5月11日(土)、12日(日)の2日間、Kアリーナ横浜にて、キングレコードによるアニソン・声優アーティストの音楽フェスティバル『KING SUPER LIVE 2024』が開催された。
2015年のさいたまスーパーアリーナ『KING SUPER LIVE 2015』に始まり、2017年武道館の『KING SUPER LIVE 2017 TRINITY』、2018年の東京ドーム、上海、台湾を巡った『KING SUPER LIVE 2018』、コロナ禍での中止があり、今回は6年振りの公演。「アニソンの思い出と、未来がここにある」をキャッチコピーに掲げ、合計23組(コラボ除く)が出演したDAY1の模様をレポートする。
昨年9月に音楽専用アリーナとして開業したばかりのKアリーナ横浜。当日朝から会場周辺は左側通行の看板を掲げたスタッフが誘導し、老若男女のファンが混乱なく会場へ列を成した。用意されたライブグッズは朝のうちから完売も出る盛況。真新しいアリーナ内では、正面に大中3枚のスクリーンが据えられ、その上部には過去の公演でも見られたシャンデリア型の大型照明、ステージは2層式で、階段を挟み左右にバンドによる生演奏用の機材がスタンバイ。その外側の両サイドにも大きな箱状のセットが置かれ、さらにセンターステージへ向かって通路が延び、キングレコードによる大型フェスらしい凝った構成。
定刻となり、暗転した場内ではペンライトが青く点灯、スクリーンに沢山の流星が宇宙を進み、星を形成するOPムービーが流れる。大歓声に応え水樹奈々がアカペラで「真実の音色はここにあるから」という朗々としたハイトーンをアリーナに染み込ませ、特効花火が打ち上がり、開演を宣言する『Exterminate』へ。館内を青いレーザーが駆け巡り、青いペンライトがジャンプで大きく揺らめき、「行こう」「一緒に」「手をとって」「どこまでも」のコール&レスポンスで早くもフルスロットル状態。ステージ上には水樹奈々のライブでお馴染みCherry Boysメンバーも。コロナ禍での中止を経ての再スタートという想いを籠めた『STARTING NOW!』へ。虹色のゴージャスなドレスに足元をブーツで固め、ステージを左右へ全力疾走しながら息を切らさない水樹奈々ならではのパフォーマンスに、青と黄色のペンライトが揺れる。「STARTING NOW!!」「JUMPING UP!!」のコールが響き、1回転した水樹奈々がジャンプで締める。
「待っててくれてありがとう」
と叫んだ水樹奈々は、アリーナからレベル7まで呼びかけ、
「みんなの心を1つにして、最高のライブにしましょう」
と語りかけ、入れ替わりで薄紫のチャイナ風ドレスに身を包んだ上坂すみれが登場。ピンク色に染まった場内へ『ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡』をキュートに響かせる。
「今日はとても長く暑い、みなさんの何十年来の想いが昇華していく、新たなオタクも古のオタクも皆、魂が天に昇って、横浜には屍がいっぱい、という、神のライブになること間違いなしです」
と予言すると『EASY LOVE』へ。ペンライトで赤く染まったアリーナをセンターステージへ歩み「イジけてないで」「意地はらないで」「踊りまくりましょう」と扇動する。キンスパ初登場となる岡咲美保はイメージカラーの黄色を基調にした淡いパステルカラーの衣装で登場。1stライブで見せた「リハーサルで緊張が最高潮」な強心臓ぶりを発揮して『インフィニット』を堂々と披露、黄色い灯りに染まった客席から驚きの混じった歓声を浴びる。
『WILL』の前奏でどよめきがおき、米倉千尋がデニム地のベストと白いロングドレスで登場。「この宇宙(そら)の果てに何が待っていても きっと大丈夫」「君を信じていいですか」と印象的なリフレインを響かせる。横浜が故郷という米倉千尋は、ライブグッズの「横濱ハーバー」を、横浜市民のソウルフードとしてお土産に推薦。
「歌い続けて28年。勇気とパワーと、元気を頂いて、皆さんにお返しして、笑顔になってくれる姿を見るのが大好きで、アニソンを歌っていて本当に幸せだなっていつも思っています」
と語り、デビュー曲『嵐の中で輝いて』へ。トーチから炎が吹き出し、赤いライトが揺れる中、ガンダムソング屈指の名フレーズ「嵐の中で輝いて その夢をあきらめないで 傷ついた あなたの背中の 天使の羽 そっと抱いて 抱いてあげたい」を、客席と大きな声でリフレイン。
左セット上に姿を表したSuaraは緑のライトを浴びながらシックなグリーンのロング丈トップスから黒いショートパンツとブーツをのぞかせ、『不安定な神様』へ。「繰り返す過去と未来 生まれそして死んでゆく運命 掛け違えた世界で 繰り返す出会いと別れ また会えるその日まで」と、タイアップの「うたわれるもの」に通ずる詞を伝える。左右のセットが中央まで移動してドッキングし、リフターでステージ上へ降りたSuaraは、キンスパ初参加への喜びを語り、
「『うたわれるもの』に出逢えたことは奇跡で、この歌があったから、今もこうして立ち続けられているんだなと本当に実感しています。いつもの様に、感謝の気持ちでお届け出来ればと思っています」
と、『夢想歌』へ。「子供の頃の夢は 色褪せない落書きで 思うまま書き滑らせて 描く未来へとつながる」と切なくも大切な想いを紡ぐ。
スクリーンに歯車の回る映像が映し出され、右セット上段に愛美が登場。スチームパンク調の装飾を施したギターを抱え、黒いジャケットとグレーのロングスカートで『HELP』を披露、リフターでステージ上へ降りる。ギターをGibson SGに持ち替えた愛美はキングレコードでのソロアーティスト活動とキンスパ初参加への喜びを表し、ソロカラーが「赤・紫」となったことを発表。会場が赤と紫の2色に染まると『メリトクラシー』へ。「クラシークラシー」というリフレインと中毒性のあるハードなナンバーで観客を魅了する。
ステージにスモークが湧き、左舷へ黒いジャケットにグローブというスタイリッシュな衣装とスッと伸びた立ち姿が美しい七海ひろきが登場。『It's My Soul』をエモーショナルなボイスとパフォーマンスで「蹴り上げろ 砕け散るのは 君の常識だ」と激しく叩きつける。
右舷へ赤と紫を基調にしたレトロモダンな衣装でカノエラナが現れ、
「お手柔らかにどうぞ」
と観客に声をかけ自ら作詞作曲を手がけた『ヨトギバナシ』へ。赤いペンライトが瞬く客席へ「宴は始まったんだから 興じてやるのも悪くない 歌えや歌え 夜伽話」とメッセージを贈り、独特の世界感を醸し出す。
『SHAKE!SHAKE!SHAKE!』の前奏が始まり、歓声が沸き上がる中ステージ上段へ、内田雄馬が「うちダンサーズ」4人と共に登場。階段を脚を揃えてジャンプして降りるという、独特のパフォーマンスを見せた内田雄馬は、水色のライトと手を振り合うミラーで一体になる。
「中学の時とか聴いていた曲が流れていて…バックステージで、嵐の中で輝いてました…最高だよな!」
と、全身でキンスパを楽しんでいると興奮気味に語った内田雄馬は、ソロアーティストとしての初ステージだった「キンスパ2018」を振り返り、
「前回こんなことを言いました。私は初めてライブをやります。ということは、皆さんも内田の歌を聴くのは初めてですよね?てことは一緒ですね、皆さんも内田雄馬で-す! そう、皆さんはあの時から内田雄馬になってました。そして今日僕を初めて見るよーって方?これだけまだいます…もう、内田雄馬の皆さん…」
と語りかけ、賛同と笑いが合わさった大歓声を浴びる。
「みんなまとめて内田雄馬になりたくないですか?全員で最高の音楽創りたくないですか?いつだって初心忘れず、この曲を聴いてください」
と、6年前に初めて披露した『NEW WORLD』を熱唱。
その内田雄馬と公私共に交流がある、ギター&ボーカル・ヨシダタクミ、ギター・ユタニシンヤ、ベース・ヤマザキヨシミツからなるsajiは、キンスパ初登場でTVアニメ『かげきしょうじょ!!』OPテーマ『星のオーケストラ』でハイトーンを響かせる。
ステージ左上に、まがまがしい椅子に鎮座した蒼井翔太が姿を見せ、場内は赤と青のペンライトに2分される。椅子の上に寝そべって中毒性の高い『PSYCHO:LOGY』をノビノビと響かせながら中央へ移動、両腕にメタルを散りばめたデニムのジャケット、腰にチェーンを下げ、ブーツで足元を固めた蒼井翔太はリフターでステージへ降下。
「とてつもないラインナップですね、最高の上を行くセットリストになってますよ、ヤバいですよね。アーティストの皆さんは、1人1人色が被らなくてですね、僕も見させて頂いて、憧れの方、仲間達っていうのは、いつまででもどんな時でも、憧れ、仲間でいてくれるなっていう風に感じさせて頂いております。だから僕自身も、誰かの憧れだったり、誰かの背中を押せる様な、そんな人間になっていけたらなと思っております。次の曲、どんな破滅を迎えても、ここにいるみんな、また必ず出会えるよ、そんなポジティブな願いを込めて、…聴いてください」
と『BAD END』へ。ステージを左右へ移動し、「バッドエンドの運命でも 僕のモノになればいい そうさ どうせ破滅するのなら君と」と刺激的なフレ-ズで性別問わず魅了する。
國府田マリ子は、ピンクと猫、フリルを大胆に配したTシャツ、ミニスカートにスニーカーで登場。1stシングル収録曲『僕らのステキ』を『~sutekiバージョン~』で披露し、「マリ姉」コールと大歓声に応えた。5月8日にキングレコードからセルフカバーアルバム『HARMONY STAR』をリリースしたばかりの椎名へきるは赤いドレスに黒いロングブーツでステージ上段へ登場。赤いペンライトで染まった客席へ1999年8月リリースの『-赤い華- You're gonna change to the flower』で「赤い華が私を呼んでる あなたにだけあなたへだけ 伝えたくて」と突き抜けるような高音をアリーナ中に響かせる。
1990年代始めから声優ブームを牽引し続ける現在進行形レジェンド2人の余韻冷めやらぬ中、「テトテ メトメ ヒトリトヒトリ」のコーラスが響き渡り、どよめきと大歓声が沸き上がる。薄いピンクのドレスに身を包んだ田村ゆかりがステージ右上にキュートなセットに彩られて登場。ピンク一色に染まった場内は、『You&Me』のmotsuのラップパートを「囃し立てろビート It's only for You&Me」と大合唱。「HIGHよりもっと FULLなボリュームで 伝えたい BABY LOVE」と唯一無二のキュートな歌声を響かせながらステージへ降りた田村ゆかりへ場内割れんばかりの「ゆかりん」の声が降り注ぐ。
MCを挟んで続いては2003年リリースの『Baby's Breath』へ。「ゆかりん」コールを浴びながら、「一人ぼっちの あの頃の私 大きな夢や 遠い空見てました 君に出会えて 扉が開いて 小さな事が しあわせになりました」という歌詞を、当時への想いを馳せながら爽やかな歌声で響かせる。
「ありがとうございました」
と謝意を示した田村ゆかりへ、一際大きな拍手とコールが響く中、印象的な鐘が鳴り響くサプライズ。気付けば田村ゆかりの傍らにシックなブルーのグラデーションが色鮮やかな衣装を身にまとった堀江由衣が寄り添い、大きなどよめきに。
「恋の天使 舞い降りて 世紀末の魔法をかけたよ」
のハーモニーが重なり、田村ゆかりと堀江由衣のユニット「やまとなでしこ」が登場。ピンクとブルーのペンライトに照らされる中紡がれた「聖なる夜 誓い合う愛の言葉 きっと叶う Silent night 永遠に Love for you」という歌詞が、「やまとなでしこ」へのファンの愛を象徴する様に、真新しいアリーナに刻み込まれていく。歌い終えた2人へ称賛の声が溢れ、反響の大きさへの戸惑いと喜びを、田村ゆかりと堀江由衣らしい、はにかんだ笑顔での
「ありがとうございました」
に籠めた「やまとなでしこ」はステージをあとにした。
20分の休憩明けは、『水の星へ愛をこめて』の前奏に乗って白いロングドレスの森口博子が登場。青いペンライトの光を浴びながら、色褪せないガンダムソングの名曲にハイトーンを乗せる。来年デビュー40周年を迎えることに触れた森口博子は、
「2018年の50代にして、日本レコード大賞企画賞(『GUNDAM SONG COVERS』)をいただけて、夢には締め切りがないと思えたのも、アニソンの力だと思いました…これからお届する曲は、50代になってリリースして久しぶり(29年0カ月)にチャートに帰ってきた、ということでインターバル記録(女性ア-ティスト3位)というのを頂きまして。1位は和田アキ子さん(46年4カ月)、2位は美空ひばりさん(30年0カ月)、だったという、ものすごい記録の中にアニソンが食い込めたのも、みんなが声を大にして、好きなものが好きだ! って言える時代になったからかな、と思っています」
と、謝意を示す。
「ここからは、世界中の皆さんの産声がすこやかであります様に、そんな願いを籠めて」
と、スローバラード『Ubugoe』に「それぞれが 見てる世界は それぞれ正しい でも荒れた地平に 訪れる 夜明けはひとつ」と、2024年の世界へ向けた想いを響かせる。
麻倉あきらが赤い髪に黒い光沢のロングドレスでステージ上段へ登場、ペンライトで真っ赤に染まったアリーナへガンダムソング『DREAMS』を「人の波に挫けそうな時にも 忘れないで 一人きりじゃないこと」と熱唱、
「どうもありがとう」
と謝意を響かせた。
そしてキンスパと言えばこの人、保志総一朗がセンターステージへスモークに包まれて登場。青と白のペンライトを浴び、黒いジャケットで『Shining Tears』を熱唱。「遠い場所に 別の場所に いても ホントの 心はつながる」と歌声を響かせる。
ステージ上段へ再び登場した堀江由衣は退廃的なピアノの音が強烈な『インモラリスト』を歌いながらリフターで制服姿のダンサーズと合流。「きみと共にギリギリなファイト あからさまにミゼラブルなファイト ラヴはいつもアナキズムなファイト わたしだけのインモラルなファイト」と歌劇を思わせるパフォーマンスを見せる。
「さっきぶり」
と、一転してほっちゃんスマイルを見せ、
「『やまとなでしこ』は再結成ではなく…解散しておりませんので。久しぶりにちゃんとオファーが来た、ということです」
と、解説、大歓声を受け、月明かりを思わせるスポットライトを浴びて『silky heart』を軽やかに響かせた。
黒いジャケットと前部に深くスリットの開いたパンツルックの水瀬いのりは、ステージ上段からさらにリフターでスクリーン前まで上昇し『TRUST IN ETERNITY』へ。大きな羽根を背景に、「黙ったのはね 言葉 足りないせいじゃなくて 伝えたいことが多過ぎたからだよ からまり合った運命の糸を解き放ち 飛べない鳥は明日へと羽ばたいた」と水色の灯りが揺れる客席へ強いメッセージを響かせる。「いのりん」の大コールを受けた水瀬いのりはステージへ降り、『Million Futures』で「せーの」「Million Futures」のコール&レスポンスで盛り上がると、大きな〇を両手で作り、観客へ称賛を送る。
鮮やかな赤いドレスに黒いハーネスを締めた奥井雅美がセンターステージへ登場。ペンライトで赤く染まった場内へ『輪舞-revolution』の「無感動…無関心きりがないね 若い子みんなそうだと思われるのはfeel so bad! どうしようもないじゃない」と熱く扇動、「revolution」のコールを引き出す。大歓声を浴びた奥井雅美は、
「私もちっひー(米倉千尋)と一緒で、2度目の出演で、凄く嬉しいです。自分的には故郷に帰ってきたような、そんな気持ちでございます。スターチャイルドで、買取で(『誰よりもずっと…』で)デビューしてから(笑)32年目になりました。永く唄えているのも、キングさんの…お世話になった作品がたくさんあるので、続けられてるんだと思っております。もう1曲、色々な作品があるんですけど、『アキハバラ電脳組』という作品のOP主題歌を唄おうかと思ってます」
と告げ、大歓声を浴びて『Birth』へ。アキバ系という言葉が浸透する以前の1998年に「がんばりすぎる そんな習性 throw away」といち早くスローライフを提唱した名フレーズを熱唱。
ステージ上段へ白くゆったりしたパンツルックで宮野真守が登場『NEW ORDER』を爽やかに響かせながら階段を降り、ダンサーズと合流。青いライトが揺れ、「マモー」の大歓声に
「待ってましたか?お待たせ、マモだよー」
と叫び、大喝采を浴びる。
「キンスパ、楽しいですか?ちっと聞こえないな…楽しいですか!?」
と語りかけて大歓声を浴びると、
「これから、まだまだ、楽しいから! 楽し過ぎてぶっ倒れるんじゃないかなって思うんですよ(笑)僕もこのキンスパ、楽しみにしていました。6年間でね、僕もかなりパワーアップしたと思うんで(笑)次、もう1曲、やりたいと思うんですけど。みんな、英語って喋れる?言って欲しい英語があるんだけど。BREAK IT。せーの」
と問いかけ、返ってきた大きな「ブレイクイット」に
「それじゃ日本語発音(場内笑)。もうちょっとネイティブな発音でね」
と、発音を指導。爆笑と歓声を受けて『BREAK IT!』へ。「運命なんて言い訳にしか過ぎない 強くイメージすれば真実になる」とメッセージを贈り、センターステージへ走ると全方位へ「せーの」と扇動、「BREAK IT!」とコール&レスポンスで盛り上がる。
国民的アニソン『残酷な天使のテーゼ』と共にステージ上方へ、ゴンドラに乗った高橋洋子が白いゴージャスなドレスで姿を見せる。「残酷な天使のテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ ほとばしる熱いパトスで 思い出を裏切るなら この宇宙(そら)を抱いて輝く 少年よ神話になれ」と誰もが知る名フレーズを響かせながらステージへ降下、6人のダンサーズを従えてパフォーマンス、赤に紫、青が入り交じったエヴァンゲリオンカラーのライトが揺れる。
「こんばんは、angelaのKATSUです(笑)失礼しました、高橋洋子です。前回の東京ドームの時は、会場にエコーがかかるので、早口で話すと聞こえづらくなるから、気を付けて話したんです。そしたら『まるで選挙演説みたいでした』って(笑)」
と、ユーモアたっぷりのMCの後は『魂のルフラン』へ。スポットライトを浴びて「私に還りなさい 記憶をたどり」と圧巻のアカペラを響かせるとトーチから炎が吹き出し、赤いライトが揺れ動くアリーナをダンサーを従えてセンターステージへ移動。コールを扇動して、「HEY HEY」の大声を浴びる。
『イグジスト』の前奏に「Follow me Follow you」のコールが響くが、ステージにangelaの姿がない。観客が見渡すと、アリーナ両横の、ここまで無人で使われていなかったテラスの上段にスポットライトが当てられ、サイケな色使いの衣装のangelaが現れた。左舷にatsuko、右舷にギターを提げたKATSUがスタンバイ。「キンスパ2015」「キンスパ2018」では上衣に立体的なライオンを埋め込んだ衣装、さらに「キンスパ2018」では開幕早々大きなライオン型のトロッコに乗って登場したatsukoだったが、今回は背中にサングラスをかけたライオンを乗せた衝撃的な出で立ち。2人は左右の通路を駆けるとパフォーマンスしながらステージ上段へ降り、セットごと移動して中央で合流し、リフターで降下。ステージ上で
「まだまだみんな元気?男の子?女の子?」
と、扇動し、「Follow me Follow you」の大合唱を演出。atsukoが
「私達がTWO-MIXです」
とお馴染みのなりすまし挨拶。改めて名乗ったatsukoは
「トリということで…キングレコードを背負って、このステージに立っております」
と背中のライオンを撫で、大爆笑とどよめきを誘う。KATSUがライオンにアテレコをして
「内田雄馬です」「蒼井翔太です」
と口上を被せ、恒例の退場ギャグも織り交ぜる。タオルを使った振りつけ練習を雑に行い、
「簡単なんですが、古のおたくのみなさんからしたら…40肩、50肩あると思いますが(笑)、是非皆さん、出来る範囲で構わないので、やってみてください」
と要請。そして高橋洋子へのリスペクトと想い入れを語ると
「高橋洋子さんの楽曲に感化されて私達も曲を創って。それがキングレコードさんの目に、耳にとまってその曲がきっかけとなって、今、私達はここにいます。アニメ、そしてアニソンがあったからこその、このステージです。一緒に踊ってください、知ってたら一緒に歌ってください。私達の大切なデビュー曲です」
と、『明日へのbrilliant road』へ。ステージを左右に駆け巡り、タオルの振りを扇動すると「あたしが居てあなたが居る この日をずっと忘れないだろう」と熱唱。
「一緒に唄って」
と問いかけて「空を仰ぎ 星よ満ちて 飛び立つの 明日へのbrilliant road」と合唱。直立不動のatsukoは
「2024年5月11日。Kアリーナ横浜へ集いし、キンスパの騎士達。諸君等の、アニメ、そしてアニソンへの熱い想い、我々に伝えて欲しい。総員敬礼」
と、KATSUと共に敬礼し、客席もペンライトを持った手を額に着け、『シドニア』へ。「誰(た)がために 我は行く 誰(た)がために 散り行くなら 何故に 打ち砕け 時 満ちて 生きるため 解き放て」と絶唱。「打ち砕け」「KNIGHTS OF SIDONIA」のコールが沸き上がる。ここでドラム・生田目勇司、ベース・ぼーのを紹介、
「可愛いでお馴染みのボーカルatsukoです」
「諸君等の愛していたガルマザビは死んだ。何故だ!(坊やだからさ)起てよ国民、起てよ、キンスパの騎士達よ! ジークジオン! (ジークジオン)敢えて言おう、KATSUであると」
と、お馴染みの自己紹介を織り込んだangelaは「KNIGHTS OF SIDONIA」の絶唱で締めくくると「激アツのコラボコーナー」を宣言。
キンスパならではのコラボ企画は、左右のセット上に黒いライブTシャツを着た蒼井翔太と七海ひろきが登場しての『Preserved Roses』で開幕。水樹奈々の高音パートを蒼井翔太、T.M.Revolutionの低音パートを七海ひろきと、この2人ならではのクロスセッションに大歓声が沸き起こる。ペンライトを手に、センターステージに登場した堀江由衣 と上坂すみれは、テレビアニメ『彼氏彼女の事情』のOP曲『天使のゆびきり』をデュエット。最後に2人で大きなハートを作って嬌声を沸き起こす。
ステージ上に愛美、KATSU、ヨシダタクミ(saji)の3人がギターを携えて登場、マイクスタンドでthe pillowsによるOVA『フリクリ』のED『Ride on shooting star』を弾き語る。
セット上段へ森口博子、米倉千尋、麻倉あきらのガンダムソングの歌い手3人が登場し、不朽のガンダムソング『哀 戦士』へ。井上大輔作曲のメロディに富野由悠季監督が井荻麟名義で乗せた「死にゆく男たちは 守るべき女たちに 死にゆく女たちは 愛する男たちへ」という、時代を感じるジェンダー感のフレーズを女性ボーカルトリオで熱唱。ガンダムシリーズで声優を務める宮野真守、内田雄馬、保志総一朗の3人がステージ上へ。
「ガンダム乗ってる?」「俺もガンダム乗ってる」
とワチャワチャしてテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』OP『STAND UP TO THE VICTORY』を豪華セッションで披露、ジャンプで締めくくる。
センターステージに可愛いきんくりん柄のライブTシャツで水瀬いのりと岡咲美保が登場。水樹奈々の背中を追いかけ、このステージへ辿り着いた2人が、水樹奈々の 『COSMIC LOVE』をデュエットでカバー。客席は、水樹奈々のライブ同様のピンクと青、2人のイメージカラーの水色と黄色が瞬き、鮮やかな星空を演出、「君と一緒に 過ごせる瞬間 ひとつも無駄にできない」「BABY, BABY LOVE 感じる? この恋が本当の恋であること」と、水樹奈々愛を奏でた。
黒いライブTシャツを羽織った奥井雅美×atsuko×Suara×カノエラナは 『甲賀忍法帖』へ。「水の様に優しく 花の様に劇しく 震える 刃で 貫いて 宿命られた 涙を 瞳の奥 閉じても 貴方を 瞼が 憶えているの」と、豪華カルテットでハーモニーを響かせる。
一瞬の静寂の後、キングレコードファンならずとも聴き慣れた高音の音色が鳴り響き、ステージ上方に田村ゆかりと水樹奈々が登場、大歓声とどよめきが会場を揺らす。水樹奈々が「make a little wish 転んだり 迷ったりするけれど」、田村ゆかりが「あなたがいてくれるから 私は笑顔でいます」と続き「元気です」とハーモニーを響かせ、TVアニメ『魔法少女リリカルなのは』のED『Little Wish ~lyrical step~』 へ。水樹奈々が手を差し伸べて田村ゆかりをエスコートして階段を降りる。「あなたがいてくれたから とびきり笑顔でいたの こんな風に」と、笑顔を交わすとメドレーで同アニメOP『innocent starter』へ。
水樹奈々自身が手がけた、『リリカルなのは』への想いが詰まった「『始まり』くれた君に そっと囁く 二人だけの約束を」「僕の名前を呼んで あの日のように笑いかけて」という歌詞を歌い継ぐ。
アウトロでは田村ゆかりの方から駆け寄って熱い抱擁を交わす。その尊い光景に、会場中から大きな歓声と拍手が沸き起こり、コラボコーナーは終了した。
そしてフィナーレとなり、ステージへ出演者が勢揃い。客席と、全50曲を演奏し続けたキンスパバンドへ大きな拍手が贈られる。出演者全員で林原めぐみの『Give a reason』を熱唱。銀テープが舞い散る中、アリーナの隅々へ謝意を示し、笑いと涙と感動のDAY1は終演した。
「アニソンの思い出と、未来がここにある」
のキャッチフレーズ通り、世代を超えて胸が熱くなる思い出のアニソンが聴けた50曲、5時間。終演後、物販コーナーで「やまとなでしこ」のCDが完売、音楽配信サイトでトップになった。思い出で、かつ未来でもあるのがアニソン・声優・アーティストであると、改めて気付かされた。
様々な想いが詰まった、長編ドラマの様なフェスティバルに酔い痴れた、土曜日の横浜となった。
ライター:こもとめいこ♂
『KING SUPER LIVE 2024 DAY1』セットリストセットリストプレイリスト
https://lnk.to/KSL2024_DAY1M01.水樹奈々『Exterminate』
M02.水樹奈々『STARTING NOW!』
M03.上坂すみれ『ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡』
M04.上坂すみれ『EASY LOVE』
M05.岡咲美保『インフィニット』
M06.米倉千尋『WILL』
M07.米倉千尋『嵐の中で輝いて』
M08.Suara『不安定な神様』
M09.Suara『夢想歌』
M10.愛美『HELP』
M11.愛美『メリトクラシー』
M12.七海ひろき『It's My Soul』
M13.カノエラナ『ヨトギバナシ』
M14.内田雄馬『SHAKE!SHAKE!SHAKE!』
M15.内田雄馬『NEW WORLD』
M16.saji『星のオーケストラ』
M17.蒼井翔太『PSYCHO:LOGY』
M18.蒼井翔太『BAD END』
M19.國府田マリ子『僕らのステキ ~sutekiバージョン~』
M20.椎名へきる『-赤い華- You're gonna change to the flower』
M21.田村ゆかり『You&Me』
M22.田村ゆかり『Baby's Breath』
M23.やまとなでしこ『恋の天使 舞い降りて』
M24.森口博子『水の星へ愛をこめて』
M25.森口博子『Ubugoe』
M26.麻倉あきら『DREAMS』
M27.保志総一朗『Shining Tears』
M28.堀江由衣『インモラリスト』
M29.堀江由衣『silky heart』
M30.水瀬いのり『TRUST IN ETERNITY』
M31.水瀬いのり『Million Futures』
M32.奥井雅美『輪舞-revolution』
M33.奥井雅美『Birth』
M34.宮野真守『NEW ORDER』
M35.宮野真守『BREAK IT!』
M36.高橋洋子『残酷な天使のテーゼ』
M37.高橋洋子『魂のルフラン』
M38.angela『イグジスト』
M39.angela『明日へのbrilliant road』
M40.angela『シドニア』
M41.蒼井翔太×七海ひろき『Preserved Roses』
M42.堀江由衣×上坂すみれ『天使のゆびきり』
M43.愛美×KATSU×ヨシダタクミ『Ride on shooting star』
M44.森口博子×米倉千尋×麻倉あきら『哀 戦士』
M45.宮野真守×内田雄馬×保志総一朗『STAND UP TO THE VICTORY』
M46.水瀬いのり×岡咲美保 『COSMIC LOVE』
M47.奥井雅美×atsuko×Suara×カノエラナ 『甲賀忍法帖』
M48.田村ゆかり×水樹奈々『Little Wish ~lyrical step~』
M49.水樹奈々×田村ゆかり『innocent starter』
M50.ALL LINE UP 『Give a reason』
■DAY1の模様を8月、DAY2の模様を9月に放送予定 アニマックス視聴方法
https://www.animax.co.jp/howto■KING SUPER LIVE 公式サイトURL
https://kingsuperlive.jp/■YouTube「「KING AMUSEMENT CREATIVE」公式チャンネル」
https://www.youtube.com/@KAC_official<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>