LIVE REPORT

緑黄色社会 ライヴレポート

緑黄色社会 ライヴレポート

【緑黄色社会 ライヴレポート】 『溢れた音の行方』 2018年12月21日 at マイナビBLITZ赤坂

2018年12月21日@

撮影:安藤みゆ/取材:山口智男

2018.12.24

全国7カ所を回った緑黄色社会のワンマンツアー『溢れた音の行方』が、12月21日、東京・マイナビBLITZ赤坂でツアーファイナルを迎えた。聴く者を圧倒する伸びやかな歌声と、バチバチと火花を散らしながらそれぞれに魅せるバンドサウンドというリョクシャカならでは魅力を印象付けながら、バンドがこの日に演奏したのは、11月7日にリリースしたミニアルバム『溢れた水の行方』の全6曲はもちろん、新曲「ひとりごと」も含む全18曲。2時間にわたる熱演は、バンドの成長を物語ると同時に今後の飛躍を期待させるものとなった。

冬を意識した白色と透明の球体が宙に浮かんだセットや、それを効果的に使った演出からも並々ならぬバンドの意気込みが伝わってきた。演奏は、これまでラストスパートをかけるきっかけになることが多かった「Alice」でスタート。“歌える?”と長屋晴子(Vo&Gu)が声をかけ、早速観客が“ラ・ラ・ラララ”とシンガロングで応えた2曲目の「恋って」で、小林壱誓(Gu&Cho)、穴見真吾(Ba&Cho)、peppe(KeyCho)の演奏もぐっと熱が上がり、バンドは序盤から満員の客席を自分たちのペースに巻き込んだ。伸びやかな歌声を響かせながら、長屋は“楽しい気持ちはもちろん、悲しさ、怒り、悔しさ、いろいろな気持ちを歌う”と語りかけた。

また、「regret」をはじめ、テンポを落としてメランコリックな歌をじっくりと聴かせた中盤のパートでは、“より自分に向き合った歌を歌います”と自らの心情を露わにして、観客の気持ちをぐっと引き寄せる。そこから一転、「Never Come Back」でハードな一面も見せながら、アンセミックな曲を繋げ、再びテンポアップした後半戦はメンバー全員が客席に訴えかけ、観客のシンガロングとともにツアーファイナルにふさわしい大きな一体感を作り上げた。会場は大きくなったけれど、観客とバンドの距離は逆に近くなった。長屋が言った“もっと大きな場所で、みんなと一緒に夢を叶えたい”という言葉は、その手応えがあるからこそ。そして最後にバンドは眩い光の中、観客と一緒に「始まりの歌」を歌い、ツアーファイナルを新たな始まりに変えたのだった。

撮影:安藤みゆ/取材:山口智男

緑黄色社会

リョクオウショクシャカイ:2012年活動開始。長屋晴子の力強く透明で時に愛らしい独特な歌声、キーボードのpeppeの型にはまらないフレーズ、ギターの小林壱誓の柔らかいコーラス、バンドを支える穴見真吾のベースライン。同級生3人と幼馴染で組まれ、お互いを知り尽くした4人がそれぞれの個性を出し合い、さまざまなカラーバリエーションを持った楽曲を表現し続けている。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 13

    13.アウトサイダー

  2. 17

    <ENCORE>