LIVE REPORT

地獄ヘルズ ライヴレポート

地獄ヘルズ ライヴレポート

【地獄ヘルズ ライヴレポート】 『地獄ヘルズ メジャーリリース パーティー「地獄のロックンロール ファイヤー」』 2018年3月17日 at 渋谷La.mama

2018年03月17日@渋谷La.mama

撮影:703/取材:池田スカオ和宏

2018.03.20

THE SLUT BANKS、Droog、首振りDollsのメンバーからなるロックンロールパーティーバンド、地獄ヘルズのレコ発ライヴが行なわれた。“嵐のロックンロール”的な様相を魅せた、この日。CDジャケット同様のメイク&コスチュームの総勢7名が、楽しくごきげんにロックンロールパーティの春嵐を吹き荒らした。

3月17日、会場は渋谷La.mama。ベースの戸城憲夫(from THE SLUT BANKS)には所縁深いステージだ。そして、オープニングアクトは天国ヘヴンズが務めた。このバントは地獄ヘルズの向こうを張った、上述3バンド+サポートメンバーやスタッフによるもの。“このレコ発をお祝いするために降臨した”と、エヴィルなメイクに天使の輪を付けた各々の姿は、天使からデビルが生まれた逸話を思い起こさせた。THE SLUT BANKS、Droog、首振りDollsの人気のロックンロールナンバーのカバーを始め、ごきげんな唯一のオリジナル曲「オーティス・レディング」等をプレイ。悠長なトークも交え、各メンバーのプレイや魅せ所を活かした、ドライヴ感あふれる骨太でソリッドなロックンロールたちが祝いの華を添えた。

そして、対する地獄ヘルズは、それにも増して場内を熱狂させた。1stフルアルバム『地獄のロックンロールファイヤー』の全曲を曲順通り演りつつも、ライヴならではのアレンジや構成、熱量で伝える様は圧巻。終始パーティー感あふれる、ごきげんな一夜へと誘った。同作品トップの「地獄の一丁目」を登場SEに、ドライヴ感たっぷりな「Welcome to the HELLZ」から、いきなりの突っ走りを魅せつける。板谷祐(from THE SLUT BANKS)、カタヤマヒロキ(from Droog)、ナオ(from 首振りDolls)という3人の声質もタイプも違うヴォーカリストのリレーションとコンビネーションも観どころのひとつで、荒金祐太朗(from Droog)×ジョニーダイアモンド(from 首振りDolls)による2本のギターによるツインリードも時折炸裂。会場をぐいぐい惹き込んでいく。そして、「ヘルズ・ボーイズ」に入るとさらにライヴは加速。歌謡性とスリリングさが場内に呼び込まれ、一体感が育まれていく。「地獄のサンダー超特急」からはメタリックな要素も加わり、その怒涛性と突き進んでいく感がステージからフロアーへの突進を彷彿させる。

“まさかこのバンドがメジャーデビューするとは驚いただろう”とは祐。「地獄のrock `n' roll fire」では、そのエヴィルな炎をさらに燃え盛られ、燃え広がらせ、ジョニーのワウの効いたギターから入った「ヤバいヤツ」に於いては、一様に“やばい奴”が場内に注入され、全員がキマっていく様を見た。また、怒涛性と哀愁性の共存曲「地獄の影」、地獄から極楽に浄土させんとばかりに放たれた「極楽ANGEL」では完全に会場が掌握され、征服されていくのを実感。加え、作品にはなかった高揚感と緊迫感を煽るイントロが加えられた「デストロイヤー」は、サビで堪らない開放感を味あわせてくれた。そんな中、本編ラストでロッカバラード曲「腐るまで」が《腐るまで一緒にいよう》とロマンティックに放たれ、それはさしずめ“また会おう”との約束のようにも響いた。

アンコールは、このグループの出自的な楽曲の2連発! 1stデモCD収録のグルービーな「あの娘プリティベイビー」、結成のきっかけとなった3バンドの競演の際のアンコールでのセッションのモチーフ曲でもあった、THE SLUT BANKSの「デビルモンキースパナ」の彼らバージョン「悪魔のモンキースパナ」が最後に楽しい暴風を吹き荒らした。アンコール待機中と終演を告げるBGMは「天国への階段」(LED ZEPPELIN)と、まさに地獄から天国へと昇天していくかのような昇華を覚えたのは、決して私だけではなかったはず。今後もまだまだ地獄ヘルズは何度でも蘇り、我々を地獄のロックンロールパーティに引きずり込んでは、その楽しい宴(サバト)を味あわせてくれることだろう。今のところ次の約束は特にはないようだが、そんなことを確信した一夜でもあった。

撮影:703/取材:池田スカオ和宏

地獄ヘルズ

ジゴクヘルズ:THE SLUT BANKS、Droog、首振りDollsというロックンロールをこよなく愛する三つ巴ロックバンドが3マン対バン全国ツアーと打上げを重ねる中、いつの間にやら超絶意気投合して誕生。ロックの原点とも言えるアグレッシヴなサウンドの中にもキャッチーなメロディーを感じさせる最高のロックンロールを鳴らし、2018年3月にはメンバーの想像をも遥かに超えたド迫力な1stアルバム『地獄のロックンロールファイヤー』をドロップ!

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    SE

  2. 5

    4.地獄のrock `n' roll fire

  3. 11

    <ENCORE>

  4. 12

    1.あの娘プリティベイビー

  5. 13

    2.悪魔のモンキースパナ