いきのこり●ぼくら青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | | 雨雲の灯りで瞳をつないで ようやく辿り着いた ここは大きな日本家屋 長いトンネルを抜けるまで 怖かったよね ほっとして 座り込んだ ひどく汚れた 足の裏 怪我してるのか 少し痛いけど どれが僕の血なのか わからないね 大きな山の頂で 貴重な生命 身を寄せ合って あたたかな 温度を抱きしめながら 大きな山の麓には 死者の国 僕らを見上げては 光の玉届けて ボストンバッグには 3日分の服とあの子の写真 今頃どこかで 泣いてるかもね それとも 笑ってるかもね 新しい亡骸を 峡谷へ落とす 鳥たちがすかさず啄んで 空高く 運んでく 毎日の風景 ずっとつづくね 慣れなきゃ いきのこりぼくら |
i am POD (0%)青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | | あなたの忘れたいもの ぜんぶ平らげよう わたしをつれてどこか遠くへ 水の綺麗なところへ 光が墜ちるところへ つれてって i am pod あなたの傍で i'm pod 記憶を食べて 壊れるまで 覚え続けていたいの あなたの好きなもの えびぐらたん ケチャップの色 うみのじかん ギターの穴に詰めたら 夜が踊るところへ つれてって i am pod あなたが電池 i'm pod 暗闇の甘さを いつも鳴らせるように i'm pod あなたの傍で i'm pod 記憶を食べて 壊れるまで 覚え続けて いたいの |
Mars 2027青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | | ベンガラ色の岩石 夢うつつな あずき色の空 誰かが歩いたあと 嵐のあと 地球が青白く光ってみえる 相変わらずの太陽は ここでもまだひかりつづけてる 大気を覆う粉塵は いつの日にか 燃えた お金のよう 懐かしい 明星よ どう思うかい 風呂敷のお米は底をついて 流星を数えるのも飽きて 腐れない身体は返したい 還す星は永遠(とわ)の彼方だ |
うたのけはい青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | | ひかりよりも明確な朝に 葬られる ぼくら はばたくハネを つかむ迷いは うたのしっぽを 裂いて 裂いて 昨日みた虹色の 景色より いま滴る 温度に 触れて いたいの 夢は透明な ためいきに溶けて 雑踏の中で ひときわ輝く てさぐり かきわける うたのけはいを たよりに |
機械仕掛乃宇宙青葉市子 | 青葉市子 | 山田庵巳 | 山田庵巳 | | ずっと忘れないで ずっと忘れないよ 不揃いの冷たい石を 並べただけのこの街で ぼんやりとした太陽は うっすら僕を照らしてる 名も無い事で有名な なんにもできないこの僕は 街の誰からも蔑まれ 1人ぼっちで暮らしていた 朝の光を忘れてしまった人々にしてみれば 空を見上げてばかりいる 僕はまがいものさ 僕は愚か者さ 僕は笑い者さ 僕は除け者さ 暗闇の時が多すぎて 時は暗闇でありすぎて 人々はやがて夜明が来る事も忘れ 不平不満を口にして 夢を語り合わなくなったよ だけれどもそう君だけは 街中でたった1人きり 決して光を忘れない 僕に笑顔を見せてくれる ああ愛しの君よ 可愛い笑顔の君よ 僕の心の闇を照らし あたためてくれた 傍に居てくれるなら ぎゅっと抱き合えるなら 他に何にもいらない 愛しい君よ 愛しい君よ 君にいいもの見せてあげよう なんにもできないこの僕が 全てをかけて こしらえた 機械仕掛けの宇宙 誰にも内緒だよ 誰にも内緒だよ ほの暗い部屋の薄闇の中にほら、ひっそり隠れてる 丈夫な鉄骨と 精巧な歯車と 星を模したオブジェと 誰にも内緒だよ 2人だけの秘密だよ 機械仕掛けの宇宙は回り続ける ゆっくり 静かに こんな日がいつまでも続けばいいって思ってた 君がいなくなって 僕は抜け殻になって 泣いてばかりいたよ 宇宙は錆び付いて 星達も夢をなくして うつむいてばかりさ 機械仕掛けの宇宙は回り続ける 回り続ける ゆっくり 静かに こんな日がいつまでも続けばいいって思ってた ずっと忘れないよ ずっと忘れないで 不揃いの冷たい石を 並べただけのこの街で ぼんやりとした太陽は うっすら僕を照らしてる |
四月の支度青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | 青葉市子 | | 風に吹かれて あなたの髪 忍び込むの 自転車から 切り取る 新しい 景色に くさりをかけるように 腰に添えた あたたかさも あなたになら 奪われてもいい 静かな町 定食屋の懐かしさよ あなたの隣で生きている 夢の ように いずれ揺らぐ危うさも 春の光に 甘く 溶けて ゆく |
はるなつあきふゆ青葉市子 | 青葉市子 | 山田庵巳 | 山田庵巳 | | 2人待ちわびた春 そよ風をつれて歩こう 見たこともない花には 好きな名前をつけてしまおう あなたがうまれた夏 木漏れ日の下で話そう 水辺に跳ねる光は その柔らかな髪に飾ろう はるなつあきふゆ めぐりゆく月日を あとどれくらい 数えられるのかな これから訪れる 全ての月日は きっとあなたに 捧げるために あるのだろう 2人が出逢った秋 長い影を連れて歩こう 黄昏の坂道では あの頃と同じキスをしよう ふたたびめぐり来る冬 静けさに耳を澄まそう つめたい霧の夜には 温もりをわけ合って眠ろう はるなつあきふゆ めぐりゆく季節を あとどれくらい 辿ってゆけるかな いつか訪れる 最後の瞬きの その時まで ずっと 傍に そばにいて |