LIVE REPORT

クリープハイプ ライブレポート

クリープハイプ

『一つじゃつまらないから、せめて二つくらいやろう 後編』

2015年05月08日@NHKホール

撮影:神藤 剛/取材:山口智男

2015.05.18

“全国ホールツアー”と銘打ったツアーの後編は、前編だった全国ライヴハウスツアーとはセットリストをガラッと変えてきた。昨年12月にリリースしたアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』の曲を中心にライヴの人気曲を散りばめたセットリストからはコアなファンにとどまらず、より多くのオーディエンスを意識していることがうかがえた。しかし、曲が進むにつれ、バンドとオーディエンスの間に生まれたのはホールライヴにはちょっと不釣合いな(?)親密な空気。客がこんなにバンドに話しかけ、それに対してバンドも答える...つまり歓声の域を越え、対話が成立しているライヴも珍しい。そんな光景からは彼らがライヴハウスを中心に活動していた頃から飾らない姿を見せるというスタンスを変えずにファンの数を増やしてきたことが想像でき、わりとMCを交えながら(だから客席から声が飛ぶ)、演奏しているステージの4人に親近感が沸いた。もっとも、それは序盤のアップテンポナンバーから一転、尾崎世界観(Vo&Gu)がアコギに持ち替えて披露した「本当」といったフォーキーな曲のみならず、彼らの曲には郷愁というか、黄昏た味わいが感じられることも大きい。そういう人懐っこい曲だから上ずったような甲高い声で歌う尾崎のヴォーカルが生きるのか、クセがあるヴォーカルだからそういう曲が生きるのか...たぶん両方なのだと思う。後半は5月5日にリリースしたばかりの新曲「愛の点滅」を交えながら、アクセントの強い曲をたたみかけ一気に盛り上げた。
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