葡萄灯PLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | 夕焼け小焼けで 間も無く飛び交う 何機もの機影が 隣の町を焼き尽くすのだろう 不細工な神様が 大きな掌で君を隠しても 両の眼が灼けても きっと見つけ出すよ ねぇ 今夜 迎えに行くよ もう 二度と会えなかったとしても ねぇ どんな暗い道でも君と行くよ もう 二度と朝が来ない夜も 誰だって 暗闇が怖いのなら ずっと 隣で輝いていたいよ |
レーゾンデートルPLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | なぁ 雁字搦めで疲れたら 要らないものは ソックリ さぁ 屑籠へ 劣等感 苛まれた君は 説教めいたテレビを真に受けている 一回も転んだことない人って 再三と不貞腐れたなら もういいかい? 機嫌が悪くなる理由がどこにある? だって君が決めたんだよ、君の価値 ×と◯を数えて 弱い希望で紡いだ“存在理由”に 意味は無いね 余計な御世話? 案の定 泣きじゃくって 掛ける言葉も無いや 「母さん、私は必要ない人?」って どうだっていいね 皆 愛し愛されて 痺れ切ってしまった 感覚中枢 なぁ 強いて言うなら君は ただ 生まれて来た場所を呪っている なぁ だって貴方は気が付いている 平凡で有り触れているから 何も言えないね ×と◯を繋いで それが君だと言うなら 全然 皆目見当もつかないね 気にすんなって 仮に貴方が世界で一番孤独だとしよう 誰も君に手を差し伸べないよ 見えやしないな 皆 どうかしているだろう? 痺れきってしまったんだ、前頭葉 積もり積もっていた不満も 死にたがっていた時間も 感じられるのは生きた時間の間、余計な御世話? 君が立っている地面は 自分で固めた筈だろう? そこに居たいなら さぁ 耳塞いで 皆 誰が相手でもいいんだ それなら 君が立っていたっていいんだ 君を苦しめた 頭の中 悟られてしまいそうで 誰にも見えないよ、君の心は ×と◯を数えて 弱い希望で紡いだ“存在理由”に 意味は無いね 余計な御世話? 案の定 泣きじゃくって 掛ける言葉も無いや 「母さん、私は必要ない人…」って ×も◯も見ていない 清い身体の動物 “楽天家”に憧れっぱなしで そこに居たいなら さぁ 目、見開いて |
少女徘徊PLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | いつだって君は写真帳へ 低俗な思い出 加工して飾って 一瞬の煌めき 並べて 何回も繰り返したいんでしょう? 「つまんない人でごめんね、夢も希望もない」なんて 自業自得でしょう、そんなの さようなら 「空っぽになる手前です」 同情の余地もないので 被害者気取りは さぁ 辞めてよ お忙しい皆様 「たった一度のすれ違いで、なんか赤の他人みたいね」 「一夜 許した あの人も、米粒大の小さな価値が欲しかったのかも」 「心変わりなんてしないわ」 単純に心なんて無いから 「つまんない人と遊んで 赤くない糸を辿って 時間の無駄でした それでも嬉しかった」 付き合い切れやしないな、殆ど白紙の様だ それを 馬鹿が揃って愛でるの さようなら 「いつかこの冷め切った鼓動へ 触って温めてくれないか?」 そうやって いつも他人任せ 自分で温めてやれないか? 綺麗な言葉に変えて 歪んだ意図に変わって 繕い切れずにハイ、有耶無耶 繰り返す つまんない命を頂戴な、気が向いたら 手を伸ばせるなら 掴むよ 分かっている 似た者同士だ |
Cover StoryPLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | 冷たい空気を吸い込む 僕は誰かに伝えないといけない 気が付いたら 絶望の泡 数えてしまいそうになるね いつも独りで 奇怪な作り話を考えては 名前付けた 君に見つけて欲しかったんだ 世界は どうしようも無い程 綺麗な物ばかり溢れ返る その分だけ 汚れちまった物は埋もれる 表層に無いから 素晴らしくないんだって 誰かが言ってた それに迎合するの 何で? 彼の呼吸では 君は肺を満たせないよ そうでしょう 冷たい空気を吸い込む 僕は誰かに伝えないといけない 気が付いたら 絶望の泡 数えてしまいそうになるね 温度に触れる それは何より確かな情報 気が付いてよ 芸術賛歌で終わらせないよ もう 空気を吸い込む 僕は君に認めて欲しかったよ 気が付いたら 言い訳なんてつかない所まで来た 皆 違っている考え それの何が素晴らしいのだろう おかげで 十六年間ずっと恐れているよ 冷たい空気を吸い込む 僕は誰かに伝えないといけない 気が付いたら 絶望の泡 数えてしまいそうになるね 倫理に背いても 僕は誰かを愛さないといけない どんなに貴方が間違っていようとも |
夜驚症PLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | 僕らは夜に集って 傷を晒して遊んだ 過ぎ去る日々から 逃げ出す様に 湿気た薬を含んで 緩いソーダをあおった 微睡むばかりの この部屋の中 口を開けば お前達 手垢の付いた理想論 借りている言葉は もう止めにしよう 「もう行かなきゃ、ここから出なきゃ」 無意識の音声を 意識した奴隷 躾の通り歩いて行く姿は 動物の様だ 才能を失った 最愛の自分を 疑いもしないまま 老いていけばいい 十代の老人 / 五十代の若者 お前はどちら様? もう、眠り飽きた 僕らは夜に集って 傷に触れて慣れあった 過ぎ去る日々から 逃げ出す様に 大人だけど繰り返す 同じ穴のムジナ どうせ また 何も変わらない朝が来る いつも通り 長い夢 続きが見たくて 眠りつけないまま 朝になる 誰かが また 逃げ込む 僕らは夜に集って 傷を晒して遊んだ 過ぎ去る日々から 逃げ出す様に 口を開けば お前達 手垢の付いた理想論 借りている言葉は もう止めにしよう 大人だけど繰り返す 同じ穴のムジナ どうせ また 何も変わらない朝が来る いつも通り |
水銀灯ウォッチャーPLOT SCRAPS | PLOT SCRAPS | 陶山良太 | 陶山良太 | | 幽霊船 揺られ続け 君は痣だらけ 最近じゃ 悲しい事も味わえるよ 確かな事しか無いから どんな理由でも 君は手を汚さない そんな態度では 世界に耐えきれない 水銀灯の火 眺めて 頭冷やしてみな 遊覧船 舵を切っても 何処へも行けなくて 誰だって毎夜 歳を取るの 笑わないでね 誰にも訪れるから 貴方がどんなに マトモであろうとも それをわざわざ 誰も讃えたりしない 鏡見てごらん 冷たく引きつった表情だ 幽霊船 揺られ続け 君は痣だらけ 誰だって毎夜 歳を取るの 抗おうとも 抗え無い事 同じ温度で温めた掌 愛想尽かされて 引き剥がされちゃっても きっと刻もう 今、確かに胸が灼ける音 安全高度で飛び続けていても きっと神様は 頭上で鼾かいてる 上昇せずとも 君の大声で充分だろう? どんな理由でも 君は手を汚すよ 砂場遊び シャベルは放り投げて 水銀灯の火 眺める 貴方の表情が見たいな |