この秋に南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | 君と別れて 三度目の秋 ほんのささいな 出来事なのに 傷つけあって 別れた二人 心の何処かで さよなら言って 明日が来ない 小さな店で 君の噂を 他人から聞いた 雨を見ながら 朝まで飲んで 指輪みつめて やつれていたと 昔の街まで 夜汽車にゆられ 訪ねた下宿の おやじが言った あの娘 こないだ一人で死んだ 胸に真赤な コスモスの花もえて 僕は悲しい 少女に会った マッチ一つの あかりの中で 涙ぐんでた 少女を抱いた この秋 僕には子供が出来る |
君がよければかぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 君の得意な 話をきく季節がくる 毎年1度だけ ひどく気どってさ そうさ僕のまわりは いつも変らないよ 猫が3匹生れたくらいでね ここには にぎやかなところはないけれど 今年も又2人で 釣に行こうか 君がよければ 僕のレタス畑なんかも 見て欲しいから 君の好きな 杏子のジャムの 今が一番うまい時なんだ ここの暮しも まんざら悪くないよ いつでも 僕は待っているから |
ひとりきり南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつ | 南こうせつ | | 鳥がないて 川が流れて 野山は今 花が咲き乱れ 汽車はゆくよ 煙はいて トンネル越えれば竹中だ こんな楽しい夢の様な こんな素敵なところは もう今はない もう今はない もう今はない 今はない ひとりきり 太鼓が響き 御輿がくり出し いよいよ待ちに待ったお祭りだ 親戚が集まり酒を呑んで 今年は 豊年だ こんな楽しい夢の様な こんな素敵なところは もう今はない もう今はない もう今はない 今はない ひとりきり |
ペテン師かぐや姫 | かぐや姫 | 喜多條忠 | 伊勢正三 | | その男は恋人と別れた さよならの口づけをして 髪の毛をやさしくなぜていた その時男は心のどこかで 赤い舌を出して笑った そうさ男は自由をとりもどしたのさ そうさ男は人生のペテン師だから このいつわりもいつの日にか ありふれた想い出にすりかえるのさ その男は女房をもらった 人様もうらやむほどの すばらしくきれいな女をね けれども男は心のどこかで 寒い風が吹くのを知った そうさ男は自由を手離しちまった そうさ男は人生のペテン師だから ひとりぼっちの幸せを たいくつな毎日にすりかえたのさ そうさ男は自由を手離しちまった そうさ男は人生のペテン師だから ひとりぼっちの幸せを たいくつな毎日にすりかえたのさ |
赤ちょうちんかぐや姫 | かぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | あのころふたりの アパートは 裸電球 まぶしくて 貨物列車が 通ると揺れた ふたりに似合いの 部屋でした 覚えてますか 寒い夜 赤ちょうちんに 誘われて おでんを沢山 買いました 月に一度の ぜいたくだけど お酒もちょっぴり 飲んだわね 雨がつづくと 仕事もせずに キャベツばかりを かじってた そんな生活が おかしくて あなたの横顔 見つめてた あなたと別れた 雨の夜 公衆電話の 箱の中 ひざをかかえて 泣きました 生きてることは ただそれだけで 哀しいことだと 知りました 今でも時々 雨の夜 赤ちょうちんも 濡れている 屋台にあなたが いるような気がします 背中丸めて サンダルはいて ひとりで いるような気がします |
あの日のことかぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 君はあの日のことを 憶えていますか あれから1年たったなんて とても信じられない あの日僕は 夜の海に沈んだみたいで 季節がめぐることも 忘れていました あれから1年たったなんて とても信じられない 風がやさしいことも 忘れていました 遠い昔のように 思えることが 絵に描いたみたいで とても不思議です 僕の頭の中は からっぽになって 季節がめぐることも 忘れていました でもあれほど美しいと思った 君の笑顔を なぜか思い出せないのです 今は |
マキシーのために南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | マキシー それがお前のあだ名さ マキシー お前は馬鹿な女さ マキシー 夢を見たことがあったろう マキシー 二人で金をもうけて 青山に でっかいビルを建てて おかしな連中 集めて 自由な自由な お城を造ろうと マキシー 俺 今まじめに働いてんだよ マキシー 風の便りにきいたけど マキシー どうして自殺なんかしたのか マキシー 睡眠薬を百錠も飲んでさ 渋谷まで一人で歩いていって ネオンの坂道で 倒れたって 馬鹿な奴だったよ お前は最後まで マキシー 俺は明日旅に出るぜ マキシー お前のせいじゃないのさ マキシー お前程遠くには行けないが マキシー 一人旅には変らないのさ 悲しみを抱えたままで 夜空に光るお前の 星を捜すまで さようなら マキシー |
あてもないけど南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 山田つぐと | 南こうせつ | | 人波の中を僕は歩いているのに 何故こんなに 淋しいの みんなどこに向かって歩いていくの 僕はひとりあてなどありゃしない 誰か僕を呼んで欲しい そっとやさしく呼んで欲しい 季節はうつり何か始まるふりをして また通りすぎてゆくだけ 誰か僕と同じ風に 吹かれているなら 話しかけて欲しい 僕が貴方をつつんであげる そっとやさしくつつんであげる 僕が貴方をつつんであげる そっとやさしくつつんであげる |
うちのお父さんかぐや姫 | かぐや姫 | 南こうせつ | 南こうせつ | | 汗をかいたので一休み マキ割りは疲れますね お父さん もうすぐ日が暮れる カラスが飛んでゆく 一番星光るまで もうひとガンバリ 汗をふいて お茶を飲んで 腰を伸ばせば お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ 今日は渡辺さんの結婚式で うちのお父さんが 仲人で めでたい めでたい 鯛のお頭付 酒は飲め飲め 花嫁さん ひざをくずし お皿たたいて 歌をうなれば お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ セーター姿が似合います たまにはオシャレしたら お父さん 今度お母さんが 街に出る時に 真赤な蝶ネクタイを 買ってもらったら 春になれば さがり梅の 花が咲きます お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ 春になれば さがり梅の 花が咲きます お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ 春になれば さがり梅の 花が咲きます お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ 春になれば さがり梅の 花が咲きます お父さん ニッコリ笑う ニッコリ笑う 明日天気になあれ |
眼をとじてかぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | あなたが首を かしげて見ていた あの銀杏はもう すっかり黄色 落葉は あなたの足跡消して 私に何も残さない 二人には通り過ぎた季節 想い出は私だけのもの 哀しさも私だけのもの 今一人黄金色の中 落葉の音は あなたの声のよう ふりむいてしまう 私に何もない ただ眼をとじて この木の下で 待ってます ルルル……… |
加茂の流れに南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつ | 南こうせつ | | やさしい雨の 祇園町 加茂の流れにうつる あなたの姿 あれは初めての恋 見つめあう 見つめあう瞳 あなたとふたり おぼろ月夜の 清水で 初めてふれたあなたの白い指 あれははかない約束 涙に 涙にぬれたあなたとふたり 桜散る散る 嵐山 何も言わずに別れて あなたはどこへ あれは去年の今頃 想いは 想いはつのる あなたとふたり |
けれど生きている南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 山田つぐと | 南こうせつ | | 夜が終わって 朝に僕をかえしてくれる 朝の光が僕をつつむ やさしくつつむ 君の笑顔のように 人生に始まりと 終りがあるなら 見とどけてみたい たったひとつの 部屋の窓をおおってしまう この光は どこからか 何のために そのはげしさで 僕に夢をえがかせ そしてうらぎるのか 教えて欲しい ここに僕が 居ることを知っているのか お前にすれば ちっぽけな 何もない けれど生きている 人生に始まりと 終りがあるなら 見とどけてみたい 見とどけてみたい |
僕の胸でおやすみ南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 君の笑顔の むこうにある悲しみは 僕のとどかないところに あるものなのか ふたりで歩いてきた道なのに なんてさびしい 古いコートは捨てて 僕の胸でおやすみ 春はおとずれ そして去っていく 変わってしまう悲しみは 僕も知っている この船であてのない ふたりならば 古いコートは捨てて 僕の胸でおやすみ ふたりで歩いてきた道なのに なんてさびしい 古いコートは捨てて 僕の胸でおやすみ |