Revo作曲の歌詞一覧リスト  47曲中 1-47曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
僕らの星座白上フブキ白上フブキRevoRevoRevoハジマリはきっと ひとつの願い それを抱いて私は生まれた 孤独な夜空 震える指で 点と点を繋げよう  (woh oh woh oh woh oh oh oh)  一次元では寂し過ぎるから 私たちは広がりを求めた 点は線となり 線は立体となり そこに距離が生まれた  けれど  三次元ではちょっと遠過ぎるから 私たちは平面に求めた 点は線となり 線は星座となり この夜空を繋ぐよ  自分らしく 居られる場所を 気付けばずっと探していた 煌めく星よ 挙りて集え この御旗を目印に  あのね君がいつも そこにいたから 嬉しくて続けたんだ今日まで 忘れないでね 僕らの星座は 君がいたから生まれた  (woh oh woh oh woh oh oh oh)  二次元では楽し過ぎたから 私たちは毎日を笑った 秒は分となり 分は時間となり 辛いことも忘れて  自分らしく 笑える場所を 築けば闇に星は満ちた 重ねる歌で 想いを刻め この白亜の城壁に  だから君がいつか 自分自身の 輝きを見失った時には 思い出してね 僕らの星座は 君がいるから輝く  (woh oh woh oh woh oh oh oh) (woh oh woh oh woh oh oh)  たとえ君がいつの 時代(とき)を生きても 何かを好きになる気持ち大切に 歌い続けてね 僕らの星座は 君がいるから生まれ 夜空に輝き 明日へと繋がる  (woh oh woh oh woh oh oh oh)  未来を 目指すよ 共に征こう!
MOON PRIDEGOLD LYLICももいろクローバーZGOLD LYLICももいろクローバーZRevoRevoRevoMoon Pride あなたの力になりたい  涙は頬を伝い 瞳は紅く燃える 稲妻のように激しく 誰かが愛を叫ぶ  例えどんな 暗闇でも 一人じゃないよね? 私達を 照らす Moonlight  嗚呼 女の子にも譲れぬ矜持がある それは 王子様に運命投げず 自ら戦う意志  Shiny Make Up 輝くよ 星空を集めて ただ護られるだけの か弱い存在じゃないわ  悲しみの波に揺られ 怒りの焔(ひ)に灼かれても 稲妻のように眩く 永遠(とわ)の愛を誓う  例え今は 離れてても 独りじゃないよね? 私達を 繋ぐ Moonlight  嗚呼 女の子には無敵の武器がある それは 弱さに寄り添う眼差しと 全て受け入れる強さ  Shiny Make Up 煌めくよ 星空に抱かれて 時を超えた絆が 私に勇気をくれる  恋しくて 切なくて 泣きたくなるよ 会いたくて 淋しくて 駈け出しそうな恋心(ハート)  この広い宇宙で 何度生まれ変わっても あなたに恋をする  Shiny Make Up 羽ばたくよ 星空の彼方へ 罪が廻る世界でも 未来を信じられる  ――だから Shiny Make Up 戦うよ 星空を纏って 新しい伝説が 今ここから始まる  La La Pretty Guardian SAILOR MOON
冥王-Θανατοs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo時を運ぶ縦糸...命を灯す横糸... 其を統べる紡ぎ手...其の理を運命と呼ぶならば……  Μοιρα  Θανατοs―― 其レハ冥府ノ支配者ニシテ亡者達ノ王 地上ノ者達ガ【死神】ト呼ビ畏レテイル存在  彼女モ同ジヨゥニ 愛シテル 彼氏ト同ジヨゥニ 愛シテル 王者モ奴隷モ 聖者モ娼婦モ 等シク愛デヨゥ  生者モ同ジヨゥニ 愛シテル 死者ト同ジヨゥニ 愛シテル 老人モ若者モ 詩人モ勇者モ 等シク散ラソゥ  母上...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケルノナラバ  Θハ―― 生キトシ生ケル全テヲ 殺メ続ケルコトデ 奪ィ続ケヨゥ   『冥府ヘヨゥコソ!』  貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ 貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ  訳モ解ラズ 遣ッテ来テ 運命ニ弄バレ 貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ  不運ナ姫君 迎ェニ往コゥ 血濡レタ花嫁 迎ェニ往コゥ シヲ抱ク瞳 彼ハΘノ器 母ヲ殺メル夜 迎ェニ往コゥ 双ツハヒトツ  【黙したまま死を告げる冥王の瞳】  アナタ方モィズレ 知ルダロゥ コノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θ以外 無慈悲ナ 女神ガ統べる コノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θ以外  遅カレ 早カレ 避ケラレヌ 別離 ソゥ...Θコソガ死ダ  母上...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケ 怯ェル仔等ニ痛ミオ与ェ続ケルノナラバ  Θハ―― 生キトシ生ケル全テヲ 殺メ続ケルコトデ 救ィ続ケヨゥ
人生は入れ子人形-Матрёшка-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo【ロシア人豪商: Алэксэй Романович Зволинский】  赤く揺らめく暖炉 家にもあったのに 悲しいけれど 燃やすべき 薪がなかった 弟達はいつも 機敏に動いてた 腹は減るけど じっとしてたら 凍っちまうから  運命の贈り物 不幸を詰めた 入れ子人形 開けても 開けても 悲しみばかり  白く煌めく大河 風を切り裂いて 走れ馬車よ 家は遠いか 空駈けろ 妹達もいつも 腹を空かせてた 頑張れ末妹よ 銀のお注射 きっと快くなるさ  人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形 開けても 開けても 苦しみばかり  臥せる少女の治療費で 貧しい家計は燃え上がり 父親は遠くの炭坑で 岩が崩れて下敷きに 登りは険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那  死せる少女の葬列に 愛した二人の影はなく 母親も娼婦の格好で 無理が祟って旅立てり どんなに険しき坂道も 転がり堕ちれば正に刹那  掘っても掘っても砂ばかり どれだけ掘っても脈がない 拝金野郎の妄想さ 無駄な努力と他者は言う それでも 夫は諦めないわ  掘っては掘っては砂埃 どれだけ掘っても切りがない 成金野郎の道楽さ 馬鹿な男と学者は嗤う それでも 妻は着いてゆくわ  (眩く) 輝く黄金や (世界中に) 轟く名声が (貴方は) 欲しい訳じゃない (燃えるような) 夢が見たいだけ  運命が望むのは 喜劇か 悲劇か 今もう一度【神話】を 歴史の舞台に立たせたい……  貧しい一家は離れ離れ 私は商家へ丁稚奉公 不細工な顔だと虐められたけど 誰よりも必死に働いた 私(貴方)を支えたのは家族の存在と 母の形見となった一冊の【叙事詩】  ――“運命は残酷だ されど彼女を恐れるな 女神が戦わぬ者に微笑むことなど 決してないのだから”――  人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形 それでも私(夫)は掘るだろう(でしょう) そこに穴がある限り……
神話-Μυθοs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo始源 世界には唯混沌あり 軈て 万物の母なる者の目醒め 母なる者 混沌より子を成さん 其は即ち 創世の三楽神である  長兄神と末妹神が交わり 朝神と夜女神 次兄神と末妹神が交わり 太陽神と月女神が生まれた 朝神と夜女神から 大地女神の眷属 太陽神と月女神から 海原女神の眷属が生まれた  母なる者 自ら天空双神の眷属を生み 最後に【死すべき者】――即ち人間を創った  時を運ぶ縦糸...命を灯す横糸... 其を統べる紡ぎ手...其の理を運命と呼ぶならば... 嗚於...女神よ...貴柱はどんな世界を織り上げるおつもりか?  第六の地平線『Μοιρα』  創世詩奏で始めた 神話華やぐ時代 語り手は誰ぞ 謡い手は誰ぞ 詩女神の娘達  長女・Ιωνια 次女・Δωρια 三女・Φρυγια 四女・Λυδια 五女・Αιορια 六女・Ροκρια  我等 【詩女神六姉妹】
運命の双子-Διδυμοι-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo後の世に楽園と謳われる 詩情溢れるアルカディアの山々  暮れ泥む秋の日の憧憬―― 其れは...未だ世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ...  ――そして...季節は廻り... 運命の歯車は再び...静かに廻り始める……  二度と還らざる 淡き少年の日々 空を翔る鳥は何処までも 飛べると信じてた  やがて振り返る 淡き少女の日々 水に映る月を何時の日か 取れると信じてた  (生まれた時から 一緒だった) (二人は何時も 一緒だった) (絶えず 一緒だった) 優しい父と 美しい母と そんな日々が何時までも 続いてゆくと信じてた  運命に抗う者と 運命を受け入れる者 嗚呼...運命を殺める者と 運命に捧げられる者  野山を駈け廻った 流れる雲追いかけて 夕暮れに漂う匂いに 二人は家路を競った……  狡猾な蠍の影...  廻り始めた歯車は誰にも止められない……
奴隷市場-Δουλοι-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo…ほら 荷馬車が揺れりゃ …そら 老婆も《吃驚し怖れ慄く》 帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い  …ほら 馬鞭が撓なりゃ …そら 老爺も《挙動不審になる》 帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い  る回る 車輪は廻る 運命は彼等を何処へ運ぶ 背中合わせの温もりだけが 双りに灯る唯一の希望……  重い足取りで 念いは届かず 疲れた身体で 運命だからと  何処へ 何処へ 彼等は何処へ向かって行くのかしら? 何故 何故 彼等は何故に行かなければならないのかしら?  平等なんて嘘なの? 幻想なの? 命に値段をつけられる場所 墓 其れが奴隷市場 奴隷市場 奴隷市場……  離れ離れ 繋いだ手と手 遥か遥か 引き裂かれて  る巡る 季節は廻る 運命は双りを何処へ運び 今は見えざる歴史の涯に 舞い降りるのは誰の光……
雷神域の英雄-Λεωντιυs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo雷を制す者 世界を統べる王と成る  【アルカディア第一王子:Λεωντιυ_】  野を朱く染めながら 黄昏は 世界を誘い 刃を緋く染めながら 我々は 生命を誘う 夕闇へ 冥闇へ  生ける者にとって必要なものは 死せる者にとって不要なものばかり 何が欲しいのだ 屍と成ってまで 握りしめた手に 何も掴めぬまま 夕闇へ 冥闇へ  東方では 異民族の侵攻 苛烈で 風の都は今 難攻不落の城壁を 築いているという  同胞同士が 争う傍で 時代は確かに疾り始めている 神託を疑えば 立てる大地が揺らぐ 解釈の自由が故 諸王は悩むのだ  「青き銅よりも強かな 鉄を鎧う獣が 風の楯をも喰い破り 流る星を背に 運命に牙を剥く」  太陽 闇 蝕まれし日 生まれ堕つる者 破滅を紡ぐ
死と嘆きの風の都-Ιλιον-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo【高級遊女:ΚασσανδραとΜελλισαと其の見習い】  女蛮族のような腕力はないけれど 芸のない唯の売女とは違うわ  嗚呼...花代と真心を引き換えに美しの夢を売る...  敬愛する詩人のような教養はないけれど 学のない唯の街娼とは違うわ  嗚呼...元々哀しき奴隷の身とはいえ 今は咲き誇る薔薇【高級遊女】  花開き風薫る春を鬻ぐ以外 身寄りなき娘には何もないけれど 憐れみならば要らないわ...馬鹿にしないで... アナタの其れは愛じゃない!  【風の都】  壁石を運ぶ者 乾いた音に打たれ 医師を叫ぶ者 地に臥して虚しく  奴隷達の多くは背後に黒き影を纏っていた...  遺志を継げる者 奴隷の替え数多 縊死を遂げる者 冥府への逃避行  その影は他の者には視えていないようだったが 少年は何時からかその存在に気付いていた...そして―― その影を纏いし者はそう遠くない内に確実に死んでいったのである……  愛と慈しみだけに 抱かれ育った少年は 怒りと憎しみだけを 抱いて今を耐え忍ぶ  いっそ死んだらラクだなんて きっと今よりマシだなんて 酔った譫言繰り返して 去った希望に追い縋った  そんな負け犬のように 運命に飼い馴らされはしない たとえ奴隷が犬であれ 剥くべき牙は忘れない  オオカミは奔る前に 満月に吠える  人は誰もが 死すべき運命を背負い 儘...抱いて抱かれて 寂しさを愛で埋める されど彼等の多くは 死すべき運命を呪い 儘...奪い奪われ 虚しさで胸を満たす  少女の頬を伝わる 清らかな雫を 汚らわしき舌先が 掬いかけた刹那  繋いだ手と手 駈け抜ける風の都 降り注ぐ星屑 夕闇の風の都 嘆きと死の城壁 聳え立つ風の都 振り返る背後に 遠離る風の都  神域を穢した者を 風神は決して赦さない その怒りは 雨女神と交わり 娘を生むだろう……
聖なる詩人の島-Λεσβοs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo【詩を詠む聖女:Σοφια】  嗚呼...哀しみは海の色 蒼く碧く 嗚呼...苦しみは波の音 強く弱く  少女の頬は薔薇色に 輝きて美しの されど若き蕾は 悲しみに濡れて 未だ開かず  閉ざした瞳は対の闇 暗く冥く 鎖ざした菫は終の夢 甘く苦く  何もない場処だけれど 水と光 愛は満ち足りてよ ようこそ此処は【詩人の島】 海原女神と太陽神 腕白き美女神の聖域  貴方が見て来たものも 嗚呼...世の真実 不条理ばかり訪れる 嗚於...嫌な現実  されど世界は 其れだけではないのよ ねぇ...お嬢さん 宜しくて?  辛いし痛いし酷いし嫌だと 泣き喚いてみても 運命の白き糸を 人間は紡げない  怖れず揺るがず妬まず恨まず 誰よりも強かに 美しく世に咲き誇る 女に成りなさい  紡がれる縦糸―― 聖女は少女の不思議な力を見抜き 彼女が生きる道と術を示した  【記憶の水底】  かつて (そうね) 烈しく (誰より) 愛した人がいたのよ (彼女にも) されど (今は) 遠くへ (彼岸へ) 行ってしまったわ……  愛とは褥に仕える為の 奴隷ではないわ まして子を孕む為の 道具ではない  嗚呼...天空を大地を海原を人間を 己が運命を愛し 哀しみさえ糧に出来る 女に成りなさい
遥か地平線の彼方へ-Οριζονταs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo【暗誦詩人:Μιλο_と其の弟子】  少年の今は旅の空 賢人の詩も上の空 幾年も仰ぐ高き空 老人は嗤う蒼き空  少女を尋ね幾千里 海原渡り征く海里 彼女を捜す侭山里 高原臨む彼の郷里  天の隨に 咲ける星屑 運命に惑う一片 寄り添う双星  嗚於...故郷よ (嗚呼...還らざる夢) 倖せだった (季節達よ) 幼き日々の (嗚呼...残照が尚) 未だ眩く (胸を刺す)  二つ並んだ 野晒しの墓標 朽ちた花飾り 葬ったのは誰ぞ?  青年は今も旅の空 詩人の島は遠き空 聖女を尋ね復千里 恩人と別れ復海里  【港を賑わす風の噂】
死せる者達の物語-Ιστορια-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo旅人よ お前の背には 黒き闇 死が纏う 残された 季節も知らず 風よ 何処へと吹くのか?   一方その頃―― 東方防衛同盟に参加したアルカディア軍は 女王アレクサンドラ率いる女傑部隊と戦端を開いていた  運命よ お前の手には 白き糸 音に揺られ 紡がれた 所以も知らず 我は 何故に征くのか?  一方その頃―― 尚も戦火は世界を駈け廻り 翻弄される者達 それぞれの季節が過ぎてゆく  嗚於...懐かしき故郷よ 遥けき面影 あの稜線は 今も燃えている 秋が廻れば 兄妹 また双り 憶い出すのでしょう  夕陽に潜む闇が 今も 紅く胸を抉る 嗚呼...茜空よ 人間は何に従うべきで 何を探すべきなのか?  背中で聴いていた鼓動 今でも憶えてる旋律 よく似た星を抱いてる 君を何時も傍に感じてる  「さよなら」言ってないだろ(もの) また僕らは(二人は)出逢えるから 何処かで双星を見てる 君を現在も傍に感じてる  泣き虫だった兄 少年が剣を取るならば お転婆だった妹 少女は楯を取るのだろうか?  廻る廻る 運命の回転木馬 物語は幾つかの地平を廻り続ける……  手を伸ばし掴んだ筈の宝石は 掌から零れ落ちるものばかり 奪い合い 憎み合い 血を流し続けるのか 戦に明け暮れる世界よ  我等は今 何と戦うべきで 何を守るべきか 嗚呼...星空よ 人間は何を畏れるべきで 何を愛すべきなのか?  滅びへ向かう光よ 全ての死すべき者達よ 嗚於...同胞よ 人間は何を育むべきで 何を遺すべきなのか?  いずれ歴史は語るだろう【死せる者達の物語】を……
星女神の巫女-Αρτεμισια-Sound HorizonSound HorizonRevoRevoいつの世も 星屑は人を導き 人を惑わす 生を憂う娘にも 愛に狂う女にも その光は同様に降り注ぐ……  灯る星は 闇に騒めき 廻り来る焔の明日を示す 夜空を翔ける 星女神の馬車は 地へと向う対の風  嗚呼...開かれし《黄道十二宮》 御子は星屑の矢で誰を射る?  天球の隨に...嘆くのは【獅子宮】  流る星は 闇に安らぎ 廻り行く焔の明日を示す 夜空に架ける 詩女神の橋は 紫へと至る終の虹  嗚呼...秘られし《黄道十二宮》 巫女は星屑の灯に何を観る?  天球の隨に...揺れる【双子宮】 運命の隨に...堕ちる【乙女宮】  我等を試すように...天は絶えず難事を降らす... その神意を人間は疑わずに唯...受け入れることしか出来ない 嗚呼...哀しい運命だと知っても……  宵闇の来訪者 招かれざる者達 兵装の闖入者 騒乱の星女神殿  嗚呼...踊る宵の影 神託に 無慈悲に迫る問の声 選択を  ごめんね...兄さん 誰かを犠牲にしてまで 私は抗えない 儘...運命に従うでしょう……  唯...星は瞬く
死せる乙女その手には水月-Παρθενοs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo神への供物 生贄という名の因習 加害者は誰で 被害者は誰か? 運命は犠牲者を選び また屠るのだろう 問題となるのは 個の性質ではなく 唯記号としての数量  『Μοιρα』  残酷な神が統べる 私が生まれた世界 怖れず 揺るがず 全てを愛す 女に成れたかな……  やがて香しく 花開く乙女達 咲き誇る季節は短し されど 燃ゆる唇に 唯 緋き愛の詩 美しく散るのも また《花の命》  揺れる瑠璃色の月 とても綺麗なのに 悲しまないで 過ぎ去りし灯も 運命の贈り物  死せる蒼白き乙女 とても綺麗だった やっと逢えたね 捜したんだよ 君の面影を  嗚呼...この哀しみは 何に例うべきなのか… 嗚呼...まるで心を 二つに引き裂かれたような 烈しい痛み  ねぇ憶えてる 遠き日の我侭 水面に映る月 手を伸ばす少女  終に手に入れたんだね(よ)―― 嗚呼...さよなら...さよなら...私の片割れ 嗚呼...さよなら...さよなら...私の片割れ  さよなら...お別れさ(ね)...もうヒトリの私
奴隷達の英雄-Ελευσευs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo――自由か死か... 歴史に刻むのは彼等が生きた戦いの証  あの日の少年には 空を征く鳥が何よりも自由に見えた 嵐女神の気紛れで 為す術もなく地に墜ちるというのも知らずに  彼は何処に征くのだろうか?  ヤァ 息仔ョ 失ゥコトノ 堪ェ難キ痛ミニモ モゥ慣レタカィ?  何もないのだ 希望など遺されていないのだ もうお前(私)には…… 生命とは 喪われるもの……  あの日の少年―― 運命に翻弄され続けし者―― 黒き剣を取った彼の復讐劇が始まる  月日流れても 繰り返す愚行 血汐流しても 止められぬ不幸  何処へ 何処へ 何処へ向かって行くのかしら? 何故に 何故に 何故に行かなければならないのかしら?  平等なんて幻想 死以外の約束など 交わせはしない  人間は皆 運命の哀しい奴隷だというのに その奴隷が 奴隷を買うなど 笑えぬ喜劇だ  諦めるな 抗うのさ 無力な奴隷は嫌だろ? 剣を取る勇気があるなら 私と共に来るがいい  ――自由か死か...  縦糸は紡がれ 時代は廻る 紫眼の狼と呼ばれし男 各地の奴隷達を率いて 異民族が統べる鉄器の国へと奔った  神が持つ永遠に比ぶれば 人間は刹那 冥闇は世界を侵し 英雄達は流る星へと消えて逝く 傀儡と化した王 かつての勇者を射た星屑の矢 其の射手を刺したのは蠍の毒針 其の蠍を屠ったのは雷の獅子 死せる英雄達の戦いは未だ終わりを告げず――  東方より来る足音 運命に導かれ やがて二匹の獣は出逢うだろう……
死せる英雄達の戦い-Ηρωμαχια-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo【歴史は駈け廻る】  不死なる者が薙ぎ払う 紅い緋い死の渚 今は物言わぬ屍 彼等にも物語があった  されど ささやかな希望さえ 運命は赦さなかった  変わり果てた彼等に 接吻する者は 愛する恋人ではなく 飢えた禿鷹のみ……  レグルスは東夷に備えろ ゾスマは北狄に備えろ カストルは聖都へ供を 我等【雷神に連なる者】 皆生きてまた逢おうぞ!  『運命は残酷だ されど彼女を怖れるな 女神が戦わぬ者に 微笑むことなど決してないのだから』  『人間は皆 何時までも無力な奴隷ではない 戦うのだ 気紛れな運命と 未来を取り戻す為』  【遂に出逢し二匹の獣】  奪い合う 時代の覇権 永遠なる調べよ 駈け廻る趨勢 生命は流星 刹那の煌  死せる者達が 駈け抜けた 神話の時代よ 屠り合う英雄 死して冥友 去り逝く運命
神話の終焉-Τελοs-Sound HorizonSound HorizonRevoRevo――そして 或る男の手により冥府の扉が 開 かれる  ...其れこそが...永き神話のオワリを告げる 彼の無情な戦い【死人戦争】のハジマリであった  老婆であるとも...少女であるとも...詩人が騙るように...神話は物語る... 万物の母たる創造主 運命の女神  『Μοιρα』  未だその姿を見た者はいない……
争いの系譜Sound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo―かつて世界には 神より遣わされし蒼氷の石が在った 古の聖者がその秘石を用い 焔の悪魔を封じた伝説は伝承の詩となったが 今や... その秘石の行方は...杳として知れぬまま……  ―神よ! 再征服 ⇒ 再征服 ⇒ 再征服せよ! お別れだ... 再征服 ⇒ 再征服 ⇒ 再征服せよ! 嗚呼...神よ! 再征服 ⇒ 再征服 ⇒ 再征服せよ! 此処でお別れだ... 再征服 ⇒ 再征服 ⇒ 再征服せよ! 嗚呼...我らが神よ!  再征服 ⇒ 再征服 領土再征服せよ!  【書ハ物語ル】  神は土塊から 初めに男を創り その肋骨から 女を創った  兄は土を耕し 弟は羊を飼った 争いの歴史は 此処から始まった  以来...何故...人は 断ち切れないのだろう? 争いを繰り返す 負の連鎖を 弱い私は誰を憎めば良い 嗚呼...誰か教えて……  『歴史は駈け廻る―』 離散の老預言者と流浪の三姉妹 父と母を両皿に乗せ傾かざる少女の天秤  幸せな時ほど 誰もが気付かない 密やかに歯車 廻すのが《六番目の女神》 不幸せな時には もう気付いても手遅れ 世界を蝕む奈落へ 堕とすのも《六番目の女神》  少女が裸足で駈け出した 石畳を蒼く 照らす月灯り  家にはもう居たくない 足などもう痛くない 此処ではない何処かへと 行方のない彼方へと  『歴史は駈け廻る―』 怒りと憎しみの時代を彼女は疾り月夜に散った  昏き冷雨の牢獄 朽の眠りに囚われし男 奪われし焔を取り戻し 緋き瞳を静かに開いた 男は少女に問うた 少女は《美しき夜》の名で応えた 少女も男に問うた 答えは 馴染みの無い異国の響き 少女は男を《悪魔》と呼ぶことにした 男は奇妙に嗤った 少女は生死を別つ淵に立ちながらも 凛として怯えなかった…  『歴史は駈け廻る―』 痛みと哀しみの時代を私は選び其の手を取った 残酷ナ『永遠』ト謂ウ苦イ毒ヲ、 喰ラウ覚悟ガ在ルナラバ、共ニ生キヨウ
11文字の伝言Sound HorizonSound HorizonRevoRevo嗚呼…昨日のことのように憶えて0102ます―― それは冬の朝―― 呼び声は温かく手を握り締め―― 天使の金管を聴きました…  ありふれた人生だったと…我ながらに憶0102ます… それでも…アナタを産めたことは『私の誇り』でした……  嗚呼昨日のことのように憶えて0102ます―― 寒0102冬の朝―― 産声は高らかに天を掴み取り―― 橙色の光が射しました…  つ0102てな0102人生だったと…我ながら憶0102ます それでも…アナタと出逢えたことは『最高の幸運』でした……  嗚呼…どんな苦難が訪れても…諦めず勇敢に立ち向か0102なさ0102… 愚かな母の最期の願0102です…アナタは―― 『0302・0101・1001・0304・0502・ 0105・0501・0902・0501・0301・0102』  アナタを産んだのが…誰であれ… 本質は変わらな0102…何一つ… アナタが望まれて生まれて来たこと… それさえ忘れなければ…0102つか繋がれると――  嗚呼…傍で歩みを見守れな0102のが…無念ですが… どうか…凛と往きなさ0102 愚かな母の唯一の願0102です…アナタは―― 『0302・0101・1001・0304・0502・ 0105・0501・0902・0501・0301・0102』  アナタが今生きて0102る――それが『私が生きた物語の証』 この地平線愛してくれるなら――それが『私の幸福』 ――それが『私の物語の意味』
黄昏の賢者Sound HorizonSound HorizonRevoRevo彼の名は『賢者』―― 正確にはその呼び名も通称…本名は全く以って不詳… 私が初めて彼と出逢ったのは…ある春の日の黄昏… 寂れた郊外の公園だった……  今晩和―― まずは誰もいない → 其れが零だ… 其処に私が現れた → 其れが壱だ… そして君が現れた → 其れが弐だ… 単純な数式にこそ ← 真理が宿る…  そんな容易なことに0301え自らを閉ざして 気づけない時もあるのだ……  やぁ、御機嫌よう―― 朝と夜との地平線 → 其れは弐だ… 時の王が眠る墓所 → 其れは参だ… 煌めく永遠の星屑 → 其れは伍だ… 単純な素数に0301え ← 真理は宿る…  どんな容易なことに0301え自らを閉ざして 気づけない事もあるのだ……  君の哀しみを因数分解してみようか? 幸福の最大公約数を求めてみようか? 涙を拭って…0301ぁ…お立ちな0301い… 君の途はまだ続くのだから……  なるほど―― 産むべきか ←→ 産まざるべきか… それが最大の…謂わば問題だ…  歓びの朝も…哀しみの夜も…全ては君の物… 未見ぬ者へ…繋がる歌物語…詩を灯す物語…  『風車』が廻り続ける度に 『美しき』幻想が静かに紡がれ 『焔』の揺らめきの外に 『腕』を伸ばす愚かな者達は 『宝石』をより多く掴もうと 『朝と夜』の狭間を彷徨い続ける 『星屑』の砂の煌めきにも 『葡萄酒』は仄甘い陶酔を魅せ 『賢者』が忌避する檻の中から 『伝言』の真意を彼等に問うだろう 『天使』が別れを告げし時 『地平線』は第五の物語を織る  君が来た朝を後悔するなら…更なる痛みを産むべきではない… 君が行く夜を肯定するなら…その子もまた《人生》を愛すだろう……  お譲0301ん――君の哀しみを因数分解してみようか? 幸福の最大公約数を求めてみようか? 埃を払って…0301ぁ…お発ちな0301い… 君の旅はまだ続くのだから…… 0301ようなら――
歓びと哀しみの葡萄酒Sound HorizonSound HorizonRevoRevo其れは…歓びに揺らぐ《焔》…哀しみに煌めく《宝石》… 多くの人生…多くの食卓に…彼女の『葡萄酒』があった―― 横暴0501運命に挑み続けた女性『Loraine de Saint-Laurent』 大地と共に生きた彼女の半生…其の知られざる《物語》  嗚呼…彼女は今日も畑に立つ 長いようで短い《焔》 得たモノも喪ったモノも 多くが通り過ぎた… 嗚呼…季節が幾度廻っても 変わらぬ物が其処に在る 優しい祖父の使用人 愛した彼との『葡萄畑』  嗚呼…追想はときに ほの甘く 熟した果実を もぎ獲るよう0501悦び…  嗚呼…葡萄樹の繊細0501剪定は 低温で少湿が理想 造り手達の気の早い春は 守護聖人の祭の後に始まる… 嗚呼…無理0501収量を望めば 自ずと品質が低下する 一粒…一粒…充分0501愛情を それが親の役割……  嗚呼…追想はときに ほろ苦く 傷んだ果実を もぎ獲るよう0501痛み…  嗚呼…女は政治の道具じゃないわ… 愛する人と結ばれてこその人生 されど…それさえ侭成らぬのが貴族 そん0501『世界』捨てよう……  権威主義を纏った父親…浪費する為に嫁いで来た継母 名門と謂えど…派手に傾けば没落するのは早く… 斜陽の影を振り払う…伯爵家…最期の《切り札》…娘の婚礼… 嗚呼…虚飾の婚礼とも知らず―― 継母の《宝石》が赤の微笑を浮かべた……  地平線 が語らざる詩…大切0501モノを取り戻す為の… 逃走と闘争の日々… その後の彼女の人生は…形振り構わぬものであった……  私はもう誰も生涯愛さ0501いでしょう 恐らく愛する資格も0501い… それでも誰かの渇きを潤せる0501ら この身0501ど進んで捧げましょう…  樫の樽の中で 眠ってる可愛い私の子供達 ねぇ…どん0501夢を見ているのかしら?  果実の甘み果皮の渋み 愛した人が遺した大地の恵み 『歓び』と『哀しみ』が織り成す調和 その味わいが私の『葡萄酒』 ――そして…これこそが《人生》
美しきものSound HorizonSound HorizonRevoRevo君の大好きなこの旋律…大空へと響け口風琴… 天使が抱いた窓枠の画布…ねぇ…その風景画…綺麗かしら?  其れは―― 風が運んだ…淡い花弁…春の追想… 綺麗な音…唄う少女…鳥の囀0902…針は進んだ → 其れは―― 蒼を繋いで…流れる雲…夏の追想… 綺麗な音…謡う少女…蝉の時雨…針は進んだ →  綺麗だと…君が言った景色…きっと忘れない… 『美しきもの』…集める為に…生命は遺って来る……  君が抱きしめた短い季節…痛みの雨に打たれながら… 「心配ないよ」…笑って言った…君の様相忘れないよ……  其れは―― 夜の窓辺に…微笑む月…秋の追想… 綺麗な音…詠う少女…虫の羽音…針は進んだ → 其れは―― 大地を包み…微睡む雪…冬の追想… 綺麗な音…詩う少女…時の木枯…針は進んだ →  綺麗だね…君が生きた景色…ずっと忘れない… 『美しきもの』…集める為に…生命は過ぎて行く……  君が駆け抜けた眩い季節…病の焔に灼かれながら… 「嗚呼…綺麗だね」…笑って逝った…君の面影忘れないよ……  君が生まれた朝…泣き虫だった私は…小さくても姉となった―― 嬉しくて…少し照れくさくて…とても誇らしかった……  苦しみに揺蕩う生存の荒野を 『美しきもの』探すように駆け抜けた 果てしなき地平へ旅立つ君の寝顔 何よ0902美しいと思ったよ……  君の大好きなこの旋律…大空へと響け口風琴… 天使が抱いた窓枠の画布…ねぇ…その風景画…綺麗かしら?
天使の彫像Sound HorizonSound HorizonRevoRevo後の世に【神の手を持つ者】―― と称される彫刻家『Auguste Laurant』 戦乱の最中に失われ 平和と共に姿を現したとされる 未だ神秘の薄布に包まれた彫像 彼の稀代の傑作 『天使』に秘められし 知られざる《物語》……  「物言わぬ冷たい石に 生命を灯せる等と 俗人達が謳うのは 唯の驕りに過ぎぬ 在る物を唯在る様に 両の手で受け止めて 温もりに接吻けるように 想いを象るだけ……」  《風車小屋》 空を抱いて 廻り続ける丘の上 工房は地を拒むように 静かに佇む影…  彼は唯独りで描いた 我が子の表情も知らずに……  【足り0501いのは小手先の素描力では0501い―― 現実をも超える想像力】 「嗚呼…光を…嗚呼…もっと光を…『即ち創造』…憂いの光を……」  生涯逢わぬと誓い0501がら 足げく通う修道院 子供達の笑い声 壁越しに聴いている… 「君の手が今掴んでいるであろう その《宝石》はとても壊れ易い その手を離しては0501らない 例え何が襲おうとも……」  彼は日々独りで描いた 我が子の笑顔も知らずに……  【必要0501のは過ぎし日の後悔では0501い――幻想をも防ぐ愛情】 「嗚呼…光を…嗚呼…もっと光を…『即ち贖罪』…救いの光を……」  如何0501る 賢者 であれ 零れる砂は止められ0501い 後に容易された銀色の砂時計 残された砂はあと僅か……  母親の灯を奪って この世に灯った小さ0501《焔》 その輝きを憎んでしまった 愚か0501男の最期の悪足掻き…  想像の翼は広がり やがて『彫像』の背に翼を広げた―― 「嗚呼…もう想い遺すことは0501い やっと笑ってくれたね……」
緋色の風車Sound HorizonSound HorizonRevoRevo廻る回る《緋色の風車》綺麗な花を咲かせて 躍る踊る《血色の風車》綺麗な花を散らせて  小さな掌に乗せた硝子細工… 其の宝石を『幸福』と謳うならば… 其の夜の蛮行は時代にどんな爪痕を遺し… 彼等にはどんな傷痕を残したのか…  運命に翻弄される弱者の立場に嘆いた少年は… やがて『力』を欲するだろう… 其れは…強大な力から身を守る為の『楯』か? 其れとも…より強大な力でそれをも平らげる『剣』か?  何が起こったのか 良く解らなかった… 泣き叫ぶ狂乱の和音 灼けた屍肉の風味… 何が襲ったのか 良く解らなかったけど… 唯…ひとつ…此処に居ては 危ないと判った…  僕は一番大切な《宝物》を 持って逃げようと → 君の手を掴んだ……  嗚呼…訳も解らず息を切らせて走っていた二人 欲望が溢れだすままに暴れて奴等は追い掛けてくる……  星屑 を辿るように…森へ至る闇に潜んだままで… 訳も解らず息を殺して震えていた二人 絶望が溢れだすことを怖れて強く抱き合っていた― 不意に君の肢体が宙に浮かんだ →  怯え縋るような瞳が ← 逃げ出した僕の背中に灼きついた……  狂0105しい《季節》を経て…少年の《時》は流転する…  廻る回る《緋色の風車》灼けつく《刻》を送って 躍る踊る《血色の風車》凍える《瞬間》を迎えて  嗚呼…もし生まれ変わったら 小さな花を咲かせよう… ごめんね…次は逃げずに 君の傍で共に散ろう……
星屑の革紐Sound HorizonSound HorizonRevoRevo「こん0502ちわ、はじめまして!」 差し出した手を―― 嗚呼…可愛い私のお姫様 小さな指で懸命0502握り返してくる あなたの歩む道程が 輝くよう0502『星』と……  ある雨の朝…いつものよう0502少女が目を覚ますと… 寝具の横0502は優しい父親…そして大きな黒い犬が居た… 雨の匂い…くすぐったい頬…どこか懐かしい温もり… 小さな姉と大きな妹…二人と一匹…家族となった特別な朝……  嗚呼…私は星を知らない 遠過ぎる光は届かないから… 嗚呼…僅かな視力でさえも 何れ失うと告げられている…  ごめんなさい…お母さん…この名前… どうしても好き0502なんてなれないよ… 嗚呼…ごめんなさい……  勇気を出して―― 嗚呼…Pleutと屋外へと出たけど 歩く速度が抑違うから… 嗚呼…暗闇0502沈む世界では ちょっとした段差でも転んでしまう…  ごめんなさい…父さん…この両眼… どうしても好き0502なんてなれないよ… 嗚呼…ごめんなさい……  細い革紐じゃ―― 心までは繋げないよ…愛犬が傍0502いたけど…私は孤独だった…… 別々0502育った者が…解り合うのは難しい… ましてや人と犬の間であれば…尚更の事である… それからの二人は…何をする0502も何時も一緒だった… まるで…空白の時間を埋めようとするかのよう0502…  姉は甲斐甲斐しく妹の世話を焼き…妹は姉を助けよく従った… 父の不自由な腕の代わり0502なろうと…何事も懸命0502… 其れは…雨水が大地0502染み込むよう0502しなやか0502… 根雪の下で春を待つよう0502…小さな花を咲かせるよう0502…  急0502吹いた突風0502手を取られ…革紐を離したけど… もう何も怖くなかった…『見えない絆』で繋がっていたから…  弱い姉だ―― それでも嗚呼…ありがとうね…妹が傍0502いたから… 私は何処へだって往けた…… 大好きだよ…妹が傍0502いたから…私は強くなれた……  星空0502に抱かれて夢を見た…あなたが産まれてきた朝の追憶を… 銀色0502輝く夢の中…零れた砂が巻き戻る幻想を… 嗚呼…何の為0502遣って来たのか…最期0502判って良かった――  忘れないよ…君と歩いた…暗闇0502煌く世界を… いつだって…嗚呼…人生は星屑の…輝きの中0502在ることを……  祈りの星が降り注ぐ夜 → 黒犬は静か0502息を引き取った… 悼みの雨が降り注ぐ朝 → 冷たくなった彼女の腹から取り出されたのは 光を抱いた小さな温もり → 黒銀の毛並みを持つ仔犬だった →  ――そして《物語》の翼は地平線を軽々と飛び越えるだろう やがて懐かしくも 美しき あの《荒野》を駈け廻る為0502…
呪われし宝石Sound HorizonSound HorizonRevoRevo母なる大地が育んだ奇蹟 世界最大と謳われし貴石 30ctの赤色金剛石 所有者を変え渡り歩いた軌跡 特典は予約済みの鬼籍 30ctの『殺戮の女王』  鎖された硝子 優雅に眠る宝石 過ぎ去りし日の 夢 の中 厳格なる幻喪 傅かざる矜持 死神さえも 腕 の中 『彼女』こそが女王 抗う者は皆無 檻の外へは逃がさない……  狡猾な少女 影と踊った老婆 幾つもの首を彩った 派手な娼婦 泥に塗れた王妃 幾つもの首を刈獲った 廻り巡る情景 色鮮やかな幻夢 喪うまでは逃がさない……  【祝い】が【呪い】に変わる 運命の皮肉 『彼女』の誕生にまつわる 知られざる《物語》  男は掘った 薄暗い穴を 墓穴と知らずに 男は掘った 奈落へと至る 洞穴と知らずに  鎖された闇の中で 運命に抱かれ 寝食さえも忘れて 掘った 灯された詩の中で 躍るように 浸蝕された歯車 斯くて狂ったように廻り……  ――男を誘う不思議な霧… 眼前に現れたのは かつて見た事の無い美しき原石 その魔力に引き寄0304られるかのように 男は震える手を伸ばした……  【幸運】…嗚呼…これまで苦労をかけた 可愛い妹よ 【幸運】…嗚呼…これなら胸を張って 送りだ0304r……  ← 欲に目が眩んだ鉱山の管理者 ← ← 眼の色を変えた鷲鼻の宝石商 ← ← 我が眼を疑った隻眼の細工職人 ← ← 廻るよ廻る…死神の回転盤 → 堅牢に見える倫理の壁にも 時に容易に穴が空く…  【不運】…嗚呼…帰らぬ兄を待ってる 嫁げぬ妹 【不運】…嗚呼…変わらぬ愛を待ってる 冬の夜空……  頬杖…溜め息…人形師の娘…窓辺に佇む《双児の人形》――  鎖された硝子 優雅に眠る宝石 過ぎ去りし日の夢の中 忍び寄る影 溶け込む緋の闇 盗賊達は部屋の中 失敗をすれば処罰 命を懸けた任務 狙った獲物は逃がさない……  白馬に乗らざる王子 些か乱暴な接吻 嗚呼…『彼女』が再び世に解き放たれる……  母なる大地が育んだ奇蹟 世界最大と謳われし貴石 30ctの赤色金剛石 所有者を変え渡り歩いた軌跡 特典は予約済みの鬼籍 30ctの『殺戮の女王』
見えざる腕Sound HorizonSound HorizonRevoRevo眠れぬ宵は路地裏の淫らな牝猫に八つ当たりして… 嗚呼…見えざるその腕で首を絞める… 《夢幻影》壊れゆく自我の痛み…  狂えぬ酔いは屋根裏の小さな居城を転げ回る… 嗚呼…見えざるその腕の灼ける痛み… 《幻肢痛》安酒を浴びて眠る…  黄昏に染まる古き獣の森…戦場で出逢った二人の男… 金髪の騎士…赤髪の騎士… 争いは廻り…屍を積み上げる… 加害者は誰で…被害者は誰か? 斜陽の影に刃は緋黒く煌めいて――  片腕と共に奪1001れた彼の人生 仕事は干され恋人は出ていった… 何もかも喪った奪1001れた最低な人生 不意に襲う痛みに怯える暮らし……  「大抵の場合…貴方はうなされ殴るから… 私は…此の侭じゃ何れ死んでしまう1001… さよなら…貴方を誰より愛してる… それでも…お腹の子の良い父親には成れない1001……」  葡萄酒…発泡葡萄酒…蒸留葡萄酒… 嗚呼…眠りの森の静寂を切り裂き…また奴が現れる――  馬を駆る姿…正に 悪夢 …赤い髪を振り乱して…振う死神の鎌… 首を刈る姿…正に 風車 …緋い花が咲き乱れて…奮う精神の針… 闇を軽るく纏った――  夢から醒めた現実は 其れでも尚も悪夢の中 故に…其の後の彼の人生は 酒と狂気…廻る痛みの中 左の頬に十字傷 赤く燃える髪に鳶色の瞳 奴を…殺せと腕が疼くのだ 『見えざる腕』が疼くのだ……  誰が加害者で…誰が被害者だ…死神を捜し葬ろう……  騎士は再び馬に跨り…時は黙したまま世界を移ろう―― 異国の酒場で再び出逢った二人の男…  隻眼にして隻腕 泥酔状態にして陶酔状態… 嗚呼…かつての蛮勇 見る影も無く……  不意に飛び出した 男の手には黒き剣 周囲に飛び散った液体 まるで葡萄酒 刺しながら…供された手向けの花の名――「こんばん1001」 抜きながら…灯された詩の名――「さようなら」  崩れ落ちた男の名はLaurant…走り去った男の名はLaurencin… もう一人のLaurantは…唯…呆然と立ち尽くしたまま……  誰が加害者で…誰が被害者だ…犠牲者ばかりが増えてゆく… 廻るよ…廻る…憎しみの風車が…躍るよ…躍る…焔のように… 嗚呼…柱の陰には…少年の影が…鳶色の瞳で…見つめていた……  復讐劇の舞台を降ろされ…男は考えはじめる… 残された腕…残された人生…見えざるその意味を――  杯を満たした葡萄酒…その味1001いが胸に沁みた……
Sound HorizonSound HorizonRevoRevo幾許かの平和と呼ばれる光 其の影には常に悲惨な争いが0101った 葬列に参列する者は 皆一様に口数も少なく 雨に濡れながらも 歩み続けるより他にはないのだ……  瞳を閉じて暗闇に 吐息を重ねる そっと触れた温かな光は 小さな鼓動 否定接続詞で綴じた書物が 歴史を操る そっと振れた灼かな光は 誰かの『焔』…  気付けば道程は 常に苦難と共に0101った 耐えられぬ痛みなど 何一つ訪れないものさ…  歓びに咽ぶ白い朝 哀しみに嘆く黒い夜 我等が歩んだ此の日々を 生まれる者に繋ごう… 瞳に映した蒼い空 涙を溶かした碧い海 我等が愛した此の世界を 愛しい者に遺そう……  嗚呼… 朝と夜 は繰り返す 煌めく砂が零れても… 嗚呼… 朝と夜 は繰り返す 愛した花が枯れても… 嗚呼… 朝と夜 は繰り返す 契った指が離れても… 嗚呼… 朝と夜 を繰り返し 《生命》は廻り続ける…  美しい『焔』を見た 死を抱く暗闇の地平に 憎しみ廻る世界に 幾つかの『愛の詩』を灯そう…  何れ程夜が永くとも 何れ朝は訪れる―――  独りで寂しくないように 《双児の人形》を傍らに 小さな棺の揺り籠で 目覚めぬ君を送ろう… 歓びに揺れたのは《紫色の花》 哀しみに濡れたのは《水色の花》 誰かが綴った此の詩を 生まれぬ君に贈ろう……  歴史が書を創るのか 書が歴史を創るのか 永遠を生きられない以上 全てを識る由もなく 朝と夜の地平を廻る 『第五の旅路』 離れた者が再び繋がる日は 訪れるのだろうか?  懐かしき調べ 其れは誰の唇か――― 嗚呼…《物語》を詩うのは……
朝と夜の物語GOLD LYLICSound HorizonGOLD LYLICSound HorizonRevoRevo生まれてくる朝と 死んで行く夜の物語… 嗚呼…僕達のこの寂0302さは よく似た色を0302た《宝石》  生まれて来る意味 死んで行く意味 君が生きている現在 11文字の《伝言》 幻想物語 『第五の地平線』  泣きながら僕達は来る 同じ苦0302みを抱き0302めて 笑いながら僕達は行く 遥か地平線の向こうへ  廻り合う君の唇に嗚呼…僕の詩を灯そう… いつの日か繋がる《物語》――  泣きながら僕達は来る 同じ哀0302みを抱き0302めて 笑いながら僕達は行く 遥か地平線の向こうへ  廻り逢う君の唇に嗚呼…僕の詩を灯そう… 僕達が繋がる《物語》――  生まれてくる朝と 死んで行く夜の物語… 嗚呼…僕達のこの刹那さは 良く似た色を0302た《美花》  太陽の風車 月の揺り籠 彷徨える《焔》の物語 壊れた人形 骸の男 時を騙る《幻想》の物語  右腕には菫の姫君… そ0302て… 左腕には紫陽花の姫君…  嗚呼…僕の代わりに廻っておくれ…其の世界には―― 僕が生まれてくるに至る物語はあるのだろうか?  我等は彷徨える 追憶に揺れる《風車》 巡り往く何の地平にも 詩を灯すで0302ょう……  此れは―― 生まれてくる前に 死んで行く僕の物語… 嗚呼…僕達はもう逢えなくても 現在を生きて往く《憧憬》 ――詠い続けよう → 君が迷わぬように……
Lui si chiama...南里侑香南里侑香RevoRevoRevo「ジョゼさんは何でも知っている」  「仕事をするにはたくさんのことを覚えなくてはいけない 良い仕事は全て単純な作業の堅実な積み重ね」  嗚呼...ライフルスコープで見上げた青空に ぼんやり輝く≪金星≫  「星を観るのは初めて」と小さな胸を高鳴らし 哀しい女神の物語 優しい声で聴いていた  嗚呼...天体望遠鏡で見上げた星空に 眩ゆく煌めく≪狩人≫  ルルル~♪ ジョゼさんにもらった大切な日記帳 忘れやすい日々の『小さな幸せ』を集めて綴ろう……  「ある冬の日、エルザは愛を貫いて逝った。 エルザの愛はきっと私とは違う。 でも私は、彼女の生き方を否定出来なかった……」  教えて下さい ジョゼさん... ジョゼさん... ジョゼさん... 愛して下さい ジョゼさん... ジョゼさん... ジョゼさん...  「体が機械の女の子って普通ですか?」  凄い力持ちで 素手で人を殺せるんです 赤い血は出るけれど すぐに痛みなんて消えちゃうんです 義体の私が ジョゼさんの お役に立つには 普通の ――嗚呼...普通の女の子じゃ駄目なんですよ……  ねぇジョゼさん 私は貴方の可愛い妹になれますか? ――どんなに想っても…… ねぇジョゼさん 誰かの代わりでも貴方の特別になれますか? ――どんなに願っても……  ララ♪ 私は知ってるんです 頭を撫でてくれる手の温もりを ララ♪ 私は待ってるんです 優しく微笑みかけてくれる眼差しを  嗚呼...愛って何ですか? 嗚呼...愛って何ですか?  揺らめく『焔』は色を変えながら 最期に向かって 嗚呼...燃え続ける……
エルの楽園 [→ side:A →]Sound HorizonSound HorizonRevoRevo誰かの呼ぶ声が聞こえた 少女はそれで目を覚ます 心地よい風に抱かれて 澄んだ空へと舞い上がる  誰かがね...泣いているの...  それは気の所為かしら? もう...そういうことじゃないわ 楽園で泣くはずないわ だって楽園なんだもの  何処かでね...泣いているの...  悲しみも苦しみも? 幸せ満ち溢れる世界? 楽園で泣くはずないわ だって楽園なんだもの  本当はね...知っているの...  空は荒れ 木々は枯れて 花は崩れ朽ち果て 腐敗した大地が 闇の底へと堕ちてゆく... エルは生まれ エルは痛み エルは望みの果て 安らぎの眠りを求め 笑顔で堕ちてゆく...  挟み込まれた四つの《楽園》に惑わされずに 垂直に堕ちれば其処は《奈落》  何処から来て 何処へ逝くの 全ては誰の幻想? 差し出された手に 気付かないままに堕ちてゆく... エルは捲まれ エルは悼み エルは望みの涯 安らぎの眠りを求め 笑顔で堕ちてゆく...  ―――退廃へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける恋物語 痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ 幾度となく開かれる扉 第四の地平線――― その楽園の名は『ELYSION』またその名を『ABYSS』―――
StarDustGOLD LYLICSound HorizonGOLD LYLICSound HorizonRevoRevoRevoお揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ……  女は物言わぬ 可愛いだけの《お人形》じゃないわ ―――愛しい貴方解って?  ちっぽけな自尊心 満たす為の道具じゃないわ ―――月夜の《別人格》は勝手?  首を絞めれば 締まるに決まってるじゃない ―――月が貴方を狂わせたの?  だってしょうがないじゃない 愛してしまったんだもの ―――星が私を狂わせたのは何故?  真っ赤な衣装 真っ赤な洋靴 真っ赤な口紅 真っ赤な薔薇 すれ違う男達 誰もが振り返る... 左手には花束 右手には約束を 疾りだした衝動は もう止まらない…  お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ... 貴方の白い衣装も 今は鮮やかな深紅 お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ……  ...それは艶やかな女のため息 ...それは甘い男の囁き 夜空を見上げる恋人達 ありふれた風景 繰り返される恋模様 ほんの些細なこと  そんな気紛れなひと時を 永遠だと信じたりして そんな不確かなものを 運命だと信じたりして 泣いたり 笑ったり 愛したり 憎んだりして その束の間 遥か過去の光に想いを馳せたりして  あの星々はもう滅んでしまっているのだろうか? それとも今もまだ滅びに向かって輝き続けているのだろうか? 光年という名の途方もない尺度の前では 人の一生など刹那の幻に過ぎないのかも知れない...  ―――そんな些細なこと されど偶然とはいえ 嗚呼...偶然とはいえ彼女は見てしまった お揃いの白い服を着て幸せそうに寄り添い歩く 彼と見知らぬ女の姿を……  お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ... 貴方の白い衣装も 今は―――  酸素に触れた赤は やがて黒に近づき示す 二人はもう永遠に 一つにはなれないという事実を...  凍てついた銀瑠璃の星々 燃上がる滅びの煌きよ 失くした楽園の夢を見る 私を導け《星屑の幻灯》  ―――思い出を過去の光として埋葬出来ない限り 孤独な亡霊は荒野を彷徨い続けるだろう 女の手は悲しい程に短く星屑には届かない 嗚呼...その手を握り返したのは『仮面の男』だった―――
エルの絵本【笛吹き男とパレード】Sound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo嗚呼...そのパレードは何処までも続いてゆく...  パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 先頭で仮面の男が笛を吹く → 沈む夕陽に背を向けて パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 男の肩に座った少女が歌う → その笛の音に合わせて  心に深い傷を負った者にとって 抗えない魔性の音...  パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 燃えるような紅い髪の女が踊る → 沈む夕陽に背を向けて パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 《気味が悪い》首吊りの道化師の刺青が笑う → あの笛の音に合わせて  心に深い闇を飼った者にとって 逆らえない魔性の音...  笛の音に誘われ 一人また一人列に並んでゆく やがてそのパレードは 夕陽を遮って地平線を埋め尽くす...  笛の音を操って 一人また一人列に加えてゆく やがてそのパレードは 夕陽を裏切って地平線を灼き尽くす……  嗚呼...そのパレードは何処までも続いてゆく...
SacrificeSound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo無邪気な笑顔が 愛らしい妹は 神に愛されたから 生まれつき幸福だった  一人では何も 出来ない可愛い天使 誰からも愛される 彼女が妬ましかった  器量の悪い私を 憐れみないでよ… 「―――惨めな思いにさせる 妹なんて死んじゃえば良いのに...」  あくる日妹は 高熱を出して寝込んだ ごめんなさい神様 あの願いは嘘なんです  懺悔が届いたのか やがて熱は下がった けれど今度は母が 病の淵に倒れた  母が今際の時に遺した言葉は… 「―――妹は他人とは違うから お姉ちゃんが助けてあげてね...」  母が亡くなって 暮らしにも変化が訪れ 生きる為に私は 朝な夕な働いた  村の男達は 優しくしてくれたけど 村の女達は 次第に冷たくなっていった  貧しい暮らしだったけど 温もりがあった… 「―――肩を寄せ合い生きてた それなりに幸福だった...」  それなのにどうして...こんな残酷な仕打ちを...教えて神様! 妹が授かった子は 主が遺わし給うた 神の御子ではないのでしょうか?  ―――妹が子供を身篭っていることが発覚した夜 村の男達は互いに顔を見合わせ口を噤んだ 重い静寂を引き裂いたのは耳を疑う様な派手な打音 仕立屋の若女将が妹の頬を張り飛ばした音…  ―――断片的な記憶...断罪的な罵声... 嗚呼...この女は何を喚いているんだろう? 気持ち悪い ぐらりと世界が揺れ 私は弾け飛ぶように若女将に掴み掛かっていた…  緋く染まった視界 苦い土と錆びの味 頭上を飛び交う口論 神父様の怒声  ―――そして...妹は最期に「ありがとう」と言った...  心無い言葉 心無い仕打ちが どれ程あの娘を傷付けただろう それでも全てを...優しい娘だから...全てを赦すのでしょうね...  ―――裸足の娘 凍りつくような微笑を浮かべ 揺らめく焔 その闇の向こうに『仮面の男』を見ていた―――
エルの天秤Sound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo―――悪魔に 魂を売り渡すかのように 金になる事なら何でもやった 問うべきは手段では無い その男にとって目的こそが全て 切実な現実 彼には金が必要だった...  傾き続けてゆく天秤 その左皿が沈み切る前に 力づくでも浮き上がらせるだけの金が 右皿には必要だった... そして...その夜も天秤は仮面を躍らせる……  闇を纏うように 夜の静寂を探り 瞳と瞳を見つめ合って 夢想的な月灯りに そっと唇重ね 息を潜めた...  慌しく通り過ぎる 追っ手達を遣り過ごし 手と手を取り合って 戯曲的な逃避行に 酔った二つの人生 愛に捧げた...  身分違いの恋 許されないと知っても ♂と♀は惹かれ合った 嗜虐的な貴族主義を 蹴って檻を抜け出す 嗚呼それは悲劇...  運命の遊戯盤の上で 支配力を求めて 生と死は奪い合った 徹底的な追悼劇を 笑う事こそ人生 嗚呼むしろ喜劇...  楽園への旅路 自由への船出 逃走の果てに辿りついた岸辺 船頭に扮した男が指を鳴らすと 黒衣の影が舟を取り囲んだ……  「娘さえ無事に戻るならばそれで良い 使用人の方など殺しても構わんわ」 一度も眼を合わせずに伯爵はそう言った... 金貨の詰まった袋が机叩いた...  いつも人間は何も知らない方が幸福だろうに けれど他人を求める限り全てを知りたがる ―――何故破滅へと歩みだす?  華やかな婚礼 幸せな花嫁 運命の女神はどんな脚本を好むのか... 虚飾の婚礼 消えた花嫁 破滅の女神はどんな綻びも見逃さない...  嗚呼...燃えるように背中が熱い その男が伸ばした手の先には何かが刺さっていた 嗚呼...緋く染まった手を見つめながら 仮面の男は緩やかに崩れ落ちてゆく...  嗚呼...その背後には娘が立っていた 凄まじい形相で地に臥せた男を凝視していた 嗚呼...一歩後ずさり何か叫びながら 深まりゆく闇の彼方へ走り去ってゆく...  ―――徐々に薄れゆく意識の水底で 錆付いた鍵を掴もうと足掻き続ける 扉は目の前にある 急がなければ もうすぐ もうすぐ約束した娘の―――
YieldSound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo一人娘は せっせと種を蒔く 変わらぬ過去に 訪れぬ未来に  不毛な行為と 君は笑うだろうか? それなら君は 幸せなんだろうね...  根雪の下で春を待つの 夏が過ぎれば実りの秋ね…  成果...収穫...それは果実を産む 最も遅い収穫...それは甘い果実を産む  一夜限りの 情事でも構わない それをも女は 永遠に出来るから  不毛な恋と 君は笑うだろうか? やっぱり君は 幸せなんだろうね...  凍える夜は夢を見るの 夏が過ぎれば想いが実る…  結果...収穫...それは果実を産む 最も遅い収穫...それは甘い果実を産む  ...不安定な数字...模範的な数式 問題となるのは個の性質ではなく 唯...記号としての数量 世界が安定を求める以上 早くどれか一つを引かなければ...  何故人間は恋をする 相応しい季節に出会えないの? 嗚呼...お父さん...お母さん 「―――それでも私は幸せになりたいのです……」  恋心 甘い果実 真っ赤な果実 もぎ獲れないのなら 刈り取れば良いと... 恋心 甘い果実 真っ赤な果実 嗚呼...でもそれは首じゃないか……  二人の♀ 一人の♂ 一番不幸なのは誰? 落ちた果実...転がる音 余剰な数字...引かれる音  ―――最期に現れたのは『仮面の男』 彼らが消え去った後 荒野に一人取り残されるのは誰―――
エルの肖像Sound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo白い結晶の宝石は 風を纏って踊る 樹氷の円舞曲 遠く朽ちた楽園  黒い瞳孔の少年は 風を掃って通る 樹氷の並木道 深い森の廃屋  少年が見つけた 少女の肖像画 『彼』は病的に白い 『彼女』に恋をしてしまった...  幼い筆跡の署名 妙に歪な題名は 【最愛の娘エリスの8つの誕生日に...】  退廃へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける恋物語 痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ 第四の地平線―――その楽園の名は『ELYSION』  ―――そして...幾度目かの楽園の扉が開かれる……  やがて少年は彼の《理想》を求めるだろう... やがて少年は彼の《鍵穴》を見つけるだろう... やがて少年は彼の《楽園》を求めるだろう... やがて少年は彼の《少女》を見つけるだろう...  娘もまた母になり 娘を産むのならば 楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す……  始まりの扉と 終わりの扉の狭間で 惹かれ合う『E』と『A』―――愛憎の肖像  禁断に手を染め 幾度も恋に堕ちてゆく 求め合う『E』と『A』―――愛憎の肖像  やがて少年は♂の為に自らを殺し 少女は♀の為に自らを殺す 時の荒野を彷徨う罪人達は 其処にどんな楽園を築くのだろうか?  ―――幾度となく『E』が魅せる幻影 それは失ったはずの『E』の面影 嗚呼...その美しき不毛の世界は 幾つの幻想を疾らせてゆくのだろう―――
BaroqueSound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo主よ、私は人間を殺めました。 私は、この手で大切な女性を殺めました。  思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格でした。 他人をいうものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのです。  私が認識している世界と、他人が認識している世界。 私が感じている感覚と、他人が感じている感覚。  『違う』ということは、私にとって耐え難い恐怖でした。 それがいづれ『拒絶』に繋がるということを、 無意識の内に知っていたからです。  楽しそうな会話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えました。 私には判らなかったのです、他人に合わせる為の笑い方が。  いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていました。 そん私に初めて声を掛けてくれたのが、彼女だったのです。  美しい少女でした、優しい少女でした。 月のように柔らかな微笑が、印象的な少女でした。  最初こそ途惑いはしましたが、私はすぐに彼女が好きになりました。 私は彼女との長い交わりの中から、多くを学びました。  『違う』ということは『個性』であり、 『他人』という存在を『認める』ということ。 大切なのは『同一であること』ではなく、 お互いを『理解し合うこと』なのだと。  しかし、ある一点において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのです。  狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知りました。 もう自分ではどうする事も出来ない程、 私は『彼女を愛してしまっていた』のです。  私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白しました。 しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしまいました。 その時の彼女の言葉は、とても哀しいものでした。 その決定的な『違い』は、到底『解かり合えない』と知りました。  そこから先の記憶は、不思議と客観的なものでした。 泣きながら逃げてゆく彼女を、私が追い駈けていました。 縺れ合うように石畳を転がる、《性的倒錯性歪曲》の乙女達。 愛を呪いながら、石段を転がり落ちてゆきました……。  この歪な心は、この歪な貝殻は、 私の紅い真珠は歪んでいるのでしょうか?  誰も赦しが欲しくて告白している訳ではないのです。 この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのですから。 この罪だけは、神にさえも赦させはしない……。  ―――激しい雷鳴 浮かび上がる人形 いつの間にか祭壇の奥に『仮面の男』が立っていた―――
エルの絵本【魔女とラフレンツェ】Sound HorizonSound HorizonRevoRevoRevo鬱蒼と茂る暗緑の樹々 不気味な鳥の鳴き声 ある人里離れた森に その赤ん坊は捨てられていた  幸か...不幸か...人目を憚るように捨てられていたその子を拾ったのは 王国を追われた隻眼の魔女 《深紅の魔女と謳われた》オルドローズ  銀色の髪に 緋色の瞳 雪のように白い肌 拾われた赤ん坊は いつしか背筋が凍る程美しい娘へと育った...  流転こそ万物の基本 流れる以上時もまた然り 二つの楽園を巡る物語は 人知れず幕を開ける...  銀色の髪を風になびかせて 祈るラフレンツェ 死者の為に... 小さな唇が奏でる鎮魂歌 歌えラフレンツェ 永遠に響け...  時を喰らう大蛇 灼けた鎖の追走曲 狂い咲いた曼珠沙華 還れない楽園 蝋燭が消れば 渡れない川がある 始まりも忘れて 終わらない虚空を抱く……  「―――オノレラフレンツェ」...悲痛な叫びの不響和音 「―――ニクキラフレンツェ」...呪怨の焔は燃ゆる  儚い幻想と知りながら 生者は彼岸に楽園を求め 死者もまた 還れざる彼岸に楽園を求める 彼らを別つ流れ 深く冷たい冥府の川 乙女の流す涙は 永遠に尽きることなく 唯...嘆きの川の水嵩を増すばかり...  ―――少女を悪夢から呼び醒ます 美しき竪琴の調べ 哀しい瞳をした弾き手 麗しきその青年の名は……  祖母が居なくなって 唇を閉ざした 吹き抜ける風 寂しさと孤独と知った 彼が訪れて 唇を開いた 嬉しくなって 誓いも忘れていった...  ―――それは 手と手が触れ合った 瞬間の魔法 高鳴る鼓動 小さな銀鈴を鳴らす 瞳と瞳見つめ合った 瞬間の魔法 禁断の焔 少女は恋を知った...  一つ奪えば十が欲しくなり 十を奪えば百が欲しくなる その焔は彼の全てを 灼き尽くすまで消えはしない…  愛欲に咽ぶラフレンツェ 純潔の花を散らして 愛憎も知らぬラフレンツェ 漆黒の焔を抱いて 彼は手探りで闇に繋がれた 獣の檻を外して 少女の胎内に繋がれた 冥府の底へ堕りてゆく……  ―――近づいて来る足音 やがて彼が乙女の手を引いて 暗闇の階段を駆け上がって来る けれど少女は裏切りの代償として 残酷な呪いを歌った 嗚呼...もう直ぐ彼は...彼は振り返ってしまうだろう―――
ArkGOLD LYLICSound HorizonGOLD LYLICSound HorizonRevoRevoRevo「―――箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて 驕れる無能な創造神にでも 成った心算なの……」  (崩壊 其れは孕み続けた季節 二月の雪の日 『妹』の記憶)  「我々を楽園へ導ける箱舟は 哀れなる魂を大地から解き放つ 救いを求める貴方にArkを与えよう」 《Arkと呼ばれた物》は月光を受けて銀色に煌いた...  想い出まで裏切った 冷たい言葉の雨 幸せだった二人 永遠に届かなくなる前に...  「ねぇ何故変わってしまったの? あんなにも愛し合っていたのに...」 涙を微笑みに変え詰め寄る 《Arkと呼ばれた物》を握って...  ―――愛憎の箱舟  (因果 其れは手操り寄せた糸 六月の雨の日 『兄』の記憶)  信じてたその人に裏切られた少女 逃げ込んだ楽園は信仰という狂気 新しい世界へと羽ばたける自己暗示 澄み渡る覚醒は進行という凶器  最期の瞬間に廻った 歪な愛の記憶 脆弱な精神が堪えきれず あの日嘘を吐いた...  律すれば律する程堕ちる 赦されぬ想いに灼かれながら まぐわう傷は深く甘く 破滅へ誘う...  ―――背徳の箱舟  被験体#1096 通称『妹』同じく 被験体#1076 通称『兄』を殺害  <症例番号12> 過剰投影型依存における袋小路の模型 即ち《虚妄想型箱舟依存症候群》  限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想 求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく 同じ心的外傷重ねれば響き合う けれどそれ以上には...  「―――箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて 驕れる無能な創造神にでも 成った心算なの?」か...  在りし日に咲かせた花弁は 暗闇に散り逝くように凛と 少女の声色で囁く「楽園へ還りましょう」...  監視卿は天を仰ぎ深い溜息を吐く 失った筈の《左手の薬指》が虚しく疼いた  ―――ふと彼が監視鏡の向こうへ視線を戻すと 嗚呼...いつの間にか少女の背後には『仮面の男』が立っていた―――
エルの楽園 [→ side:E →]Sound HorizonSound HorizonRevoRevo―――そして...幾度目かの楽園の扉が開かれる……  白い大地に 緋い雫で 描かれた軌跡 罪の道標 古びた金貨 握り締めたまま 這い擦りながらも 男は笑った  廻るように 浮かんでくる 愛しい笑顔 すぐ其処に 夢幻の果てに 手を伸ばす様に 扉に手を掛けた  ―――そして...彼の現実は朽ち果てる……  少女が小さく 咳をする度 胸の痛みが 春を遠ざける 襤褸い毛布でも 夢は見られる 愛を知った日の 温もり忘れない  眠るように 沈んでゆく 愛しい世界 水底に 夢幻の果てが 手を招く様に 扉は開かれた  ―――そして...彼女の現実は砕け散る……  ねぇ...お父様 その楽園ではどんな花が咲くの? ねぇ...お父様 その楽園ではどんな鳥が歌うの? ねぇ...お父様 その楽園では体はもう痛くないの? ねぇ...お父様 その楽園ではずっと一緒にいられるの?  窓を叩く夜風 弾む吐息 薄暗い部屋 楽しそうな談笑 虚ろな月明かり 白い吐息 薄汚い部屋 痩せた膝の少女  幾度となく繰り返される問いかけ 尽きることない『楽園』への興味 嗚呼...少女にはもう見えていないのだ 傍らに横たわるその屍体が…  ...男の夢想は残酷な現実となり ...少女の現実は幽幻な夢想となる ...男の楽園は永遠の奈落となり ...少女の奈落は束の間の楽園となる  ...お父様――― その楽園ではどんな恋が咲くの? ねぇ...お父様 その楽園ではどんな愛を歌うの? ...お父様――― その楽園では心はもう痛くないの? ねぇ...お父様 その楽園ではずっと一緒にいられるの?  ねぇ...お父様 その楽園ではどんな花が咲くの? ねぇ...お父様 その楽園ではどんな鳥が歌うの? ねぇ...お父様 その楽園では体はもう痛くないの? ねぇ...お父様 その楽園ではずっと一緒にいられるの?
辿りつく詩Sound HorizonSound HorizonRevoRevo盲目の詩人 Lunaは 静かに唇を開いた…  これより歌うは...ある娘が 大切なモノに辿りつく迄の詩 苛酷な旅よ 困難な途よ それでも娘は決して諦めなかった 物語は運命を呪うより 苦しくとも詩い続ける途を選ぶ いづれ歴史が全てを葬りさろうとも 今は唯...瞳を閉じて聴いておくれ…  愛しい人よ アナタは何処に 手掛かりひとつなく 孤独な旅の 道連れの詩は 遠い空へ 霞んで消えた  天堕つる雨 手の平に 零れ落ちた雫…  幾つもの深い森を抜けて 険しい山を越え 町から街へ 知人から他人へと 想い人を 尋ね歩いた  天翔ける追想 星空に 誓った接吻は…  虚ろな世界を 夕闇が包み込む 帰れぬ私は 独り何処へ往く  予言書が肯定する史実 争いの歴史 戦禍という名の爪痕 大地を灼き尽くす焔 家族...恋人...愛する者の消息も知れず 多くの者達が為す術もなく引き裂かれた時代  娘の旅は 道連れとなった詩を遡るように とある城で牢番をしていたと言う男へ そして...推測から確信へと辿りついてしまった 切なくも懐かしき調べ その詩を綴ったのは…  挫けそうな私をいつも支えてくれたのは 恋人が最期に遺してくれた この名も無き詩よ  「運命よ...例えお前が瞳から光を奪い去ろうとも この唇からは詩を奪えない…」  辿りつく詩は 夕闇に陽を灯し 枯れてなお花は 凛と其処に咲く  嗚呼...吹き荒れる悲しみの…  嵐が訪れ 全て薙ぎ倒しても 大切なモノは 絶えず此処に在る  君よ...大切なモノに辿りつく途を見つけたら もう迷うことなかれ  例え茨の途であろうとも 歌をくちずさめばそれもまた楽し  詩えない人生になど 意味はないのだから…  大切なモノへと...辿りつく場所へと... 白鴉が目指す地平...あの空の向こうへ…
恋人を射ち堕とした日GOLD LYLICSound HorizonGOLD LYLICSound HorizonRevoRevo弓がしなり弾けた焔 夜空を凍らせて 凛と蒼く別離の詩を 恋人を射ち堕とす…  遠い日の忘れ物 引き裂かれた傷痕 呪われし約束をその胸に宿して  「避けられぬ終焉は せめて愛しいその手で…」 抗えぬ衝動の闇が彼を包んだ…  歪む世界螺旋の焔 輪廻を貫いて 凛と緋く血塗れくちづけ 恋人を射ち堕とす…  古の伝説 その魔物に傷を負わされた者は 呪いが全身を駈け廻り やがては同じ魔物に成り果てるだろう…  それは二人が出会ったあの日まで遡る 彼が彼女を助けた時に負った傷 全ては出会った時から始まっていた…  枯れ果てた涙は 哀しみの蒼い焔を宿し 銀色に輝く矢を放つ 何度でも 唯...彼が息絶えるまで…  愛する人を失った世界には どんな色の花が咲くだろう?  月を抱いた十字の焔 茨を捲きつけて 凛と白く最期の弓矢 私を射ち堕とす…
澪音の世界Sound HorizonSound HorizonRevoRevo荒れ果てた野を 一人の少女が往く 正確には一人と一匹 少女の右手には赤い紐 その先に結ばれたる首輪もまた赤く 黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた 飼い主たる少女『澪音』に語りかけるかのように…  豪奢な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える 輝ける名誉も権力も 今ではもう過去の所有物  観測とは事実の側面を抉り取る刃物 その男は果たして...何を得...何を失ったのか…  奪いし物は奪われ 斯して世界は廻る 降り止まない雨の向こうに 何色の空をみる  代償を背負うほど 加熱する駆け引きは 全て失くすまで気付かない 度し難い自我の下僕…  空虚な廃墟に転がり 冷たい雨に震える 帰る場所も待ってる人も 今ではもう過去の支配領域  推測とは事実の背面を削ぎ落とす刃物 その男は果たして...何を見...何を悟ったのか…  奪いし者は奪われ 斯して時代は廻る 降り止まない雨の向こうに 何色の空がある  運命を捩じ伏せ 従える心算でも 未来を掴もうと伸ばした その腕では短か過ぎた…  閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間世界は 幻想し得る最悪の狂夢を...残酷な死神を見る…  『死』とは...精神に先行して まず肉体に依存する感覚から朽ち果てるものらしい なればこそ人間は散々忌避し逃避を企てながらも 招かれざる死の冷たい接吻に耐え得るのだろうか…  絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想 それは...生きながらにして精神を壊されてゆく苦痛 硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡 罪人は少女の瞳の中に唯『世界』を見るという…  百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り 憐憫...侮蔑...的外れな嘲笑...謂わば対岸の火事 燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか…  閉ざされた少女の瞳が開かれし瞬間世界は 幻想し得る最悪の狂夢を...残酷な死神を見る…  薄氷色に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と 堕ちてゆく狂夢に唇を重ねて...残酷な死神になる…  地に蔓延りし我ら罪人の群れ 願わくば...君が澪音の世界に囚われないことを…
魔法使いサラバントSound HorizonSound HorizonRevoRevo昔あるところに 恋人を亡くしたひとりの魔法使いがいた 彼が求めたのは 死者を甦らせる禁断の秘法 領分を侵す者に降りかかるのは 厄災のみと識りながら 何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を…  吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは一頭の駱駝 砂丘を乗り越えて街へと向かう…  「魔法のランプが欲しくはないか?」 胡散臭い髭の男が囁いた 薄暗い路地裏での駆け引き 彼は男が持ち出した条件を飲んだ…  ランプを擦ると魔神が現れ 3つの願いを叶えてくれると言う 願い事を1つ譲るという条件で 彼はその在処を聞き出した そのランプは 南西にある洞窟に封印されているという 片足が悪いという男の代わりに 彼は穴の中へと降りた…  砂漠の下には 大きな空洞 冷たい空気が 背筋を掠める 洞窟の奥には 妖しい祭壇 黄金のランプと 古びた絨毯 ランプを手に取ると 洞窟が崩れた 「ランプを早くこっちへよこせ!」男が叫んだ…  暗い闇の中 懐かしい声を聴く 暖かな光 愛しい声を聴く  「貴方はまだこっちへ来てはいけないわ 遣り残したことがきっとあるはず…」  暗い闇の中 懐かしい声が言う 暖かな光 愛しい声が言う  「失われたモノの為に願うより 今目の前にあるモノを見つめて…」  目醒めれば砂が巻き上がる 砂丘の上で抱かれていた 黒髪の美しい少女 泣きながら微笑んでいた  「古の罪と罰の輪舞曲 ランプに閉じ込められていた 愚かな私を出してくれた御主人様 さぁ願いをどうぞ、叶えましょう」  3つの願い全て叶えたら少女は再び 唯冷たい砂の下で幾千の孤独に震える…  そして彼は願った…  吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは二頭の駱駝 長い黒髪の少女が一人…
雷神の系譜Sound HorizonSound HorizonRevoRevo世界を救いし隻腕の英雄亡き後 邪神が封印されし地に街を築き 自らが結界の役割を果たし 永き平和への礎と成す...  誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章 彼の者達の名は 雷神の民 伝承の謎 紋章の秘密 少年が描く軌跡 雷神の系譜  弱い者ほど徒党を組み 身代わりの羊を捜す 愛を知らない幼き日々は 灼けた石の痛み  ひとり唇噤んだまま 膝を抱えて耐えていた 雨も宿ればいづれ過ぎ去る 嵐もまた然り  されど輝やかざる紋章 本当の強さって何だろう? 差し出された少女の小さな手が とても大きく見えた…  黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で 出会ってしまった少年と少女の物語 十年の歳月も一閃の雷が如く 過ぎ去ってしまえば刹那 今...黒の歴史が再び動き出そうとしている…  遠い空見上げて この胸を焦がす 浮かぶのは彼女の 愛らしい笑顔だけ 適わぬ想いと 識っていながら…  麗しの君は何故 一族の長の娘 部族一強き者の許へ 嫁ぐこと定めしは 変えられぬ民の掟  嗚呼...雷無きこの腕じゃ 君のこと護れない? 想いなら誰にも負けないと 叫んでもその言葉 虚しくも風に消えた…  期は満ちようとしていた 長の娘も今年で婚礼を定められし齢十六 その誕生の日が差し迫り 一族の猛者達は競って名乗りを上げた 期は満ちようとしていた 邪悪なる波動が街全体を包み込み 空に立ち込めたる暗雲は (三度目の嵐)の訪れを告げようとしていた…  「おぉ...何ということじゃ 黒き法衣を纏いし者達の影が見える 予言書の使徒 奴らを封印の深奥へ行かせてはならん 邪神の封印を解こうとしておるのじゃ いまや雷神様の血も薄れ、我らに扱えるは小さき雷のみ あぁ恐ろしいや 天地を揺るがす強大な力じゃ 来るぞ...あぁ来るぞ…」  地を割る咆哮 天を裂く爪牙 烈火の如く燃えさかる六対の翼 暗黒を宿した瞳に魅いられただけで 勇猛なる戦士が次々と倒れていった…  嗚呼...人間とは神の前では かくも無力なモノなのだろうか... 誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間 ひと際眩い閃光が 雷無き青年の体を貫いた…  「覚醒めよ...勇敢なる右腕を持つ者よ... 直系の雷を受け継ぎし者よ... かつて私は邪神を封印せし折 雷の槍を放ったが故右腕を失った 今その雷を開放すれば、右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ 御主にその覚悟があるか? …ならば今こそ覚醒めよ(雷神の右腕)よ!」  「ひとりでは耐え切れぬ 雷でもきっと ふたりなら大丈夫 私は信じる!」  暗雲を貫く雷 あの日出会った少年と少女は 今...二つの紋章重ね合わせて 輝ける未来を紡ぐ…  「…ちゃん...ねぇ...お婆ちゃん...お婆ちゃんったらぁ」 「どうしたの?それからお話どうなったの?」 「おぉ...そうだったねぇ ごめんよ」 「その後 雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」 「さて、どうだったかねぇ... 昔の話だからもう忘れちゃったねぇ…」  ...そう言って微笑んだ祖母の瞳は とても優しい色をしていた ...その時の事は今でも印象深く覚えている ...私は信じているのだ 雷神の系譜は途絶えていないのだと…  受け継がれるモノ...受け継がれざるモノ... 暗雲を貫く光を翼に受け...その白鴉は羽ばたいて往く...
檻の中の花Sound HorizonSound HorizonRevoRevo殺戮の舞台女優『Michele Malebranche』 その生涯には、あまりにも奇怪な謎が多い。 彼女が犯罪史の表舞台に登場する事三度に渡り、 そのいずれもが狂気に満ちた幻想の戯曲として知られている。  (初舞台「パパの幸せを描いてあげる…」en 21 novermbre 1887)  実父『Joseph Malebranche』の凄惨な変死事件  証拠不十分及び、年齢に対する 殺害遂行能力に疑問の声が上がる。 現実と幻想の境界を認識出来ていない 類の言動を繰り返し、 行動にも尋常ならざる点が多々見受けられた…。  (識られざる幕間劇)  鮮朱から冷蒼へ移り変わる 舞台の上に女優を呼ぶ 街角の影手招くのは 闇を纏った貴婦人  素早く抱き寄せ 首筋に熱い接吻  少年の液体は仄甘く 血赤色の陶酔感を紡ぎ 永遠の夜に囚われた 花は咲き続ける…  (二度目の舞台「もう一度この手で彼女を…」en 30 juillet 1895)  養父『Armand Ollivier』の手による絞殺・死体遺棄未遂事件 深夜、半狂乱で笑いながら庭に穴を掘っている所を、 近隣住民の通報によって駆けつけた警察官に拠り逮捕。 その後、『Ollivier』は獄中にて完全に発狂した…。  (識られざる幕間劇)  鮮朱から冷蒼へ移り変わる 舞台の上に女優を呼ぶ 街角の影佇むのは 闇を纏った令嬢  激しく愛して 花弁が堕ちるまで  女の勘を甘くみないで 貴方が愛してるのは しなやかな若い肢体 それは...『私』じゃない…  (三度目の舞台「少年の液体は仄甘く」en 4 fevrier 1903)  『Michele Malebranche』による青少年連続拉致殺害事件 『Rouen』郊外の廃屋にて多数の腐乱死体が発見される。 当時行方不明となっていた13人の少年達は、変わり果てた姿で 干乾びたような老婆『Michele』の遺体に折り重なっていた…。  (自称...天才犯罪心理学者 『M.Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』曰く)  「彼女がどんな魔法を駆使したのか、 それは私が識り及ぶ所ではないのだが、 殺害動機という観点でのみ論じるならば、 答えは明白であると言わざるを得ない」  「彼女は、自らを閉じ込める狭い檻の中から 抜け出したかったのでしょうな… それも極めて偏執的なまでに。 ...しかし、残念ながら その願望は生涯叶うことは無かった。 ...そして、死後1世紀を経過した今でも、 彼女はその檻の中にいる…」  「…何故そんな事が断言出来るのか?...良い質問だ。 よろしい、誤解を招く事を承知で、 この『Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』 あえてここで公言しておこう。 我々もまた、彼女と同じ檻の中にいるからだと…」  (『Michele Malebranche』の手記に遺されていた詩の断片)  檻の中で咲き乱れ 枯れ朽ち果てる前に 愛を失くしたこの世界に… 捧ぐ...お別れの挨拶  ~連作幻想戯曲『檻の中の花』(著) Noel Malebranche
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