夏の終わりアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 花火が終わる終わる終わる君の手に触れる触れる触れる 瞬いた空は二人をそっと寄せ合わせ夏を奏でる むせるくらいの草の匂い水一つない風景の中で 柔らかな夜の風は少しだけ二人を冷まし始めた 耳を澄ませてみたら遠くで聞こえる忙しない音 君はそこへ指をさし下駄を鳴らして夢中で走っていく コツコツと響く音がだんだん夏の音にかきけされ 夜空を覆うような彩りに心を響かせた 花火が終わる終わる終わる君の手に触れる触れる触れる なぜか強気になった二人は気づかれないように肩が触れ合ってる 花火が終わる終わる終わる君の手に触れる触れる触れる 瞬いた空は二人をそっと寄せ合わせ夏を奏でる まだ空いてる店をさがして最後の小銭で買ったサイダー 弾けた恋、汗ばむ君を横目に 花火が終わった後では 強気になんかなれなくて 少し距離を空けながら君の家に向かう道は ただ、ただ、隣にいるだけ 花火が終わる終わる終わる君の手に触れて触れて、握って はじめてのキスは甘いサイダーの味で次の言葉を考えてなくて 今は今は抱きしめながら顔を向けるのが怖くなってて 君が君が握り返してくれた君の髪と花火の匂い 心地よい夜の風が 夏の終わりを告げた |
魔法をかけてアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 左斜めに座る君の席に カーテンが揺れた先に目を奪われた 少し汗ばんでおでこにひっついてる 前髪を気にしてる姿はとても綺麗だ 今君を抱きしめられたらなんて法に触れるような 妄想止まらなくなる 制御もだんだん弱くなる 30cm 離れた君は頭の中じゃ僕の腕の中 君に魔法を使えたなら一緒に帰って映画みて眠った顔を横目に眺めて そんな夢を見ているだけで 君の忘れられない人にはきっとなれない僕だから 解けるまではお願いそばにいてね 会ってなくても一人でいても頭の中では より君を好きにさせるから困って困って困り果てている僕に 構うことなく物思いにふけてる君や 友達とじゃれ合ったりしてる君のことが ぐるぐるまわっていく 君に魔法を使えたなら一緒に帰って映画みて眠った顔を横目に眺めて そんな夢を見ているだけで 君の忘れられない人にはきっとなれない僕だから 解けるまではお願いそばにいてね なんてバカなことをずっと考えてる 魔法にかかったくらい 君に夢中になってる |
はなればなれアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 今でも笑ってしまいそうな今でも泣いてしまいそうな 思い出は消えて行く向かい風に乗って 君とベンチで腰掛けて僕が教えた C コード 届かない指に触れて目と目が合ったあの日 東京行きの電車は少しだけ出発を遅らせている 今日旅立つ君に僕は口を閉ざしたまま はなればなれになる君は僕に優しく微笑んだ 怖いのは泣きたいのは僕じゃなく君のはずなのに いつも二人で読み返したアルバムを握りしめたまま ドア越しにつぶやく「いつでも待ってるから」 いつだって君の心の内を 見透かすことはできなかった だけど最後にうつむいて 地面に落ちた君の初めての涙を見た 遠くなっていく電車とは逆に思い出が今更押し寄せて もうどうにでもなれって虚勢を捨てた途端 やけに小さな自分に気がついたあぁ大切ってやつは 近くでぎゅっとできる間には気づかないものだと はなればなれになる君は僕に優しく微笑んだ 怖いのは泣きたいのは僕じゃなく君のはずなのに もしもまた会えるその時は過ぎた電車の後ろで つぶやいた言葉を君に話せるように 変わらない君とまた笑って話せるように |
tiramisuアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 甘く甘く数ヶ月前まで普通に話して遊んで 一方通行の隙もないくらいだと思っていた そんな君が今じゃ寄り添って甘えるものだから 男らしさの理想なんて忘れてしまっていた 私でいいの?僕でいいの?画面越し確かめるのは 怖いとか不安とかではなくて 文字の向こうで寝転がってニヤけてる君の姿が 夢じゃないと思えるから 甘くて少しほろ苦いとよく聞くけど苦味なんてなく 口当たりももう止まれない終わらないキスをしよう 甘く苦く月日が流れて デートの場所を決めるのも 連絡するのもなんかいつでもよくなってきて 誕生日のプレゼントはおたがいにお金もないし 「安いものなら別にいらない」と自分の都合ばかり押し付けていた 苦い苦いコーヒーを買って公園で肩も触れずに隣同士座りながら 重たい口を君が開いた「もう、好きじゃないかも」って 返したくても返す言葉がなかった 甘くて少しほろ苦い最後のあたりは苦いだけの ティラミスみたいに僕の恋は終わりを迎えたんだ 約束だって直して欲しいと言われたとこだって 君の優しさに甘えちゃってごめんねに重さがなくなって 味も無くなって終わりを告げた |
シロアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 大丈夫心変わりは仕方ないからでもどうして? 君が泣いたら 少しでもためらいを期待しちゃうんだ どうしてもう会うことはないのにまたね、なんて もう今更僕に気を使うこともないのに 嘘もつよがりも言うつもりはないただ記憶にうつった二人が 少しだけ幸せそうで後悔したそれだけのことだから さよならをした今この時から 僕の余白に君をもう刻めなくて だけどせめて二人過ごした日々達は 消え去るまでそっとしておいてね それでも君を想い続けていれば なんてことをふと思ってしまうあたり 僕は何も変われそうにないな 君が好きだったことも君が嫌いだったことも 残して明日からも過ごすけど次の人が現れた時 塗り替えるのもそれはそれで怖いんだ さよならをした今この時から 僕の余白に君をもう刻めなくて だけどせめて二人過ごした日々達は 消え去るまでそっとしておいてね 時が過ぎても髪型を変えても 僕じゃない人の好きな服装になっても 君だけはきっと見つけられる気がするよ 声くらいかけてもいいかな? 傷跡のままで終わりたくないから |
愛が鳴る方へアイビーカラー | アイビーカラー | 佐竹惇 | 佐竹惇 | | 慣れない人混みやけにカラフルな日曜日 僕のタバコの煙を吹きかえす君にみとれてさ 人混みもイベントも嫌いだったはずなのにな 浮き足立った今日の街並みを君と二人歩く キョロキョロとあたりを見渡している君の 真っ白なワンピースが怖いほど街とピッタリで 手を繋ぐ理由も今日は逆に見つからないな 眩しい笑顔とハイテンションな君にどんどんとどんどんと惹かれていく だから愛が鳴る方へ愛が鳴る方へ愛が包んだこの街で ボサボサの髪に安い服をまとった僕じゃ 隣で恥ずかしいよなごめんなって思うよ だけど愛が鳴る方へ愛が鳴る方へ愛で繋いだ手と手を ぎゅっとするたび君がむっとして僕より強く握り返す こんな日も悪くないかな 日も暮れた帰り道上目をつかった君の顔に キスをしたとき街の音が止まった気がした これからも君の仕草に明日も明後日も 胸を膨らませていられますように 何度でも何度でも抱きしめたい だから愛が鳴る方へ愛が鳴る方へ愛が包んだこの街で ボサボサの髪に安い服をまとった僕じゃ 隣で恥ずかしいよなごめんなって思うよ だけど愛が鳴る方へ愛が鳴る方へ愛でつないだ手と手を ぎゅっとするたび君がむっとして僕より強く握り返す こんな日も悪く無いかなふたりで手を繋ぐ方へ |