LIVE REPORT

Aldious ライヴレポート

Aldious ライヴレポート

【Aldious ライヴレポート】 『Aldious Tour 2018 “We Are” 〜Final〜』 2018年12月17日 at TSUTAYA O-EAST

2018年12月17日@TSUTAYA O-EAST

取材:舟見佳子

2018.12.28

昨年は48都道府県を制覇するロングツアーを敢行し、今年も4月からスタートした全国ツアーでライヴ三昧の日々を送ったAldious。11月にはミニアルバム『ALL BROSE』とライヴDVD『Aldious Tour 2018 “We Are” Live at LIQUIDROOM』をリリースした彼女たちが、同ツアーの追加公演を東京TSUTAYA O-EASTで行なった。この日のライヴは同ツアーのファイナル公演でもあるが、Re:NO(Vo)のAldiousにおけるラストライヴでもある。耳管開放症という病気に罹患し、現在の形で音楽活動を継続することにドクターストップがかけられ、11月下旬にRe:NOのAldious脱退が正式にアナウンスされていた。2012年の加入以来6年間在籍したRe:NOの、Aldiousでの最後の姿を見届けようと1,000人を越すファンが詰め掛け、チケットはソールドアウト。普段にも増してボルテージの高いライヴとなった。

客電が落ちると同時にオーディエンスから歓声があがる。“Aldious! Aldious!”のコールと手拍子が響く中、メンバーがひとりずつ登場。「We Are」のイントロに導かれてRe:NOが現れ、観客に向かって両手を大きく広げると会場はひときわ大きな歓声に包まれた。間奏ではYoshi(Gu)とトキ(Gu)がツインリードを決め、激しいリフ部分ではメンバー全員でヘドバン。続く「Persevere」ではYoshiとサワ(Ba)が楽器を低めに構えて観客を挑発し、「THE END」ではトキがギターソロを弾きながら霧吹き。もともとメンバーのキャラ立ちがはっきりしているAldiousだが、今日は特にバランスが良いように感じる。ガーリーで明るく元気なトキ、知的でしっかり者のYoshi、キュートなサワ、きれいなお姉さん系のMarina(Dr)、ルックスは姫なのに気合いの入ったRe:NO。また、メンバーの立ち位置やフォーメーションも息が合っており、ステージのどこを観ても誰を見ても絵になっているのは流石。ロングツアーをこなしてきただけのことはある。

“平日にもかかわらずこんなにたくさん足を運んでくださってありがとうございます。今夜もいつもと変わらず、最高に熱い夜にしたいと思います。力を貸してくれますか?”とRe:NOが挨拶し、中盤は観せ場の多い変化球的な楽曲を数曲続けて。ガリガリバキバキのベースから始まる「puffy eyes」はヘヴィかつダークなナンバー。薄暗いステージ上で幽霊のように棒立ちするRe:NOがすごい存在感だ。プラチナブロンドの長い髪を垂らし俯いて歌う彼女が、下からの赤いライトに照らされる様は神秘的で、さながらゴシックホラーに登場する古城のお姫様のようだ。そして、インスト曲「Instrumental 5」では楽器パート4人のパッションが炸裂。トキはワーミーを使った派手なソロを披露し、サワは愛嬌たっぷりに首を左右に振りながらタッピングを駆使したベースソロをかます。Marinaのドラムソロも本当に個性的で、3バスのビジュアルもさることながら、パーカッシブな連打のフレーズや叩き方も惚れ惚れするくらいのカッコ良さである。続く「 I Don't Like Me」はシンセの音だけをバックにRe:NOが2番までを歌い切ったのだが、いわゆる自己嫌悪や迷いといったネガティブな感情を彼女が憂いを湛えた声で歌うと本当に耳を奪われるというか、強烈に曲の世界に引き込まれる。また、1stアルバム『Deep Exceed』収録曲であり、Re:NO加入後の1stシングル「White Crow」のカップリング曲でもある「Deep」では、Re:NOがサワの頭を愛を込めてホールドする場面も。

サワによる情報告知とグッズの紹介コーナー“サワータイム”に続いて、MarinaによるMC。“今年は私たち5人だけじゃなくみんなで作り上げた1年だったように感じてます。今日ここに来るという選択をしてくれたみなさん、来れなかった人もみんなの思いを集めて最高に熱い夜にしたい。今という一瞬を私たちと暴れ倒して!”と語り、観客を上手側と下手側に分け、歓声ラウド合戦に突入。“下手側のみなさん、負けないくらい大きな声出せますか! いけますか! いけるのか渋谷!”と叫んでは、すかさずドラムを叩く。これは盛り上がる。盛り上がらないわけがない。そのままの勢いで後半は「夜桜」「die for you」「Absolute」と観客参加型のアッパー系ナンバーを立て続けに。サビをオーディエンスが歌う曲、リフに合わせて観客が“オイ!”と声を出す曲、メンバーも会場もヘドバンで一体になる曲...それをRe:NOが応援団のようなアクションで鼓舞し、さらに盛り上げる。

トキとRe:NOがミニアルバム『ALL BROSE』のタイトルの意味と、そこに込めた気持ちを語る。“青い薔薇の花言葉は“不可能”だったけれど、最近は青い薔薇が作れるようになって花言葉も“不可能を可能にする、夢叶う”とか素敵な花言葉に変わったんですよ。私たちもツアーでは大変なこともあったし、楽しいこともあったし、不可能を可能にしてきた。みなさんも一緒に不可能を可能にできますようにって気持ちを込めた作品です”とRe:NO。その『ALL BROSE』からの「Monster」を皮切りに、本編ラストはAldiousの中でも最高潮に激しい楽曲を息つく間もない勢いで連続4曲。観客と一丸になって完全燃焼した。

ミニアルバム『We Are』のオープニングにも収録されている“We Are Aldious!”のコールが響く中、再びメンバーが登場し、アンコール1曲目は「All of You」。生きることへの戸惑いや揺れる心をストレートに歌ったミディアムバラードだ。言葉のひとつひとつを噛み締めるようなやさしい歌が胸に染み込んでくる。この5人で演奏されるこの曲はこれが最後なのかと思うと、何とも言えず切ない。「Utopia」では観客がサビ部分を歌ったあと、笑顔のRe:NOが両手で大きくオーケーポーズを作る。Aldiousのライヴではお馴染みの光景だったが、これも今日で見納め。続く「Red strings」は4thアルバム『Dazed and Delight』収録曲で、Re:NOが作詞作曲を担当したナンバー。明るくポップな曲調のミディアムだが、歌詞は仲間との出会いと別れや未来へと進む意思を歌った内容で、どうしても今のRe:NOを重ねて聴いてしまう。曲がエンディングに差し掛かった時に演奏がブレイクし、Re:NOが“みなさん、6年間本当にありがとうございました!”と叫んで、深々とお辞儀。演奏が再開した後もしばらくそのまま頭を下げていたが、やっと顔を上げた時は笑顔を浮かべていて、会場はホッと温かい空気に包まれた。観客に投げキッスをしてステージを去るRe:NOの姿からは感謝とやさしさのオーラが伝わってきて、会場には自然と“リーノ! リーノ!”とRe:NOコールが沸き起こった。

その声に応えて、メンバーが再び登場。Re:NOは“Re:NOコール、あんなの初めてですよ。されたことない”と感動気味。この日のMCでは“いつも通り”“いつもと変わらず”というフレーズが数回出てきたように、あえてウェットな雰囲気を避け普段と同じ熱く激しいライヴを見せてくれた彼女たちだが、ダブルアンコールにしてバンドを離れるRe:NOへの想いに触れた。

トキ:移動時間もずっと一緒、ご飯も一緒。普通、嫌になりそうじゃないですか。でも、乗り越えていけたのは、この5人だから。家族より長く一緒にいる。
サワ:バンドをやるために上京してきて、友達もいなくて...。メンバーは家族なんです。Re:NOちゃん、家族なんです(と思わず涙ぐむ)。
Marina:この5人で音楽をできて、この5人でライヴをしてきたことは、この先も私にとって財産。宝物です。
Yoshi:Re:NOが脱退することで離れていく人もいると思うんですけど、今後もAldiousは前を向いて進んでいきます。
Re:NO:この5人で奏でるのは最後になるんですけど、Aldiousは続いていくので、今後もよろしくお願いします。しゃべりたいことたくさんあるけど、歌えなくなっちゃうので...。私が6年前、加入して初めてシングルになった曲です...

この5人で演奏される最後の曲となったのは、メロディアスかつ疾走感あふれるAldiousらしい楽曲「White Crow」。後半のサビ部分では演奏がブレイクしてRe:NOのヴォーカルのみとなり、そこへ観客の大合唱が重なる。オーディエンスの歌をしばし聴いていたRe:NOは“6年間、本当にありがとうございました”と再び感謝の言葉を伝え、この思い出の曲を最後まで歌い終えた。そして、歌い終わったRe:NOは愛用のマイク...スワロフスキーでキラッキラのマイクをキャノンケーブルから引き抜いて、なんと観客に向かって投げたのだ。アラフィフ世代の音楽ファンは、ヴォーカリストがマイクを置くというと山口百恵のラストライヴを思い出すかもしれないが(山口百恵は文字通り、最後の曲を歌い終えてマイクを静かにステージに置いたが)、Re:NOの場合はマイクをオーディエンスに投げ入れるという豪快かつ後戻りしない決意を行動で示す、あっぱれな最後の姿を観せてくれた。マイクをゲットした超ラッキーなファンには、この上ないプレゼントとなったことと思う。

観客から“Re:NO、ありがとう!”と歓声が飛ぶ中、Yoshiからは花束が贈られ、Re:NOは最後に生声で“これからもAldiousをよろしくお願いします”と叫んだ。観客とメンバーからのRe:NOへの感謝、そしてRe:NOからのAldiousへの愛情を強く実感したライヴであり、Aldiousが一片の迷いもなく前進していくことを確認できたという点でも大きな意味を持つライヴだった。2019年にはFM NACK5のレギュラー番組も継続が決まったらしいし、Aldiousは立ち止まらずに活動を続けていってくれそうだ。バンドは生き物だとよく言われるが、この先Aldiousがどんな風に変化・成長していくのか、ともに歩みつつ見届けていきたいと思う。そして、Re:NOには心から“6年間ありがとう、お疲れ様”と伝えたい。

取材:舟見佳子

Aldious

アルディアス:2008年に大阪で結成。ガールズメタル界の頂点に立つ5人組。“Ultimate Melodious(究極の旋律)”からの造語だというバンド名が示す通り、アグレッシブな演奏とメロディアスな楽曲が魅力。激しいパフォーマンスと一体感のあるライヴにも定評があり、17年は『Summer Sonic Shanghai 2017』や、2年連続となる『LOUD PARK 17』にも出演を果たした他、初の海外ライヴと全国47全国都道府県ワンマンツアーを敢行!

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 5

    5.Puffy eyes

  2. 6

    6.Instrumental 5

  3. 14

    14.Go Away

  4. 16

    <ENCORE1>

  5. 20

    <ENCORE2>

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