9月13日(土)、声優・アーティスト千葉翔也が東京国際フォーラム ホールCにて『千葉翔也 1st Live 2025 Living Streak』を行った。7月9日リリースの1st ALBUM『Streak』を引っ提げての記念すべき1stライブの模様をレポートする。
ソロアーティストデビューから1年半、待望の1stライブ当日は早くから、ライブTシャツやタオルなどをファッショナブルに着こなしたファンが多数集結。18時開演予定ということで千葉の大型フェスから駆け付けた猛者もいてホール周辺は大賑わい。関係各所とファンからのフラワースタンドが多数置かれたホール内は物販やフォトスポットに長蛇の列が形成され、グッズは完売が続出。入場すると、正面には大型スクリーンが下がり、二層式で構成されたステージ上段にはドラムセットとキーボードが置かれ、中央には階段が据えられている。
場内が暗転し拍手が響くとスクリーンに千葉翔也が考案し自身が声を担当する羊のキャラクターが登場、予想外の事態に場内は笑い声で包まれる。羊はSNSアンケートの結果、仮の名前だった「ようようすけ」が正式名となったことを発表。ようようすけは諸注意をお知らせすると、
「みんな思いやりの心を持って、周りの人と一緒に愉しんでね。声を出してくれたら、千葉翔也君喜んでくれるから。安全に、みんなで愉しく、千葉翔也君の1stライブを盛り上げましょう。みんな、準備は良いですか?それでは遂に、『Living Streak』の幕開けです、メェー」
と締め、大きな拍手と賛同の歓声があがる。
再び暗転するとOP映像に続いてバンドメンバーによるJAMセッションがホール内に情熱的な音色を響かせ、客席では白いペンライトが振られる。歓声に迎えられ上下黒の衣装に白い靴底が眩しい千葉翔也が登場、拍手が一際大きくなり『Streak』のリード曲『Brightness』で開演。
「最初からトップギアで行くぜ!」
と絶叫するとコールを扇動、「1から続くJOURNEY この声が景色を変える」と客席と一体になる。
「最後まで愉しんでいこうぜ!」
と間髪を入れず1stシングル表題曲『Contrail』へ。アップテンポのメロディに自ら作詞を手がけた「この日この場所 僕らだけが得たspell」「見つめててよ ただ1つのストーリーライン」と熱い想いを迸らせる。
「楽しんでますか! 昨年ソロアーティストデビューさせていただいてから、ついに1stライブです。僕はめちゃくちゃ楽しみにしてたんですけど、(みんなも)楽しみにしてましたか?:場内が頷きで埋まると、「遊ぶ準備出来てますか! 声枯らせますか? 今日はこれまで創ってきた楽曲をすべて披露するライブとなっておりますので曲数まで全部バレている状態なんですけど(場内笑)。『Streak』は光をテーマに創ったアルバムで、今日のライブも皆さんに光を感じていただける様な、明日から、もっともっと前に進んでいけて、目線が少しでも前に向く、僕自身がそう思える様なライブにしたいと思っていますので、最後まで付いて来て下さい」
と賛同を得るとバンマス&キーボード・小幡康裕、ドラム・堀越一希、ベース・IGO、ギター・上杉悟を紹介。
「(2階、3階も)凄い見えてるんですけど、声も一段と大きく出していただければ、しっかり届きますので、よろしくお願い致します。
今日のライブは僕の人生、これまでとこれからを感じてもらえるようなライブにしたいと思って創りました。ソロデビューさせていただいた時の気持ちも遺さず、先に連れて行く為に、曲として聴いていただこうと思っております。葛藤も感じてもらいながら、皆さん自身の後ろ向きになってしまう感情を、棄てずに連れて行く為に、聴いていただきたいと思います」
と海中から沸き上がる生命力を思わせるグラフィックをバックに『Liar Game』へ。ダンサブルなメロディに「明日の自分を少し好きになれるように」「足りないページを探せずに立ち止まるなら ほんの少しの嘘を書き足したっていい」とメッセージを乗せる。暗転し暖色のスポットライトに照らされ『You/Me』。Elements Garden・藤永龍太郎による雄大なメロディに自ら作詞を手がけた「産み出されるのは型落ちのmy world」「薄闇に覆われた夜空を流れるメロディ 足元で色褪せないように 願いをかける」という痛切なメッセージを紡ぐ。一転して青く染まったステージでアップテンポな『I'll be』で「探していた 変われる時を」「何もないこの手だから なんにでもなれる」「何度でも言うよ 悲しい言葉の意味を塗り替えて」「独りじゃない世界は輝いてく」とポジティブな言葉を伝え、マイクを突き出し「wow wow」のコールで会場は一体になる。
自身が作詞した『You/Me』『I'll be』への想いを語った千葉翔也は、昨年10月のイベント『1st FAMILY SESSION』で感じたファンの温かさを思い返し
「次のコーナーはちょっとおしゃれな曲もあるので、肩の力を入れて愉しんでいただければと思います」
と『感情論』へ。「Step to the right」という印象的なリフレインで階段の上から大きな身振りで客席と手を振り合わせるミラーで一体になり、『Night Thief』へ。ジャジーな演奏に「Oh oh oh」「tak tak oh yeah」というフレーズをムーディーに響かせ、華麗なターンでステージを移動する。
「東京国際フォーラム遊べますか!」
と問いかけ、『逆さ絵』へ。タイトル通りにトリッキーな変調で構成されたメロディにラップを織り込んだ難曲を披露しお立ち台で歓声を浴びる。
一旦千葉翔也がステージを下り暗転。すると千葉翔也によるナレーションがホール内へ響く。声とライティングだけで存在感を示し、想いを表現する、声優・アーティスト千葉翔也ならではの演出に、客席もペンライトを消して静かに受け止める。ピアノの独奏で静かに締めくくられると、ステージ後方から白いゆったりした上下、ビビッドなスニーカーに衣装チェンジした千葉翔也が再登場。ギターの音を激しく鳴らし
「この光を持って帰ってください」
と『パノラマ』へ。小野貴光と共作で作曲した高BPMのメロディを自らもギターで弾き、作詞した「『よくあるあらすじ』賞受け取った 僕のため息達」「昔持ってて並べてたノーマル 今はプレミアらしい 隣にあったボロボロの方が 今も温かいんだ」「ゴールテープ何番目でも 足跡の数は負けてはいない英雄譚」「ひっくり返すよ 分け合えるこの幸福で」という等身大のメッセージを伝える。『Streak』の柱の1つという『Youth』ではスクリーンの大空をバックにステージを左右へ移動してハイトーンを響かせ拳を突き上げ拍手を浴びる。
「衣装も変わったということで、これまでとこれからみたいな感じで今回のセットリストを分けていて。声優としての自分を夢見たときから歌をやりたいなぁ…って思ってました。高校生の時に通っていた声優の養成所の時とか、何も考えずに言えてたんですよね、歌をやりたいよ、と。デカいとこでやりたいよ、ライブをやりたい。アニメの曲もやりたいとか、色々な事を言ってて。
昔はアニメに出れたらいいな、じゃなくて、出た上で、どう闘うかみたいな…若気の至りで考えてたから。出れる喜びみたいなのが改めて解ってきたんです。
最初から感謝してたけど、1個1個が繋がっているというのを最近感じていて。僕の存在は声優と切っても切り離せないなと思いながら、今回のライブを創らせてもらっています。
毎日声優のお仕事をやらせてもらっていますが、皆さんと何ができるか?を考えた時に、明日がどんどん良くなる様なライブをこれからも創っていこうと思います。
皆さんにも、自分の過去にも、未来にも語りかける様な曲を聴いてください」
自身の声優・アーティストとしての想いを身振り手振りとともに熱く語った千葉翔也は『Best Wishes』へ。爽やかなメロディに「幸せでいてね」「見守っていてね」と切なくリフレイン。
「曲を創る時に1個も嘘を吐きたくないなと思って。
時間を作って観て応援してくれて、明日からも曲を聴いてくれる方に、願っている事、思っている事を乗せて創った曲を初めて披露したいと思います」
と語り、ギターを手に『WISH』へ。暖色のライトで満たされたステージで、数多のアニソン・声優・アーティストの楽曲を手がけてきた作曲・小野貴光&作詞・磯谷佳江のコンビによるバラードを熱唱。
「最後に、始まりの曲を聴いてください」
と、アーティストデビューを果たした1st EP表題曲『Blessing』へ。デビュー時に携えていたギターに持ち替え、加藤祐平のハイテンポなメロディに自ら手がけた「かざした手の向こう 見えてるステージ」「昨日が明日へ 伝えたいこと 風になって届けるよ」「あなたの為に 幕は上がるよ」というメッセージを乗せて熱く弾き語った千葉翔也は
「ありがとうございました、この勢いで、明日からも一緒に生きていってください!」
と声をかけ、大歓声と拍手を浴びながらステージを下りる。暗転した場内は拍手が鳴り止まず、アンコールの声が響く。バンドメンバーが再登場しクラップを扇動すると千葉翔也が登場。
「アンコールありがとうございます、事前に配られていたうちわを出して下さい! ハイタッチしますよ!」
と語りかけ『Hi-Five!』へ。作曲・小野貴光&作詞・磯谷佳江コンビによるポップな楽曲をうちわでいっぱいの客席へ向け軽快に唄い、「Hi-Five! Hi-Five! it's all right」のフレーズをリフレインしステージを左右へ移動。千葉翔也は自らの手形がプリントされたうちわと念入りにハイタッチしていく。
「もの凄い速度で、本編が終わって、自分でも驚いたんですけど、どうですか?(早い、の声多数)もう14曲やっているんですけどね。愉しんでますか?(賛同多数)ありがとうございます。座りたい人は座ってください(笑)。僕、ライブを見させていただく時に座るかどうかを迷ったことなくて。でも迷わせるね、これ(笑)こういう気持ちなんだと思いました。
今掲げてくれたうちわなんですけど、当初予定になかったんですが、どうしても1人1人と何かしたいなと思って。
描かれている手形が小さいと思ったと思うんですけ、うちわがどうしてもこのサイズになっちゃうらしくて、ちょっとギュッとなっていますが、描かれている手形は僕のものです(笑)」
と笑いを誘った千葉翔也はバンドメンバーと本公演やリハーサル、これまでの交流を振り返る。さらにグッズ紹介、「ようようすけ」のエピソード、本公演がCS放送TBSチャンネル1で放送されること、ライブの写真を使用した『ラッフルくじ』の販売が告知。
「ギターも弾かせてもらって…そう言えばギター買ったんですよ! 新しいギター紹介したかったんだよな、忘れてた(場内から見たい、の声)ギターあります?」
とリクエストして、ステージ袖から白いギターが登場。
「声優の友達と買いに行って…かっこいい『テレキャス』です。(弦をつま弾き)ここをこうすると、音がみょーん、って。チョーキングね、曲を弾きながらチョーキングできるっていう、僕には、まだ使いこなせない機能なんですけど。そういう特殊なギターだったんで一緒に1stライブを迎えたいなと思って、用意しました。
僕にとって本当に1回しかない1stライブを皆さんと過ごすことが出来て本当に良かったです。これが僕にとってだけじゃなくて、皆さんにとっても、特別な日になっている事を祈ります。
そんな特別な日、つまり記念日は緊張しながら、服を選んで、出かけたいな…と心から思うわけですが、皆さんはいかがですか?」
と、この日のために千葉が用意したシャツを羽織り『Harmonize?』へ。白い4つのスポットライトを背に受け「今日は二人の記念日だね」「同じ気持ちで同じ価値観で今を 感じていたいそばにいて 確かめ合いたい」と甘く囁く。
「ありがとうございます。ということで、なんと次が最後の曲です(場内えーっの嘆き)。びっくりですね。本当に僕が一番びっくりしているかもしれないんですけど。どの曲も凄い大切な曲で、特に嬉しいのが…フリーライブをやらせてもらったり、東京以外の場所でアーティストとしてイベントをやらせてもらったりするんですけど、その場その場、人それぞれで、この曲が一番好き! っていうのが全然違っていて。それが本当に嬉しいし、面白いです。
あとは聴いてくれてるシーン。学校に行く時聴いていますと言う人、会社に行く時聴いてるという人、部屋で聴いてますという人もいますし、聴くと元気出る! と言ってくれる人がいるのも嬉しいです。
元気を出したい時に聴きたい人はそうしてほしいし、元気の時にもっと元気になりたい時に聴いてくれてもいいし、自分のタイミングで曲を愛していただけたら、それが一番嬉しいと思っています。
色々なアーティストの方がいたり、色々な言葉を扱う職業の人がこの世界にはいっぱいいると思います。僕が言葉を伝える意味って何だろうってすごく思います。今日、こうやって、この時間にここにいてくれたり、このライブを映像として見てくれてる人にとっては、今この瞬間の時間はここにしかない…と思っています。この瞬間の時間を費やしてくれてる事が、何よりも曲たちを特別なものにさせてくれてるんだろうな、と思います。本当に皆さんありがとうございます。
最後なのですが、何も皆に(コール&レスポンスで)問いかけてなかったから、なにか最後問いかけて終わりたいんだよな…。なんだろう、どこから来たか、今さら訊く?前代未聞ですけどね(笑)」
と、会場へ恒例の問いかけ。北は東北・北海道から南は九州・沖縄、さらに海外からも来ていたことが判明。男の子?の問いかけにも会場内に声が響く。そして
「最後の曲なんですが、一緒に唄ってくれますか?唄わなくても、笑顔になってくれますか?これからも僕と一緒に歩いてくれますか?」
と問いかけ、『Steps』へ。淡いライトに照らされた千葉翔也は「僕が夢を笑わなくなったのは カラフルな世界に好きな色見つけたから」と爽やかな歌声を響かせ「La la la…」のフレーズを場内一体となって大合唱。
「明日からもずっと一緒にいてくれ!」
と絶叫して、「もしも時が一度だけ止められたら 簡単さ今 見つめている瞬間を永遠に」とお立ち台で満面の笑みを魅せて最後の16曲目を唄い終える。
客席をバックにして笑顔で記念撮影、バンドメンバーとマイクオフで深々とお辞儀をした千葉翔也は
「ライブを創ってくれた総てのスタッフの皆さんにありがとうございます(場内からもありがとう、の声)。今日来てくれた皆様ありがとうございました。
本当に総てがつまびらかになったライブだったと思いました。(ソロアーティストとして)1年半以上やってきて、こんなに一瞬で終わっちゃうのかライブって…っていう。ただ、思い描いたものはできたんじゃないかなと思っています。どんどん新しい事をやっていきたいと思いますし、これからも活動していきますので、応援よろしくお願いします!」
と謝意を示し、改めてステージをゆっくり移動、会場の隅々まで手を振り視線を送る。
「これからの僕たちの日々に、光が射す様なライブになったと思います。本当にありがとうございました」
とステージを下りた千葉翔也と入れ替わりで場内に「ようようすけ」から終演のナレーションが流れ、記念すべき1stライブは大歓声の中、幕を閉じた。
学生時代からライブが好きで、声優デビュー後には作品やキャラクターを通して唄を紡いできた千葉翔也。ソロアーティストデビューにあたって、それまでの活動で出来なかった表現に挑み、楽曲に真摯に向き合い、念願の1stライブで声優・アーティスト千葉翔也ならではの唯一無二のステージを魅せてくれた。ライブの余韻を噛み締めながら、今後の声優・アーティスト活動への期待が膨らむ都心の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
◎千葉翔也 1st Live 2025『Living Streak』セットリスト
Opening バンド JAM (Overture)
M01.Brightness
M02.Contrail
M03.Liar Game
M04.You/Me
M05.I'll be
M06.感情論
M07.Night Thief
M08.逆さ絵
M09.パノラマ (ギター)
M10.Youth
M11.Best Wishes
M12.WISH(ギター)
M13.Blessing(ギター)
M14. Hi-Five!
M15.Harmonize?
M16.Steps
セットプレイリスト
https://shoya-chiba.lnk.to/Living-Streak-setlist■CHIBA SHOYA OFFICIAL WEB SITE
https://chibashoya.com/■千葉翔也 X
https://x.com/Shoya_Chiba■千葉翔也 アーティスト公式 X
https://x.com/ShoyaChibaMusic■千葉翔也Instagram
https://www.instagram.com/shoya_chiba_official/<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>