サライ谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 弾厚作 | 星勝 | 遠い夢すてきれずに 故郷(ふるさと)をすてた 穏やかな春の陽射しが ゆれる小さな駅舎(えき) 別離(わかれ)より悲しみより 憧憬(あこがれ)はつよく 淋しさと背中合わせの ひとりきりの旅立ち 動き始めた 汽車の窓辺を 流れゆく景色だけを じっと見ていた サクラ吹雪の サライの空は 哀しい程青く澄んで 胸が震えた 恋をして恋に破れ 眠れずに過ごす アパートの窓ガラス越しに 見てた夜空の星 この街で夢追うなら もう少し強く ならなけりゃ時の流れに 負けてしまいそうで 動き始めた 朝の街角 人の群れに埋もれながら 空を見上げた サクラ吹雪の サライの空へ 流れてゆく白い雲に 胸が震えた 離れれば離れる程 なおさらにつのる この想い忘れられずに ひらく古いアルバム 若い日の父と母に 包まれて過ぎた やわらなか日々の暮らしを なぞりながら生きる まぶたとじれば 浮かぶ景色が 迷いながらいつか帰る 愛の故郷(ふるさと) サクラ吹雪の サライの空へ いつか帰るその時まで 夢はすてない サクラ吹雪の サライの空へ いつか帰る いつか帰る きっと帰るから いつか帰る いつか帰る きっと帰るから |
三都物語谷村新司 | 谷村新司 | 多夢星人 | 谷村新司 | 佐孝康夫 | 胸さわぎの旅は いま始まって 時の流れのままに こころを遊ばせ この私は 誰を訪ねるあてもなく まるで詩人のように 景色に染って ああ なんて 街それぞれ美しいの ああ なんて 人それぞれ生きているの 昨日 今日 明日 変わり行く私 紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう 風そよげば ひとり胸抱きしめて 愛の不思議を思う 吐息をもらして この泪は きっと感じるよろこびね 揺れる瞳に映る 季節に恋して ああ なんて 街それぞれ美しいの ああ なんて 人それぞれ生きているの 朝に舞う夢 黄昏に出会い ほんの一時のためらいを 誰に言いましょう 昨日 今日 明日 変わり行く私 紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう |
ダンディズム谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | | 帰れダンディズムの都へ 夜は男の心の中 踊れ裸足のままで 汗に濡れたシャツのままで 息子よいつの日かこの酒を 古びた止まり木の片隅で 酔えば俺をかつぎ出せ 月あかりの石だたみへ 歌おう大きな声でお互いの 叫ぼう愛する人の為に 歌おう君の愛する母の歌を 歌おう私の愛する妻の歌 人生は束の間の祭り せめて人を愛せよ ダンディズム 戻れダンディズムの港へ 船は男の心の中 怒れ時代の波に 優しさとは強さのこと 息子よいつの日かこの時が 君の想い出に変わる頃 俺は遠くの酒場で グラスをあげ笑っている 歌おう大きな声でお互いの 叫ぼう愛する人の為に 歌おう君の愛する母の歌を 歌おう私の愛する妻の歌 人生は束の間の祭り せめて人を愛せよ ダンディズム 歌おう大きな声でお互いの 叫ぼう愛する人の為に 歌おう君の愛する母の歌を 歌おう私の愛する妻の歌 人生は束の間の祭り せめて人を愛せよ ダンディズム |
小さな肩に雨が降る谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 大村雅朗 | うつむき乍ら歩く肩に やさしすぎる春の雨 情熱だけで生きてゆくなど 虚しい夢と知らされた 若さゆえに別れた人を想い どこまでも濡れたままで歩きたい いつの日にか 涙も枯れる頃に いやな唯の大人になる 冬の雨なら 今ここで死んでいたかもしれない 恐れるものは何もなくて 一人で生きていたのに 挫折の度に感じ続けた 夢はあまりに遠すぎる 若さゆえに明日がみえなくて 唯一人で生きるしか知らなくて いつの日にか 喜びに涙する それさえも信じられなくて 冬の雨なら 今ここで死んでいたかもしれない どんな人にも雨はやさしく 時には残酷に降る 春の雨に肩を抱かれて もう少し歩いてみたい |
青年の樹谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | | 一人心に別れを秘め 何も知らずに眠る貴方の 部屋の灯りに眼をやれば 憧憬に旅立つ足がすくむ 私の二十歳の祝いにと 貴方が庭に立たずみ静かに やせたその腕で土をかけた 青年の樹よ 今をのがせば夢などに 若さをかける時は二度とない 桜ひとひら雨に散る 冬まだ明けぬ春に散る 落ちたひとひら風に舞い 何処の土に埋もれ終るやら 私の二十歳の祝いにと 貴方が庭に立たずみ静かに やせたその腕で土をかけた 青年の樹よ 老いた二人の行く先を 緑をやさしく包んでおくれ 私の二十歳の祝いにと 貴方が庭に立たずみ静かに やせたその腕で土をかけた 青年の樹は 青葉繁りてなお悲し わびることさえなくなお悲し |
マイ・ボーイ谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | | My Boy いつの日か この手を離れて 大空に逃げてゆく時は 黙っておゆき My Boy さよならの言葉はいらない 心のおもむくままに 駆けてゆけばいい おまえがこの世に生れた あの日の空は いつまでも 瞳の中にやきついて 消えないから My Boy ふしくれたこの手で 今おまえの そのほほに 触れておこう おまえが気付かぬうちに My Boy この胸の熱い高なりを おまえに伝える法はないけれど 感じておくれ My Boy この胸を力の限りに その足で蹴って飛び上がれ あの日のあの空へ 私はおまえのためだけに 生きてはいない 自分のために生きてそして 愛する人のために My Boy 傷つくことを恐れちゃいけない つらくなった時は この空の青さを信じればいい 私がこの世に生れた その日の空を 私の父もきっと忘れず 生きていたにちがいない My Boy いつの日か この手を離れて 大空に逃げてゆく時は 黙っておゆき 私がそうしたように 逃げておゆき |
いい日旅立ち谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 服部克久 | 雪解け間近の北の空に向かい 過ぎ去りし日々の夢を 叫ぶ時 帰らぬ人達 熱い胸をよぎる せめて今日から一人きり 旅に出る ああ 日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 夕焼けをさがしに 母の背中で聞いた歌を 道連れに 岬のはずれに 少年は魚つり 青い芒(すすき)の小径を 帰るのか 私は今から 想い出を創るため 砂に枯木で書くつもり“さよなら”と ああ 日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 羊雲をさがしに 父が教えてくれた歌を 道連れに ああ 日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 幸福をさがしに 子供の頃に歌った歌を 道連れに |
浪漫鉄道(蹉跌篇)谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | | 名前も知らない駅の ホームで雪を見ている 枕木に落ちた夢の 跡を数えながらいま 右のレールは東京の街まで続く 左のレールは故郷のなつかしい街へと 挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた 線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に 出逢いはいつも悲しい 別離(わかれ)の時を思えば 老人がつぶやいていた 人生は皆泡沫(うたかた) 右のレールは無惨な夢への誘い 左のレールはささやかな幸福の誘い 挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた 線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に 挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた 線路の軋(きし)みは似てる 旅人の叫び声に 挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた 線路の軋(きし)みは叫び 戸惑う汽車は旅人 |
遠くで汽笛を聞きながら谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 堀内孝雄 | 青木望 | 悩みつづけた日々が まるで嘘のように 忘れられる時が 来るまで心を閉じたまま 暮らしてゆこう 遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことがなかったこの街で 俺を見捨てた女を 恨んで生きるより 幼い心に秘めた むなしい涙の捨て場所を さがしてみたい 遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことがなかったこの街で せめて一夜の夢と 泣いて泣き明かして 自分の言葉に嘘は つくまい人を裏切るまい 生きてゆきたい 遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことがなかったこの街で |
忘れないで谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | 谷村新司 | | 愛されていた日の おだやかな時間 やさしい光に つつまれながら 母に抱かれた やすらぎの午後 父と歩いた 夕暮れの道 かけがえのない日を 忘れないで ゆびきりの口笛 兄弟で帰る 小さな背中に 蜻蛉は群れて 夕食の支度に ともる灯りに ただわけもなく 走った頃の かけがえのない日を 忘れないで 今はすべてが おもいでの中 時は流れて 人は逝くけど かけがえのない日を忘れないで 忘れないで 忘れないで |