―― 単純な質問で恐縮なのですが、やはりご兄弟だと遠慮がないからこそ、音楽は一緒にやりやすいものなのでしょうか。
ユウスケ はい。やりやすいですね。
ナオト 基本的にはやりやすいですね。けど逆に恥ずかしいこと、言いづらいところもあるかなぁ。
ユウスケ 最初はとくに歌詞とか、ナオトが書いたやつを読んで初めて、「へぇー、こういうこと思っているんだ!」って知ることも多かったから、お互いめっちゃ恥ずかしかったです。
ナオト しかも自分が書いた歌詞をステージで歌われるわけですよ(笑)。でももう慣れましたね。
―― ちなみにナオトさんは、ボーカルであるユウスケさんをイメージして歌詞を書かれるのですか?
ナオト いや、自分の実体験を書くわけでもないんですけど、ユウスケに寄せることはないですね。あくまで自分の歌詞としてというか、オレンジスパイニクラブの楽曲として書く感じです。
―― もともとはナオトさんがユウスケさんをバンドに誘ったんですよね。なぜ、お兄さんだったんですか?
ナオト ヒマそうだったからです(笑)。まぁボーカルをやってくれるひとがいなかったから、最初は軽いノリで。
ユウスケ だから軽いノリで俺も入っちゃって。1回で終わると思っていたんですけど、まさか10年続くとは思っていなかったです。
ナオト バンド始めて2年くらいから、あんまり兄弟という感覚もなくなっていって。だからといって仕事仲間でもなく。もうずっと“バンドメンバー”という感じですね。
―― お二人がそれぞれ最初に曲作りをなさったのはいつ頃でしょうか。
ナオト 僕は中3ぐらいですね。
ユウスケ 最初はずっとナオトが作っていて。俺はバンド初めて半年後ぐらいから作り始めました。ギターも弾けなかったので、ナオトに教わって、ある程度はコードを覚えるようになってから、やっと1曲作れるようになった感じです。
ナオト 俺も最初の歌詞はめっちゃ中二病だった。「存在証明」とか、そういう内容でしたね。
ユウスケ 「どこからその言葉が出てくるの!?」って思った。絶対に普段は口にしないから。何カッコつけてんだって(笑)。
ナオト 闇属性のね。メンバーは同じなんですけど、オレンジスパイニクラブの前は、Theドーテーズっていうバンド名でした。
ユウスケ 俺はTheドーテーズの時はバンド名に引っ張られて、モテない男の歌を書いていたかな。当時16歳とかだったんで、考えることも子どもで。本当に何にも考えず、知っている言葉だけ並べて歌にしていた感じでした。
―― 聴いてきた楽曲や歌詞面で影響を受けたアーティストはいかがですか?
ナオト そこはわりとふたりとも一致していて、いちばんはTheピーズというバンドですね。バンドをやって2年ぐらい経ったごろから影響され始めたのかな。それからはもうずーっと好きで。
ユウスケ Theピーズの歌詞も言い方が悪いですけど、アホっぽいところがあって。そこもいい影響を受けたなと思いますね。あと銀杏BOYZとかも大きい。
―― おふたりはどんなときに曲を書きたくなりますか?
ユウスケ 僕は駅からの帰り道とか、電車に乗っているときとかが多いですかね。何かが起きたから書くというよりかは、日常で浮かんだ感情とか言葉とかをメモにバーッと書く。ナオトも書くでしょ?
ナオト やるやる。でも結局ひとことも使わない(笑)。
ユウスケ そう、言葉のストックだけが溜まっていくんだよね。
ナオト 俺は…基本的に曲を作るのが好きじゃないので。作りたくねー!って思うんですけど。
ユウスケ (笑)。
ナオト でも曲を作らなくなると、他にやることがなくなって暇で暇でしょうがなくて。だから曲を作るんですよね(笑)。ただ、歌詞に関してはおもしろいフレーズとか初めて知った言葉を、日ごろからメモするようにしています。
―― お互いの歌詞には、それぞれどんな特徴があると思いますか?
ユウスケ ナオトは昔からすごく一定で、ブレない歌詞を書くかな。物語は動いていったとしても、背景に見えるものが固定されているというか。あと、ストレートには伝えようとしない。わかりやすく聴かせようとしてないのはずっと変わらない。よくこんな言葉が出てくるなと思うし、一見わかりづらい(笑)。でも、ちゃんと俺はわかっているし、最終的には聴いているひとに伝わっているんですよ。そこがすごいなと思います。
ナオト たしかに、おもしろい言葉とか言い回しで伝えたいってところは、意識しているところかな。ユウスケは曲によって結構変わります。初期と今でもかなり違いますし。最近の歌詞は…いいですね。
ユウスケ コメントが薄いな(笑)!
ナオト これからどんな歌詞を書くのか楽しみですね(笑)。