ヘアアイロン シワになったシーツも
いつもみたいに部屋のあちこちで
まだ散らかっているのに こんなにどうするの?どうして今日なんだ 終われる訳ないだろ
嘘だと笑えよ 何処にも行くなよ 忘れられないだろ
二階の窓から見える出て行った後ろ姿は
果てし無く遠く二度と届かない
伝わっていないけど特別だったのにもっと歌詞を見る
―― 今やreGretGirlといえば失恋。失恋といえばreGretGirlですが、もはや“切ない”を通り過ぎて“苦しい”曲が次々と…。
よく言われます(笑)。でもそんな恋愛をしているひとって結構いるみたいで、共感の声が多いんですよね。僕は昔から、自分の身に起こったことを歌詞にすることがほとんどなので、僕しか経験していない内容であるはずなんですけど、男性からも女性からも「自分とまったく同じです」という感想をいただくので、新曲を出すたびに驚いています。自分が歌いたいことを歌って、そこにみんながついてきてくれるって、すごいことだなぁと思いますね。
―― バンド名も、平部さんが失恋したときの『いつか有名になってフッたことを後悔させてやる』という気持ちに由来しているそうですが、バンド結成と失恋は同じタイミングだったのでしょうか。
失恋が先ですね。それからちょっとしてバンドを結成しました。というより、もともと軽音楽部でバンドはやっていたんですけど、フラれたことがきっかけで「本気で音楽をやろう」と思って、reGretGirlを立ち上げたんですよ。それまでは趣味程度に楽しくやっていて、プロになろうとか全然思っていなかったんですけど、有名になって後悔させてやろうと心から思ったので。そしてあれよあれよと、今に至ります(笑)。
―― なるほど…。また先日Twitterに「reGretGirlをはじめるキッカケになったback numberの依与吏さんにお会いした」とツイートなさっていましたね。
そうなんですよ。念願の。憧れの。失恋して、バンドを立ち上げたわけですけど、ちょうどそのときに一番聴いていたのがback numberで。僕もこんなふうにラブソングを歌うバンドにしたいなと思ったんです。それでreGretGirlは、まずとにかく“失恋を歌う”というコンセプトを一貫してここまでやってきました。
―― 当時、とくに刺さったback numberの曲というと。
「春を歌にして」という曲が刺さりすぎて刺さりすぎて。歌詞の終盤に<会えないとゆう事より何よりも 悲しいのは君が僕に会えなくても平気ってゆう事>っていうフレーズがあるんですけど、もう…まさにそのとおりで(笑)。今でも忘れられないですね。
―― ちなみに、そのreGretGirl誕生のきっかけになった元恋人を想って書いた曲も、今回のアルバムのなかにありますか?
…あります(笑)。もう5~6年経つんですけどねぇ。
―― いよいよ「もう私のこと書くのやめて」とか連絡が来ることはないですか…?
それはないですね。ただ、今作の「おわりではじまり」の歌詞にもなっているんですけど、最近2~3年ぶりに、かつて付き合っていた子と会う機会がありまして。そこでその子に「(私のことだって)全部わかってるよ」みたいなことは言われました(笑)。まぁそうやろなと…。
―― ライブで曲を歌うときなどには、特定のひとを思い浮かべて歌うのでしょうか。
どうだろうなぁ…。何回も歌っている曲もあるので、歌うたびに元カノを思い出してしんどくなるわけでもないけど…。たまにフラッシュバックというか、ライブ中に記憶がブワッと蘇ってきたりして、歌いながらグッと来ちゃったりしますね。あと客席を観ると、泣いてくれているお客さんも結構いるんですね。そうすると、僕の歌がそのひとを泣かせているのに、その泣いている顔を見て僕も泣きそうになるっていう、カオスなときもあります(笑)。僕めっちゃ涙もろいんで…。
―― reGretGirlは今まで“失恋ソング”を貫いてこられましたが、ほとんどが“フラれた側”の心情ですよね。平部さんから「別れよう」とか「そろそろ終わりだな」と思って曲を書くことはあまりありませんか?
あぁー、たしかにないですね。そういう経験がないわけではないんですけど、今まではあえて、失恋ソングでも自分が“フラれた側”の悲しみをフューチャーして歌ってきました。だから今後は逆の目線の感情も曲に出来たら面白いですよね。あと幸せなラブソングとか。
―― reGretGirlの幸せソング…!聴いてみたいです。
絶対に書けると思います!僕は結構、落ち込んで思い詰めるタイプなので、幸せなことよりも悲しかったことに向き合ってしまいがちなんですね。それでも一応、僕にも嬉しいという感情はあるし、幸せな瞬間にこれを曲にしたいなと思うこともあるんです。逆にこれだけ失恋ソングで、一人の女の子に想いを伝えられるというところは自負しておりますので(笑)。今後、幸せソングで挑戦してみたいですね。
―― メンバーのお二人は、歌詞について何か感想をくれたりするのでしょうか。
いや、今はもう絶対に失恋を歌うとわかっているから(笑)、1曲1曲に感想を言ってくることはないですね。そこはすべて僕に任せてくれているので、やりやすくて、すごく助かっています。