LIVE REPORT

Qaijff ライブレポート

Qaijff

『Qaijff 2nd mini album「Life is Wonderful」release tour“Wonderful Live”』

2016年06月18日@下北沢SHELTER

撮影:Daisuke Miyashita/取材:田山雄士

2016.07.03

“Qaijff(クアイフ)の結成前から数えると本当に長くバンドをやってきて、山あり谷ありでなかなかうまくいかないことが多かったけど、時間かかって良かったなって。そのおかげで出会えた人もたくさんいるんで。もう自分が音楽を好きなだけじゃなくて、ここにいる、僕らを必要としてくれる全員を幸せにしたいと思ってます”――ライヴ終盤、今の気持ちをそう打ち明けたリーダー内田旭彦(Ba&Cho&Prog)をはじめとするメンバーの晴れやかな表情が、そして感謝と確信にあふれた言葉を受けて歓喜、祝福する満員のフロアーが、この日の大成功を何より雄弁に物語っていた。

早い段階でソールドアウトとなった2ndミニアルバム『Life is Wonderful』のリリースツアー東京編は、三輪幸宏(Dr)がダイナミックにガンガン引っぱる「Wonderful Life」で好発進を切り、内田も効果的なフレーズとコーラスで楽曲に厚みをもたらすと、「未完成ワールド」でさらに加速する。そんな中、とりわけグッとくるのが、森 彩乃(Vo&Pf)の歌声に柔らかさ、輝きが増した点。ヴォーカルの持ち味を活かすという同作で意識したテーマは、怒濤のインストアライヴやイベント出演を経て、着実にクリアーされていた。ピアノの音色もより澄んで感じられ、「光を探しに」が始まればミラーボールが回り出すなど、序盤から会場の空気はワンダフルに! Qaijff特有のアンサンブルが冴えわたる一方、その強弱に合わせて手拍子で盛り上げるオーディエンスもまた素晴らしい。

希望を歌う楽曲が多くを占め、「モンスター」「セピア」といった久々のナンバーを果敢に放つあたりも、昨年9月に同じく下北沢SHELTERで行なわれた東京初ワンマンの更新を感じさせる。そして、変拍子のプログレッシブな奏法で《曖昧な今ならいらない 変わり得ない未来など意味ない》と歌う「change」には、Qaijffのコアを再確認。“音源化してない曲とか、ワンマンだからこそできると思ってね”と、キリッと駆け抜けた前半を終えて森が話し始める。この日がSHELTERの店長の誕生日であることも報告され、しばしリラックスムードへ。

“私、どんな曲を作ってほしいですか?みたいなアンケートをね、前にTwitterで取ったんだけど、断トツ1位はやっぱりラーメンの曲でした(笑)。ま、それは有名店のタイアップが来たら作るので、よろしくお願いします!”(森)とお馴染みのラーメン愛アピールで場を和ませたあとは、そこでテーマをもらったという新曲「ヨルヲマッテ」をサプライズ披露(内田はアコギを演奏)。夜の闇に浸るようなひと時を提供したり、続く「escapism」ではグッとテンポを落としてジャジーに聴かせたり、中盤はアレンジセンスの柔軟さで沸かせる。ノってきたところで、森が三輪を、三輪が内田を、内田が森を軽やかなソロ回しとともにメンバー紹介すると、ますます歓声は大きくなった。

このグッドバイブスに乗って、“普段は東海エリアのラジオを中心に活動してマース!”というDJのYU!YU!YUKIHIROも降臨! 森と内田からムチャ振りをされて時にテンパりつつも、ツアーグッズ宣伝にコール&レスポンスに奔走し、後半へのエンジンをかけた。こうした親しみやすさがまた、Qaijffの魅力として挙げられると思う。

“震災とか事故とか病気とか、いつ何があるか分かりません。だからこそ、こうやって同じ空間で過ごせてること、本当に感謝してます”――演奏前に森がそう話し、途中で声を詰まらせながらも歌い切った「グッドナイター」。ファンの最高すぎるコーラスに驚いて、3人の笑顔があふれた「Don't Stop The Music」。アンコールで披露された、聴き手をまだ見ぬ未来へ連れていってくれそうな新曲「UNIVERSE」。忘れられない瞬間はいくつもあった。クライマックスで天井に頭をめり込ませて叫ぶ内田の姿にしても、真っ直ぐなバンドであることがつくづく伝わってくる。今後も突き進んでほしい。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    Wonderful Life

  2. 2

    未完成ワールド

  3. 3

    光を探しに

  4. 4

    モンスター

  5. 5

    虹を探していた

  6. 6

    change

  7. 7

    セピア

  8. 8

    ソングフォーミー

  9. 9

    ヨルヲマッテ

  10. 10

    escapism

  11. 11

    future

  12. 12

    ニューワールド

  13. 13

    organism

  14. 14

    グッドナイター

  15. 15

    クロスハッチング

  16. 16

    Don't Stop The Music

  17. 17

    Re:Answer

  18. <ENCORE>

  19. 18

    UNIVERSE

  20. 19

    meaning of me

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