ねごと ライブレポート
ねごと
『お口ポカーン?! 初の全国ワンマンツアー2015 「~VISIONは続くよどこまでも♪~」』
2015年06月07日@Zepp DiverCity Tokyo
撮影:AZUSA TAKADA/取材:清水素子
2015.06.17
3月に発表したアルバム『VISION』を引っ提げての全国ツアー最終日。初日が明けてからのインタビューで、蒼山幸子(Vo&kye)が語っていた“今までの中で一番良いツアーができている実感がある”との言葉は真実だった。ねごとの音楽が客席に寄せては返し、熱気をはらんでは渦をなすステージは、無限の夢幻を醸してまさしく宇宙のよう。そこに確かな進化を見ることができたのだ。
浮遊感たっぷりの「未来航路」での幕開けから、まず驚かされたのがプレイの熱さ。ロングスカートの藤咲佑(Ba)は頭を振りながら豪快にベースをかき鳴らし、続く「sharp ♯」では澤村小夜子(Dr)もアグレッシブなドラミングを轟かせる。アルバム一のロックチューン「GREAT CITY KIDS」でも生音ならではのパッションを放出しながら、しかし激情のまま突っ走るのではなく、どこか乙女の品格を保っているところが、ねごとのねごとたる所以。疾走する透明感で魅せる「コーラルブル?」から、楽器隊のスキャットコーラスも美しいスローな「ドリーミードライバー」、ゆったり繊細なプレイが熱をはらんでタイトル通りに謎めいた軽やかさで包む「ふわりのこと」といった中盤ブロックでは、特にドリーミングな空気で場内を包んでくれた。考えてみれば“ねごと”とは、夢と現の狭間で最高に心地良い状態の時に洩れるもの。彼女らのステージが幸せな夢見心地を与えてくれるのも、当然と言えば当然なのだ。
また、今ツアーでは普段ステージ上ではほとんど喋らない沙田瑞紀(Gu)が、アルバムへの想いを語るコーナーも。この日も“いろんな音楽の可能性を追いかけて作った作品。単に盛り上がるだけじゃなく、もっと深く掘ってほしい”と熱く語った。事実、その後も奔放なパフォーマンスに客席から拳の声援を受けるロックなエモーションに、舞台上の円形オブジェにプロジェクションマッピングを投影しながら、月/ミラーボールを宇宙の光に見立てた幻想ムードを織り交ぜて、ねごとにしか生み出せない世界を作っていく。その根本にあるのは、オーディエンスと“音楽でつながりたい”という想い。“ここからが始まりです。まだまだ先に進みます。もっと大きな景色をみんなに魅せるために”という蒼山の言葉を裏付けるように、アンコールでリリースされたばかりの新曲「DESTINY」をイキイキと披露する4人の姿は、未来への期待に燃えていた。
曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。
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