超満員の国立代々木競技場第一体育館には終始、ポジティブなエネルギーと満たされた空気が充満していた。Acid Black Cherryにとって初の挑戦でもある一大プロジェクトとして2013年の8月から10カ月をかけて全都道府県を回ってきた『Project「Shangri-la」』の東京公演ラスト。“みんなを笑顔にしたい”とステージに立ってきたyasu(Vo)の想いがアリーナクラスの会場の距離を飛び超えて、集まった1万2000人に届く。そんな熱いライブだった。
光のショーを見ているようなスケール感たっぷりのオープニングに始まり、「ジグソー」、「ピストル」のアッパーチューンでオーディエンスを熱狂の渦に巻きこんだ全61公演で一度として同じことがなかったというセットリストには、『Project「Shangri-la」』の活動の中でリリースされた新曲「Greed Greed Greed」や「黒猫~Adult Black Cat~」、「君がいない、あの日から...」も数々のライヴを重ねて進化した曲として盛りこまれ、左右に伸びた長いスロープを時に全速力で走りまわって隅々まで唄を届けようとするyasuと百戦錬磨のプレイとパフォーマンスでABCの楽曲を見せて聴かせるYUKI(Gu)、HIRO(Gu)、SHUSE(Ba)、淳士(Dr)によるおなじみのサポートメンバーたちが繰り広げるダイナミックなステージングは実に爽快だった。