People In The Box作曲の歌詞一覧リスト  104曲中 1-104曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
報いの一日People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box夜を粉々に壊したら 空が真っ青に腫れた どこへいった楽しいひと どこへいった優しかったあのひと 騒ぎのあとで  たちはだかる壁 清潔で広大な 思い描く野生 隔てた向こうで 鍵の束 ためしてる音 ひとつずつ ジャラリジャラリ 春が孵化し夏になっても 扉が開く気配はない  報じられる沈黙はないさ 二日酔いの世界 吐けば楽になるの すぐに 吐けば楽になるさ でも 吐いた後に残るものは  翌日にきみは仕事を探した ぼくは永遠の休暇に入った 高い壁に絵を描いてる 実物大の都市の絵を あの過ごした白いアパートも 扉が開く気配はない  僕らすでに知っているかも たぶんすでにわかっているよ  晴れた日には一瞬だけ 空が息を呑み 凪ぐ なにがなんでも散歩へ行こう ちょいとそこまで ぶらり
無限会社People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxひっくり返してぶちまける箱いっぱいのキャンディー リスク、見返りも顧みず遊ぶサルヴァドール・ダリ ガラス窓越しぬりたくるカラフルな雨 インフォメーション 高層ビル走る馬 アドレナリン脈打つネオン  わたが飛び出てびっくり つまり照準ぴったり わたが飛び出てびっくり つまり照準ぴったり  イリュージョン ダンスはワンツースリー ミスユーモア、乱数はトンツーでお告げ タランチュラ ダクトへ ダクトへ  ようこそ間違いの国へ  蓋が外れてばっかり 中身まる見えがっかり 蓋が外れてばっかり 中身まる見えがっかり  イリュージョン ダンスはワンツースリー ミスユーモア、乱数はトンツーでお告げ  ようこそ間違いの国へ  虹も絵画も新聞も 紛いもの  機械のタランチュラ ダクトへ ダクトへ 産業スパイ 向かうはファクトリー イリュージョン 実体のない積み木遊び イリュージョン 欲望の積み木遊び  ようこそ間違いの国へ  虹も絵画も新聞も 紛いもの  虹も絵画も新聞も 紛いもの
町APeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxここは天国ではない まして楽園でもない でもだからといって地獄ですらない 夜が去った後には 夜がやって来るだけ その緩衝地帯、休憩所ってとこかな ここは天国ではない ただのわが町  巨大なショッピングモール、レストラン、図書館、うどん屋、書店 パン屋、団地、花屋に、ラーメン屋、神社、寺院、中古車センター 陽の射す部屋  差しあたっては奇跡には用はない アイムハッピー、ゴー、ラッキー  羽根を焦がす太陽 町を匿う毛布 人は弱い生き物 死者は強い生き物 秤はこわれて子供時代に戻ったみたいだ  田畑に、家電量販店、郵便局、有料道路 病院に、町役場、プレハブ、コンビニ、学校、ホームセンター 陽の射す部屋から  巨大なショッピングモール、レストラン、図書館、うどん屋、書店 パン屋、団地、花屋に、ラーメン屋、神社、寺院、中古車センター 陽の射す部屋 田畑に、家電量販店、郵便局、有料道路 病院に、町役場、プレハブ、コンビニ、学校、ホームセンター 陽の射す部屋  差しあたっては奇跡には用はない アイムハッピー、ゴー、ラッキー  どうかぼくを放っておいてちょうだい どうかひとりにしておいてちょうだい 静かに迫る夜に備えて 昼寝にするつもり そうさ、愚かなふりをするほど ぼくは愚かではないのさ 愚かなふりをするほどには
世界陸上People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box興奮と怒号の渦まくあの金融街 今日も手を休めず  わかってる 世界が手招く熱狂をあなたにあげるよ 遺伝子は嘘をつかない  収縮している瞳孔の揺らめき 空へ銃口から空砲の火煙  わかってる 世界が手招く熱狂をあなたにあげるよ 遺伝子は嘘をつかない  臆病な僕たちは 生まれたときから 勝ち続けなければいけない 細胞  TV みとれている隙に 理性へと忍び寄るリミット  臆病な僕たちは 生まれたときから 勝ち続けなければいけない 細胞
デヴィルズ&モンキーズPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxジェームスディーンにマリリンモンロー 政治家も吸血鬼も 鳥を帯びた木のそばを ありふれた都市に変える 警察、ジャンキー、アナーキスト 野次馬も哲学者も テレビのように七色の光の大通りへ  なにもかも忘れさせて 踊る ヒッピーヒッピーシェイク パレードにぼくも連れ出して ねえベイビー 悪魔が去るまで  パンと見世物、ワインとタバコ ビジネスに長けた子供 探偵、ヤンキー、ジャーナリスト 放たれた野犬たちも 電磁波が四方飛び交うどよめく大通りへ  なにもかも忘れさせて 踊る ヒッピーヒッピーシェイク パレードにぼくも連れ出して ねえベイビー 悪魔が去るまで  ジェームスディーンにマリリンモンロー -FOR SALE 政治家も吸血鬼も -FOR SALE 警察、ジャンキー、アナーキスト -FOR SALE 野次馬も哲学者も -FOR SALE パンと見世物、ワインとタバコ -FOR SALE ビジネスに長けた子供 -FOR SALE 探偵、ヤンキー、ジャーナリスト -FOR SALE 僕らを目醒めさす眩しい朝 -NOT FOR SALE  なにもかも忘れさせて 踊る ヒッピーヒッピーシェイク パレードにぼくも連れ出して ねえベイビー 記憶に逆らって踊る 絵具が溶け合ったように あくまがさるまで  ごらんよ 空き物件の屋上からの一面の炎  ほらごらん、歴史は栄えあるハロウィン 終わりなきトリックオアトリート さよなら、ハロウィン  ほらごらん、歴史は耽美なハリウッド 終わりなきサンセットストリップ さよなら、ハロウィン
動物になりたいPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box目にもとまらない速さで処理されていく風景を 銀行のソファで眺める 西陽射す午後3時 スキャンした馬の走りで駆けていく 雪の道を 受け取った封筒 空へ広げた大きな口が僕を呼ぶ ああ嫌になるよ  言葉をすててしまいたい どきどきしているだけの食いしんぼうな生き物 動物になりたい  壊れない電話はこの世にはないのなら せめて壊れない家具が欲しい ほかに叶うことがあればそれくらいかな ああ嫌になるよ  言葉をすててしまいたい どきどきしているだけの食いしんぼうな生き物 動物になりたい  日々 ささやかな工夫を凝らして 過ごして 胸の痛みはそのままに 柔らかな舌が共有するけど 誰にでも起こる事故でしかないだろうから  言葉をすててしまいたい どきどきしているだけの食いしんぼうな生き物 動物になりたい  木々が枯れた冬でもふかふかしているだけ かつてはあの子も人間だった  ほおばるビスケット 足りないアルファベット 親切さにはかなわないアルファベット ほおばるビスケット 足りないアルファベット 親切さにはかなわないアルファベット
泥棒People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxディスプレイのまわりに花を供える 塩素の匂いで虫もこない いるようでいないようなものでもあてにするんだな? いいんだな?  顔を見せない それも正義だ 石器時代から決まってる 内容のあるようでないようなものでもいいんだというんだな?  アマゾン行きのボートがでるぞ とっくに乗組員オーバー  退屈ちゃんと嫉妬は友達 退屈ちゃんとストレスはなかよし 退屈ちゃんと嫉妬は友達 退屈ちゃんとストレスの記念写真  おててをつないで一緒に渡ればいいんだというんだな?  プランに加入しないとおいてくぞ 書類にサインしないとおいてくぞ  責任くんたち格好いいな 責任くんたちやたら強いな 責任くんたち格好いいな 責任くんたちやたら強いな  加害者の世界の中心で発足する被害者の会  被害者の世界の中心で発足する加害者の会  責任くんたち格好いいな 責任くんたちやたら強いな 責任くんたち格好いいな 責任くんたちやたら強いな 退屈ちゃんと嫉妬は友達 退屈ちゃんとストレスはなかよし 退屈ちゃんと嫉妬は友達 退屈ちゃんとストレスの記念写真
眼球都市People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box点/線/矩形/曲線 フェイズ/トレース/彩色/カレイドスコープ  巨大なステップ踊るコルトレーン 描くトライアングル 山手線 東京 乗るトレイン 円なぞれば  天気と同じ気分で パレードはたしかエレクトリカル 機嫌は記号次第で 心は愛しいフラクタル  ノイローゼ/治療/処方 オレンジ/空はシアニド  背骨は S字 とんがり帽子 目は逆さ十字 ねじの回転 そう、きみは異分子 ワッチングユー  電気と同じ気分で 調子の波はパラメトリカル 紀元は記号次第で テーブルマナーはシアトリカル  燃えるまぶたから垂らす万国旗 ひきずり出したら挨拶するのさ ヘイ、ベイブ  ぼくのハートは幾何学模様  天気と同じ気分で パレードはたしかエレクトリカル 機嫌は記号次第で 心は愛しいフラクタル  きみに視えるかな ぼくのハートは幾何学模様 きみに視えるかな ぼくのハートは幾何学模様  視力 1000.0 ワッチングユー/ワッチングミー
あのひとのいうことにはPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxいかれた猛獣使い 噛みつかれたら抱きしめかえすの  この完璧ではない世界で ただひとつ完璧なこと この完璧ではない世界で ただひとつ完璧なこと  嵐の過ぎ去った荒野では いたんだ記憶がさまよっている 傷つくことに夢中だった でもどういうわけか今日も 生きてる  この完璧ではない世界で ただひとつ完璧なこと この完璧ではない世界で ただひとつ完璧なこと  鏡のなかのわたしは あの頃と変わらない姿  いかれた猛獣使い 噛みつかれたら抱きしめかえす 容赦はできないのさ それしかみえない もう期待さえしなくていい これから起こることぜんぶ 息が止まるくらい美しい ひとはそれを 狂気というけど ねぇ、きみはほんとうに知ってた? ねぇ、きみはほんとうに知ってた? この完璧ではない世界で 人生って一度しかないこと
夜戦People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxきみはまだ起きてる 空に目凝らして 壁のように分厚い雲 浮き足立ってしまって 窓をとびだして 雨樋をつたって 裸足でいく 足首に絡まる濡れた草の匂い 風が止んだら いっせいに揺れるブランコ  水滴に映る季節の走馬灯 忘れたこと 思いだせないこと まだここにいること 山の斜面 勢いづいた子供達を 風が追い越したら  夜空に触れる 僕らの靴 墜ちていくよ きみのもとへと 夜空に触れる 僕らの靴 墜ちていくよ きみのもとへと 夜空に触れる 僕らの靴 墜ちていくよ きみのもとへと墜ちていく  昨夜未明 壁のように分厚い雲に覆われた夜空を 無数の光が横切っていった あるものはそれを隕石だといったが 町の周囲にも山にも海にも落下物はおろか その痕跡すらみあたらなかった  画面のなか 神が手にした松明 暗視スコープ 緑色に揺らめいている 画面のなか 神が手にした松明 暗視スコープ 緑色に揺らめいている  夜空に触れる 僕らの靴 墜ちていくよ きみのもとへと もうまにあわないかもしれない 夜空に触れる 僕らの靴 墜ちていくよ きみのもとへと墜ちていく
かみさまPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxかみさまはいつだって優しい嘘をつく きみの顔を覚えているだとか きみは大丈夫だとか 困り顔で 予行演習を上から 眺めてるんだろうな  おはよう おはよう 今日はいい天気だよ 1日頑張ってね いってらっしゃい おはよう おはよう 美味しい夕食つくって待っているから いってらっしゃい  かみさまはいつだって優しい嘘をつく きみが隠れてやっていること お見通しだというのに 明日も平和で 笑えること この世界に誰が幕を引くというの?  おはよう おはよう 今日はいい天気だよ 1日頑張ってね いってらっしゃい おはよう おはよう 美味しい夕食つくって待っているから いってらっしゃい  いってらっしゃい、みてらっしゃい かみさまだけが嘘をつく  かみさまはいつだって優しい嘘をつく きみは特に優れているとか きみは報われるだとか 手を伸ばしても空を切る 滑稽な鳥の墜落をみてた  おはよう おはよう 今日はいい天気だよ 1日頑張ってね いってらっしゃい おはよう おはよう 美味しい夕食つくって待っているから  いってらっしゃい、みてらっしゃい かみさまだけが嘘をつく いってらっしゃい、みてらっしゃい かみさまだけが嘘をつく いってらっしゃい、みてらっしゃい かみさまだけが嘘をつく  いってらっしゃい
ぼくは正気People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box完璧な一日に追いついてしまったら 太陽に焦がされてとりみだしてしまうかな  目蓋を降ろすと消えゆくものたち それから ようやく息づくものたち 真昼でも暗い森のなか散策するたびに もう二度とは取り戻せないぼくに会うのさ ばいばいかわいかったうない  ある日、急に音楽が鳴り止んでしまっても 人がみんないなくなってしまった 今となっては  みつけて、 こわして、 なくして、 さがして、 あまえて、 だまって、 悼んでいたので 安い狂気に甘んじていかれたふりするたびに きみは深い暗い森へと踏みわけいっていく こわくない深い暗い森のなか ばいばいかわいかったうない
木洩れ陽、果物、機関車People In The BoxPeople In The Box波多野裕文People In The Boxさあ行こうぜ ドアが開いたら 退屈にさらわれるまえに  エレベーターは降り続けている 5min.25sec.かけてゆっくりと エレベーターは降り続けている 5min.25sec.の次にとびこむ景色は  木洩れ陽、果物、機関車 風に遊ぶ動物たち 青くて大きいの ふたつ ホームランボールは浮かんでいるはず  エレベーターは降り続けている 5min.25sec.かけてゆっくりと エレベーターは降り続けている 5min.25sec.の次にとびこむ景色は  木洩れ陽、果物、機関車 風に遊ぶ動物たち 青くて大きいの ふたつ ホームランボールは浮かんでいるはず  紙幣が印刷される速度で 年老いていくしわしわの赤子へ 少年はいまエレベーターにいる 思い出は部屋に残していけ 好きなものだけで ハッピーバースデーから レストインピースまで 埋め尽くすだけ  木洩れ陽、果物、機関車 悲しいことはひとつもない 青くて大きいの ふたつ ホームランボールは浮かんでいるはず エレベーター開いたら  さあ行こうぜ 花をまきちらして
空き地(New Recording)People In The BoxPeople In The Box波多野裕文People In The Box空き地のまんなかに立つ 空き地のまんなかに立つ 少し前は駐車場だった その前はなんだったけ  こはもうすぐ洒落た家が建つらしい もぐらは引越しの支度で忙しい  空き地のまんなかに立っている 空き地のまんなかに立っている  ここはもうすぐ高い家が建つらしい 東京も冷え込んできた 人気物件ありますか?  おでんを家で作ろう 翌日が美味しいよね
海はセメントPeople In The BoxPeople In The Box波多野裕文People In The Boxもうわずかだ 与えられた残り時間は いつもより 殊更にいつもどおりでいるのさ 森のようで 都市のようで それは滲んだ広告 靄を見下ろして 口を潤して 興奮が沈まるまで  さよなら 水に浮かべたトルソ 平気でいよう カーテンの向こう 青く瞬く新宿 さよなら 水を憂かべたトルソ 平気でいよう 無闇やたらとあいさずにいてね この不確かさを  石油ストーブの懐かしい匂いがしている 災いがなんとなくやって来て去るのを 翼ふるわせクククと笑うサモトラケのニケ そこに座って霞の先へ弓を引いたまま やれやれ  さよなら 水に浮かべたトルソ 平気でいよう カーテンの向こう 青く瞬く新宿 さよなら 水を憂かべたトルソ 平気でいよう 無闇やたらとあいさずにいてね 今という時間を  醒めてはじめてそれがまぼろしと知るのさ ああこれが去年ならもうとっくに取り乱してた さよなら 水に浮かべたトルソ 海は今日も明日もセメントの色  耳に手をあてて 雨を澄ませ 静けさに満ちた この世界で 耳に手をあてて 雨を澄ませ  静けさに満ちたこの世界で
空は機械仕掛けPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box大きな音が聴こえた 灼けるように暑い日で 湯気のように漂う人たち 口笛 吹き荒れている 空は機械じかけ  事のはじまりを告げる 遠くでいななく銃声 半導体は死んでいるけれど テレビは生きているのさ のぞき込んでごらん  優しい軍隊が制圧していく ぼくのからだを 決して悪い気分はしない 逆らう理由を奪うあの言葉 うるさい人々 孤独を脅かす  唱えて 好きな言葉を 唱えて 好きな言葉を 唱えて 好きな言葉を 空は機械じかけ  さしだされた手を振りほどくたびに こころの奥でごめんねと小さくつぶやく そんな瞬間もやがて 薄れていくだろう それを果たして強さといえるかな  「絶対そうだ」っていってくれたら 今すぐにでもぼくは駆けだすよ きみを根拠に生きていくから ぼくは強くなれるかな  何が起こったって平気? ぼくは強くなれたかな 何が起こったって平気? ぼくは強くなれたかな
セラミック・ユースPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Boxあくびをひとつ 遠くの煙突へと 青く開いた 朝の空へと やかんを火にかけながら 昨日は何をしていたっけ ラジオの音が途切れ よこ切る大きな機体が 横顔に影を落とした  パイロット、標的へと高度を下げろ  きみがうまれて最初にしたこと それから毎日続けたこと  佇む小屋の 乾いたそのなかは 幽閉された 雨の国だよ 青い窓を隔てて ずぶ濡れで踊った レコードの針をあげて 傷ついた陶器の手から 音楽が流れる  きみがうまれて最初にしたこと それから毎日続けたこと きみがうまれて最初にしたこと 受話器を置いて最後にしたこと  パイロット、標的へと高度を下げろ
机上の空軍People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box砂と人の行く果ては 風に訊くしかない 1000年前の声を聴くが 話す言葉がわからない  ほんとうのこと教えてと 口癖かのように 望むというのならここへ 入っておいで できるだけ密かにそして大胆に  例えていうならば 宇宙より広いプラネタリウム 例えていうならば 意味より分厚いディクショナリー  もめごとはテントの外で  ジョークを履き違えて 街路が曲がっていく 笑いが止まらない 笑いが止まらない すでにほとんどは起こってしまったというので  例えていうならば 宇宙より広いプラネタリウム 例えていうならば 意味より分厚いディクショナリー 机上の空軍あらわる  サーカス団はじっと固まっている もめごとはテントの外で  砂と人の行く果ては あと10秒しかない
映画綺譚People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Boxホテルのロビーで瞬くシャンデリア 鍵を受けとって 屋上にドアを放つ  1000機のカメラが浮かび ぼくらを視ている 赤い目の御加護が 今夜 ありますように  映画を撮るのさ 美しく燃える町の姿 映画になるのさ 勇敢な僕らの行いが  夜を見晴らせ レンズをのぞいて 近くのトラジディも離れればコメディー  導かれたぼくら合図を待っている 至高の芸術 プロペラの風が吹く  映画を撮るのさ 美しく燃える街の姿 映画になるのさ 勇敢な僕らの行いが  決して怖れることはない 墜ちゆくミカエルもミサイルも 火の粉がかかるはずなんてない だってそれは VTR VTR  監督は誰だ 現場には姿は見あたらない 賛美歌のような眼差しを 背中に浴びながら  決して怖れることはない 墜ちゆくミカエルもミサイルも 火の粉がかかるはずなんてない だってそれは VTR VTR
野蛮へPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box親愛なる知的な人々 野蛮へと逆行していく  眠れ 今夜までは よい夢をね、四足歩行の 眠れ 今夜までは 静かに門が開くまで  勇敢なる我が戦士たちよ 戦いに備えて眠りたまえ  高い壁の向こうの街 きみが初めて向かう街 高い壁の向こうの街 映画のなかにでてきた街  眠れ 今夜までは よい夢をね、四足歩行の 眠れ 今夜までは 静かに門が開くまで
逆光People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box馬車が駆け抜ける 世界の真ん中へ バックファイア噴かして 雲の柱の隙間 くぐり抜ける 細胞の速さで  獣の瞳で 照射せよ  20世紀 きみの愛した 20世紀 葬られた 残された欲望は人の、ではない  馬車が駆け抜ける 世界の真ん中へ バックファイア噴かして 空白の万博へ 集結していくさ 腹は満たして  獣の瞳で 放射せよ  21st あたまのなかの 21st 目映い世界で きみがいる戦場は誰も死なない  きみは知らない  鈍感で神経質な 女王閣下に敬礼を あの日ニーチェは馬のそば 見開いた穴になにをみたのか 光の中になにがあるのか  20世紀 きみの愛した 20世紀 葬られた 残された欲望は人の、ではない  あたまのなかの 21st 目映い世界で きみがいる戦場は 眩しすぎて なにもみえない
季節の子供People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box顔を上げて見渡せば 季節が変わる匂いがした 金色の塵が頬をかすめる 思い出すのはなに  まんまるい目をした 跳ねる影ひとつ ふきのとう芽が出たのを見つけて 声を上げた  あれからいくつの夢をなくした ここは安全だよ 帰っておいで  ひとはもう変われないというなら ぼくはまだここにいるよ 春がきて 花が降れば みるまに 季節の子供は溢れだした  冬を経た木々が空へ突き刺さっている 街中歩きまわれば誰かひとりにでもあえるかな  もう悲鳴のような 遠くの大きな機械の音は聴こえない  オレンジとレモンとリンゴの木 風が吹いてベルが鳴る 足を一斉に踏み鳴らす お祭りの日  ひとはもう変われないというなら ぼくはまだここにいるよ 春がきて 花が降れば みるまに 季節の子供が溢れだして きみを笑う
聖者たちPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box街は眠れど 建物はずっと建設中さ 都市計画遂行中 噛み合う蛇 モーフィングした環状線 エンドルフィン煽って いけよゴーゴーゴー 夜の空に上昇する魂 行進と信仰は常軌を逸したクイズのようだ  クイズのようだ  まだ空っぽな明日は 限りなく黒に近いグレイ なにかにもなれずに 限りなく黒に近いグレイ  中東でもインドでもアフリカでも 放送する象徴は当然に超高層 今日という日は満ちゆく水位 空っぽな明日に尻尾をまいて 優しさを競う 巨大な空気清浄機 この手のゲームには親の同伴が必要だ 勝算もなく賭けに出たクイズのようだ  クイズのようだ  まだ空っぽな明日は 限りなく黒に近いグレイ なにかにもなれずに 限りなく黒に近いグレイ  ああ 今夜 きみが欲しいのさ 聖者たち ああ 終わり告げて欲しいのさ 聖者たち ああ 今夜 きみが欲しいのさ  クイズのようだ  まだ空っぽな明日は 限りなく黒に近いグレイ なにかにもなれずに 限りなく黒に近いグレイ  ああ 今夜 きみが欲しいのさ 聖者たち ああ 終わり告げて欲しいのさ 聖者たち  聖者たち
あなたのなかの忘れた海People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Box海へいこうよ 今夜 電球の柔らかく照らす 明日じゃもう手後れになる あなたはもう手後れになるから  海へいこうよ 今夜 壁のすぐ向こうさ 温かい毛布もとっくに あなたを温めてはくれない  いつか人は消えるのに あなたはどうやって知るの 不安以外の気持ちを  すべてはつくりものさ、 それでなにがいけないのさ! さあ肩の力抜いて 海へいこうよ って 毎日同じことを唱えて いつかは 海へいこうよ そこで悪夢は終わるよ  風が荒れ狂っている 心臓は鳴るよ 轟々と 胸の痛みは古い友達 これからもどうぞよろしくね  いつか人は消えるのに あなたはどうやって知るの 不安以外の気持ちを  すべてはつくりものさ、 それでもいきていくのさ! さあ肩の力抜いて 海へいこうよ って 毎日同じことを唱えて いつかは 海へいこうよ そこで悪夢は終わるよ  ほんとうのきもちなんて だれも知らないはずさ すべてはつくりものさ なにがいけないのさ!  さあ肩の力抜いて 海へいこうよ って 毎日同じことを唱えて いつかは 海へいこうよ そこで悪夢は終わるよ
天国のアクシデントPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The BoxPeople In The Boxそれはラジオの合図だった 花が降り 空を飾る 森の深くにサイレンを聴く 子守唄のように  耳をそばだてて聴きたい声を焦がれても 今日は予想もつかないニュースがきみに訪れる  黒く深く速いそいつは ぶっとばすのさ 天国のアクシデント 黒く深く速いそいつは ぶっとばすのさ 天国のアクシデント もう二度とこんな日は くるはずはないだろう 人々が口々にいった  花を手向けるよ 未開封の知らせへと 胸が痛むのは ぼくは今日も笑うから  免れた災いをきみが数に入れてくれたらいいのに ぼくにとっては初めての叫んだほどの美しさ  黒く深く速いそいつは ぶっとばすのさ 天国のアクシデント 黒く深く速いそいつは ぶっとばすのさ 天国のアクシデント
翻訳機People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxぼくはきみの翻訳機になって 世界を飛びまわってみたい 高い空を斧でまっぷたつに 箱のなか震える心臓  カーテン揺れる 踊る光  ぼくはきみの気高さを掲げ 恥じ入る彼らを見てみたい どこにだって友達はいるよ 誰もぼくらを知らないけど  あのひとごみのなかから きみのうまれた街を繋ぐ 歌を誰が歌うのさ 静けさが息を荒げる 電話の向こうで  世界中によくある話は 剥製のように呼吸がない かつてきみは愛した機械で 命を吹き込もうとしたけれど  誰も耳を貸しはしない  あのひとごみのなかから きみの育った街を繋ぐ 歌を誰が歌うのさ それはもうすでにそこにあるよ  きみはどこへ行ったの 言葉だけ残して きみはどこへ消えたの 風だけおこして きみはどこへ行ったの  あのひとごみのなかから きみはうまれた街を失う 歌を誰が歌うのさ 静けさが息を荒げる あのひとごみのなかから きみのうまれた街を繋ぐ 歌をぼくが歌うのさ 双眼鏡をのぞいたなら きみはそこにいる  ぼくが飛ばす飛行機のなか 横たわるきみの席はファーストクラス 燃料は楽しかったこと 悲しかったことのせめぎ合い 悲しみには終わりがないね 終わりがないのは悲しいからね ぼくはきみの翻訳機になって 世界を飛びまわってみたい 悲しいね 悲しいね 悲しいね ときどき 楽しいね
People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxピエロが千人 七色 とび散る影  挨拶を交わしてあたりを見渡せば ひと足遅かった すでに誰もが別人  ピエロが千人 七色 とび散る影  タイガの果てまで 冷たい青の向こうへ 朝と夜の境を汗で溶かしていけ 春が夏を捜している 乗り物を乗り継ぎ続け  ピエロが千人 七色 とび散る影 七色に 影もかたちもちぎれそうだよ  爛々 爛々 光る頭のなか 映画みたいで そうではない 夏の青い日、は ポケットのなかに隠していけよ  鶯も百舌も雲雀も くちばしを広げた ピアノ線に挟まれ 餌付けを待っている 味わいたいものを味わうがいいよ  ピエロは肉を食べる 知性は口をつぐむ ピエロは肉を食べる 知性は口をつぐむ  爛々 爛々 光る頭のなか 映画みたいで そうではない 夏の青い日、は ポケットのなかに隠していけよ  ピエロが千人 七色 とび散る影
手紙People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box聴こえるかい? 葉っぱを光がつらぬくよ 聴こえるかい? 地中深く伸びる根の音  樹々の隙間を 草がもらす泡がのぼる  聴こえるかい? 虫の背中 焦がす陽の音 聴こえるかい? ドアからとびだす子供たち  竦むきみを 駅のホーム 風が連れ去る 晴れた日に  それはそれは昔のお話 きみはいつしか変わってしまった ひとは居場所を離れていく 音楽が手を離れていくように  手紙が降ってくるよ はらり はらり 空から 手紙は降り積もるよ きみは気づいていないけど  聴こえるかい 人波で倒れこむきみを 聴こえるかい あれは演技だと誰かがいった  膝をついた 横断歩道 風が連れ去る 晴れた日に  それはそれは同じお話 きみはちっとも変われなかった ひとが居場所を守っている 音楽が手のなかで光るように  手紙が降ってくるよ はらり はらり 空から 手紙は降り積もるよ きみは気づいていないけど
さまようPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box出口のない世界を 泳ぐ魚 ミッドナイト 川沿い染まった 星座と提灯  歩きなれた道路が 柔らかく牙を剥く いつだって同じさ 痛みさえどこかよそよそしい  少女は理由もなく街をさまよう 少年は後ろ姿を見失う  きみは暗闇のなかにいて そろそろ目がなれてきたころさ いちばん似合う服を着て どうか出ておいで 話があるよ  外れない仮面を 素顔というなら コンクリート 雨粒の模様は 深夜の句読点  少女は理由もなく街をさまよう 少年は後ろ姿を見失う  きみにわからないはずはない 利用された誰かの孤独を 理由に惑わされていても 彼女を守るのはきみだけの使命  きみは暗闇のなかにいて そろそろ目がなれてきたころさ いちばん似合う服を着て どうか出ておいで 話があるよ  壊れた傘 投げだして 雨のなかひとが踊るよ 濡れて隠れた泣き顔も きみの知らない陸つづきの素顔  少女は理由もなく街をさまよう
People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxここは失われた未来を映す網膜 時間に運ばれた砂にまみれたキッチン 一億年前に墜ちた柔いヘリコプター たった一滴の水で 今日が動くよ  色彩よみがえれ  プールに散らばり浮かぶ 子供たち 赤、白、黄色 靴のなか びしょぬれさ 真っ青な風 渦を巻く 乱れたノート なぐる文字 呼び鈴は誰も出ない 手のひらに入道雲 風景はそこでおわり  灯りがついたのさ 空っぽの面会室に チェスボードはまるで古代の遺跡みたい 勝負の途中消えた声はどこへいった? たった一滴の水で 景色が変わるよ  ざわめきよみがえれ  プールに散らばり浮かぶ 子供たち 赤、白、黄色 靴のなか びしょぬれさ 真っ青な風 渦を巻く 乱れたノート なぐる文字 呼び鈴は誰も出ない 手のひらに入道雲 風景はそこでおわり  青年がつばを吐き 老人が腰を曲げ 女は占いに夢中 黄昏は金色に 風鈴がひとつ鳴る 涙のなかからならみえる 未来を失う未来も 来ることを忘れないでね
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
おいでよPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box重い荷物かかえて帰る  ぼくはゆうれい そばにいたいよ  ぼくのゆうれい そばにおいでよ  青い窓に白い空  ぼくはゆうれい そばにいたいよ  ぼくのゆうれい そばにおいでよ
People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box蒸気のなかから もてあましている指をのばして 星座をほどけ 食卓ぜんぶ 星で汚せ  馬を駆る夢をみた  砂漠を散らせ 食卓ぜんぶ 砂で汚せ  馬を駆る夢をみた  赤い馬を放て 赤い馬を駆れよ ハイヨー ハイヨー 赤い馬を駆れよ  蒸気のなかから もてあましている指をのばして 言葉をほどけ 食卓ぜんぶ 声で汚せ  馬を駆る夢をみた  赤い馬を放て 赤い馬を駆れよ ハイヨー ハイヨー 赤い馬を放て 赤い馬を駆れよ ハイヨー ハイヨー 赤い馬を駆れよ  勇敢な馬よ 芯へと走れ 筒を抜けて 核へと走れ 管を抜け
もう大丈夫People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box知っているよ 知っているよ きみはいま大丈夫じゃない じぶんでいうから なおさら なおさら  知っているよ 知っているよ きみはいま大丈夫じゃない 笑顔でいるから なおさら なおさら  もう大丈夫さ もう大丈夫さ もう大丈夫 もう大丈夫さ  知っているよ 知っているよ きみはいま大丈夫じゃない じぶんでいうから なおさら なおさら  もう大丈夫さ もう大丈夫さ もう大丈夫 もう大丈夫さ  こころと顔は離ればなれ 思い出はきみを変えていくよ 束の間の連続にしたって 痛いの痛いの飛んでいかない まとわりつく かわるがわる ぞっとする空虚 身にまとって 楽しくもなく笑うきみは 氷のように美しい  もう大丈夫さ もう大丈夫さ もう大丈夫 もう大丈夫さ  なにがあのひとにおこったんだと みんなが首を傾げている なにひとつおこっていないよ ただ生きているだけ 電話くれてありがとう 心配なんかしてくれて すべて見透かし笑うきみは 氷のように美しい  もう大丈夫さ もう大丈夫さ もう大丈夫 もう大丈夫さ
あの頃People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box子供は風の子 永遠の休日を 空想より遠い あの海へ あの夏へ 帰るよ  誰もがまともなふりをしている 太陽がうたうから 笑うから  大人は神の子 海にペンを走らせる 息を吹きかけて 揺らせよ 漂うヨット みて  誰もがくるったふりをしている 太陽がうたうから 笑うから  日々が消えるのは こわいから 誰もがまともなふりをしている 誰もがくるったふりをしている 太陽がうたうから 笑うから
People In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Boxきみが息を吸うときにぼくが吐くよ ふたりは一対の呼吸 だから夜に見る夢は違うけれど 朝には 未来に 溶けるのさ  それはいつだって扉から出入りはしない ノックもせずに窓からやってくるのさ 今日も誰かを蝕む悲しみを ひとは食べておとなになる  おお  ぼくの話す言葉は同じだけど こころがわからなくなったよ 通じ合わない言葉に意味は無いね やめよう ドライフラワーに水をあげるのは  おお  甘いお菓子でみんな逆上せあがってしまったんだ あの口調にはなにかおかしいところがあった たとえ優しさに返答は無くても 胸をはれよ  雲のない夜にきみは駆け出していく 苦しみから解き放たれて 月が欠けていく もうすぐ姿をなくす でもみえるよ 寝息にあわせ揺れる  それはいつだって扉から出入りはしない ノックもせずに窓からやってくるのさ 今日も誰かを蝕む悲しみを きみはのみこんだ のみこんだ のみこんだ おおきなくちをあけて おおきなくちをあけて おおきなくちをあけて のみこんだ  おお
風が吹いたらPeople In The BoxPeople In The BoxHirofumi HatanoPeople In The Box風が吹いたらぼくは行くよ つぎの路地まで 決して嘘つきなんかじゃないよ いつか信じてくれるかな  にぎやかな通りでも 人影はないさ 隠れた人々 合図ひとつで 溢れる顔 迎える声  風が吹いたらぼくは行くよ つぎの路地まで きみは嘘つきなんかじゃないよ みんな信じてくれるかな  灯り消してぼくを待つ この部屋を飾って 楽しい衣装でクラッカー構え そうこうしているうちに 10年たった  街はいたずらがとても好きだ 笑みをころして きみに居留守を決めこんでいる ずっと前から  風が吹いたらぼくは行くよ きみを迎えに 誰も嘘つきなんかじゃないよ いつか信じてくれるかな  みんなここへおいで すべておいておいで  みんなここへおいで すべておいておいで
気球People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box何千機もの気球が ゆっくりと地上を離れていく 虹色の荒野 年老いたぼくらがいた  植物も思い出も かたちをとどめないよ  ここは最後の国 ぼくらは孤独なアインシュタイン 互いの声 耳も貸さず もうすぐおしまいだと 誰もが信じていたけど  ここはおじいちゃんとおばあちゃんの国 それはただのながい幼年期みたい トンネル抜ければそこはまた大きなトンネルのなか  いつから列はここでつっかえていたのか  眼を閉じ 耳を塞ぐ 誰かの温度も忘れた 迷走するボロい機械 それでも歯車は チクタク回転している  金属の粉振りまいて チクタク回転している  眼を閉じ 耳を塞ぐ ぼくらは孤独なアインシュタイン 震える夜の闇に これは、はじまりかも ただただ気配がしている  とっくに無視はできないよ あなたは孤独なアインシュタイン 空想する春のマシン これははじまりだよ! ここは歴史のまんなかさ  ここは歴史のまんなかさ チクタク回転している
砂漠People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box砂時計を 風 吹き荒れる 時は過ぎ ただ 吹き溜まる 砂時計が 木々を揺らせば 果物は種を宿して浮かぶ  結わえ 結わえ 電極を地表に それが真実だ 曲線 せまる波うちぎわ はりつめた糸 針の先  終わりは悲しい 誰も知れない  砂時計を 風 吹き荒れる 時は過ぎ ただ 吹き溜まる 人 消えた昼の都会で たちのぼる煙草の煙  結わえ 結わえ 電極を地表に それが真実だ 曲線 せまる波うちぎわ はりつめた糸 針の先  毒 孕んだ花が咲いたのさ 遥か古代のテレビドラマ 種子まとって 砂漠は拡がる 最後まで  終わりは悲しい 誰も知れない  砂時計を 風 吹き荒れる 時は過ぎ ただ 吹き溜まる
皿(ハッピーファミリー)People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxパーティーは続いている 終わりそうに見せかけているが ケチャップで引いた国境に ピザはほぼ型崩れ  我が子は大切だよ 他人の子よりも みんな賛成だよ 友達だものね 友達だものね  あのとき略奪してしまってごめんね 欲望が欲してるのは 欲望そのもの  遊びさ ただの遊びさ  パーティーは続いている クラッカー打ち鳴らしてさ コーラの油田 奪い合う 冒険小説 深読みしながら  我が子は優秀だよ 他人の子よりも みんな賛成だよ 友達だものね  あのとき略奪してしまってごめんね 欲望が欲してるのは 欲望そのもの 400年前のあの混乱をうまく再現するのさ 思い出せるかな  遊びさ ただの遊びさ
起爆People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxきみは戦争に興味がないしね  戦争はきみに興味がない  しね
投擲People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxデスレースだ 丘のまんなかで 白いコンバースと 青いたてがみで 目の前の 何もない草原 先発はまだ帰らない  それでも とびだせば すぐに夢中になるさ 身体 投げだすだけ 凍る草原へ  客席も カメラ 放送席 失格までも ない コースもない 選手の眼 映る万国旗 飛ぶヘリコプター 乾いた風  迷いなくとびだせば 不安は消えるものさ 記録叩き出すだけ 凍る草原へと  ハイライトはCMの後で スポンサーは周知のとおり 神さま 銀行家の庭で様子うかがっている ゲーム結果はCMの後で スポンサーは周知のとおり 神さま  いつも一等賞 死者は一等賞 花をくわえさせられ話せない 隠されたことが隠されている 人間を知り抜いた よくできたルールだ
People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box誰ひとりいれるな その穴のなかには 年齢 性別問わず 年収 国籍問わず 誰ひとりいれるな  そのようにきいております  誰ひとりいれるな その穴の内部を のぞいた男がいた 砂丘から望遠鏡で 翌日 風邪ひいた  そのようにきいております
空地People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box門を出てどこかへと行くよ 肥えた土地には貧しい果てがあると 知っていても  高く伸びるビルにだって限りはあるし 無視をするや否や 雷 落ちるよ  おもいの丈を叩きつけろ ある男はいうけど 良くいえばオールドファッション ただの時代遅れ きみの声は聞こえたけど 言葉は届かない そうさ  水彩画に描いた曇り空を ベランダのホースでもって 洗い落としてみれば そこにはなにがある? ただのぬれた紙がある
塔(エンパイアステートメント)People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxビラを撒いた エンパイアステートビルの屋上から 観光を装って  地下鉄のぼれば五番街 見上げた 都市を賑やかす大晦日 歩いた 眩しい身体を横たえた 浴槽で 眠れるゲストに告ぐ夜の 警報  ハレルヤ!  ニューヨーク午前0時 ベトナムは正午過ぎ ニューヨーク午前0時 ヴァレッタ朝の6時  ビラを撒いた 輝く夜の地上に 浮かぶ髑髏たち アーティストが踏み潰した  みんな傷ついた羊飼い演じた 著名人たちがもみ消した王国  ハレルヤ! ニューヨーク午前0時 ベトナムは正午過ぎ ハレルヤ! ニューヨーク午前0時 ヴァレッタ朝の6時  ハレルヤ! 新宿午前0時 ニューヨーク朝10 時 ハレルヤ! 新宿午前0時 ニューヨーク朝10 時  血で血を洗う 血で地を洗う
真夜中People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box今日の放送は終了したと そっけない画面のテロップ 遠くのクラクション サイレンの音 彼女の夜はやかましい  見えない虫が一匹 聞こえない声で質問攻めさ 彼女の夜はやかましい 理由を述べよと 執拗に  鳴り止まない囁きに 眠れそうにないなら 一晩じゅう一緒に起きていても いいよ  深夜のタクシー 気怠く流れる 国道 死神 鎌を振る ヘルツ博士のよどんだ眼に 真夜中のトロフィー  誰かがギターを弾いている もう うんざりだ 彼女の夜はやかましい 理由を述べよと 執拗に  鳴り止まない囁きに 追いつめられ壊れそうなら 一晩じゅう夜を傷つけても いいよ  いいよ
夏至People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxぼくは静かにページめくった 黴の匂いにきみは目醒めた  ああここはどこからも 遠ざけられた場所 海は風に凪ぐ 物いわぬ便箋のように  鳥は静かに翼たたんだ 夏がおわれば夏がはじまる  過ちをおかした 海辺の行列 途方に暮れ微睡む 罰を忘れられて  止まる世界でページめくった いまも目次に たどり着けない いまも目次に たどり着けない
潜水People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxもう おやすみ ここはどうみても公平な世界 手近な価値をはかるまえに 天秤を疑ってみてごらん 一度でも昼に夢をみたら おめでとう  どんな色をしているの? どんな味がするんだ? 人がいつか飛び込む 海の底はさあ 誰も知らないことは 一番近くにあるよ 誰も知らないことは  もう おやすみ 皿の上 織りなす凡庸な舞台 余った役は残っていないのさ そこは帰るべき家ではない 演じる場所を今も探しているんだね  どんな色をしているの? どんな味がするんだ? 人がいつか飛び込む 海の底はさあ 誰も知らないことは 一番近くにあるよ 誰も知らないことは  優しい人をさがすのはやめたよ 飛び込む海はきみのもの  どんな色をしているの? どんな味がするんだ? きみがいつか飛び込む 海の底はさあ どんな色をしているの? どんな味がするんだ? きみがいつか飛び込む 海の底はさあ
新聞People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box円の中心に立って雨を待ち望むとき 人は守られている 空想の卵のなか もう一歩も踏み出せない 外の世界で砂埃が舞っている ラジオが放送されている 息も絶え絶えに 夜の闇を瞬くシナプスの列 カメラのフラッシュ ショーウィンドウ 円の中心に立って雨を待ち望むとき 人は守られている 空想の卵のなか 誰かが何かを吹き込んだ 頭のなか テープレコーダー 人はそれを記憶と呼んだ 頭のなかテープレコーダー 原音を忠実に再生していると誰もが口をそろえて  新聞紙はそう言った 雑音に満ちた数世紀をまたぐ  名前が足りない 名前が見つからない戦争があって 言葉がだぶつく 言葉があり余る季節がきた いつでも視線を感じている  新聞紙はそう言った  暴風雨が踊る おびただしいアンテナをなぎ倒して  それは人間のようなかたちをしている それは鳥のようなかたちをしている それは衛星のようなかたちをしている それは電波のようなかたちをしている それは塔のようなかたちをしている それは箱のようなかたちをしている  名前が足りない 名前が見つからない戦争があって 言葉がだぶつく 言葉があり余る季節がきた いつでも視線を感じている  新聞紙はそう言った 雑音に満ちた数世紀をまたぐ
People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box夜は黒い 夜は深い 放送はこれでおしまい 住宅街 眠る気配で 子供が泡立つのさ 朽ちた灯台から船は出る 浮かぶ 浮かぶ 浮かぶ 消える  夜は黒い 夜は深い つまさきを浸し遊ぶ 土深く秘めた熱で 子供は気化していく 霧立ちこめる沖へ船は出る 浮かぶ 浮かぶ 浮かぶ 消える  石炭の臭いで犬が乾いた 霧の向こうでラッパが鳴り響くのさ  夜は黒い 夜は深い 放送はこれでおしまい 住宅街 眠る気配で 子供が泡立つのさ 朽ちた灯台から船は出る
脱皮後People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxきみが持つピカピカの腐らないやつを ちょうだい ぜんぶちょうだい 透明な樹液に集まる うつろな目した昆虫たち  あしたはどこへ行こう 孤立無援のまま それだけできみは腰抜けではない  君が乗る戦闘機のなか 花 敷き詰めて 贈るよ はじめから抜け殻だったら もっと世界が好きになれたかな  あしたはどこへ行こう 孤立無援のまま それだけできみは腰抜けではない
鉱山People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box聖なるビルのふもと 電磁波の降るなかを ぼくは歩いて帰ろう 見上げた空は虹色  螺旋の樹にのぼる 21人の子供 朝を隠して 夜を消す 山は静かにたゆたう  帰ろう  聖なるビルのふもと 電磁波の降るなかを ぼくは歩いて帰ろう 見上げた空は虹色
開拓地People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box月を漂白してみることはできても ふれることはできない いつも手ざわりはこの手のなかあるけど 冷たく圧し黙ったまま  向かい風のなか目を凝らしてみれば 空っぽの小屋が佇んでいる  その歪なかたちした楽器の 名前を誰も知らない 歌をおぼえたての外国語で歌う 帽子深く隠れて  向かい風のなか目を凝らしてみれば 空っぽの小屋が佇んでいる  強い強い風が 強い風が 強い強い 強い風が吹いた  向かう場所はいつでも荒れ地だった 虫たちは土に凍る 遮るものもなく 隔てられもしないけど それは迷路だった 途方にくれた  ようこそ ごきげんいかが 孤独な旅人 おなかが空いたら 食事にしようよ  ようこそ ごきげんいかが 祈りが終わったら 食事にしようよ  おなかが空いたら 食事にしようよ
時計回りの人々People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxある日 きみは動くのをやめた 発明家のほんの思いつきのように 地球は走る しっぽに見とれて 24時間 気にも留めはしないよ 電話がやかましく騒ぎだす 郵便受けが吐き出す手紙  ひとがいうには 「すぐに治るよ きみのこころは 仲間の待つ仕事に戻れよ 今日のところは」  もしかしたら そうかもね みんないうなら そうかもね  街は実物大の模型で ふえるエキストラ 泣いて怒って笑う 台本どおり 忙しい  医者がいうには 「すぐに治るよ きみのこころは 少し休みなさい」  科学者がきめるピースサイン そこでひとは産まれた 照明焚いて カメラまわせ 用意、スタート!  もしかしたら そうかもね みんないうなら  政治家も警察も 調子悪いな 言葉つまらせ 専門家曰く、 「こんな天気はみたことがない」 なにか不思議だ きみは壊れていないのに でも 医者がいうには 「すぐに治るよ きみのこころは」  もしかしたら そうかもね みんないうなら そうかもね もしかしたら
球体People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box球体に守られて だれもが痣だらけ 球体に守られて だれもが痣だらけ 球体に守られて 今日も 昨日も 明日も  球体に守られて だれもが痣だらけ 誰も気付かない 声をかえせ 泥棒は笑っている  晴れた日 視界から消えたものは 密かに膨らんでいく 僕らはだれも殺せはしない 透明な膜のなか  青ざめた労働者 群れを成しさまよう 砂ぼこり 舞い上がり 顔はほとんど見えない 球体に守られて だれもが痣だらけ 球体に守られて だれもが痣だらけ  球体に守られて だれもが痣だらけ 誰も気付かない 声をかえせ 泥棒は笑っている  空がおちてきたところで 指くわえ みているだけさ 噂と架空の痛みさえ 城壁は越えない  声をかえせ 泥棒は笑っている  晴れた日 視界から消えたものは 密かに膨らんでいく 僕らはだれも殺せはしない 透明な膜のなか  空をかえせ 泥棒は笑っている
物質的胎児People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxまぶたおろして むをたべてみよう こころをなくして なくのはしないで 影をきりおとせ やわらかいメスで ふかさのない穴へと  ほつれだした いとをたぐる くちのなかを舌がころがる  あじわって あじわって たくらみをとかすように 蓮のはな ひらいた  きかい からまる 聖なるあくびで ようふくとおどる からだはいらない 秘密の遺伝子 あんぜんなみどりむし 無重力 そのかんまんなアクロバット  もつれだした いとをさぐる たちのぼるよ 色もかたちも  まじわって まじわって たいくつをしのぐように いるか すべりこんだ  動物たちだまりこんだ みずの底で いしがけずれる 冷蔵庫のなかでひかる なにもみてはいない まなざし  まじわって まじわって たいくつをしのぐように いるか すべりこんだ あじわって あじわって たくらみをとかすように 蓮のはなひらいた  いつわって いつわって のどのおく はびこる根を なみだがしたたった うたがって うたがって あしもとのひえたかわを なにかがしたたった
ダンス、ダンス、ダンスPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxぼくは大勢のなか ただのひとり 機械が上陸した青い海で 同じ広告が何度も流れる 網膜に強く焼き付いたLED はねつけられたら きみのプライド著しく傷つけられた  愛がすべてというなら 汚れひとつ許せないね 土足厳禁の庭で息をとめるのかい?  哲学者の友達はきびしかった 遂にぼくを許してくれなかったけど 嘘だけは絶対つかなかった “ついていい嘘なんてあるわけがない” 死んでしまってからも ぼくはそれを誇りにおもうよ  どんな美しいひとも じぶんの嘘に気づいていない 超然としていたって あたまはからっぽさ  風が止んだら 人が倒れる 観客のいないドミノ遊び 悲鳴が止んだら 鳥が笑った 息吹きかえす いくつもの産声 森を突き抜けて立つ狼煙のようだ 割れる喝采のなか さあ はなしをしよう  想像上の神の庭で だれもうまく踊れないよ 超然としていたって あたまはからっぽさ  ダンス!ダンス!ダンス! きみの孤独が 世界を救うかもしれない 荒れはてた庭で ひとり なかよく踊りましょう
割礼People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxきみはたとえば夜行列車で産みおとされた 赤ん坊 その寿命は北半球を行き来する 振り子 永久機関に焦がれた腕が 踊る たえず軋むレールに 拍子あわせ  ほら 物質の洗礼さ 夜空 輝くコイン あの東京にも原始時代はあった  ためらうにきび面の少年も 駆けだすそばかすだらけの少女も IDをカラーチャートに照らし合わせ 近似値で恐怖の汗を ぬぐい落とした  ほら 物質の洗礼さ 夜空 輝くコイン あの東京にも原始時代はあった  ほら 物質の洗礼さ 夜空 輝くコイン あの東京にも原始時代はあった
みんな春を売ったPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxゆうべ からだを売ってみたんだ こころを切り離すために  フラスコのなかで一生を 過ごせたらいいな アルコールランプの照らす 混じり気なしの血液で  それで自由になれたかな 天秤にかけてわかるかな 絶対にからだから逃げられないと 知ったきみは おかしくなってしまった おかしくなってしまった おかしくなってしまった さよならさ  いつかきみも おとなになるよ 聞きわけのない おとなになるよ  未来はまるで泥のように横たわる まみれて泣いてるきみを横目に 人々は行く  それで自由になれたかな 天秤にかけてわかるかな 最後にこころからにげてしまって さよならした まともなひとたちはみな まともなひとたちはみな まともなひとたちはみな 戦争へ行ってしまった 戦争へ行ってしまった 戦争へ行ってしまった さよならさ  いつか君も おとなになるよ 聞きわけのない おとなになるよ
市場People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box物語が続いていくって 感動的にみんな信じている もうすでに一部の人たち 笑いの発作止められないよ ラリって またブットんで 痛みを忘れた ぼくのことだ  七色の雨が降っている 塩の街 浮かれ騒ぐのさ 一斉に誤作動おこした火災報知器 スペクタクル 貪婪で やわらかい爆撃を背にし 扉をおりていけ 地下深くへ  すすめ 純粋無垢な憎悪のかたまり  武装解除して押し黙ったきみは危ない 暗闇は見えるよりはるかに広大なスペース 沸き立つ欲望も言葉も押し殺していけ  物語が続いていくって 黒幕の契約の上で 七色の雨が降っている 塩の街溶けはじめるのさ 扉降りていけ 地下深くへ  すすめ 純粋無垢な憎悪のかたまり 武装解除して押し黙ったきみは危ない 暗闇は見えるよりはるかに広大なスペース 物体にまつわる情報量を越えていく 光はきみの想像に制限をかける 沸き立つ欲望も言葉も押し殺して 暗闇は世界よりはるかに広大なスペクタクル  むせかえるほど濃密な空気があるよ  遠くで水の音がしている 耳をすませ 耳をすませ  清潔な流し台を血液が走る
さようなら、こんにちはPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box雨の街に傘を降らす それを奇跡と呼んだよ まわる まわる 地球儀に そびえ立つ銀行に宿るもの  橋が燃えているよ 燃えて焼け落ちるよ モルヒネの川のなか ぼくら夢をみてる  傘を忘れて踊ろう 降り注ぐ それは雨じゃなかったんだ  橋が燃えているよ 燃えて焼け落ちるよ あなたの絶望で空が晴れ渡るよ  わたしの聖域にはいっておいで 土を踏みしめて なみだを垂らして 意味もなくきみが笑う (さよなら、物質) 意味もなくぼくも笑う (さよなら、物質)  いくつも国を抜けて 列車は走る最中へ 深い深い中心へと 花と宇宙が散るなかを めざめだ  わたしの聖域にはいっておいで 土を踏みしめて なみだを垂らして 意味もなくきみが笑う (さよなら、物質) 意味もなくぼくも笑う (さよなら、物質)  窓を開け放って 風を誘い込んだ 屋根を吹き飛ばして すべて撒き上がるよ 窓を開け放って 光 暴れだした まぶた開け放って その眼でなにもみるな  ただいま、ひさしぶりだね 原風景
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
八月People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box透きとおる朝 からだ宙を舞う 晴れやかな体勢で 流れ出す太陽を青空がのぞきこむ  海岸線 這いつくばるきみを 上からみんなが笑っていた 痛みさえ感じるひまもなかっただろうね  はじめからきみは そのつもりで  そうさ きみの世界で選べるのは ただひとつだけのボタンさ  機械のように「その階には止まりません」と ぼくは何度もくりかえすけど きみには冗談にしかきこえない  誰かが死にかけているとき きみは生きる喜びにある 人の渦に削られたあげくに なくなってしまいたい 朝 走る車をぎりぎりでひらりとかわす 突然 誰かにあって話をしてみたくなった 傷ついても  そとは冷たいけれど なかは暖かい  ちょうど からだみたいだ きみの夢は 毎夜 歳をとっていくのさ きみを残して  踊りだしたら視界が揺れる 織り成す世界は壮大なジョーク ぼくには冗談にしかきこえない  愛も正しさも一切君には関係ない  きみは息をしている
沈黙People In The BoxPeople In The Box波多野裕文People In The Box凍結させてしまおう 銀行口座を 凍結させてしまおう クレジットカードを 凍結させてしまおう 経済を  ああ氷河期だ 踏みしめて歩け 哀しみを 脈拍 胎動を  凍結させてしまおう 最初と最後を 凍結させてしまおう ただひとつの 凍結させてしまおう 幻想を  はじまりが終わっただけだよ さあ 旅に出かけよう  はりつめた氷の上には 楽しいことが待っているよ 夢を視ることに目醒めるのさ  凍結させてしまおう 存在理由を 凍結させてしまおう 情報全部を 凍結させてしまおう ハイウェイを  はじまりが終わっただけだよ さあ 旅に出かけよう  はりつめた氷の上には 楽しいことが待っているよ 踊りだしたら 踏み抜いてしまうかもしれない いいよ、おちていく君は 夢を視ることに目醒めるのさ  ひとり残された 君の瞳には 氷の結晶が浮かんでいる 広がる白い大地を見よ 人を追い越して 足跡は大きな結晶を描いている  そうさ、世界は美しいのさ
東京People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxその秘密を 僕は見たよ だから行くんだ 胸を張って もうすぐ優しいドアに手が かかる  軽蔑した 朝の太陽を その口の軽さを でも新しい一日は 今までと違うふうになるだろう だって僕は君の大きな 美しい嘘へ 恋に堕ちた  堕ちた 堕ちた
アメリカPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box神様 僕は愛しているよ 愚かで淫らなこの世界を  おはよう もうひとりの僕 もう目を開けて眠らないで  朝の志願兵 まだ眠る街を背に 歌う 血とか汗とか精液を 新しいシーツに隠して  ピアニスト泣き出した 君だけなのさ 僕の呼吸をデザインできるのは  強くなることは とても恥ずかしい 本当はね 皆の衆、射撃用意だ 撃ち放せ!  パパとママ席を立つ 後ろめたさで 怒りで 屈辱で 車はスピード上げて炎に包まれる  哲学は銃殺刑だ もう ちゃちなメタファー捏ち上げるな 奪い合うひとつのボール 気をつけろ それは すり替えられた時限爆弾 勝ち続けろって声に耳を貸すな 紙幣の積み木 批評家たち 僕らが抜けたトンネルはいつだって ただの銃口だから  強くなることは とても恥ずかしい 本当はね 皆の衆、射撃用意だ 撃ち放せ!  神様 僕は恨んでいるよ 本当はね 不思議なこの機械を  誰の子でも いられない いられない
ベルリンPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box−レッドライト/グリーンライト ひと振りのインクで 夜は産まれる 飛び散るアルファベット カーテンと窓 深夜の追いかけっこ  −レッドライト/グリーンライト 濡れた高速道路 無人の車 注ぎ込まれる  午前2時の友達 遠く離れた裸の秘密警察 明日には僕はここにいない  −レッドライト/グリーンライト アンテナの代わりで逆さに傘を差す  −レッドライト/グリーンライト ニヒリスト待っている 目の前を過ぎるアルファベット 撃つ  −レッドライト/グリーンライト 濡れた高速道路 無人の車 注ぎ込まれる  午前4時の友達 遠く離れた裸の秘密警察 明日には僕はここにいない  −レッドライト/グリーンライト アンテナの代わりで逆さに傘を差す  傘を差す 傘を差す 傘を差す  ミニチュアの憂鬱に乗り込んで これが初めての単独飛行 このどこかできみに会えるかな  少しユーモアに欠けた引力の呪いから 人工衛星をすべて解き放ってみるよ  リン、リン、リン はじめまして 未来からの僕の親友 雨のカーテンのなか 山火事が燃えている
レテビーチPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxむかし、むかし、君の名前が今と違っていた頃 太陽は夜の傷を消毒してくれる親戚みたい でも君は変わった  メスをいれて傷を広げる 柔らかい君のおなかに ルビー色の夜がそこから溢れだす ここは楽園さ  頭上を超えて飛び込むスイマー達 水の無いプールへと そうさ、もう苦しいのはやめた!  わあ、わあ、わあ、わあ、わあ  甘い悪夢を見たいよ とびきりの長いやつを ひとつだけ 楽し過ぎて眠れない  広げた傷に潜り込む 僕は悪夢を書き換える ゼリー状の空気吸い込んで 浮かぶ楽園さ  頭上を超えて飛び込むスイマー達 水の無いプールへと そうさ、もう苦しいのはやめた!  わあ、わあ、わあ、わあ、わあ  甘い悪夢を見たいよ とびきりの長いやつを ひとつだけ 楽し過ぎて眠れない 甘い悪夢を見たいよ とびきりの長いのを ひとつだけ 楽し過ぎて わあ、わあ、わあ、わあ、わあ  真夜中、僕らの味覚は最高潮に達している 異端の思し召し下る 聖者の仮装で 赤いアーチの出口塞いだら わあ、わあ、わあ、わあ、わあ  甘い悪夢を見たいよ とびきりの長いやつをひとつだけ 楽し過ぎて わあ、わあ、わあ、わあ、わあ 甘い悪夢を見たいよ とびきりの長いのを ひとつだけ 楽し過ぎて眠れない
旧市街People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box朝食に毒を密かに盛れ ながい土曜日を終わらせる為に 軌道を外れた人工衛星の物憂い視線 緩んだ口元 塔の門をくぐってからどのくらいの時間が経っただろうか 1時間? 1日? 1年? 100年? この階段はあまりに長くて 昇りながら下っているような感覚に陥った 多分そのふたつに大きな違いはない  ほとんどは忘れてしまった 雨に溶けていった どこかの大地の養分に僕の記憶はなる 誰かが今頃 遠くで雨季を待つ 雨季は遠い 突然階段は終わる 風が沈黙する 静寂が辺りを包む 時が満ちたようだ 最上階の扉 開け放ち 僕は言った 僕は言った  「時間だよ 僕から生まれた僕自身に告ぐ メメント モリ」 青空 少しだけおかしくなったよ 君の首に触れて引きずり込んだ  かくして僕は塔に君臨した さあ角砂糖を献上せよ 遠い眼下をのぞき込んだ そこに元の君の姿はない 印刷機が作った未来の歴史 退屈な病に血清はない 革命に血は流されないからだ 生きながら死んでいるような感覚に陥った 多分そのふたつに大きな違いはない  足音が秒針のように近づいてくると 僕はそれを知っていたこと 思い出したのさ 足音止んで 開け放つ 君は言った  君は言った 「時間だよ 僕から生まれた僕自身に告ぐ メメント モリ」 青空 少しだけおかしくなったよ 僕の首に触れて引きずり込んだ  青空 少しだけおかしくなったよ 僕の首に触れて引きずり込んだ 青空 塔を抱いて眠りにつくのさ
ストックホルムPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box気を失うほど楽しいのがいいね 鍵をかけて 空の追跡を巻くよ  虹が出たよ −排水溝 渦を巻く 立てこもるリビングで −排水溝 渦を巻く 昔の僕達は互いのドクターだった  野放しで育つこころ 汗はねる 夏のドレス 跳んでみたいな シーツ乱して 天井触れた  まさか君が −排水溝 渦を巻く 蛇口をひねるなんて −排水溝 渦を巻く 差し出した両手の代わりに何が欲しいの?  気を失うほど楽しいのがいいね 罪深くたって 飛んでみたいな 背中の羽を1本 ちょうだい  ヨハネもルカもマタイも 今日だけはテレビに夢中 流れるニュース 洗面台で君が溺れた!  気を失うほど楽しいのがいいね 罪深くたって 飛んでみたいな 背中の羽を1本 ちょうだい  背中の羽を1本 ちょうだい  ちょうだい? 嫌だよ! ちょうだい? 嫌だよ!
リマPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box食卓は無政府状態 騎士のカードが華を添える 記念撮影はセルフタイマー レンズは銃口みたい ハイ、チーズ!  メリークリスマス 緊張しいなサンタクロース 写真の僕らは仮面をつけたまま パパは強いけど 欲望に勝てない たぶん明日も  ギロチンが広場を分つ 子供の兵隊 行く 毎晩 元通りになったママの王国へ  メリークリスマス 緊張しいなサンタクロース 写真の僕らは仮面をつけたまま パパは強いけど 欲望に勝てない たぶん明日も  仮面の子供は走る 聖なる山に分け入って 捕まえられるかな  メリークリスマス 剥製のサンタクロース 写真のなかに人影はひとつもない メリークリスマス
マルタPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box水圧に押されて割れた窓 星のようだ 石ころ 口にほおばって  「また間違った」って言った後にやったんだ 電飾で縛って吊るし上げて 3、2、1、目を開けて  海が干上がるまでは内緒にしておくよ  時計は止まったまま 朽ちた木馬 漂っている 火山のそば 通り抜けて  「また間違った」って言った後にやったんだ 電飾で縛って吊るし上げて 3、2、1、目を開けて  「また始まった!」って一斉に歓喜したい 鮮やかなバルーンを撃ち落として 罪は果たされた  海が干上がるまでは内緒にしておくよ
新市街People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxようこそ 銀色の世界へ そびえる金属の箱へ あなたは憶えていないかもしれない ヒーローだったよ 遺失物センターにも 記憶はみつからない  あなたは隠し事だらけ 今にも増え続けるのさ 楽しいことには貸し借りは要らない 震える大地の巨大な秘密  ぜんまい、モーター、シリンダー 不揃いのボルト 重なり合う櫛と歯 地軸震わせ オルゴール鳴りだしたら どおぞ そこは舞台さ オルゴール鳴りだしたら どおぞ 踊ろう 朝まで  ぜんまい、モーター、シリンダー 不揃いのボルト 重なり合う櫛と歯 地軸震わせ モルモット駆け出したら ほおら 回るリボルバー オルゴール鳴りだしたら どおぞ 引き金を引け
スルツェイPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box2度目の朝を迎えたよ 乾きに震えるカエル 毎日起こる奇跡に苛まれて 逃げてきたんだ  君が最初に笑う理由を見せて 見えない手に押されて放り出された 舞台じゃないから?  君はかわいい怪物のようだった そうたやすくは手懐けられない  崖の下を青い風 渡る 海馬 叫ぶ 跳ねるエンドルフィン ここは君の大きな傷口 辿り着いたよ  君が最後に笑う理由を見せて 見えない手に押されて放り出された 舞台じゃないから?  海鳴りが轟いた 霊と交わる 更衣室で 押しよせる波 血流 言葉なくす司祭たち 赤ん坊の泣き声は 海の底から突き上がる 神秘が僕に鞭を打つ 「まだまだ君は生きなさい」って  夢から醒めて笑う そこはまた夢 目を開けたまま眠る秘密を見せて そして 君が最期に笑う理由を見せて 見えない手に押されて放り出された 舞台じゃないから?  全然知らなかった 誰も教えてくれなかった 切れた糸電話 ここは屋上 神のプール ふたり行列を離れる ためらう殉教者たち 君が駆け出して 僕は悲しい口を閉じた
JFK空港People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box君の沈んだプールへ 男たちが飛び込んだ でも君はここにいる 羊飼いが手を上げる たかが知れた痛みのなか 笑みを洩らす君はもう ながくはもたないと思った とっさに「帰ろう」って手を引いた  管制塔 黙り込む 機内の酸素は薄れる かつて嫌った夕焼け 燃える客室のなかで 嘘をつけない体で ふたり こころに決めた 炎はいまに呑み込もうとしてる 来ない迎え 待った  『もしもし パパだよ、ママだよ 今頃は家に着いたかな ごめんね、許して、許して 僕らまだ子供だったんだ』 いいよ、いいよ、知っていたよ 目隠しをして産まれてきたんだよね  君はいま次の夢を見ようとしている 瞳孔を開いて  光の庭は果実で溢れ 朝 眩しいホース 株価は暴落 とある日のニューヨークで 腹を抱えて 笑う 笑う 塩の柱は僕らの前にもうひとつもないよ  歯車が悲鳴を上げるのを僕は聴いた そこはとても寂しい国 経済は脆くも崩れた 粉々に割れたクレジットカード 水浸しの小切手 我らが愛すべき愚かな王様の 国を挙げてもてあます休日 アルコールの海に漕ぎだして 遭難したことを決して認めようとしない 帆が折れて船が沈んでしまっても 君はまだ信じられない 僕を失ったことに 僕はまだ信じられない 君を失ったことに 巡り巡って地球を一周したようだ すでに方位磁針に針はないけれど 城壁の向こうの取り繕った朝食の気配だってもうここにはない 僕の誰にも知られたくなかった君の犯罪者のような目 守り抜こうとしたものは指の隙間から 最後の最後でこぼれ落ちていってしまった それはいつでも滑走路から 離れられずに燃えている でも どうか諦めないで だって 僕たちはまだこの世界に産まれてはいない 荒れ放題の庭で全部の催しは終わっていない 永久に続く寝息のような 優しい象の背中 美しいものは巧妙にカモフラージュされている かけられた巨大な布 大掛かりな手品が始まる 僕はただ君の笑顔が好きなひとりの愚かな人間だった 君のよろこぶ姿が見たかったんだ トイレの床に出現する甘いチアノーゼが 僕たちの足跡をたどって瞬く間に地球を覆い尽くしていく 僕たちはまだこの世界に産まれてはいない  受けとめて、君  みて 晴れた 空から降ってくる
どこでもないところPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxかつて家の庭で繰り広げられたパーティーで 様々なものをひとは燃やして帰った それは灰になって 今 降り注いで ほら 君は真っ白な髪を振った  みんなどこかへ消えてしまえばいいのにな 願った瞬間にひとり残らず消えた 寝室の扉は閉めて 僕は地上で息を無くした潜水士さ  僕のからだ打ち捨てられた 君の唇 うずく うずく 波はかえさず寄せ続ける 迷路に悩め 出口はないけど  憶えているよ いちばん楽しいことと悲しいことがあった部屋を もうどこへも行かない 君は 寝室の扉は閉めて 僕は地上で息を無くした潜水士さ
生物学People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxさあ 目を開けて僕を見て 今日から君は僕のもの  行こう 氷河期は始まったばかりだ 海の底を這いまわるニーチェ  飢えて剥きだしの心臓は 野蛮でとにかく気高いのさ  そう 汚らわしいものは粛清さ 匙を投げて憤るフロイト  輝く目が僕を見返した
天使の胃袋People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxドーベルマン ドーベルマン 廊下抜け 床を蹴って 手の鳴るほうへ駆けるニュース 今夜 誰が踊らされるのさ  ボイラー室 ボイラー室 追手は遂には追い抜いて 走る暗闇を伸びるレール 君が服を脱ぐ 輝く眼で  何も欲しくないけど物足りない ってさ、君は僕みたいだね  ファンファーレ ファンファーレ 胃袋はもういっぱい 粘膜の夢に溶けていたい だけど空席の王座へ飛ぶシュプレヒコール 僕らの欲望が吹き飛ばすパレード  何も欲しくないけど物足りない ってさ、君は僕みたいだね 電池が切れてしまった僕ら だから次の世界で息をするよ  息をするよ  ふたりはいつでも泣かない子供  君は僕みたいだね 大丈夫 ってさ 傷をつけてあげるよ  君の傷口は動く 動く 体をねじって逃げる 逃げる ふたりで震えて 笑う 笑う もうすぐトンネルを抜けるよ  光り溢れ
冷血と作法People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box埋め立て地を亀裂が走る 都市が歪む 放射能 黄砂 メーデー 放射網 黄砂 メーデー 改札は喘息を患っている 咳き込んでいる xとyとxとyとx xとyとxとyとx  君のことを耳にしたよ 元気でやってるみたいだね だけど みんなの知っている君じゃなかった  頭の外れた馬が叫ぶ 蹄 打ち下ろし 広場に集る警察 広場に集る警察  君のことを耳にしたよ 元気でやってるみたいだね だけど みんなの知っている君じゃなかった 記憶はコピー機のなかに まるで砂埃みたいだよ もう ここには既に 体はない 翼だけが空を飛ぶ 亀裂が走る 亀裂が走る  放射能 黄砂 メーデー  君のことを耳にしたよ 元気でやってるみたいだね だけど みんなの知っている君じゃなかった 記憶はコピー機のなかに まるで砂埃みたいだよ もう ここには既に 体はない 翼だけが空を飛ぶ  血迷って 血迷って 遂には生まれ変われたのかな 今の君はきれいだった
月曜日 / 無菌室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box太陽のなかで愛されたら 君はもう生きれないかもしれない 木漏れ日模様に脈打った身体  青ざめた朝の路地裏で ワインを1滴垂らして 腐った香りで 地球を浸す  指を重ねて 地図をなぞって 僕ら世界をゆすった 飛行機は落ちて いまいましい神様は逃げ出したよ  誰かが口を滑らせて 僕らをおとしめたかもしれない それがどうしたっていうんだ! ちぎれたボタン  指を重ねて 地図をなぞって 僕ら世界をゆすった 船は水を吸って 取り乱す乗客を吐き出したよ  太陽がのしかかる やわらかに 君は進んで受け入れたよ その眼は僕の背後を見てた  ―――ようこそ ここは舞台で女優が消えた場面さ  フィルムは回った 逆さに  指を重ねて 地図をなぞって だけどそこには何もなくて 僕も行きたいよ 僕も行きたいよ 次の世界へ そこへ  君の好きな唄をうたう 唄をうたっている ずぶずぶずぶ 蝕んで 蝕んでいく 君の好きな唄をうたう 唄をうたっている ずぶずぶずぶ 蝕んで 蝕んでいく
火曜日 / 空室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxはねかえるよ光 誰もいないキッチン 影を落とすクジラ テーブルの上に プロペラ 8月 食べかけのケーキ 乾いて割れたプール ある朝消えた 彼女は消えた  天気予報はずれ 記録を更新中 絶滅した記憶 反古されたアドバルーン 切りかけのカード 喪失のアート 121グラム ある朝消えた 彼女は消えた
水曜日 / 密室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box少年少女 迷いの庭で天国夢みる このクラブのリーダーは神ではないのさ  走れ 速く メリーゴーラウンド どこかへ連れて行くよ 遊ぼう 遊ぼう 目が回って叫ぶ!  おもちゃの兵隊の影 みるみる僕らを追い越していく 誰も気付いていない 破れたリュックサックに蛇 大丈夫、もう からだの声に毒されているから  走れ 速く メリーゴーラウンド どこかへ連れて行くよ 遊ぼう 遊ぼう 今日が終わらぬように  密室の蝶みたいだよ 君の祈りは 立ちのぼり 急降下して 燃えて消えるのさ 密室の蝶みたいだよ 君の祈りは 青い空が先に目を逸らしたってさ  僕らは楽し過ぎたから 動けなくなった 僕らは楽し過ぎたから 戻れなくなった  走れ 速く メリーゴーラウンド どこかへ連れて行くよ 指で、口で、満たしたいよ 呼吸を!  密室の蝶みたいだよ 君の祈りは 立ちのぼり 急降下して 燃えて消えるのさ 密室の蝶みたいだよ 君の祈りは 立ちのぼり 急降下して 燃えて消えるのさ  溢れ出した 赤いミルク 白い血  いつか結婚しようね  僕らは楽し過ぎたから 動けなくなった 僕らは楽し過ぎたから 戻れなくなった 僕らは楽し過ぎたから 動けなくなった 僕らは楽し過ぎたから 戻れなくなった
木曜日 / 寝室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box寝苦しくて目覚めたら豚が僕に馬乗り まったく神様のしつけがなってないな 夜のテント飛び出すとまっぷたつのミラーボール 中身 僕は知っていた  これ誰かの夢だ!  日付のないカレンダー うごめく前頭葉 波打ち際 上陸する歌手 メガホン越しにオペラを歌いだした  堅く目を瞑ったら開かずのプラネタリウム 星を喰って 豚に喰われ 一日が終わる  これ誰かの夢だ!
金曜日 / 集中治療室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Boxさあさあ、集まれ 亡くしたもののぜんぶ ここへ 足のもつれた役者の為に 幕が上がる  Aは花を散らして Bは踊る CとDはどうやって夢を見る? オピウム?  君が呟く 舞台の隅で 脚本にはないセリフ 『死にたくなってしまったら そっと告げていいよ 少しだけなら葬ってあげる』  Aが服を脱いだら Bは舌を噛む CとD 白衣着て 患者を待っている  運び込まれたモナリザはベッドで泡を吹いている  Aは花を散らして Bは踊る CとDはどうやって夢を見る? オピウム? 前髪を絡めて 血を流す みんなまとめて包帯で ミイラにしてしまえ  めちゃくちゃにして、やろうよ めちゃくちゃにして、やろうよ めちゃくちゃにして、あげるよ  翌朝 報いの雨に濡れて ダメになった絵のなかの国で 僕らの困ったように笑う姿は 溶けていったよ 消えていくよ
土曜日 / 待合室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box朝、蒸気のような雨が吹きつけて 通りは輝きだした 目の褪せたサイコロを振って 思い出の街を行く  光の駅のホームで 僕は始発を待った 寝て起きると そこに君がいたらいいな  足音は溶けていく 色の消えた空に もし明日が来るのなら とても悲しいな  もう、やめようよ って袖を引いてくれて ありがとう でも あと一錠だけ でも あと一錠だけ  そびえ立つ陽炎 顔の無い人々 君のパパが建てた高いビル すべての窓がふたりをのぞき込んで いっせーのーせっ で歌い始めた  君はカメラを逆さに構え自分に向けた 何が見える? 誰かと目が合って離れない  口を開けて 君の宇宙を見せて ほらね 言葉のない秘密は とてもやかましい  世界中に電話 鳴る 僕は、君は、出ない 音もなく 雨が降る 僕はいない 君はいない
日曜日 / 浴室People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box「水滴のようだよ もういまにも落ちようとしてる」 「君がいる闇へ手を伸ばして かきまわしたい」 「交じりあえたね でもこれ以上は 現れては消える」 「僕は待ちきれるかな」  「もういいかい?」 「まだだよ、まだだよ」 「僕はずるをして もう一回生きてしまって」 「許せないよ 二度とは」  「またやってしまったんだ」 「震えをとめて」 「サンクトペテルブルグで 浴室で」 「この狭いバスタブが世界を蹂躙する」  「もういいかい?」 「まだだよ、まだだよ」 「君は嘘をついて もう一回死んでしまって」 「わからないよ 二度とは」 「もう一回触れたかった」  「現れては消える」  「もういいかい?」 「まだだよ、まだだよ」 「僕はずるをして もう一回生きてしまって」 「許せないよ だから、  わたしのいのちを、君にあげる パンケーキみたいに切り分けて、あげる」
完璧な庭People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box軋む階段 振り返る 謎を君はすべて解いた ポテトの皮いっぱいのバケツ 欲望が顔をのぞかせてるけど  君の声はこの世界にない 子供らは森に消える  毎日、たった少し、ふたりは死んでいく 今日はもっと知りたいな 汚れた君のことを めざめ、眠りを繰り返すだけ そんなふたりの生態系  暇つぶしの公開処刑 水を打ったような静けさ ようこそ亡霊の紳士淑女たち 欲望が顔をのぞかせてるけど  朝の鳥は世の終わりに鳴く  毎日、たった少し、ふたりは死んでいく 今日はもっと知りたいな 汚れた君のことを めざめ、眠りを繰り返すだけ そんなふたりの生態系  ほどいた糸のかわりに紡がれる 長い内臓や言葉 呼吸もぜんぷ ほおらね 地球が震えて歌い出した 振るい落とされてしまいたいな  君の声はこの世界に  毎日、たった少し、ふたりは死んでいく 今日はもっと知りたいな 汚れた君のことを 毎日、たった少し、ふたりは死んでいく あの狂った夏休みの君は もう既に壁の向こうで 意思を固めた 僕はドアを叩いた
海抜0mPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box誰だっけ 水のなか静かに笑っているのは 忘れていくこと 息を繋いで 痛みの無い世界に僕は住んでいたんだ 流れる血液は下水道へ  溢れる水槽を眺めていたんだじっと 沈んだ影ひとつ泡をはいた  存在はスプーンの上 スープのなかで笑った 全部は食べきれないかも  もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい 居させて君の街に  君が片足で渡る大きな橋 僕は背中を曲げて見上げた  支えきれないし 降り止まない 肉眼で見えない美 今度は許されないのかな  もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい 居させて君の街に  流れる僕ら 地形に沿って 次は南半球でおちあおう 今度は許されないから  もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい、だけ もう一度そこに行きたい 居させて君の街に
レントゲンPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box朝焼けがいつも投げかけるエックスレイ 僕は一瞬だけいないはずの存在になる さあ虐殺のスタートだ 部屋を跳び出して行け  君が着飾った 晴れた屋上で 影が揺れていた 巨大な弧を描いて スカートの隙間から 飛行機が飛び立った  ここから見下ろす鳥の群れ プールはただ脈打ち、ひるがえる 耳栓を外したら 大きな音の秒針にステップを  白昼夢が続きますように 白昼夢が続きますように すれ違うベビーカーでまた会おうぜ  花粉を吐き出す植物のようだ 人の叫び声 僕は黙り込む あの懐かしいスモッグだ ここは希望の国  ここはとても広い霊安室 白く目映い海のようだ 終わりかな?はじまりだよ こうして僕ら生れ変わるんだ  白昼夢が続きますように 白昼夢が続きますように すれ違うベビーカーでまた会おうぜ
月曜日消失People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box世界でいちばん静かなSOS 長距離電話 遠い街を震わせてる 国道は白い粉にまみれてる 君は今まで何度死んでは生き返ったの?  排水溝のなかラクダに乗って 絶望した君に会いに行こう 開きっぱなしだった君の眼 夜が更けたまま明けぬ日曜日  毛布のなか野蛮な声がしてる  緊急事態SOS  逮捕者がでたサーカスで 君はたった一夜にして 炎の上を歩いた  排水溝のなかラクダに乗って 絶望した君に会いに行こう 勉強しなさいってママが言った 深い場所までは声は届かない  君の合図でミュージックスタート 夜が牙を剥く それは巨大な椅子取りゲーム  君はたった一夜にして 別人になった
昏睡クラブPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box誰かが同時に存在してるって エベレストは神の見張り台さ  窓からぶら下がった 跳ねるトゥシューズ バレリーナはいない  あの衛星から星は逃げ惑った 三日月のような目をしたスパイさ  窓からぶら下がった 跳ねるトゥシューズ バレリーナはいない  各フロアの監視カメラが同時にとらえる 誰もが気付いてはいない 灯りが落ちる  100個の目覚まし時計 君は眠り続ける 僕はひとつひとつ アラームを解除していく 100個の目覚まし時計 君は眠り続ける マネキンのように 耳鳴りのなかで  鉛筆と消しゴムの追いかけっこ 欲望の樹は枯れることは無い  窓からぶら下がった 跳ねるトゥシューズ バレリーナはいない  100個の目覚まし時計 君は眠り続ける 僕はひとつひとつ アラームを解除していく 100個の目覚まし時計 君は眠り続ける マネキンのように 耳鳴りのなかで  僕はそれに触れる
ヨーロッパPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box君は両手を床につけた 居間の吹き抜けの10:00AM 革命に揺れるシチューの鍋  こんにちは 僕のいびつなひと 砂の上 浮かんでいるのは 白い背中 やがて世界が君のスカートに のみこまれる日を待っているのさ  君は両手を床につけた 暴動に荒れるチョコレート中毒  こんにちは 僕のいびつなひと 砂の上 浮かんでいるのは 白い背中 やがて世界が君のスカートに のみこまれる日を待っているのさ
見えない警察のためのPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxPeople In The Box行列は続いた 青空を背負って 晴れた日僕らは滅茶苦茶なことをする 大きく渦巻く自転車置き場の海 口笛吹こうジェリービーン 大通りへ  相変わらずの点滅が刺さる 近所の薬局で洗剤買って それから僕はどうしたっけ  出口は君が盗んで口に隠した 僕に見つからないように  落下するアンテナ 休日の傍観者 市場に漂う消毒液の香り 破壊が始まる3秒前の笑顔 口笛吹こうジェリービーン 踊ろうね  相変わらずの点滅が刺さる 近所の薬局で洗剤買って それから僕はどうしたっけ  出口は君が盗んで口に隠した 僕に見つからないように  ある朝 目醒めて 僕は重力をなくした 少し浮かぶ 君がホテルの窓から見上げて笑う もう世界は逃しはしない  探し物みつからない 踊ろうね  それから僕はどうしたっけ  出口は君が盗んで口に隠した 僕に見つからないように 大丈夫さ 大丈夫さ 大丈夫さ 逃げられない
She Hates DecemberPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box早すぎる夜明けの訪れ 凍りついた もたらされぬ救い 残虐な朝の光  無防備にも晒されて 秘密は暴かれていく 泥も水も混ざり こぼれるだけ  壊したくない?壊したい? 棺 白い床が回る She Hates December 月が消えたら僕らだ 満ちて 欠けて 擦り切れるのは  鳥の形相した彼女は屋上で 扉の音聞いて 弾かれるように跳んだ  ああ!  ただの夢だよ 決して終わらぬ夢だよ 足を踏み鳴らすエコー  壊したくない?壊したい? 棺 白い床が回る She Hates December 月が消えたら僕らだ  白く 汚れ 擦り切れるのは 忘れられた朝だ  壊したくない?壊したい? 棺 白い床が回る She Hates December 月が消えたら僕らだ
サイレンPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Boxみんな生きるのが好き? 死んだことないから 彼女は3度目の手紙を書いた 花束に頭を突っ込んだまま 手をつないでどこへ行こうか 2つの眼差しは僕を越えて 週が変わり 頬で靴音が響く  なりすましてるんだ みんな知ってるかな 知らないかな 知ってるかな 楽しみで震えてしまう 妄想にしたって僕は居ないな 街を通り抜けるこの体が 渋滞を掻き乱している (So So Cold Breeze)  踊ってみたいね サイレン鳴らして みんな振り向くかな 行き交う肩 誰も君に気付いていない 空は低く 街に吹き荒れる 腐敗の季節 君は君ではいられなくなる (So So Cold Breeze) 消防士 水の精霊に祈りを捧ぐ 公衆トイレの床は冷たい 氷のようだ 赤い炎が飛び火する
鍵盤のない、People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box風は頭上かすめ ゆらり 海藻の様な 子供の手をすり抜けて ガソリンスタンドなぎ倒し 君はウサギの仮面 鼻 ひくひく動かして どろり 緑の海の 淀んだ匂いを嗅いだ 空腹だ 林檎を齧ろう そして横たわり  さあ眠れ  瞬きは通りを抜けて  ラジオが流れていた 僕らは横たわった 子供の手は空に伸び 二度目の風を待つ 息苦しいね ここは 完璧なものだらけで レーゾンデトゥールとか言葉とか 急にわからなくなるね 不服だ 死を叫ぼう そして 栓を抜け  さあ眠れ  瞬きは通りを抜けて  僕は 街のかかとに住んでいる いつも前触れもなく ゆっくりと倒れていく 切られた肉の匂い 崖を旋回する鳥 雲は絶えず姿を変える もう恐れなくていいよ 君には眠りが訪れる 夢は 見ない 君の心は鍵盤のようにバラバラになってしまったからね
始まりの国People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box架空の国境を跨ごうとしている まばたき忘れ 呼吸忘れ また振り出しに戻った 扉から細く漏れる光  偶然が重なり続ける街 煉瓦のように積まれる 思想を溶かしてみたい 天才だらけの庭  僕はもう生きてはいないかもしれない 眩さに驚き目を開いたまま  若い哲学者の口を ガムテープでぐるぐる巻きに 開いたページ破ってしまえ それは未来からの手紙  君はもう生きてはいないかもしれない 住み慣れた街の亡霊に取り憑かれて  行こうかな 戻ろうかな いっそ踊ろうかな  僕ら自由さ 抜け出して この永い熱病からもう 誰もいなくなって 気配だけがざわついている
水面上のアリアPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box水は夜 飛沫上げる聞こえる音 暗いプール人影ひとつ見下ろしている  沈んでいく水のなか 眠っている君と目があった 家の屋根が見えるかな  心配ないさ 夜は僕の背中にある カウチのそば流血の痕  沈んでいく水のなか 眠っている君と目があった 家の屋根が見えるかな 今 2階の窓が開く  僕はもういないものとして生きていた もう既にいないものとして生きていた 君はそう手を伸ばして揺れていた 水面を越えてしまってはダメだ  沈んでいく水のなか 眠っている君と目があった 家の屋根が見えるかな 星が眩しい 今 2階の窓が開く  僕はもういないものとして生きていた もう既にいないものとして生きていた 君はそう手を伸ばして揺れていた 水面を越えてしまってはダメだ
犬猫芝居People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box君は証言台に立つ すれ違う瞬間、目があった 世界が始まってから 幾つ目かの革命の昼 地球に煙草を押しつけて 光にまみれて言った 「もっと手を汚して、もっと!」 そうさ、僕ら共犯者さ  君は痛いのが好き? 僕は汚すのが好き 生きたまま死んだふたりに 僕はなってみたい 頭のなか揺らめく星また消えそうだ  僕は孤独な国の孤独な街の預言者だった 誰も聞こうとはしない 沈黙の壁を固めてる  君は痛いのが好き? 僕は汚すのが好き 生きたまま死んだふたりに 僕はなってみたい 舞台の上ふたつに分れてまた演じてみたい  また演じてみたい  ほんの数秒でみるみる弱って 虫の息になることもある でもそれも今夜までさ てもそれも今夜までさ  君は痛いのが好き? 僕は汚すのが好き 生きたまま死んだふたりに 僕はなってみたい 舞台の上ふたつに分れてまた演じてみたい  君は笑うのが好き 口を塞がれた ああ
バースデイPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box吸い込む空気の秘密を 君は探っている 犬のように 誰もが忘れてしまった小さな呪文を僕は聴いた 赤ん坊の数学者 徹底的に神が嫌い 疑っていいよ 疑っていいよ あのネズミのおばけみたいに  「1、2、3、4、5、6、7」 オーケストラ、騒げ 今日は君のバースデイ 独立記念日も一緒に バイオリン、コントラバス、チェロ、ティンパニ、ホルン 血が流れた 鳴るよ トランペット  外でみんなが怒っている 傘をさす妄信者 奴らの目はただの鏡 そらしていいよ そらしていいよ ぜんぶ夢さ おばけみたいに  「1、2、3、4、5、6、7」 オーケストラ、騒げ 今日は君のバースデイ 独立記念日も一緒に バイオリン、コントラバス、チェロ、ティンパニ、ホルン 血が流れた 鳴るよ トランペット  「1、2、3、4、5、6、7」 オーケストラ、騒げ 今日は君のバースデイ 独立記念日も一緒に バイオリン、コントラバス、チェロ、ティンパニ、ホルン 血が流れた 鳴るよ トランペット
失業クイーンPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box棺の並んだ廊下に君はいた 近くて遠いところに立っていた  見て ただまっすぐに 彼女の眼を 聴いて 憎しみの芽が奏でる音を  水浸しにしてしまおうぜ このむせ返る太陽の街  強いて もうばか騒ぎは止めるように 跪いて 蟻の兵隊のお出ましだ  僕らは出来るだけ長く 息止めていたよ どちらが先に気絶するだろうね あんなに世界を呪っても 虚しいだけだった君は どこへいったんだ?  遊びにおいでよ 君が仕事を辞めたビルにさ 僕だけは歓迎するよ 地図を塗りつぶす君を  見て ただまっすぐに 彼女の眼を 跪いて 蟻の兵隊のお出ましだ  僕らは出来るだけ長く 息止めていたよ どちらが先に気絶するだろうね あんなに世界を呪っても 虚しいだけだった君は もう手を汚さなくていいよ  見て ただまっすぐに 彼女の眼を 聴いて 憎しみの芽が奏でる音を 跪いて 蟻の兵隊のお出ましだ  僕らは出来るだけ長く 息止めていたよ どちらが先に気絶するだろうね あんなに世界を呪っても 虚しいだけだった君は もう手を汚さなくていいよ
泥の中の生活People In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The BoxGood Morning, My Frog Queen. その温かい泥のなかから見上げるもの なにか激しい衝撃を待ってる 今なら光は警棒のように掴めそうだ  Good Afternoon, My Frog Queen. 一日中手紙の返事を待ち続ける 隣の国の空は真っ赤に染まった 「なにもかもうまくいくわ」って歌を歌った  Good Evening, My Frog Queen. スポーツ好きの数学者と居酒屋で会った 今夜は勉強しようか 1+1+1+1+1…  Good Night.
6月の空を照らすPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box雲の上 猫 唸りを上げていた 粘土の空 うごめいた 誰も耳を貸そうとはしないよ ラジオをつけ家を出る  新宿は大きな布に覆われて 緊急事態 僕ら逃げられない  雨が降っていた ネジが緩んだようなんだ 君は待っていた 僕は驚いた 密かに  神々しく、柔らかく、まんまるな死が もたらされるならば もうひとつだけ頭が欲しくなったんだ はじまりも終わりも同じ事だ  雨が降っていた ネジが緩んだようなんだ 君は待っていた 僕は吐きそうだ 光を空へ  あのマンホールの向こうへ ねじれた傘のなかのメリーゴーランド  雨が降っていた ネジが緩んだようなんだ 君は待っていた 僕は吐きそうだ 光を空ヘ  ネジが緩んだようなんだ 僕の背後に誰がいるか教えて? そっと
一度だけPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box少女は何も失わないさ 雲の上ステップ踏んで 296号線はいつも渋滞 空に交わるアーチを描いた 誰かの笑い声が 滑り出して伝染病そんな夢を見てた  「なんてことしたんだ君は」 冷蔵庫が呟いた 僕らは一度だけ ハレルヤ、ハレルヤ たった一度だけ  僕は戦争の本を読んだ 取り憑かれてしまった 残酷な 残虐な部屋に立って このクリーム色の壁紙にはどれだけの言葉が 染み込んでいるんだろう  「なんてことしたんだ君は」 洗濯機が呟いた 僕らは一度だけ ハレルヤ、ハレルヤ たった一度だけ  「なんてことしたんだ君は」 ガスコンロが呟いた 誕生日おめでとう ハレルヤ、ハレルヤ たった一度だけ  ハレルヤ、ハレルヤ たった一度だけ
ペーパートリップPeople In The BoxPeople In The BoxHatanoPeople In The Box風が部屋に吹き荒れる まるで嵐 声を巻き上げ 目には見えないその強盗は 夜の庭に降りた はやく君を見つけなくては 渡り廊下行き交う亡霊  街に飛び散る光と闇 誰もいなくなってしまったら  君の肌に針を立てて 体のなか旅をするのさ 山を越え都市を抜け 虫歯の奥に潜む言葉 晴れた朝にモールス信号 僕ら鳥になったシーツの上  街に飛び散る光と闇 インクまみれの夢を見ようよ 空はなんて深い落とし穴だ 終わりのはじまりを見たいな  全部溶けてしまえばいいのに 1丁目から27丁目まで  街に飛び散る光と闇 インクまみれの夢を見ようよ 空はなんて深い落とし穴だ 終わりのはじまりを見たいな
AlicePeople In The BoxPeople In The Box波多野裕文People In The Box揺れる日傘泥だらけのひざ まぶたを伏せて闇へ降り行く この坂道を世界は転がる Whole Low is Hollow  野蛮な声に君は微笑んだ コントロールを失った 暗闇のなか体は傾いて まっさかさまさ  まっさかさまさ  カメラは回る食事のあいまに 時間は溶けて君はあおむけに 湿ったベッド虚ろな眼差しで まどろんでいた まっさかさまさ  まっさかさまさ  君のこころは楽団のそばに 砂ぼこりたてて行進している 「君は誰の子だい?」 誰かが耳打ちした  まっさかさまさ
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