9月13日(金)渋谷Spotify O-EASTにて、株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属のペイトン尚未・矢野妃菜喜、スピラ・スピカが3マンLIVE『Precious Your Shining ~豆~』を行った。今回の3マンライブは、2024年に創立50周年を迎えたSMAが『SMA 50th Anniversary presents』として様々なライブ、イベントを50本開催する特別企画の中の1つ。
平日夜という日程にもかかわらず、会場には開演前から首にライトグリーンのタオルをかけたファンが多数集結。ライブハウスが密集した地区だけに密度が高い待機列となった。また、このタオルは3人の頭文字を組み合わせた「PYS」=ウェールズ語の豆というサブタイトルに合わせ用意された、3人らしいユーモラスでお洒落なグッズで、早々に完売する大人気となっていたのも印象的。
入場すると、ステージは後方にバンドの機材、前方に3つのお立ち台が据えられたシンプルな構成。場内は3人と同世代の若い男性が中心で、右前方の女性専用エリアも賑わう。開演前の場内BGMは耳に馴染んだアニソンのメドレーで早くもヒートアップ。
暗転し、バンドメンバーがスタンバイ、「Precious Your Shining」と語りかけるSEが流れると、即座に歓声が沸き上がる。ピンク色のカジュアルなワンピース、バンダナに身を包んだ声優・ア-ティスト、ペイトン尚未が登場。一斉にピンクのペンライトに染まりクラップで出迎える客席へ向け、左手にマイクを握りソロアーティストとしての始まりの楽曲『魔法』を響かせる。
「この一瞬で世界は変わっていく 夢に見た今日を あなたと探していこう」とライブの幕開けに相応しい歌詞をハイトーンボイスに乗せ、大きな歓声とコールで会場は一体に。
「ようこそ~PYSのP担当、ペイトン尚未です。皆さんに訊こうと思ってたんですよ、盛り上がって頂けましたか?って。もう、訊くまでもないですね、貴方の特別な笑顔バッチリ見えてますよ!」
と全身で「P」を人文字で表現し歓声を浴び、『リコルド』へ。スポットライトを浴び、「どうせ正解がないのならば 遙か先まで行こう」と歌いながら指先でクラップを扇動、
「イイネ!」「ありがとう!」
と声をかける。ピアノに合わせた「あなたが音楽を辞めた時、私は失恋を知った」という鮮烈な独白で始まる『アリア』では、ムーディーで軽快なジャズ調のフレーズで転調を繰り返す難曲にドールの様な動きを合わせて魅せる。
「続いてはこの方とコラボしたいと思います」
と、矢野妃菜喜を呼び込んでハイテンションのアッパーチューン『コスモノーツ』へ。「走り出す僕ら」と、息の合ったコーラスを披露、最後は熱い抱擁を交わして嬌声を浴びる。ここまでの楽曲を振り返ったペイトン尚未は、
「次の曲が私のブロック最後の楽曲になります」
と告げ「えーっ」の悲鳴があがる。ソロアーティストとして初めてのバンド編成への感慨を吐露して拍手を浴びたペイトン尚未は、
「ライブタイトルにピッタリな楽曲」
『Shine on you』へ。ステージを左右へ移動しながら飛びはね「暗い暗いステージを君の光が包んで ずっと側にいた 一人じゃないと気付けた だから僕は必ず輝いてみせる」と歌い上げ、
「クラップして1つになりましょう!」
と扇動、
「この後も楽しんでいってください」
と笑顔で締めくくった。
暗転し、黄色いスポットライトに照らされライブタイトルに続いて、声優・ア-ティスト、矢野妃菜喜が登場、お立ち台へ駆け上がる。黄色いつなぎに黒いラインで縁取りをした衣装に同系統のペンライトの光が映える矢野妃菜喜は『ポヤポノポ!』へ。「さぁ これからパレードが始まるよ! みんな集合~」と呼びかけて始まり、「ポヤポノポ」「ピナピナ」という特徴的な擬音語のコール&レスポンスで盛り上がる。
「改めましてPYSのY担当の矢野妃菜喜です、よろしくお願いします」「私たち始まる前から、凄い皆さん元気だから、ヤバいね、って言ってたぐらいだったから…もう疲れた?(笑)まだいける?皆さん、ペイちゃん可愛かったですね。コラボさせて頂けて本当に嬉しいです」
と賛同を得ると、
「ここからは矢野の時間ということで、皆さん盛り上がっていきますよ」
と『As I Like』へ。「前を向け As I Like そう 楽しむしかない」「歩き出せ One more time もっと気軽に Stay alive」と軽やかに歌い継ぎ、コールを引き出す。
「さあ、この曲は幹葉さんに手伝って頂きたいと思います」
と、客席と共にスピラ・スピカ 幹葉を呼び込み、『Follow me!』へ。すまんぼうのクッションを手に登場した幹葉は矢野妃菜喜とステージ上で所狭しと動き回る。幹葉が手がけた「朝寝坊!? すまんぼう!」「進む道は険しいぐらいがちょうどいいよね もし転んで動けなくなったとしても 任せてよ 君の手をぎゅっと引くから」というポジティブが溢れる歌詞に合わせたパフォーマンスを魅せ、手を繋いでジャンプ、歓声を浴びる。矢野妃菜喜は続いて
「次の曲はペイちゃんにも手伝ってもらいたいと思います」
とペイトン尚未も呼び込んでステージにPYSが集結。
「何か持ってるね」
と問われたペイトン尚未は、
「野生のタオルです。埼玉で掴まえてきました」
と、ライトグリーンの豆色ライブタオルを紹介。矢野妃菜喜が
「はい、タオルが出てきたと、いうことはですよ…新曲やりまーす」
と宣言。3人共タオルを手にし、
「タオルを持ってない方は手をね、くるくるくるくる、ペンライトでも良いので回してください」
と気遣い、9月6日リリースのCD『キミといた夏を』収録のハイテンション曲『ブルジョワタオル』へ。「ほのかに残る柔軟剤の香りと柔らかな肌触り そう それはブルジョワジー バリバリ 今治(タオル)」「タオルを触ると安心するの(安心するの)」「ハスハスハスハスハスハスハスハスハス」「そろそろお洗濯(お洗濯)」と、中毒性のある歌詞でコール&レスポンス。ステージ上でも客席でもライトグリーンのタオルが乱舞し、最後に3人がタオルを投げ込むパフォーマンスで盛り上がる。ペイトン尚未と幹葉を送り出した矢野妃菜喜は
「熱いですか?熱いねえ」「もう1曲だけ唄わせてもらいたいと思います」
と『ナミダジレンマ』へ。
「ワタシ ハ ココヨ 涙じゃ語れないウラハラ 今すぐ壊したいジレンマ」と切なくも激しく歌詞を叩きつけ、客席もジャンプとクラップで応える。
「ありがとうございました」
と笑顔で締めくくった矢野妃菜喜と入れ替わりで、スピラ・スピカが鮮やかなデニムの上下に同系のハイソックス、白いラップスカートを巻いて登場。客席の青いペンライトに照らされてお立ち台に立つと『スタートダッシュ』へ。「真っ直ぐにただ走るだけのことが こんなに難しいなんて思いもしなかったな」「世界中の空が見たくて 涙の粒を ぎゅっとぎゅっと 拭った」とパワフルに響かせ
「まだまだ、まだまだいけるかーっ」
と扇動。
「じゃんけん大会をしましょう」
と、ライブの定番曲『じゃんけんキング』へ。「ぐー! 瞬時に作り出す 拳握りしめて」「ちょき! なんだか楽しいね 微笑みながらピースサイン」「ぱー! 誰よりも大きく 手のひら開いたら さぁ みんないくよ じゃんけんぽん!」と、じゃんけんを昇華させた歌詞を熱唱、ペイトン尚未と矢野妃菜喜も登場して客席とじゃんけんで盛り上がる。
「今日金曜日ってことみんな知っとるか?そら知っとるか。なんで平日なんだよーって文句言いたいところだよな(笑)。都内の方々だったらね、仕事終わり、定時ダッシュって言うんですか?タッタッタッタッて走ってきたらね、間に合うかもしれんけれども」
と、阿波弁と関西弁の混じった独特の軽妙なマシンガントークで笑いを誘った幹葉が、
「私話しとったら長くなるけん…みんなもね、かなり身体も温まっとると思うけん、ちょっとここいらで1曲スピラ・スピカのバラードを聴いて欲しいなと思います」
と語りかけ『サヨナラナミダ』へ。静かになった客席へ「サヨナラナミダ 溢れだした 君のいない世界を生きているよ」と熱い思いを染み込ませる。
「次の曲では身体動かしていこうと思うんですけど、みんな一緒に踊ってくれますか?」
と問いかけ賛同を得た幹葉はマイクスタンドをセット。
「スピラ・スピカのライブを初めて見るって方も多いと思うけん、ご新規様にも丁寧にレッスンしますので。いつもライブに遊びに来てくれよるよ、という方は、俺の背中を見ろ! と言わんばかりに(笑)。みんなに教えて欲しいです。」
と前口上で笑いを誘うと、ピラミッドを作る振りの練習をし場内一体となって『ピラミッド大逆転』へ。「ピラミッド ぐるりんと ひっくり返してやるんだ!」と唄に合わせ、大きな三角形を引っ繰り返して大成功。そして、ペイトン尚未を呼び込むと『恋はミラクル』でコラボ。2人でジャンプを扇動し、ストレッチ、ステージを走り回り「僕が僕じゃないみたい 君に全部ごと惹かれてしまうんだよ」「君のせいだよ」と声を重ね合わせ、ハートを造ると熱いハグで大歓声。幹葉はペイトン尚未を見送るとラスト曲
『燦々デイズ』へ。お立ち台を左右へ移動しつつ「燦々 裸足のキミを 追いかけていく 心ほどけて しぶきあげた」と高BPMのアッパーチューンを響かせ、一斉にジャンプで締める。
ここでペイトン尚未と矢野妃菜喜を呼び込むと3人で今回のライブを振り返り。『SMA 50th Anniversary presents』の22本目のライブということで、
「にゃんにゃん」
と猫耳を作る矢野妃菜喜に大歓声が沸き上がる。
「お2人はやらないんですか?」
と迫られたペイトン尚未が
「普段あんまりやってないんで」
と言いつつ猫耳を作ってどよめきと大歓声。最後は3人で猫耳を披露する。ここでバンドメンバーのギター・KYOHEI、キーボード&ギター・重永亮介、ドラム・岡本啓佑、ベース・okamu.を紹介。
今回のライブへ向け募集した、コラボで唄って欲しい楽曲のリクエストから
「弊社(SMA)では無いんですが」
と前置きし、TrySailの『adrenaline!!!』へ。客席からはどよめきと大歓声がおきる。そして、ラストにSMAの先輩であるUNISON SQUARE GARDENの『シュガーソングとビターステップ』では「I feel 上々 連鎖になってリフレクション goes on 一興去って一難去ってまた一興」の名フレーズを3人でハーモニー。
「本日はありがとうございました、これからもこの3人をよろしくお願いします」
とジャンプで締めくくった。謝意を示しながら3人がステージを降りると、暗転した場内へ、
「尚未」「妃菜喜」「幹葉」
の大コールがリズミカルに響き、誘われる様にPYSが再登場。3人共に秋~冬に控えるソロライブの告知からフリートークへ。
ライブへ向けて3人の仲が急接近したことを明かし、
「またこの3人で」「第2弾開催」「よろしくお願いします」
の言葉を受け、客席は一斉に2階の関係者席を振り返って懇願モード。ステージから
「あんまり上を見ないの」
と窘められ、笑いが起こる。
そして初のバンド編成でペイトン尚未がやりたかった
「ドラム c'mon」
の掛け声からPUFFYの『愛のしるし』で、ゆったりとしたリズムとクラップに乗ってコーラスを披露。
ペイトン尚未「改めまして本日は皆さんありがとうございました。この半年間、先輩と一緒にいられてとってもとっても楽しかったです、またお逢いしましょう」
矢野妃菜喜「本日はありがとうございました。皆さんのお陰で最高のライブになりました。またお逢いしましょう、ありがとうございました」
スピラ・スピカ 「ありがとうございました。この2人のことがムチャクチャ大好きになったし、今日遊びに来てくれたみんなのことも大好きだー! 絶対絶対ライブでまた逢いましょうね、今日は本当にありがとう」
とそれぞれ想いを伝え、3人で
「ありがとうございました」
と、ステージを端から端まで移動。会場の隅々にまで視線を贈って、この日だけの特別な3マンライブを締めくくった。
老舗SMAに所属する3人ならではの個性溢れるソロパートと、その個性が融合するコラボという、贅沢で特別なライブとなった『Precious Your Shining ~豆~』。
3人が語っていた様に、一夜限りの夢で終わるには惜しい対バンイベントで、この先何度でも体験したいと、観客の誰もが思ったに違いない。
それぞれのソロ活動と、「PYS~豆~」の今後の活動にも期待が膨らんだ渋谷の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
Photo by 浜野カズシ
◎SMA 50th Anniversary presents 「Precious Your Shining ~豆~」セットリスト
<ペイトン尚未>
M1.魔法
M2.リコルド
M3.アリア
M4.コスモノーツ(with 矢野妃菜喜)
M5.Shine on you
<矢野妃菜喜>
M1.ポヤポノポ!
M2.As I Like
M3.Follow me!(with スピラ・スピカ)
M4.ブルジョワタオル(with ペイトン尚未&スピラ・スピカ)
M5.ナミダジレンマ
<スピラ・スピカ>
M1.スタートダッシュ
M2.じゃんけんキング(with ペイトン尚未&矢野妃菜喜)
M3.サヨナラナミダ
M4.ピラミッド大逆転
M5.恋はミラクル(with ペイトン尚未)
M6.燦々デイズ
<コラボレーション>
M1.adrenaline!!! (TrySail/カバー)
M2.シュガーソングとビターステップ (UNISON SQUARE GARDEN/カバ-)
<ENCORE>
愛のしるし(PUFFY/カバー)
■スピラ・スピカ公式サイト
https://spiraspica.com/■公式YouTubeチャンネル スピラ・スピカ Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/@spiraspica■矢野妃菜喜公式FCサイト「HINATOON」
https://smavoice.jp/hinakiyano/■公式YouTubeチャンネル 矢野妃菜喜Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/@yano_hinakiペイトン尚未公式FCサイト「ペヰトン浪漫」
https://smavoice.jp/naomipayton/■ペイトン尚未公式YouTube
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