瀬川あやか ライブレポート
瀬川あやか
『瀬川あやか “SegaWanderful” LIVE TOUR 2017 ~ニコニコニッコリ2ッ5リツアー~』
2017年04月28日@恵比寿CreAto
撮影:石田 寛/取材:石田博嗣
2017.05.06
ツアー前日に誕生日を迎え、25歳となった瀬川あやか。初のワンマンツアーのタイトルも年齢に引っ掛けて“ニコニコニッコリ2ッ5リ”と実に彼女らしいものに。そのツアーの初日は、まさに会場中に笑顔があふれていた。
ソールドアウトということで、フロアーにはぎっしりのファン。それを見越してか、小柄な瀬川は厚底の靴を履き、ステージにはお立ち台も用意。その配慮に、彼女が常にライヴで“みなさんの目を見ながら歌います”と言っていることを思い出した(この日も何回か口にしていた)。また、会場となった恵比寿CreAtoはステージ後方の壁面が大型高精細LEDビジョンになっていて、そこに映し出される映像が披露される楽曲の世界を視覚的に彩っていたのも特筆すべきところだろう。
そんなライヴは大合唱の「ベストフレンド」や定番の振り付けがある「妄想スニーカー」など、3月にリリースした1stアルバム『SegaWanderful』のナンバーを中心に、さまざまな自身の喜怒哀楽を描いた楽曲がバンド編成で披露されていく。瀬川は時にハンドマイクで、時にアコギをかき鳴らしながら歌い、満面の笑顔を振り撒きながらファンとの距離を詰め、会場の一体感をより熱く強固なものにしていった。また、中盤のアコースティックコーナーはひとつの観せ場。“命”や“生きる”をテーマとした「サンサーラ」、切ないバラード「声」をしっとりと歌い上げ、そのやさしくも力強い歌声でもって聴く者を魅了する。そして、再びバンド編成で“自分に向けたバースデーソング”として東京公演限定曲「ハッピーハッピーバースデー」も歌唱。ピースフルな空気をはち切らせ、再び会場を笑顔でいっぱいにしたことは言うまでもない。
いよいよラストスパート! ビートが弾ける「High Five!」でタオル旋回&シンガロングを誘うと、爽快なアップチューン「はりーあっぷ」でのコール&レスポンスがフロアーのテンションをさらに引き上げる。本編ラストはアルバムでも最後を飾る「未熟なうた」。その前に“ライヴをし始めた頃、お客さんがゼロの時とか全然ありました”と話し、そんな未熟者が大好きな音楽を、歌うこと諦めなかったから、しっかりと自分と向き合ってきたから、今日ここで歌えていると語った瀬川。そこに彼女がいつも観客ひとりひとりの目を見ながら歌っていることの理由であり、想いの根源があると言える。当然、同曲でもフロアーにいるファンひとりひとりの目を見ながら歌っていた。
アンコールはキーボードの弾き語りで「カレイドスコープ」...が、瀬川がキーボードの前に座ると、最前列の人以外は彼女の姿が見えない。すると、満杯で窮屈な状態にもかかわらず、一斉に腰をかがめ、座り出したフロアー。これには瀬川も“えー! 感動するー”と思わず声をあげた。それは逆にファンから、ひとりひとりの目を見て歌い、厚底靴&お立ち台も用意してステージに上がる彼女の想いがちゃんと届いていることを伝えたシーンだったと言えるだろう。そんな中、瀬川は遠距離恋愛の想い綴ったバラードを切々と歌い上げた。その後、突然「Happy Birthday」の楽曲が流れ、今度はバンドメンバーがバースデーケーキを持って登場するというサプライズがあり、瀬川が涙ながらに“私なりのことしかできないけど、全力でみなさんに恩返しをしていきたい”と25歳の抱負を語るひと幕も。最後は“みなさんの背中を押せるような曲になっていると信じて”とメジャーデビュー曲「夢日和」で大団円。晴れやかな歌声を場内はもちろん、観る者の胸の奥にまで響かせ、本公演は幕を下ろした。
感動あり、涙あり、笑顔ありだった“2ッ5リ”のツアー初日。全てのメニューを終えたあとには “これからもっとビックになってやるから! 乞うご期待!”という宣言も飛び出した。この初日公演だけでもいろいろなものを受け取ったことだろう。となれば、25歳の幕開けでもある初のワンマンツアーが彼女をさらに大きくしてくれること請け合いである。1stアルバム、初ワンマンツアーを経た、次のフェーズが今から楽しみだ。
曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。
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