声優・富田美憂が、11月10日(日)豊洲PITにてアーティストとしての3rd LIVE 『Violet Bullet~』を開催した。今夏リリースした「進化と成長」がテーマの2nd ALBUM『Violet Bullet』を引っ提げた、アーティスト活動5周年記念ライブの模様をレポートする。
ライブ前日にはXのスペースでステージへ向けた想いを語っていた富田。そのライブへの熱意にファンも応え、最寄り駅には有志から11月15日、25歳の誕生日を祝う公告が掲出された。会場の豊洲PITも朝からグッズの物販と入場にファンが列を為す大盛況。関係各所とファンからのフラワースタンドに迎えられて会場に入ると、1stライブから生演奏にこだわってきた富田らしく、バンド機材が据えられたシンプルな構成のステージを点灯した10器のスポットライトがVioletに彩っている。
開演となり、拍手に迎えられてバンドメンバーがスタンバイ。インストゥルメンタルの調べから、テンポアップし富田が登場、客席のペンライトで場内が紫に染まる。
「愉しんでいきましょう」
と短く告げ、『Violet Bullet』のリード曲『Ever Changing Violet』で5周年記念ライブがスタート。赤、青、紫にスポットライトが乱舞し、客席を扇動する。「誰かのためだって 結局自分のため そう これでいいんだ」「気付けないからこそ 自分らしさなんだって やっと気付いた」とアーティストとしてのメッセージを強烈に発信。
「みなさん、今日は良い夜にしましょう、よろしくお願いします! 」
と、昨年11月に配信リリースした、5周年へ向けての決意を歌った『Silent Beat』へ。ステージを左右へ移動し、青と緑のライトを振るファンへ「初めて見た景色に 鼓動が高鳴る音」「大したことのない 夢なんてない」「わたしが作るストーリー 邪魔はさせない」と音楽へ賭ける想いがシンクロした歌詞を紡ぐ。
「『富田美憂 3rd LIVE ~Violet Bullet~』へようこそ、改めまして富田美憂です。ご覧の通り、生バンドです、バンドさんも気合い充分!頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします」
と歓声を浴びると、念願の会場である豊洲PITに関して、
「横長な会場なので、皆さんの顔が良く見える、やっと来れました! 1人1人眼に焼き付けて帰りたいと思います」
と喜びを表す。『Violet Bullet』と今回のライブについて
「やっぱり富田と言えばロックでしょ、というところで、かなりロックなアルバムになりましたし、今日はロックなライブにしていこうと思います」
と、トーク。さらに
「会場を暖めようかな。前方! 真ん中! 後方! 」
とコールを扇動する。
「可愛い衣装を見てください」
手を広げて回転した富田は、
配信で予告していた場内のファッションチェックコーナーへ。ライブグッズなどを巧みに織り込んだファンの思い思いのファッションを絶賛。ライブの定番、水分補給での丁々発止のやり取りで笑いを誘い
「しっとり、可愛いゾーンに入っていきますので気持ち良く聴いていただけたらと思います」
と『Make a New Day』へ。「ラッキーカラーはパステルグリーン」の歌詞に合わせ緑にライトが灯った場内へ「ふっと思い出す なんでもない会話のこと 君と夢見てたことも 今になって溢れてくる」と甘酸っぱい感情を響かせる。『Dear Teddy』ではピンクと紫のライトが灯り、「独り占めしたかった幼い日 『触らないで』ってママにも駄々をこねた」「私だけをTeddy 見ていてよ」と情感を溢れさせ、郷愁を呼び起こす。
「手を振ってくださいね」
と『ベンチ』へ。サビの「公園のベンチで日が暮れるまで話そう」では色とりどりの客席のライトに手を振りながら、「あなたとがいいんだ」の部分を「みんなとが良いよ」とライブバージョンに変えて大歓声、ラストはジャンプで一体となる。
「外は極寒だというのに豊洲PIT暖まってますね」
と笑顔の富田は、アルバム『Violet Bullet』と、これまでのアーティスト活動5周年を振り返り、セットリストの意図を語る。
「今回のアルバムの曲だけでもモリモリだから、今までの曲、全部やるのは難しいかな、長い尺になっちゃう、新幹線の人帰れない…ということで、初めての試みなんですけど、メドレー的なものを創ってきました。大人なあの曲からスタートしたいと思います、富田美憂5周年メモリアルスペシャルメドレー、ミュージックスタート」
と、『Coming Up』へ。ミラーボールが回転し、ピンク、黄色、青のライトを反射。軽快なクラップに乗って「隣いたくて まだ、行かないで」「baby coming up 聞こえてる?本当の声が 切なくてちょっと深めの夜」とムーディーに響かせる。切ないコーラスから始まる『ジレンマ』では「時が過ぎて 君はもういないや」「興味あるって正解を教えてよ」と妖艶に響かせ間髪を入れず『翼と告白』へ繋ぎ「憧れはやがて 闇を飛び立つ 今の私を知っていて 翼と告白 心が疼く」とコールを扇動。『Broken Sky』では「無能な僕は 残酷 生命線が交差する」「歪(ゆが)む空 砕けて消えた」とサビ始まりで「ムコウ 二 ミエル テンゴク ガ アル」と濃縮したスペシャルメドレーを締めくくった。
「ところでアレは練習してきましたか? 」
と笑みを浮かべると、コールの練習と水分補給をして『Sweet Sweet Sweat』へ。難解なコール&レスポンスで見事客席が一体となり大いに盛り上がる。
「それではここでバンドメンバーを紹介したいと思います」
と、ドラム・樋口幸佑、ベース・Kei Nakamura、ギター・睦月周平、キーボード&バンマス・滝澤俊輔を紹介。ライブタオルを手にした富田は
「みんな回すよ」
と『la la lai』へ。「ララライ」と癖になるフレーズを客席とリフレインして左右に移動、タオルを振り回し、「踊れ」「いくよ」と扇動。「さあ 楽しいことをやりきろおぜ 今日は大切な日さ そう、みんなで大はしゃぎ」と歌いきって「せーの」でジャンプ。全力パフォーマンスから座り込んで体力を回復しつつ、配信で予告していたライブ恒例の『片思いはじめました』のゲームへ。富田がアカペラで『片思いはじめました』から「多分趣味はスポーツ 流行りものが好き」のフレーズを歌いながら、今マイブームのゲームキャラクターのポーズを取る。合わせて同じポーズをできたファンは、SNSで「富田美憂と両思いになりました」と書ける特典を公式にゲットできた。盛り上がったところで、
「そんな中、なんと、ラストスパートらしい」
と告げると、嘆きの声が湧き、会場から「帰らないよ」の声に笑いが巻き起こる。
「それではラストスパート聴いてください」
と『Oblivion』へ。和やかな空気を一変させるアップテンポのロックナンバーに会場のライトは紫と赤が入り交じる。「刻まれた慟哭の最果てまで 仕組まれた偽善なら 何もかも裁いて」「剥き出しの罪を数えて 贖罪を果たして 断ち切るまで さあ 閉ざされた 忘却の園へ 堕として」と激しいメッセージを浴びせる。高BPMと変調が繰り返される『OveR』では、赤く染まった場内へ「倒れても 終わらない 既視感と共に霞んでく視界」「はじめましょう 終わりましょう すべて始まる前に」と畳みかける。白いスポットライトを浴びた『Paradoxes』で一転して落ち着いたメロディに乗せ「見渡す限りに広がる色彩 懐かしい場面 ほどいて零した」「やっと やっと 掴みかけた光 誰も 何も言わなくていい すべての答えはここに置いて行くから」とメッセージを響かせる。
ここで、富田は、『Violet Bullet』収録の『Stellar』で作詞に挑戦した経緯を振り返る。
「前回、作詞させて頂いた時は、夢に向かって一直線でキラキラした楽曲を書かせて頂いて。それはそれで自分の中では正解だったんですけど。」と1st アルバムでも作詞にチャレンジしたことに触れながら、2nd アルバム制作中にはアーティスト活動に対する悩みや葛藤があったことを明かす。そして作詞を通して歌うことの楽しさを思い出すことができた、と笑顔で語った。
「『Stellar』って星の歌なんです。だからちょっと夜空みたくしたいなと思って。ブルー系の色に出来ますか?」
そんなリクエストに客席が応えてライトを青く灯し豊洲PITに星空が現出する。眼を輝かせた富田は
「超綺麗! それでは皆さん愉しむ準備出来てますか?良ければ皆さんも一緒に唄って、噛み締めて頂けると嬉しいです」
と『Stellar』へ。
「変わっていく毎日 変われない自分だ」「こんなにも不確かで小さな星だけど この手を伸ばして 辿ってきた道信じていたいから」「僕にしか奏でられない音は確かにあって」と、アーティスト活動と歌への感謝を伝え、「Stellar」を合唱。
「皆さん今日は、本当にありがとうございました。一番高く飛ぶよ、行きますよ、せーの」
で一斉に大きくジャンプ、ステージを下りた。
暗転した場内へ大きなアンコールの声が響き渡り、ギターを携えた富田が、ライブTシャツに着替え、スタンドマイクの前に再登場。ギターをつま弾き、この日が初披露となる『Golden Rain』で「会いたい時いつでも会うよ 君と私達繋がるこの世界」「いつまでも変わらない 君の笑顔でずっといてほしい」とライブにかける想いを伝える。
「アンコールありがとうございます。大丈夫だった?この度、ギターデビューをさせて頂きました」
とアンコールへの謝意と初の演奏への不安を伝える。
今年に入り、レッスンを受け初めてからの初演奏ということで謙遜していたが初パフォーマンスとは思えない堂々たる演奏に、ファンからも大きな拍手を浴びる。
そして5周年の記念のライブということで、デビュー曲の『Present Moment』を披露。「知らなかった君を知るたびに 知らなかった自分を知るんだ」とハイトーンを響かせ
「一緒に唄ってくれますか?」
とサビとオチサビ「広がってくイメージの先は Full of Hope」「頭の中 描いた夢が溢れて 世界と混ざって 本物になるんだ」と合唱。
ラストは
「せーの」
で一斉にジャンプして会場が一体となった。
最後はライブに関わる総ての人に御礼を述べつつ、そして会場のファンへも隅から隅まで視線をおくって手を振った富田は
「帰るまでが『3rd LIVE~Violet Bullet~』ですから、気を付けてお家帰って下さい。ありがとうございました」
と、5周年記念ライブを締めくくった。
声優として様々な作品で活躍する富田の、自分のファンにだけ見せる素顔と、アーティスト活動でしか見られない熱いロックなパフォーマンスとに魅せられたライブだった。
5周年にしての3rdライブということで、コロナ禍で思うようなアーティスト活動ができなかったことも伺え、今後の活動、念願のツアーなどが行えることを祈りたい。また、アーティストでの活動をフィードバックした声優としてのよりパワフルなパフォーマンスにも期待したい。
声優・アーティスト、富田美憂の益々の活躍が楽しみな豊洲の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
『富田美憂 3rd LIVE ~Violet Bullet~』セットリスト
M01.Ever Changing Violet
M02.Silent Beat
M03.Make a New Day
M04.Dear Teddy
M05.ベンチ
M06.Coming Up
M07.ジレンマ
M08.翼と告白
M09.Broken Sky
M10.Sweet Sweet Sweat
M11.la la lai
M12.Oblivion
M13.OveR
M14.Paradoxes
M15.Stellar
En1.Golden Rain
En2.Present Moment
■富田美憂音楽活動公式サイト
https://columbia.jp/tomitamiyu/■富田美憂オフィシャルファンクラブ「+ you」
https://tomitamiyu.com/■アミューズクリエイティブスタジオ 富田美憂ページ
https://www.amuse.co.jp/artist/A8701/■富田美憂 Miyu Tomita -Music Channel-
https://www.youtube.com/channel/UCvLYHd1gVyZP7txA_vL89Ng■富田美憂Lit Link
https://lit.link/tomitamiyu<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>