ARCHAIC RAG STORE ライブレポート
ARCHAIC RAG STORE
『2nd Mini Album「EXPLODE」リリース“最果ての風を盗みにいくTOUR”』
2016年05月27日@TSUTAYA O-Crest
撮影:ぬまめん/取材:山口智男
2016.06.20
“好きなことを続けるのは大切”と終盤、奥村眞也(Dr)がその結果を噛みしめるように言ったとおり、3月2日にリリースした2ndミニアルバム『EXPLODE』を引っ提げて全国7カ所を回ったツアーは、ファイナル公演がソールドアウトになるというバンドにとってベストと言える成果を残すものになった。
polly、the equal lights、赤色のグリッターという共演3バンドからバトンを渡されたARCHAIC RAG STOREのステージは『EXPLODE』からのアップテンポのロックナンバー「憂鬱なサラ」でスタート。曲が持つ疾走感と思っていた以上に激しい演奏にいきなり気持ちを奪われた。前身バンドを含め、実は活動歴が長いせいなのか、エネルギッシュに動きながら客席にアピールする雅景(Gu)と横山航大(Ba)の真ん中で決してエモーショナルになりすぎないフロントマン、鴻池 遼(Vo&Gu)はクールなたたずまい。メンバー全員、まだ20代前半にもかかわらず、独特の雰囲気というか、世界観を持っているバンドであることを、この日、彼らのライヴを初めて観た筆者は改めて知ることとなった。
そして、それをさらに印象付けたのが“甘い甘いラブソングです”と鴻池が皮肉交じりに紹介した「LOVE SONG」とアダルトオリエンテッドな魅力も持つ「楽園」の2曲。メンバーと同世代のファンは、不安と期待が交差する青春を歌った「Mahoroba」や、“今回のツアーの指針になった”(鴻池)という「サーチライト」のほうが共感できるのかもしれない。もちろん、それも彼らの持ち味のひとつ。この日、本編ラストに披露した未発表曲の「the morning bell」からも茫洋とした未来を見据える気持ちがダイナミックな演奏とともに伝わってきた。
しかし、「LOVE SONG」や「楽園」のような曲を歌える同世代のバンドは他にどれだけいる? 個人的には、大人っぽい洗練や深い心理描写が感じられる、そういう歌もどんどん作ってほしい。そう思いながら1時間ほどのライヴを楽しんだが、この日、発表した9月から3カ月連続で行なう自主企画ライヴでは、ここからのさらなる前進を印象付ける新曲もきっと披露するに違いない。大いに期待している。
曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。
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