異邦人MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | レントゲンには映らない ところに心があるらしいけど バンドエイドを飲み込んで くだしたお腹を治そうとしてたみたい 花は土の中で考えて 開くころ言葉になっている 鳥は走れる生物を 羨ましがって飛んでいる 私は異邦人 ペンや剣では敵わない ところに向かう途中で気づいた まっしろな紙もまっくろな星も 冷めないお湯も醒めない夜も どこに行っても見つからない 風はどんなに吹いたとて 話せないことを分かっている 月が放った光は 今ごろ歌へと変わっている 私は異邦人 空に憧れても翼ひとつ生えないまま 背丈ばかりが伸びてゆくのは あなたのその足が 土との別れを拒んだから 誰かが勝手に名付けた ものに囲まれて暮らしている あなたがさっき口にした 言葉の行方を探している みんな異邦人だった |
幽霊船MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 遥かに昔の未開の土地には 魅惑の日差しが光り輝いて あの島に辿り着けば 数えきれぬ船乗りが 港町を後にしては 同じ町と知らず胸躍らせた 遥かに未来のその海原には いろどりみどりの船が瞬いて あの海に融け込めば またも船乗りが あちこちに身を投げては 骨になる運命 幽霊船から飛び降りて 泳ぐ気力もなくなった世界じゃ 夢見てるみたいだ ステップがバラバラなままだが グッとくるグルーヴ 新たなる大陸が 見つからないなら 作ればいいじゃないの 骨になる運命 幽霊船から飛び降りて 泳ぐ気力もなくなった世界で 夢見てるみたいだ 幽霊船から飛び降りて |
水が湧いたMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 水が湧いた! それが聞こえたら 老若男女が集まって 祝いあう合図 方角関係なくなって ヤッピー それから街はお祭り状態 縦乗りはあなた 横乗りはわたし 乗り方違えど 乗るのは同じ ヤッピー 喉はカラカラ意識は朦朧 街はお祭り状態 極楽の兆し 先駆けの暮らし ヤッピー 命からがら意識は朦朧 未だお祭り状態 極楽の兆し 先駆けの暮らし |
そこにあったからMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 私の好きなもの 風にそよぐ森の木々たち 誰にも奪われない 初めからそこにあったから 私の好きなもの おひさまを照り返す海 誰にも邪魔されない 初めからもうそこにあったから 風が吹くように 雨が降るように わたしは生まれて 雲が浮くように 波が立つように あなたと出会っただけ 私のいるところ あなたが今までいたところ 間に引かれた線を飛び越えて 鳥たちは飛んでいる 風が吹くように 雨が降るように 涙がこぼれて 雲が浮くように 陽が差すように あなたが現れて いつまでもみな幸せでいて 水平線の向こうにさえ行けない 生まれる場所さえ選べない 私が選べるものは これから向かう場所だけなの 風が吹くように 雨が降るように わたしは生まれて 雲が浮くように 波が立つように あなたと出会ったら いつまでもみな幸せでいて 誰にも邪魔されない 初めからもうここにあったから |
LOVE LOVEMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 街中に監視カメラを隠したい 君が泣いたらすぐにでも行けるように たとえこの例えをもってしても 伝わり切ることなんてないのに なぜ君はすべて理由を知りたがるの そんなもの分かるはずがないのに 愛にいちいち理由は必要ないだろう ところで僕のどこが好きなの? 恋に恋しているうちは まだまだ こどもなんだよと 得意気に言う人の前で 君とキスをしたい 君とまばたきのタイミングが 死ぬまでずっと一緒だったらいいのに それなら「君から目を離さない」 って約束も嘘にはならないのに 白馬の王子様を探してた君を 笑う僕も眠り姫を探してた メルヘンを嫌いな現実主義者が 描いた理想を壊してくけど 愛を愛してるつもりなら ほんとうの意味の愛じゃないのよと やけにのたまうその人の口を 誰かキスでふさいでくれ 君のコンタクトレンズになって 汚れっちまった世界も美しく見せてあげたい 君のお気に入りの靴になって 素敵な景色の街へと連れてってあげたい 君がお腹すいたって言えばシェフを目指して 頭痛いなんて言った日には医者を目指して あの星が欲しいなら宇宙飛行士になって ゆくゆくは宇宙空間の支配者になって 君が眠れない夜は流れ星を落としたい LOVE LOVE 青臭い言の葉に込められた愛のすべて うら若い想いに秘んだ恋のすべて 恋に恋せよ 恋に恋せよ 消しては描き直すような理想の 愛を愛せよ 愛を愛せよ 二人で描き上げた愛を |
ゾッコンMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | ああ僕は君にゾッコンだ! もう僕は君にロックオンだ! 運命なんだろう 前の恋とは違うぜ 毎回言ってる気もしなくもないけど アプローチも一球一球入魂だ! ああでもどの球種をとってもノーコンだ! でもあきらめちゃうほど簡単じゃないんだね ろくなことにならない気しかしないけど とんだ才能そうなその白い肌や ぱっちりした目とその澄んだ声 何よりもその出で立ちが あなたの専売特許でしょう ああできれば是非ともあなたと結婚だ! だがしかし出かけた言葉は引っ込んだ! こりゃいったい何だろう 言葉選びに困るぜ なぜベストな言葉が浮かばないんだろう 当落線上ギリギリのセンスや いまだかつてない文字の使用例 何よりも目の付けどころが あなた以外らしからぬところでしょう 用もないのに2階の廊下を歩き 君が視界に入ったら それはえらいでっかいめっけもんだね! 貸したマフラーに染みついた君の香り 君が視界から消えたら ちょいとだけ巻いて嗅いでなんて したかったけれど しなかったけれど ! 筆舌に尽くしがたいほど あらわしきれないこの感情も 滑舌に尽くしがたいけど あらわしてみたいのがこの僕です 泣いて泣いて泣いて泣き疲れても 落ち着くことないこの感情も あなたがいないと味わえない あなたがいないと味わえない ああ僕は君にゾッコンだ! もう僕は君にロックオンだ! ゾッコン男子は世にそうそういないぜ きっとこれは結ばれるしかないんだろう |
ダダMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | あいつらの言うとおりだ 何でもかんでも言うことばかりを聞いてちゃ どうにもならない あそこに行ったら二人で抱きしめあおう おいらの言うとおりにしな どのみちその手を離さなければ 素直になれない どこかに行ってもあなたと抱きしめあうよ ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ 意味もないのに 灰皿の中のリングは 何でもかんでも言うこと為すこと全てが 「愛してやまない」だけじゃ あなたの指には通せないだろう ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ ジダンダ あいつらの言う通りだ 何でもかんでも言うこと為すこと全てが 「素直になれない」だけじゃ あなたを抱きしめられぬままだろう ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ あなたとふたりで歩いた場所からまた行こう |
孤独になってみたいMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | いとおしい人々も にくらしい人々も まとわり足並み重なり気づけば 踊り始めている 夜さえ眩しくて まぶたを閉じてみても お優しい言葉に高鳴り気づけば 愉快なリズム口ずさむ 夢の街角で 知らぬ安宿で 孤独になってみたい 背中を押してほしくて 線路のほう見下ろしても 見計ったように唸った電話を取ったが最後 白線の中に戻される 埋もれた遺跡で 銀河の隅っこで 孤独になってみたい ふと思い出すバッドメモリー サッと差し出す愛のセオリー 痛み足りないわ 愛しのあなたへ 今はやめとくれ 孤独になってみたい |
5GMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 砂漠にひとり取り残された そうせざるを得ずに歩いた そこに煌々と輝いた 美しいそれを見つけた 高まる援助への期待 そのためのテクノロジー しかし助けを呼ぶにも ここは電話もない わたし新しいものばかりの この世界は広すぎて 楽しいことも哀しいことも 忘れてしまいそうで 実はこの砂漠の下には 世界規模の電話コードが 早まるこの星の自転 さすがに酔いが回るわ あの日のことはごめんと 告げる時間もない わたし新しいものばかりの この世界は広すぎて 愛しいものも憎らしいものも 忘れてしまいそうで |
まほろばMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 古びたベンチが置かれた敷地には 花束を抱えてめいめいに集まる 優しい人々ばかり 不治の病を抱えたひと同士が お医者様の振りして懸命にいたわる 優しい人々ばかり ロマンティックな 生活はやってはこないけども ロマンティックに 考えられそうだ 「方舟はまだ?」 すでに僕らは乗っている ロマンティック 長旅だったよねと言いたいけども ロマンティック 海原はどこまでも ロマンティック あなたが生まれてきてくれたこと ロマンティック わたしが生きてくこと |