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fhána ライヴレポート

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【fhána ライヴレポート】 『fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES』 2019年1月27日 at 中野サンプラザ

2019年01月27日@中野サンプラザ

取材:榑林史章

2019.02.20

昨年デビュー5周年を迎え、5周年記念のベスト盤『STORIES』をリリースしたfhánaが、1月27日に東京・中野サンプラザで『fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES』を開催。全26曲を三部構成で披露し、5年の活動をひとつの物語として表現して聴かせた。

“First ACT”は、アニメテーマソングに起用されたシングル表題曲とベスト盤の最後に収録された新曲「STORIES」の14曲を一気に披露した。壮大なスケールを持った「calling」で始まり「ワンダーステラ」「tiny lamp」と、人気曲の連続にファンは最初から大興奮。手拍子を打ったり、“オイ! オイ!”と声を上げて盛り上がる。1曲ごとに沸き起こる大きな歓声と拍手は、それぞれの楽曲がファンから愛されている証拠。音源より何段階もアグレッシブにパワーアップしたサウンドが波のように押し寄せ、ファンはfhánaの放つ音の洪水に身を委ねて揺れた。明るく前向きな曲調の「STORIES」では、“オッオッオー”というコーラスを観客も一緒に歌い会場がひとつになった。

“Second ACT”は、「The Color to Gray World」や「現在地」など、これまでにリリースした3枚のアルバムの収録曲で構成された。アニメタイアップ曲とは違った、4人の世界感があふれる楽曲と演奏の数々に、ファンはステージに集中してジッと聴き入るといった雰囲気。「光舞う冬の日に」は、空間を埋め尽く時折聴こえるブレスの音も生々しく、最後に聴かせたフェイクも実に聴き応えがあった。熱を帯びた演奏も迫力があり、ファンもその世界感に没頭して聴き入る。

終始ハイトーンのヴォーカルで、舞うように踊りながら歌ったtowana。時には指揮を執るような動きも見せ、ファンはその指揮に合わせて一緒に歌ったり、towanaと動きを合わせて一緒に踊ったりと一体感は抜群。顔を真っ赤にして“中野〜!”と会場に呼びかける姿も印象的だった。黙々とギターをかき鳴らしたyuxuki wagaは、曲に合わせて飛び跳ねたりしながら、轟音のギターサウンドを響かせる。機材をいじりながら多彩な演奏を聴かせる様子は、職人といった雰囲気だ。鉄琴やサンプラーを駆使してfhánaサウンドにさまざまな色を与えるkevin mitsunagaは、観客に手拍子を促したりと、ライヴの盛り上げ役としても活躍。「青空のラプソディ」では、towanaと一緒に振り付けを披露し、ファンと一緒に踊ってライヴを盛り上げた。

“どうも、fhánaです。今日はすごく長い旅になりますので”と、MCも務めたリーダーの佐藤純一。“Last ACT/終幕”(アンコール)では、“MCもほとんどなく突っ走ってきましたけど、towanaさんは大変じゃないですか?”と問いかけると、“佐藤さんがそれを言いますか?(セットリスト組んだのはあなたでしょ!)”と、突っ込まれて笑いを巻き起こす場面もあった。

“Last ACT”の最後には、fhánaを結成して最初に作った「kotonoha breakdown」を演奏した。“不確かな未来、不安な時、先が見えない時。希望の光になれるようなfhánaでありたいと思います。これからも一緒に物語を続けていきましょう”と佐藤。そんな佐藤とハイタッチを交わしたtowana。fhánaという物語の始まりの気持ちは、今も変わらずこの「kotonoha breakdown」に封じ込められている。この曲を演奏するたびにfhánaは、何度でも原点に立ち返り、何度でも新しい旅を始めることができるのだろう。

取材:榑林史章

fhána

ファナ:2011年、佐藤純一を中心に、yuxuki waga、kevin mitsunagaの3名のサウンドプロデューサーによって結成。12年秋にゲストヴォーカルのtowanaを正式メンバーとして迎え、現在の4人体制となる。13年8月にシングル「ケセラセラ」でメジャーデビューを果たし、その後は新人アーティストでは異例とも言える連続アニメタイアップなど、シーンを問わず各界から注目を集めている。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    ■First ACT

  2. 7

    6.コメットルシファー 〜The Seed and the Sower〜

  3. 11

    10.わたしのための物語 〜My Uncompleted Story〜

  4. 16

    ■Second ACT

  5. 24

    22.Outside of Melancholy 〜憂鬱の向こう側〜

  6. 26

    ■Last ACT

  7. 29

    26.kotonoha breakdown

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