寝坊したりで 結局なにも撮れなかった とっくのとうに日は暮れて マウンテンデュー・フォー・ユー あるとうれしい泡の飲みもの スプライト・フォー・ユー たまにうれしい泡の飲みもの |
後悔柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ああ、きた、あの曲がきた ねえ、いま、きみも気づいた? 目深の帽子の奥の まぶたに光が跳ね返る 背すじを伸ばして準備する 気もちをおさえて準備する みんなは気づいてないみたい 暗やみの中で踊りだす ああ、足のうごきがいいね! うつむき加減の背中 抱きしめたくなっちゃう ああ、手を取り合うこともないけど 夢のようにただたのしいね きのう名前を変えたよ きっちり外国風のに 赤いソファーが届くよ 畳に置いたら変かな? ここからしあわせ祈ってる 遠くのあの子に祈ってる みんなもみんなで祈ってる ありがとう、おめでとう、また会おう! ああ、バッティングセンターで スウィング見て以来 実は抱きしめたくなってた ああ、ほほえみ合うだけで 何もかも忘れてただたのしいね ああ、抱きしめていれば 抱きしめ合ってれば 自然と本気に 抱きしめてくれたら 抱きしめていれば 抱きしめ合ってれば 自然と本気に 抱きしめてくれたら |
大作戦柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ひっぱり合うひもこっちが強けりゃそっちも強くなる 漕いでるシーソーこっちが重けりゃ釣り合ってくれる 山と山のてっぺんで呼び合ってロマンチック 何から何までたのしいこころに出会った今日です 世界がバランスとってまわってても それでもこのたび自信があります なんだか知らないちからが湧きます いいことしか起こらない気がする この作戦、大成功する、大成功する、大成功する、大成功する予感 大成功する、大成功する、大成功する、大成功する予感 きっとこの角を曲がればそこにはパピヨンいるはず 世にも不思議な飼い主がパピヨン散歩してるはず そこからあれよあれよとはなしが弾んで喫茶店 行きたいところはないかと訊かれてアゼルバイジャン こういう具合に世界がまわってても ひたすらサーフィン練習するだけ いらないものまで持ってる気がする 勝手に元気がでてくる気がする たくさんのチアガールがいる、チアガールがいる、 チアガールがいる、チアガールがいる たくさんのチアガールがいる、チアガールがいる、 チアガールがいる、チアガールがいる そういうことで世界がまわってても ものかげから太陽を見ている みなぎり溢れてびゅーびゅーしている 最高の一瞬にジャンプできる スタンドには、応援団いる、野次馬たちいる、 好きな人がいる、こわい人がいる スタンドには、応援団いる、野次馬たちいる、 好きな人がいる、こわい人がいる 100m9秒で走る、9秒で走る、9秒で走る、9秒で走る 100m9秒で走る、9秒で走る、9秒で走る、9秒で走る予感 |
あなたはあなた柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | やたらと昔からハイヒール履きたがって 年下だからと口紅とってこさせて 別れたときを覚えていないのにあのことだけ 痛みもなくあざやかな春 うわさに聞いたけど銀行につとめてるって 嫁さんもらわずに毎週出かけて行くって なにかが欠けているなにかがありすぎる 人のきもちとして間違っている 頭が足になるような奇跡が起こらないかぎり ぼくの悩みは間違っている ぼくのいらないものを欲しい人はいませんか ぼくの欲しいものをいらない人はいませんか あなたの休日はたまに贅沢をして 遠い外国にもひとりで行くって おみやげなんにも買ってこないで いい匂いだけで帰ってくる おかあさんも知らないような香り わたしはわたし あなたはあなた 放っておいてとも思わないの わかってくれとも思わないよ 好かれても嫌われても人と人とのことだもの いつか赤い屋根の温泉行きたいの おみやげなんにも買ってこないで いい匂いだけで帰ってくる おかあさんも知らないような香り わたしはわたし あなたはあなた おみやげなんにも買ってこないで いい匂いだけで帰ってくる おかあさんも知らないような香り わたしはわたし あなたはあなたなのよ 胸のつかえに目薬さしてくれたあなたと観覧車 高いレールの上を走る黄色いふたり乗り自転車 胸のつかえに目薬さしてくれたあなたと観覧車 高いレールの上を走る黄色いふたり乗り自転車 |
天使を見てる柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | オールナイトロング ミカエル ガブリエル ラファエル 白けてる ザビエル パスピエール きのう夜おそくに きみのつくった映画を見たよ 雪景色のなかでおどる女の子 そよ風がたしかにほほに触ってくれて きれいなきもち オールナイトロング さみしい部屋に 座る3,000円の古いヘビのあたま みんなむこうで燃えている ぼくはなにひとつ捧げる気にならず しばらく目も開かず景色も見えない 好きなひとの好きなものばかり 集めてしまう かなしいの集めをやめられないのは なんでだろうね 春はぽかんとしてる |
遊んで暮らして柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 岸田繁 | 5年もすれば髪も伸びるよ 顔つきだって変わってしまうよ 女らしくなったって言われてみても 男やってたつもりないけど 恋にうつつを抜かし尽くして 抜かすついでにちょっと転んで 季節は来るより行くばっかりで 犬も食わない幸せな朝 遊んで暮らして思いつくのは らららとるるるとらららだけ デッドベア似のたぬきが逃げる はじめて好きなところに住んだ るきさん読んだってあきらめつかない 横たわる日々のひざ裏の汗 遊んで暮らして思いつくのは らららとるるるとらららだけ あの人はここで生まれて育って 家族はみんなやさしい人で 稲穂を黒く塗りつぶしてく 心臓のはやさに電車が追いつく よみがえってもいつまでも居ても どっちもなんだか居心地悪いな あの人いつか死ぬとしたら あの人の歌 歌うたう真夜中 遊んで暮らして思いつくのは らららとるるるとらららだけ 遊んで暮らして思いつくのは らららとるるるとらららだけ |
ゆべし先輩柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 岸田繁 | ゆべし先輩 もう忘れてしまいましたか先輩 白い肌 ゆべし先輩 春が来ても冬が来ても先輩 黒い肌 陸上部に入って ハードル飛び越えて もう後ろも振り向かない ゆべし先輩 ゆべし先輩 もう指でぷにぷにできないの ゆべし先輩 岡山に来たらふと思い出す先輩 白い肌 ゆべし先輩 ラケットが風を横切る先輩 黒い肌 ゆべし先輩 ひとりだけ球がおそいよ先輩 黒い肌 テニス部に入り直して 土にまみれてるうちに 過ぎ去っていく青春 ゆべし先輩 ゆべし先輩 もう外で運動もしないから ゆべし先輩 春が来たらお別れですね先輩 社会人 ゆべし先輩 残業終わり街をとぼとぼ 先輩 先輩 |
思惑柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | わたしね急いで さいごの電車帰るふりして かくれて待ちぶせ 声をひそめて背中まるめて たすけてどうして みてはいけないものみた かっぱかっぱかっぱだ ぱぱぱかっぱかっぱかっぱだ かっぱはおどおど 妖怪じみたオーラめらめら 見つけてほしいと 見つけないでの間の気分 ほんとはうれしい いてはいけけないとこにいるの かっぱかっぱかっぱだ ぱぱぱかっぱかっぱかっぱだ わたしの一番星とっくに帰っちゃった 今夜のいち大事は水平線に沈む 世の中全然思惑通りに いったらいったで 1, 2, 3, 4! かっぱははにかみ いじいじしてこっちをちらちら 朝までかっぱと 行ける店などあるはずもなく 川べり ふるさと思い出して かっぱがぽろり かっぱかっぱかっぱがぽろり かっぱかっぱかっぱが 今ごろくやしさ こみあげてきてどうしようもない ぽかぽかなぐった 気の向くままになぐりつづけた かっぱはおどろき ぽろりと泣いて怯えている かっぱかっぱかっぱがぽろり かっぱかっぱかっぱが |
忘れたい柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | しみのあるカーテン しおれてるサボテンたおれてる そとのあかりは100点満点 軽々持ち上げる黒いバイク すすきむせび泣く公園 口をきかないで立つ街路樹 タイヤには切られた跡が四つ 踏切が開くのをじっと待つ 忘れたいことを忘れても 忘れられないことを忘れても 忘れても忘れても まだまだまだまだ忘れたい しずかに閉まるドア 枯れたら愛を失くす窓辺に 最初から枯れたように咲く もう枯れてしまった白い花 おしゃれなコーヒーカップ もらいものだけで生きてる興奮 神様指差しわらっている もっともっと笑ってよ もっともっともっと 忘れたいことを忘れても 忘れられないことを忘れても 忘れても忘れても まだまだまだまだ忘れたい 忘れたいことを忘れても 忘れられないことを忘れても 忘れても忘れても まだまだまだまだ忘れたい |
さばーく柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 言っちゃうばかも 言えないばかも どっちもばか のうなしの憂い いっちょまえに いきぬきしすぎ せいせいしすぎて こわい ラブレター ラブレター 日々の支え 悪趣味バーで 待ってて 暇してまして 羽目外しそう 温泉が出るんだ センスだけで掘ってやんだぜ ポリカーボネイト ポン・ワッツ・オン かんちがい はずかしい あーあ さばーく さばーく ハウス夢みる野生のあなた ソウル・ル・ル・ルール テレビぱきんと 割れしゃれこうべ まったくね (がっかりね) ごめんね (てんてんてん) 歩いてオアシス行こうかね あるのね世界に まさか世界が ユー・アー・マイ・ファイア 土手に呼び出して 星影迫る この一本道で 沈丁花 んふふ 金木犀 んふふ まんなかで 折れ曲がる季節 すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっぷ すきっす 言っちゃうばかも 言えないばかも |
リスが来た柴田聡子 | 柴田聡子 | 山本精一 | 柴田聡子 | 山本精一 | ぼくは好きな人の名前が どうしても思い出せない ここまで出かかっているのに ノドの方まで出ているのに リスが来る リスが来る ずいぶん平たくなったな きみはどこか理不尽で いつもいつも不可思議で ぼくは部屋のあかりをまるで 朝まで消せはしないんだ ぼくはずっと覚えてる きみはみんな忘れてる なんだかうまく言えないけど そろそろたぶんお別れだ リスが来る リスが来る 今日もすごく怒ってる? こどもの頃から手癖が悪い 欲しいものはなんでも盗む 別に食べたくもないけれど 変な顔になるばかり リスが来る リスが来る ひどい悪口を言いながら リス リス リス リス リース リス リス リス リス リス リース リス ダイエットしながら 太ってんじゃねー!! |
コーポオリンピア柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | こころこめすぎたら 変なプレゼント よろこんでる よろこんでくれてる 変なところから 変なそよ風が そよいでいる そよいでいる なにも思わずに なにも考えずに 青空にそびえたつ コーポオリンピアの2階では うかれさわぎ コーポオリンピアの2階では うかれさわぎ うかれさわぎ うかれさわぎ もちつもたれている 怒り怒られてる ふたりだけで ふたりだけで できない そうはさせない 言えない そうはいかない もどるところはひとつ コーポオリンピアの2階へと つづく扉 コーポオリンピアの2階へと つづく扉 つづく扉 つづく扉 |
愛の休日柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ斜面を ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ斜面を こらえて...こらえて... ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ斜面を ころころころころころ... ころころころころ転がって ころころころころ斜面を みんなに会いに 羽根のように星のように 馬のせなかこぼれる あさつゆのように こらえて...こらえて... そこをそっとこらえて こらえて...こらえて... そこをそっとこらえて ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ斜面を ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ転がって ころころころころ斜面を みんなに会いに 風のように鳥のように 双子の虹をなぞる あまつぶのように こらえて...こらえて... そこをそっとこらえて こらえて...こらえて... そこをそっとこらえて ころころころころころ... |
ニューポニーテール柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | わたしからあなたへの手づくりのプレゼント わたしがずっと使ってきたわたしをあげる! わたしからあなたへのまごころのプレゼント 使い古してきたからできるだけ早く捨ててね わたし、わたし、下は女、上は男 わたし、わたし! 下も上も使いきって あの波を越えて行けば きらめく砂浜 太陽の腕で眠る わたしからわたしが消えて真っ青な空と海 目にみえるものはすべてサファイア、ルビー 肉となるための今日、血となるための昨日 骨となるための今日、すみれの花 すみれの花が、すみれの花が すみれの花が、すみれの花が わたし、わたし、下は寒い川の中 わたし、わたし! 靴無しでは耐えきれない 耐えてこの川を行けば ひらけた山道 汗が光る額 わたしからわたしが消えて真っ青な空と海 目にみえるものはすべてサファイア、ルビー このからだ何も無い ついに目玉だけになって これ以上無いくらいもうなにも無い! わたしからあなたへのプレゼント、プレゼント プレゼント、プレゼント、もう床が抜けそう わたし、わたし、下は砂漠、上はひみつ わたし、わたし! つに目まで無くなったら 目の奥に見える景色 万華鏡の壁ぎわに張る虹のくもの巣 わたしからわたしが消えて真っ青な空と海 目にみえるものはすべてサファイア、ルビー わたしからわたしが消えて真っ青な空と海 目にみえるものはすべてサファイア、ルビー さんご・ダイヤモンド・パール・プラチナ さんご・ダイヤモンド・パール・プラチナ さんご・ダイヤモンド・パール・プラチナ |
好きってなんて言ったらいいの柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | れんこんの穴にお箸を詰めて 冷蔵庫にそっと置いておいて 見つけたきみは何も言わず お箸を抜いて支度を始める そんなくらいの溝に苛まれて はげしく怒りを覚える なにもかも許せてしまうのは とても品が無いことだと叱られる 70才と15才と深夜の4丁目で 知らない飲み物飲んで 真っ昼間の5丁目で グレープフルーツジュース飲んで ふたりとも一日二度眠るらしい そんなくらいの友達でしか 過ごせない店が有るんだという 70才は15才を70才だと 15才は70才を15才だと言う みずうみ枯れた訳を ここで訊いたら海に失礼じゃないか こんなにすてきなものがあると 心変わりしてずっと見ていようと そればかり見て 安心して心配していたいのにね 忘れたり思い出したりに明け暮れ 安心して心配していたいのにね 忘れたり思い出したりに明け暮れ ある時間ある人と ある場所で待ち合わせするしか この街で息をして靴をはく理由が無いの 昨日からずっと明後日の 目覚まし時計をかけて 今日からずっと明々後日の 服を着て 安心して心配していたいのにね 忘れたり思い出したりに明け暮れ 安心して心配していたいのにね 忘れたり思い出したりに明け暮れ パパパヤパパパヤパパパヤパパパ |
ポイズンレークパーク柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 心がね心がねって胸のまえで 心がね心がねってまるをつくって そこに心なんてあった試しが無いけど まるいかたちが月に似てるね 空気がね空気がねって息を吸って 窓がね窓がねってさびしがるけど 置いた花をけろりと忘れて 枯らすよこがおが心づよいね 1・2・3 1・2・3で魔法がかかって 1・2・3 1・2・3で鳥になって 飛んで行きたいといつも言うのに 家を買う人を好きになるね |
ぼくめつ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | からだがすごくすごく寒い 具合がすごくすごく悪い めまいと震えがひとつずつ 交互に指をかじってく あの時座り込んだことを 倒れたって言うのかな 人に埋もれて眠りたい 肌に埋もれて眠りたい 前歯ばっかり大きくて はだかみたいなねずみを見たよ 熱にやられた脳の奥で 残るあの日の 遊園地 動物園 水族館 走る煙が走っていく 道を煙が走り抜ける 聖火リレーのインチキに 本気で怒るひとの手に 目玉の溶ける温度の炎 骨もなくなる温度の炎 本当の炎があるのなら 燃やしつくして見せてみて |
ばか・あほ・まぬけ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 朝焼けのふたりはせのびを競う 肌にのこった暗やみをほろう 見守るもの見てるもの何ひとつないのが 自慢の時間、寝ても覚めても進まない ほとほと疲れてお手上げの夜更かしで むずかしい本もついにめくるページがない あごがうえを向き 顔があらわれる みすぼらしいポストには 分厚い本がまた届く 高い買い物や待ち合わせの時間を 責め合うちからで磨かれていくひみつ 気づいた生き物はだんまりを決めこんで ゆくえを占うかけごとでもりあがる 目玉と目玉になったあとに奴らは どういう言葉で話し始めるのだろう いただきで二人は焼け焦げて立ち尽くす 景色にあふれるひとやものに飛び上がる |
悪魔のパーティー柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 年越しそばを食べて 初詣からもちつきまで 寒いところにしばらく旅に いち早く風に吹かれて 梅を愛でて桜を愛でて 夜桜まで見物して ストーブなしで夜を越えて ここからはこれから 1月2月3月4月5月6月までは ちょうど半円のカーブ 8月9月10月11月12月までは まっすぐの細めのリボン 7月は穴 丸くあいた穴 落ちる人があとをたたない すずめの丸い腹のことを 考えながら踏みはずす 玉入れしたい子どもたちは 穴をバスケットの代わりに 赤も白も関係がない ただただ玉を投げ続ける 1発2発3発4発5発6発までは 勝ちも負けもないはなし 8発9発10発11発12発までは おさいせんを投げるポーズで 1軒2軒3軒4軒5軒6軒までは のぞくだけでひまつぶし 8軒9軒10軒11軒12軒までは うそ泣きうそ泣き 泣き落とし |
マンドリン・ピアノ・デュエット柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 読めない漢字の連続で 何度も電車を乗り間違える 桜が道に散っている 何一つ春のかがやきが無い 川と、 山と、 海と浜 趣味で続けたマンドリン 聴かせてみたいと思ってたけど あなたの耳にたんぽぽの 綿毛が詰まって知らんぷり 僕はピアノをたくさん弾くよ 私は歌をおおきく歌う からだの色がピアノに似てる だから仲良くできるはずだよ 私が歌っていても 僕はピアノに夢中 どっちが大事かなんて 決して選べるものか ひとの住まないとこにふたりで 住んでみたのはいいけれど 僕がピアノを弾いてるあいだ 私はどこか出かけてる 見上げてみると君が見える 私は僕のうしろで歌う 恋のはなしをしいてるあなたは かわいいけれど死んだような目 だから、だから、 だからピアノを弾いていて 聴いて、聴いて、ほらマンドリン だから、だから、 だからピアノを弾いていて 聴いて、聴いて、ほらマンドリン |
わかっているのに柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ふたりで読めない手紙送り合ってため息ついて パンパンパンパン パパパパパパパン パパパパパパパン パンパンパンパン パパパパパパパン パパパパパパパン わからない言葉をわかろうとしてため息ついて パンパンパンパン パパパパパパパン パパパパパパパン パンパンパンパン パパパパパパパン パパパパパパパン こんなに泣いて耳鳴り 鼻水ズルズル止まらないのに きっとかみさまほとけさまには 目も耳も鼻もついてないんだ 読ませる気のない手紙送り合ってため息ついて |
サン・キュー柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | さけがのみたきゃはかばへいけよ ポンしゅにしょーちゅなんでもあるぞ じじいもばばあものろいはしない さけがのみたきゃはかばへいけよ さけがのみたきゃはかばへいけよ ポンしゅにしょーちゅなんでもあるぞ おまえのにょうぼもこどももいない さけがのみたきゃはかばへいけよ さけがのみたきゃはかばへいけよ ポンしゅにしょーちゅなんでもあるぞ こころのやさしいひとしかいない さけがのみたきゃはかばへいけよ さけがのみたきゃはかばへいけよ ポンしゅにしょーちゅなんでもあるぞ おまえのにょーぼもこどももいない さけがのみたきゃはかばへいけよ |
ファイトクラブ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | こんな夜中に電話をかけるあの男はあたまがおかしい それを今かと待ちかまえてるあの男もあたまがおかしい そんなふたりのあいだにはさまってにこにこしてる女のあたまが きっといちばん、やっといちばんおかしくなったらせーのの合図で なぶりあい、なぶられあい、なぶりあい、なぶられあい あの子いいこねと鼻をきかせる女のからだうつくしい あの子いやだと目を光らせる女のからだうつくしい そんなふたりのあいだにはさまってにやにやしてる男の顔は おおかみのような目、光もなにも無いけど いっぽんあしで立ってるすがたを なぐりあい、なぐられあい、なぐりあい、なぐさめあい 夢をみた、女と女がこっちを見ながらひそひそ話して ふたりは一緒にとびらをくぐって光の中の光の中へ 男と男のあいだにはさまって突然に目が覚めた男は 派手なパーマ、思い切った水色、サンバとタンゴのあいだのリズムで なぶりあい、なぶられあい、なぶりあい、なぶられあい |
アワーホープ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | きっとあなたはたいへんな気分 海よりも山よりも 高くも低くもない踏み台から 見下ろす高速道路 まぶしい蛍光灯をぜんぶ 叩いて割ってまわらないと まぶしい太陽のひかりあふれる窓 まぶしい太陽のひかり ぼんやりにぶいあかり なにかをころさないと まぶしい蛍光灯をぜんぶ 叩いて割ってまわらないと まぶしい太陽のひかりあふれる窓 まぶしい太陽のひかり ぼんやりにぶいあかり なにかをころさないと |
あさはか!柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | この部屋がふとんだらけになればいいのに きみとわたしの実家でいちゃいちゃしようよ ねーちょっと起きようよとか ねーちょっと起きようよとか ねーちょっと起きようよとか そんな話しながら ねーちょっと起きようよとか ねー少し眠ろうよとか あのテレビの予約全然大事じゃなかった 今日は寒いから今日のことは明日に任せて 明日になったら 明日も寒いから明日のことも明日に任せて ねがいはひとつ ねーちょっと起きようよとか ねーちょっと起きようよとか ねーちょっと起きようよとか そんな話しながら ねーちょっと起きようよとか ねーなにか食べようととか ばちが当たりそう 明日あたりには きみと死ぬまでいっしょにいたいなんて そんなこと言わないよ きみと死ぬまでいっしょにいられるわけないから ちょっとさめてしまうよ あさはかだな どっちが先に死ぬの ちょっとかなしくなるよ あさはかだな どっちが先に死ぬの ちょっとさめてしまうよ |
狼少年パグ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | とじてとじてあけないで そっとそっとしずかにして ぬいてさしてえらぶ足 月がどんなにきれいでも おこさないで よばないで 山びこは眠ってる おおきい声をださないで 急にあかりをつけないで 口のなかに羽がある はがゆい思いをしていても それとこれは 別のこと 他はみな眠ってる たのしい夢をみせないで きたない口をきかないで かかとの高いくつはもう 海に捨ててきたけれど おこらないで 泣かないで 山びこは眠ってる 山びこは眠ってる 山びこは眠ってる |
A・B・C・D・いいこちゃんうどん兄弟 | うどん兄弟 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | なんにちかぶり なんかげつかぶり そういうのは全く 支度する! 考えてたこと 夢のデート いつか京都 一泊旅行はまだまだ まってまってまって 日記につけてる思い出ひろば 毎日耐えてる おっとそんなこと こつこつ なる靴 半径5m以内に近づく 空気の中にあなたの気配を めーいっぱい吸って吐いて ウって止めたりピタッとする準備 電車の中でコツコツ自撮り 白目と黒目 どっちが好きでも 困らないように うちまた そとまた 練習しとけば いつか その癖 わたしに張り付く 半分以上でたらめの山 いっしょに登ろうヨ・ヨ・ヨ・ヨロレイヒ ヤッホー 見えますか こちらからはそりゃもうありありと なにからなにまで見えて 見えるよ ちょっと気をつけてよ 捨ててあげようか 携帯電話 手ぶらで山登り しようよ 持ってったって ゆくゆく ソーナンなんだし Aちゃんのつぎわたし Bちゃんのつぎわたし Cちゃんのつぎわたし Dちゃんのつぎわたし Aちゃんのつぎわたし Bちゃんのつぎわたし Cちゃんのつぎわたし Dちゃんのつぎわたし わたしはいつも会いたいとか 普通なコが思うことぜんぜん 信じてないことたくさんあって 言ってることも もう全部うそだと思ってるから さいしょから平和な 野原に眠ってるおんなの子 Oh Cちゃんです あなたのC子ちゃんです ぜんぶ差し上げちゃって カラッポ中身ないちゃんです 手放したら 風船なんですヨ おもりをつけてから ばぶばぶしてヨウオウオウネエーエー みなさ~ん、おひるごはんですよ~ 食べよカゴのバスケット まんたんイッチ サンドイッチ 誰でも彼でもおいでよおいで 香水シュッシュ かざかみダッシュ 香りがあなたのとこまでひゅうと 届いて、にっこり どう?サンドイッチ ピクニック日和にお電話ちょうだい 雨の日にはないのね あれ、キグウね なにしてんの? こんなきたない地下街 だれと? だれと? だれと? だれと? 待ち合わせ? ほこり かぶってるカメラ屋さんの なにこれ?インスタントカメラって言うのかな いっせいフラッシュ あれ、どしたの? わたしでしょ? わたしでしょ? わたしでしょ? わたしでしょ? あなたはぼんやり見ているだけの 血を血で洗う息止めっこ競争に いちばん勝ったら これから 息も止まるような 息できないよな はっぽうふさがりのハワイ旅行 片道切符でぜんぜん平気 Aちゃんのつぎわたし Bちゃんのつぎわたし Cちゃんのつぎわたし Dちゃんのつぎわたし Aちゃんのつぎわたし Bちゃんのつぎわたし Cちゃんのつぎわたし Dちゃんのつぎわたし |