声優アーティスト水樹奈々、4年振り声出し解禁ツアー有明凱旋3Daysで大団円!『NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023』レポート 2023/09/21
声優アーティスト水樹奈々、4年振り声出し解禁ツアー有明凱旋3Daysで大団円!『NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023』レポート
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声優アーティスト水樹奈々が、7月2日青森からスタートした全国ツアー『NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023』を、自身初となる夏の3Days、9月1日~3日の東京・有明アリーナ公演で締めくくった。
今回は7都市12公演の千穐楽となった9月3日(日)公演の模様をレポートする。

この日有明の空模様はグズつくとの予報だったが、水樹奈々の自他共に認める晴れ女パワーで雨を寄せ付けず、開場時刻を迎えた。
初進出となった有明アリーナに設けられたステージには、上部に気球を配した大型のLEDが据えられ、中央にはセンターステージが設けられている。開演時間が迫るとBGMに合わせてクラップが響き、機材席を解放しての満員札止めとなった場内は早くもヒートアップ。

場内暗転するとスクリーンに水樹奈々のライブでお馴染みの、壮大なOPムービーが投影される。今回は「飛空艇で世界中を巡り音楽を届けている、奈々率いるPARADE団」というコンセプトに沿った、大作RPGを思わせる構成。巨大な飛空艇の勇姿に、マスク越しながら4年振りに解禁された歓声が沸き上がり、アリーナがペンライトで青く染まる。
大型LEDが左右に分かれると、飛空艇の船長のイメージのまま、ブラックとピンクを大胆に配したゴシックドレスの水樹奈々が登場。
「気合い入れて行くぞ有明!」
と声を響かせると、重厚な『Red Breeze』で12000人のコールとジャンプを扇動する。左右に分割されたモニターは、今回のツアーから導入されたシースルーのネットLEDで、大きく映し出された水樹奈々越しに、ライブを支えるバックバンドCherry Boysを垣間見れる様になっている。
続く『Bring it on!』でメガホンを手にした水樹奈々が
「みんなの本気見せてくれよ」
と扇動すると場内は「WOW」の大合唱。さらに『Poison Lily』で妖しく身をくねらせ、「嗚呼…I can't live with out you」と扇情的な歌詞で魅了する。
「遂にやってきたぜファイナル、有明3日目。無事にここまで辿り着いたよ!」
と絶叫した水樹奈々は大歓声を浴びると、声出し解禁のライブを
「みんなの声が入ると特別さがより増しますね」
と噛み締める。そして
「凄いセットリストが鎮座してますけど、最後までついて来れますか?みんなの本気見せてくれよ」
と問いかけ賛同を浴び、
「ツアーファイナル発進です!」
と宣言。






Cherry Boysによるムーディなセッションの間に大胆なパンツスタイルに着替えた水樹奈々は、同じくピンクとブラックに身を包んだダンサーズteam YO-DAと共に再登場。グルーヴィーなダンス曲『still in the groove』で激しいパフォーマンスを見せながらセンターステージへ移動する。続く『Faith』でブーツのヒールがリボンの紐にピンポイントで刺さるアクシデントも難なくリカバー、「feel may faith」のフレーズで観衆を魅了すると、「Give me」のリフレインが鮮烈なダンサブルナンバー『Gimmick Game』を熱唱。






ここで恒例のCherry Boysコーナーへ。バイオリン・門脇大輔「ハートキャッチ?」、ギター・渡辺格「盛り上がってくれるかな?」、北島健二「ケニー?」、佐々木”コジロー”貴之「三嶋?」、キーボード・佐藤雄大「123456?」、ドラム・松永俊弥「Wow Wowow?」、阿部薫「タンスに?」、パーカッション・ドラム・福長雅夫「123?」、サックス・藤陵雅裕「11、10、9、8?」、ベース・坂本竜太「ファイトー?」と、誰もがアンサーフレーズを叫びたくなる問いかけをして会場からコールを受ける。

続いてスポットライトに照らされて、グリーン地の妖精風衣装に着替えた水樹奈々が登場。転調で大きく変わる曲調とコールの『Get up! Shout!』、「宇宙(てん)の宝石(ほし)」「奇跡の種(つぶ)」と水樹奈々らしい当て字が印象的な『MASSIVE WONDERS』から静かなイントロで始まる熱いコール曲『ETERNAL BLAZE』へ。
「みんなのエタブレ、最高に響かせてくれよ」
と水樹奈々が煽ると、総立ちの観衆は眩いばかりのオレンジ色のライトを掲げて大きくジャンプ&コール。定番曲としてこれまでライブの終盤を彩ってきた「エタブレ」で、「大切な『今』始める」というお馴染みのフレーズに続いて
「みんなでいくよ!」
との水樹奈々の煽りに応じて
「ETERNAL BLAZE」
というコールが場内に大きく響き渡った。
「盛り上がってますか?私もだよ!」
と絶叫した水樹奈々は、4年振りとなる
「回って」
コールに
「良いよ~」
と応じると、今ツアーから導入したセルカ棒を使って、ダジャレの師匠でもあるバンマス・渡辺格にインタビュー。渡辺格の
「画面なさい」「有明だけに好投」
という流石のダジャレに、水樹奈々も
「有明に、亞里亞、見参なの」
と『シスター・プリンセス』のキャラクターを召喚して対抗。続いて、今回のツアーの特別企画、オリジナルアコーステックアレンジコーナーへ。サックス・藤陵雅裕をリーダーに、ジャズ歌謡の原曲をバラード風味濃く大胆にアレンジした『哀愁トワイライト』で切なくも激しくスイング、喝采を浴びる。
そして水樹奈々は
「もう少しだけ、夜のムードでお届けしたいと思います。今のうちにパワーチャージしておいて」
と微笑を浮かべると、タイトルをリフレインするムーディーな歌謡曲『Sweet Dealer』、夏の終わりを「繋げなかった僕たちの未来はきっと 夏の幻だったから」と切なく唄ったフォーク調の『恋想花火』をしっとりと聴かせる。




ここでブリッジムービーとなり、飛空艇の墜落と世界の再生への希望を映し出したモニターの奥から、ステージ一体型の衣装を身にまとった水樹奈々が登場。
電飾され、明るく光り輝く全高約7mの塔に扮した水樹奈々は
「ケータイのライト振ってください」
と声をかけて『サーチライト』へ。2018年に水樹奈々自らが手がけた
「闇の中で知った」「この痛みは絶対 無駄じゃないこと」「後悔は未来でしか消せないこと」
という、コロナ禍と再生への道程を予見した様な歌詞に合わせ、客席でペンライトが白く輝き、スマートフォンのLEDが点灯、場内を明るく照らす。続いて「食い縛った痛みの分だけ 未来は生まれ変わる」という希望に満ちた始まりの歌『STARTING NOW!』へ。ポンポンを持ったteam YO-DAも登場し客席と一体になって盛り上がる。さらにワイヤーで吊られた飛空艇に搭乗した水樹奈々は『Higher Dimension』を聴かせながら約7m上空を飛翔、センターステージに着陸する。
「情報量多くてすいません」
と笑いを誘った水樹奈々は、今回のライブタイトルを、コロナ禍で開催した「RUNNER」「HOME」「HEROES」を経て、ファンと共に凱旋するイメージで付けたことを明かす。
「ここから真のPARADEの始まりですよ。皆さんの声なくしては完成しません!みんなの本気ぶつけてきてよ」
と絶叫すると、フロートにモードチェンジした飛空艇に搭乗。ライトに照らされながらアリーナを周回。高BPMの『Astrogation』と『VIRGIN CODE』を熱唱しながらコールを扇動、さらにアリーナとスタンドの隅々まで視線を贈り、ポーズでレスを返すという超人ぶりを見せる。
ステージへ帰還し飛空艇から降りた水樹奈々は
「明日のことは考えず、思いっきり炸裂させてくれ!」
と叫ぶと『残光のガイア』へ。オレンジ色のライトが大きく上下に揺れる客席へ向け「Trust me」と問いかけ「Yes」と大きなコールを浴びる。ここで
「楽しいねー楽しくてたまらなくて次の言葉を言いたくないです」
と心情を吐露した水樹奈々は客席からの
「今来たばっかり」
の声に賛同し、
「『Red Breeze』から全然いけます私 (笑) 7デイズも連続でいけますね。そんなことを思ってしまうぐらい、みんなからとてつもないエネルギーをもらってます」
と謝辞を述べる。そしてコロナ禍のライブを振り返ると、声出し解禁ツアー前の一日千秋の想いを明かし、
「みんなの声が実際の音魂となってやってくると、いつまででも歌っていられる、無双モードにしてくれるんです。オンラインでなんでも出来る時代になりましたけれど、やはり実際に顔を合わせての声のコミュニュケーションって偉大だな、本当に素晴らしいことだなって思ってます。
今までも当たり前じゃないと思っていましたけれど、これまで以上に、ここは聖域なんだ、特別な場所なんだなと思いながら、12ステージ立たせてもらいました」
とツアーを総括。マスクをして声を出し、ジャンプを見せた観客を労うと、世代毎にコールを扇動、
「みんなの心を一つにして、いくぜ」
と絶叫、『NEXT ARCADIA』へ。紙吹雪が舞うステージを左右に移動しながら、「この願い この想い 天に解放せよ」と会場中を扇動、オレンジとブルーのライトを大きく揺れさせてジャンプで一体となった場内へ満面の笑みをみせて
「ありがとうございました」
と締めくくった。








暗転した場内に割れんばかりの「奈々」コールが沸き上がり、水樹奈々はライブTシャツに着替え再登場。ダンスナンバー『PARTY! PARTY!』を華麗に踊りながらteam YO-DAのメンバーを紹介し、『Happy☆Go-Round!』で「NaNow いま」の歌詞に合わせてマフラータオルを振り回す。
アンコールへの謝意を示した水樹奈々は、客席からスタッフまで待ちに待った恒例の挨拶「シャッス」を交わす。
10月放送のTVアニメ『でこぼこ魔女の親子事情』出演とタイアップを改めて報告し、万歳三唱を唱えた水樹奈々は、Cherry Boysをして「一筋縄ではいかない」と言わしめた同作のOP曲『Sugar Doughnuts』を披露。そしてピンク色のライトが輝く妖艶な『DISCOTHEQUE』で客席と「CHU-LU CHU-LU CHU-LU PA-YA-PA」のコールで一体となりジャンプ、発射された銀テープが舞う中、Cherry Boys、team YO-DAと共にマイクオフで
「本当にありがとうございました」
と声を響かせると、
「最高に幸せな時間をありがとうございました。これからも最高に笑顔になれることをみんなでいっぱい創っていきましょう」
と締めくくった。しかし暗転した場内に「もう一回」の声が響き、水樹奈々がステージに戻ってくる。
そして本公演のANIMAXでの放送を発表すると、Cherry Boys、team YO-DAを呼び込み、
「初めてライブでコール&レスポンスをする喜び、幸せを感じた、沢山の思い出を創ってきた曲」
と紹介して定番曲『POWER GATE』へ。オレンジのライトが左右に振られ、大きくジャンプする客席と一体となり、
「重いから 価値があるんだよ 僕らで時代とか変えて行かなきゃ 必ず出来る ・・・昨日とは違う」
と熱唱、「Wow Wowow」「POWER GATE」のコールで盛り上がる。そして
「最高の時間をありがとうございました。大好きだよ、また絶対逢いましょうね。気を付けて帰ってね」
と謝意を示した水樹奈々は、熱かったPARADEを締めくくった。








本公演を見て、水樹奈々が声優・アーティストの第一人者であり、先導者であり、指針であり、アニメ界を照らす灯火であり、かつ探求者でもあることを改めて再認識した。
今夏を待って万を持しての声出し解禁となったこと、『PARADE』というタイトルでありながら、光と影を持ったセットリストにしたことなど、アニメソング・声優・アーティスト全体を俯瞰しての深謀遠慮が感じられる。新曲『Sugar Doughnuts』の複雑な構成、シースルーネットLEDの導入など、より良い表現、素晴らしい公演への追求を怠らない姿勢には感服せざるを得ない。
参加型でありつつ、細部まで練り込まれた圧倒的完成度の高さ、不断の努力から生み出されるパフォーマンス、それが水樹奈々のライブである。参加が叶わなかったファンは無論、参加した方でも、ANIMAXの放送で見返すとまた新たな発見があるだろう。


ライター:こもとめいこ♂
photo:kamiiisaka


『animelo presents NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023 supported by JOYSOUND』セットリスト

セトリプレイリスト
https://lnk.to/NM_LIVE_PARADE2023

01.Red Breeze
02.Bring it on!
03.Poison Lily
04.still in the groove
05.Faith
06.Gimmick Game
Cherry Boysコーナー
07.Get up! Shout!
08.MASSIVE WONDERS
09.ETERNAL BLAZE
10.哀愁トワイライト
11.Sweet Dealer
12.恋想花火
13.サーチライト
14.STARTING NOW!
15.Higher Dimension
16.Astrogation
17.VIRGIN CODE
18.残光のガイア
19.NEXT ARCADIA
EN1.PARTY! PARTY!
EN2.Happy☆Go-Round!
EN3.Sugar Doughnuts
EN4.DISCOTHEQUE
WE. POWER GATE


■水樹奈々オフィシャルWEBサイト
https://www.mizukinana.jp/
■Official YouTube 水樹奈々
https://www.youtube.com/channel/UCLUUU-gAiTWdi67Vv1MOCRA
■ANIMAXにて12月3日(日)、12月17日(日)に放送
https://www.animax.co.jp/howto


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