春の雨神野美伽 | 神野美伽 | たかたかし | 市川昭介 | 斉藤恒夫 | あなたの重荷に なるからと 路地(ろじ)を小走(こばし)り 傘で泣く女 春の雨 降りしきる あきらめばかり 先にたつ そんなおまえの 襟(えり)ぼくろ なにも言わずに 黙(だま)ってついて来い 踏(ふ)まれてきたのか 人の世(よ)に 肩の薄さに 匂(にお)う沈丁花(ちんちょうげ) 抱きよせりゃ ぬらす雨 おまえの過去は 俺の過去 かけてみないか もう一度 俺の明日(あした)に 女のしあわせを ほんとに 私で いいですね 俺を見つめて すがる細い指 ばかだなぁ もうよせよ おまえの他に 誰がいる 遅(おそ)い春でも 春は春 生きてゆこうよ ふたりの人生を |
哀恋岬神野美伽 | 神野美伽 | たかたかし | 市川昭介 | | 寒い海です 飛ぶカモメ 波の花散る 哀恋岬(あいれんみさき) あなた あなた あなた あなた 待ってもいいですね 弱いからだを いたわれと いった別れが もう二年 旅の気まぐれ 約束か 胸が泣きます 哀恋岬 あなた あなた あなた あなた 信じていいですね 娘(むすめ)ざかりが 背のびして 髪をとばして 恋しがる 雨が霙(みぞれ)に かわります 霧笛(むてき)かすめる 哀恋岬 あなた あなた あなた あなた 死んでもいいですね 耐える女が あわれなら 夢でいいから 抱きしめて |
カモメお前なら神野美伽 | 神野美伽 | 鳥井実 | 市川昭介 | 池多孝春 | 帰って来るとも 言わないで 船は桟橋(さんばし) 今出たばかり あてにならない 倖せを 待っているのは もう嫌(いや)よ カモメおしえて お前なら どこへ捨てます この涙 別れの運命(さだめ)が 来たんだと 船の汽笛が 尾を引くばかり 我慢(がまん)出来ない 淋(さみ)しさに 涙ボロボロ 風に散る カモメおしえて お前なら どこへ捨てます この未練(みれん) このまま遠くへ 逃げるように 船は二人を引き裂くばかり 背のびしながら 泣きながら 待っているのは もう嫌よ カモメおしえて お前なら どこへ捨てます この夢を |
北海ながれ舟神野美伽 | 神野美伽 | やしろよう | 市川昭介 | | 荒(あ)れてみせなよ ドンと波しぶき 男心にゃ かなうまい 陸(おか)じゃ役には 立たない意地も 沖へ出たなら 炎と燃える 宿命(さだめ)も明日(あす)も 風まかせ 命(いのち)知らずの 北海ながれ舟 かけた茶碗(ちゃわん)で 冷酒(ひやざけ)飲めば ほろりあの娘を 思い出す 泣いてたまるか 未練はないさ たかが涙の しずくじゃないか でっかい海に 笑われる 情(なさ)け乗せない 北海ながれ舟 夢もしばれる 浮寝(うきね)の晩(ばん)にゃ はぐれカモメが 添(そ)い寝(ね)する ここがふるさと 心のねぐら 聴いておくれよ 海鳴りさんよ 自慢じゃないが 大漁節(たいりょぶし) 波をまくらの 北海ながれ舟 |
なみだ川神野美伽 | 神野美伽 | 吉岡治 | 市川昭介 | | 「離しはしない」「離れない」 死ぬも生きるも ふたりづれ 雨が身をきる なみだ川 小さなからだを 寄せ合いながら たどり着きたい 岸がある 「つらくはないか」「つらくない」 にぎる水棹(みざお)の 頼りなさ 苦労かくごの なみだ川 あなたの明日は わたしのものよ 悔いはしません この恋を 「ながされながら」「揺れながら」 どこへゆくやら 迷い舟 雨もやみそな なみだ川 かならず花咲く その日がくると 誓うふたりに 夢灯り |
望郷しぐれ神野美伽 | 神野美伽 | 吉岡治 | 市川昭介 | | 汽笛がどこかで すすり哭く 淋しさしみる ひとり酒 あばよさよなら 故郷と すてたあの夜の 里あかり あゝゝなんでいまさら 恋しがる 小さなつぼみも それなりに 咲かせることが できたろに ひとり東京の 片すみで 呼んでみたって とどかない あゝゝ風が身に泌む 他人町 つかめば指から こぼれてく 叶わぬものが 夢なのか あばよさよなら 故郷は 今日もしぐれか 雪の華 あゝゝ落ちる涙に 月灯り |
男船神野美伽 | 神野美伽 | やしろよう | 市川昭介 | 池多孝春 | 荒れて 荒れて牙(きば)むく北海しぶき 来るなら来てみろ 吠(ほ)えてみろ 沖へ出たなら 自慢の船さ 意地と度胸は 半端じゃないぜ 命 命 命知らずの 男船 きっと きっと あの娘(こ)に海鳴り便り 届けておくれよ 渡り鳥 陸(おか)にゃ住めない さすらい船さ 未練きっぱり 波間に捨てる 情 情 情乗せない 男船 網を 網を引く手に血潮(ちしお)がたぎる 根性ひとつが 宝だよ 辛(つら)さこらえる 我慢の船さ ここが一番 男の勝負 夢は 夢は 夢は大漁の 男船 |
花哀歌神野美伽 | 神野美伽 | 荒川利夫 | 市川昭介 | | 涙にゆれて 生きるより 花よりきれいに咲いてたい やさしい言葉に出逢ったことが 恋の命を 燃やすのよ 好きよ だれより だれよりも あなたがいない この世なら 私もいないわ この世には 女は男でなぜ変わるのか 教えてほしい このこころ 好きよ だれより だれよりも 咲いてる花は 枯れるもの 倖せすぎると また思う こんなにあふれる うれしい涙 胸で拭(ふ)かせて くれるひと 好きよ だれより だれよりも |
じょっぱり船神野美伽 | 神野美伽 | やしろよう | 市川昭介 | | ドンと砕けて 散る波よりも やけにしょっぱい おとこ出船だよ 海がねぐらさ 北海野郎 泣いちゃいけない 舳先(へさき)が鈍る 未練とも綱 断ち切れば おっとドッコイ荒波越える じょっぱり船だよ 風がどうした 嵐が何だ たかが嵐に 負けてたまるかよ 親父ゆずりさ 北海野郎 惚れた女は 泣かしちゃならぬ 握る拳にゃ 血が滲む おっとドッコイ荒波越える じょっぱり船だよ 待っていてくれ 明日はきっと 笑顔土産に 帰る港だよ 夢をつかむさ 北海野郎 どきな流氷 この手で砕く かもめ見てくれ 心意気 おっとドッコイ荒波越える じょっぱり船だよ |
おんな演歌節神野美伽 | 神野美伽 | 鳥井実 | 市川昭介 | | 浮世の荒波 乗り越えりゃ 見えて来るのさ 幸せ灯り 男まさりで 色気はないが 義理と情を 両手でつかみ ひと声 聞かそか あゝ演歌節 泣きたい時には 泣くがいい それが女の 生き方なのさ 恋の苦労も 楽ではないと 分かるそばから 諦らめました ひと声 聞かそか あゝ演歌節 未練になるから 袖ひくな 夢の汐路で 逢おうじゃないか 昨日情に ほろりと泣いて 今日は旅立つ おさらば港 ひと声 聞かそか あゝ演歌節 |
雨の下関神野美伽 | 神野美伽 | 宮野健次・補作詞:星野哲郎 | 市川昭介 | | うしろ髪ひく 丸山町の 坂は七坂 恋の坂 一度別れて またかけ戻る 影にすがって 涙をふけば 雨も泣いてる 石だたみ 忍び逢いした 豊前田町(ぶぜんだちょう)の 夜はふたりの 螢籠(ほたるかご) ネオン格子に 閉ざされながら 燃えてより添う 命火さえも 朝の光りに 消えてゆく きっと逢えるわ あの火の山の 花が何度も 咲くように 化粧なおして 指切りすれば 雨もあがった 唐戸(からと)の空に 明日の希望(のぞみ)の 虹が立つ |
連絡船恋唄神野美伽 | 神野美伽 | 星野哲郎 | 市川昭介 | 池多孝春 | あなたのいない 歌国(うたぐに)の 巷(ちまた)は淋しい 片瀬波(かたせなみ) きかせて下さい もういちど 疲れた女の 心を洗う 連絡船の あの唄を あなたの歌の 足跡を 辿(たど)って津軽(つがる)へ 着きました 及ばぬ夢とは 知りながら 棧橋(さんばし)離れる 連絡船を 流れの宿と 決めました 雪雲(ゆきぐも)走る 海峡は やっぱりあなたの 世界です 教えて下さい どうすれば 女の胸から したたる愛が 画(か)けるでしょうか この海に |
男の意地神野美伽 | 神野美伽 | 星野哲郎 | 市川昭介 | | 陸(おか)で失くした 生き甲斐(がい)を さがしに来たよ アリューシャン おまえなんかは 嫌(いや)だよと 右へ左へ 暴れる網を ぐっとつかんだ 拳(こぶし)の中で 泣いてる 泣いてる 男の意地が そんな約束 知らないと 言われたときは 辛かった 赤いネオンの バカヤロウ 今に見てろと 面影(おもかげ)ひとつ どんと蹴(け)とばす しぶきの中で 泣いてる 泣いてる 男の意地が 時化(しけ)が未練を 削りとる ワカシかブリに なるように いまはがまんの 季節だよ 波に折れそな あばらの中で あいつだけには 負けたくないと 泣いてる 泣いてる 男の意地が |
浪花そだち神野美伽 | 神野美伽 | たかたかし | 市川昭介 | 京建輔 | 雨にこぼれる露地裏あかり 酔ってあんたは 今夜も泣かす 苦労承知の恋だから 泣きはしないわ つくしてみせる 浪花そだちの女です 酒を飲まなきゃいい人なのに 弱いあんたの 心がにくい 惚れているから叱るのよ つらい涙は さらりと捨てる 浪花そだちの女です たとえ貧しい部屋でもいいの 肩をよせあう くらしがあれば どこで生きよと離れずに ついてゆきたい 男の夢に 浪花そだちの女です |
望郷みなと神野美伽 | 神野美伽 | やしろよう | 市川昭介 | | 波に漁火 咲き乱れ 浜にゃ情けの 花が咲く 船を降りても 親父はカモメ 沖を見つめて いるだろか 遠い海鳴り 望郷みなと 別れ言葉も 言えないで 細い背中が 泣いていた 胸にしみてる あの娘の涙 今もひとりか 幸せか 紅い浜なす 望郷みなと 海は荒れても おふくろの いつも変わらぬ あの笑顔 都会(まち)にゃ住めない 俺らもカモメ 大漁まつりは もう近い 飛んで帰ろか 望郷みなと |
瀬戸内情歌神野美伽 | 神野美伽 | たきのえいじ | 桜田誠一 | 斉藤恒夫 | 南 火の国よ 北 雪の国 ここは瀬戸内 海ばかり 待ってください 背を向けないで 娘ざかりの 身がつらい 春は名ばかり 姫小島 出船 入船よ 漁火あかり 恋の絵巻きの 薄化粧 染めてください 爪の先まで 涙しずくが雨になる 春は名ばかり 水無瀬島 命 海鳴りよ 鳴くかもめどり 誰に想いを 告げて鳴く 抱いてください 燃え尽きるまで 夢であなたに逢えますか 春は名ばかり 大三島 |