1 WEST 72 STREET NY NY 10023小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | “あんた地下鉄のにおいがする” “君はオイルのにおいがするよ” 裏切られて2晩ずつ泣いた後 2人はこんなふうに始まったんだ 最初に2人はベッドで愛を持ち寄り かたく手をつないで日陰をとび出した 女は上手にダンスを踊った 男は上手にBRUCEをうたった 駅前で演説を30分聞いた後 募金箱を持った女をからかった 号外で紙飛行機を飛ばして ネックレスを売り払い食事をすませた Oh well well 2人ならきっとうまくやってゆけるよ Oh well well 何ひとつ2人を止めることなんかなかった 夜になり大きなネオンにさしかかった時 ふたつの影は沢山の靴に踏まれた モザイクのような星空を見上げて 破れたポケットから小銭をこぼした “俺達をどこかへ加えてくれないか?” だけどそれから夜は花火のようにはじけた 壁のポスターは警官にはがされ 信号は赤の点滅を続けた Oh well well 2人ならきっとうまくやってゆけるよ Oh well well 何ひとつ2人を止めることなんかなかった 夜が明けてすっかり老けこんだ体で ダコタへたどり着いた2人は 朝日に静かに洗い流された サビついた時計は新しい時を 刻み続けてる Oh well well 2人ならきっとうまくやってゆけるよ Oh well well 何ひとつ2人を止めることなんかなかった Oh well well well…… |
FILM GIRL #2小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | 君は最初に目を奪われた 俺の顔を見れなくするために それはとても 辛い出来事で 金はその夜俺に泣きついた でも君がぐずぐずしてるうちに 今度は耳をだまし取られた 俺は君に教えてあげたけど もう君には聞こえなかったんだ フィルム・ガール愛しい人よ フィルム・ガール恋しい人よ ディレクターは優しいかい マネージャーはよくしてくれるかい スタイリストは綺麗にしてくれるかい ボスは次は君の何を奪うつもりなの 手足をすげ替えられたことに 君はもう気づきもしなかった 愛をもて遊ぶ仕草も覚え 君は平気で笑えるようになった ねぇ君お別れの時がきたね マネキンのお守りなんてまっぴらだ 君は踊るために生まれ変わり 冷たい横顔がとても綺麗だ フィルム・ガール愛しい人よ フィルム・ガール恋しい人よ ディレクターは優しいかい マネージャーはよくしてくれるかい スタイリストは綺麗にしてくれるかい ボスは次は君の何を奪うつもりなの ボスは次は君に何をさせるつもりなの |
カーニバル小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | 朝がきて憂うつな気持ちで目を覚した きのうの夜のかけらがベッドにうずくまってる 交した約束はもう忘れさられて 夢見ることも忘れた街が動き出した 俺達の夜のとりでは壊されて 裸のままで朝日に照らされた 俺はふらつく足で立ち上がり 生まれたばかりの街を歩き出した いくつもの夜が過ぎて いくつもの朝を迎え 俺達ここで生きてゆかなければ ちっぽけなカーニバルに乾杯 俺達がつかんだ真夜中の真実は 始発電車に巻き込まれ輝きを失なった つくり笑いをこわばらせ1日が始まり 誰もが無責任な顔でエキストラを演じてる 通りに立ちつくし俺達は ため息まじりにただ夜を待ってる 今夜こそこの手に真実と 報われる夢をつかむんだ いくつもの夜が過ぎて いくつもの朝を迎え 俺達ここで生きてゆかなければ ちっぽけなカーニバルに乾杯 いくつもの夜が過ぎて いくつもの朝を迎え 俺達ここで生きてゆかなければ ちっぽけなカーニバルに乾杯 |
ILLUSION小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | 電車が止まり扉が開くと 僕らは行列をつくり まぬけな顔とすきだらけの背中で 通りへどっとくり出し 都会のチンケなジョークにただ笑う 君のアメリカンはコーヒーだけじゃなく 今に始まった事じゃない 綺麗な服着て綺麗な店で おいしいものを食べてる君は みんなとまったく同じに素敵だ 僕らは光に集まり都会をつくった そしてビルの影でチャンスをうかがいながら 幻のようなハンパな夢を見続ける 子供達はアスファルトの公園で ひざを擦りむきながら 自分達の未来を切り刻む 大人達をにらみつける 細過ぎる足と腕を振り回し セントラル・パークのダンサー達は 労働者階級のヒーローをめざし 借り物の 50'sにステップをそろえ 自分の額の汗に酔いしれる 僕らは光に集まり都会をつくった そしてビルの影でチャンスをうかがいながら 幻のようなハンパな夢を見続ける 僕らは光に集まり都会をつくった そしてビルの影でチャンスをうかがいながら 幻のようなハンパな夢を見続ける イリュージョン・イン・ザ・シティ |
朝まで待てない小山卓治 | 小山卓治 | 阿久悠 | 村井邦彦 | | あきらめ捨てたはずなのに 恋は眠りを忘れさせる 闇に向かっておまえの名を呼ぶ 今すぐ会いたい 朝まで待てない あきらめ捨てたはずなのに 胸がつぶれて1人の辛さ かみしめながらおまえの名を呼ぶ 今すぐ会いたい 朝まで待てない ドアを閉ざしておまえは俺を 冷たく拒むだろう あきらめ捨てたはずなのに 夢が途切れたこの空しさ こらえきれなくおまえの名を呼ぶ 今すぐ会いたい 朝まで待てない ドアを閉ざしておまえは俺を 冷たく拒むだろう あきらめ捨てたはずなのに 夜の街を駆けていきたい 声がかれてもおまえの名を呼ぶ 今すぐ会いたい 朝まで待てない |
HEAT OF THE NIGHT小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | バックストリートからはい出した 俺達ネオンにとりつかれ 真夜中の街を流してる 約束をタイヤで踏みつけ 前の角で殴られてた 男ときたら俺にそっくりさ そこの角で客を待ってる 女ときたら君にそっくりさ 246 246 俺はジョン だから君はヨーコ 246 246 あきらめたわけじゃないんだぜ 246 246 in the night 俺達暗闇に潜む のろまでまぬけなアメリカン・ドリーマー だけどあんたの世話にゃならない 指図するのはやめてくれ 俺達がホントに欲しいのは あんたのくれるものじゃない だから今夜アクセルを踏みこみ そいつを探しに出かけるのさ 246 246 俺はジョン だから君はヨーコ 246 246 あきらめたわけじゃないんだぜ 246 246 in the night 真夜中の聖者を気取り ナイフのようなハンドルで 俺達は夜を引き裂いて サイレンに取り囲まれた 国境のないこの国では 必ず追い詰められるのさ ほらほらまた赤信号 俺達ここから逃げられやしねえ 246 246 俺はジョン だから君はヨーコ 246 246 あきらめたわけじゃないんだぜ 246 246 in the night |
Aの調書小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | その日社長に怒鳴られた 1日中16のスパナでネジをしめる いやにならないほうがどうかしてる だけど社長ときたら頭ごなし 油だらけのこぶしで殴られた だからといってそれが動機じゃない いつものように3分で電車を乗り換え 僕は目の前のおっさんの頭にむかついてた いやなにおいがそこら中に立ち込めてたし 僕と目が合った女はあわてて顔をそむけた その時突然我慢するのがいやになったんだ だからといってそれが動機じゃない もらったばかりの給料をポケットに突っ込み 僕は人ごみの中でキョロキョロしてた ゲームよりもけんかよりも刺激的な事 そんなものがあれば金だって払うさ とにかく僕は死ぬほど退屈してたんだ だからといってそれが動機じゃない テレビでピストル乱射のニュースを見た 僕ならもっとかっこよくやれるって思った 48口径のマグナムで頭をねらうんだ でもたまをいっぱつだけ残しておいて 最後に自分の胸を撃つんだ だからといってそれが動機じゃない 裁判長 僕をここへのぼらせたのは あなたがつくりあげた正義という壁だ 誰でもいい 誰でもよかったんだよ 僕は自分が生きてるって事を確かめたんだ だからほら僕の目は輝いてるだろう? 僕は今新聞のトップに載った男だ あなたの正義より僕のほうが正しい |
NO GOOD!小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | この街で仕事を見つけ 正直に働いてきた だけどまわりのお偉方 俺に出すサインはNo Good! ここでは俺はイエス・マン 従うだけのイエス・マン 意気地なしでは勤まらない 厚顔無恥の大都会 陽気に生きてく事さえ こんなにむずかしい 街角では浮浪者達の ホンキィ・トンク 道端の乞食を見て 少しだけ胸を痛め 次の角をひとつ曲がれば もうすっかり忘れてる ここでは俺はウォッチ・マン 眺めるだけのウォッチ・マン 知らぬふりを決めこんで 不幸のわきを素通り 陽気に生きてく事さえ こんなにむずかしい 街角では浮浪者達の ホンキィ・トンク 夜になるといつも 街を歩き回り 何かがつかめそうになるが それだけだ ここでは俺はウォーク・マン 自閉疾患者ウォーク・マン いつかラッキーにぶつかると 信じきって歩いてる 陽気に生きてく事さえ こんなにむずかしい 街角では浮浪者達の ホンキィ・トンク きのうひとつ 判った事がある ここでは勝ち続けなきゃ やってけないって事だ ここでは俺はシングル・マン 敵に囲まれたシングル・マン すわることなど許されない 正直物のギャンブラー 陽気に生きてく事さえ こんなにむずかしい 街角では浮浪者達の ホンキィ・トンク |
西からの便り小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | 小山卓治 | | 山に囲まれた 田舎町に生まれた ここではみんな はたちで髪を切る だけど土曜の夜は 裏通りのあちこちで 男達が町を出る 計画を練っている この町では誰もが 東をめざしている 町に流れるヒット・ソング テレビから流れるニュース 与えられたものだけで この町はつくられている だから男達は 夢の仲買人達の 東からの手招きに 心をひきずられる この町では誰もが 東をめざしている 出ていかなければ弱虫と呼ばれ 帰ってくれば負け犬と笑われる 誰もが自分を 選ばれた者と信じ やみくもに走り出しては 必ず痛い目に会う だけどいつの日か 出て行くことを夢見て 月曜の朝には 満員電車に乗り込む この町では誰もが 東をめざしている 出ていかなければ弱虫と呼ばれ 帰ってくれば負け犬と笑われる この町では誰もが 東をめざしている この町では誰もが 東をめざしている |