ジャコビニ彗星の日松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | 夜のFMからニュースを流しながら 部屋の灯り消して窓辺に椅子を運ぶ 小さなオペラグラスじっとのぞいたけど 月をすべる雲と柿の木ゆれてただけ 72年 10月9日 あなたの電話が少いことに慣れてく 私はひとりぼんやり待った 遠くよこぎる流星群 それはただどうでもいいことだったのに 空に近い場所へでかけてゆきたかった いつか手をひかれて川原で見た花火 夢はつかの間だと自分に言いきかせて シベリアからも見えなかったよと よく朝弟が新聞ひろげつぶやく 淋しくなればまた来るかしら 光る尾をひく流星群 |
影になって松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | なんて不思議な光を浮かべた霧の夜なの どこへ続くの 街路樹の影たち 指が痛いほど 残らずダイヤルしたけど 呼びだしの音だけが耳の底にくりかえす こんなときはすぐにワードローブちらかし くたびれたシャツを選んで 外へ出てゆこう 少し背中まるめ 踊るように歩こう 最終の電車が響き残して流れた いちばんなつかしい遠いイメージのように 冷えだした手のひらで包んでる紙コップは ドーナツ屋のうすいコーヒー 真夜中は全てが媚びることもなく それでいてやさしい むかし確かにどこかで出逢った一枚のネガ 淋しい心から きみを自由にする かるく透き通らせて むかし確かにどこかで出逢った一枚のネガ 淋しい心から きみを自由にする かるく透き通らせて なんて不思議な なんて不思議な霧の夜なの どこへ続くの 街路樹の影たち |
緑の町に舞い降りて松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | 輝く五月の草原を さざ波はるかに渡ってゆく 飛行機の影と雲の影 山すそかけおりる 着陸ま近のイヤホーンが お天気知らせるささやき MORIOKAというその響きが ロシア語みたいだった 三つ編みの髪をほどいてごらん タラップの風が肩にあつまる もしも もしもこの季節 たずね来ればきっとわかるはず あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる 銀河の童話を読みかけて まどろみ 心ははばたく あてもなく歩くこの町も 去る日は涙がでるわ セロファンのような午後の太陽 綾とる川面をゆっくり越えて いつか いつかこの季節 たずね来ればきっとわかるはず 誰かが気になりだしてから 世界が息づいてる 新しい笑顔お土産に誰かのもとへ帰る |
DESTINY松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | ホコリだらけの車に指で書いた True love, my true love 本当に愛していたんだと あなたは気にもとめずに走りだした True love, my true love 誰かが待ってたから 冷たくされて いつかは みかえすつもりだった それからどんな人にも 心をゆるせず 今日わかった また会う日が 生きがいの 悲しいDestiny 緑のクウペが停まる 雲を映し Sure love, my true love 昔より遊んでるみたい みがいた窓をおろして口笛ふく Sure love, my true love 傷あとも知らないで 冷たくされて いつかは みかえすつもりだった それからどこへ行くにも 着かざってたのに どうしてなの 今日にかぎって 安いサンダルをはいてた (今日わかった)空しいこと むすばれぬ 悲しいDestiny |
丘の上の光松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | すみれ色のまま夕暮れを止めて 新しい自転車で高原をすべる 夏へ急ぐ空 おだやかに翳り このまま二人ずっと漕いでゆきたいの いつしか今日の日も想い出に 少しずつかわる 今 大事なのは前をゆくあなたが 綺麗なシルエットになっていること 向かい風そっと ほほつねってみて 愛し始めた気持 まぼろしかどうか いつしか 今日の日も想い出に 少しずつかわる すみれ色のまま夕暮れを止めて 流れる雲のように丘へ上ぼるまで ひととき神様 息をかけないでね 素敵な光ほど移ろうのだから |
悲しいほどお天気松任谷由実 | 松任谷由実 | Yumi Matsutoya | Yumi Matsutoya | | 上水ぞいの小径をときおり選んだ 夏の盛りの日もそこだけ涼しくって 名もない蔦や柳がひくくたれこめて 絵を書く私達 それぞれひとりにさせた まるで先の人生を暗示するように みんなまだ 気づかず すごしていたんだわ ずっといっしょに歩いてゆけるって だれもが思った ム・ム… 拝啓。今はどんな絵 仕上げていますか 個展の案内の葉書きがうれしかったの 臆病だった私は平凡に生きている みんなまだ 信じてすごしていたんだわ ずっといっしょに歩いてゆけるってだれもが… いつまでも 私の心のギャラリーにある あなたの描いた風景は 悲しいほどお天気 ム・ム… |
気ままな朝帰り松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | 北風のベンチでキスしながら 心では門限を気にしてた なごりおしい顔をして半分ホッとして 電車のドアで手をふる私 そんな恋がいくつか過ぎたあと 運命のいたずらに出逢ったの あれはたしかTeen Age 最後のクリスマス あなたに胸がふるえた 家なんか出てしまおう なんとかくらして もう二度としばられない けれどゆうべただひとり あなたを忘れるため にぎわう通り歩いた 父親がうらめしかった昔が なんとなくてれくさくなつかしい だって今は誰ひとりとがめることもない 気ままな朝帰りなの |
水平線にグレナディン松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | 白い灯台が浮かびあがる 海は暮れなずみ 帆影は急ぐ 舵をとりながらふりむいたら 私もたなびく景色でしょうか Glowing seasons flew away We promise to stay 帰らないと知っても 細いプラチナのブレスレットが 夏の紅を最後に宿し Now I feel the cold breeze You made me feel at ease 帰らないと知っても 錆びたスクリューにさわってみる 今日は初雪が沖を吹いてる 古い溜り水 船底から ズックですくった 凍らぬように |
78松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | ふるさと忘れない渡り鳥の群れは どこかに磁石を持ってる 見えない法則を人は神秘と呼び 操れるものを怪しむ 太古の昔に失くした全ての力を ここにとり戻す 生命をかけるほど何かを望むなら カーテンをあけてお入り 流れ流れの果て手にしたタロットは 黒いアラベスクの模様 太古の昔に失くした全ての力を ここにとり戻す 精霊を呼ぶ 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 未来を示す 月の影法師をチョークで囲んだら それは宇宙の魔法陣 風のシルフィや大地のグノメ 火のサラマンデル 水のオンディーヌ 精霊を呼ぶ 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 秩序は廻る 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 未来を示す 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 秩序は廻る 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 未来を示す 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 秩序は廻る 78… 78… 絵札はさすらい 78… 78… 未来を示す |
さまよいの果て波は寄せる松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | | 泣いてかけてゆけばそこに きらめく海原 けれど受け入れはしなかった私の弱さを 沖をすべってゆく船と 足もとで遊ぶ犬と 風を切る鳥たちだけ 自由だった 夢中になれる何かが 明日へいざない いつしか遠く旅したと あなたに告げる いつも悩みをたずさえて 潮騒をきいた けれど答えは得られぬまま朝焼けは終る 銀の雲間から差し込む光いくすじも見とれ 冬の日の冷たさを忘れてた 消えてゆかないくやしさが 私を導き 気づけばここへ来ていたと笑っていえる 言葉にない愛の 透き通る手紙を 海はよせてくれる 波にのせて ああ 失うものはもうなんにもなくて 心静かな私がはじめて見える 夢中になれる何かがどこまでも導き いつしか遠く旅したとこの海に立ち告げよう |