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CANDY GO!GO! ライヴレポート

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【CANDY GO!GO! ライヴレポート】 『BRAVE VENUS TOUR 2021 FINAL in TOKYO』 2021年12月6日 at Spotify O-EAST

2021年12月06日@Spotify O-EAST

撮影:佐野 和樹/取材:田中 大

2021.12.13

“全国ワンマンツアーは2016年以来”“通算3回目”“現体制のメンバーでは初”“全公演がバックバンド編成”という注目すべきトピックが満載だったCANDY GO!GO!のワンマンツアー『BRAVE VENUS TOUR 2021』。新型コロナウイルスの影響で活動が制限される状況が続いた中、ファンによるセンター&リード指名に応じてパフォーマンスを行なうオーダーメイド形式の収録ライヴなどを精力的に重ね、苦難を進化のための好機へと転じていたのが2020年から2021年にかけての彼女たちだ。12月6日に開催された本ツアーのファイナルを飾るSpotify O-EAST公演では、そういう日々の成果を存分に感じた。

バンドメンバーがステージに現れ、一斉に立ち上がる観客。ギター×2、ベース、ドラム編成でエネルギッシュにインストナンバーを演奏している空間に、なぎさりん、菜月アイル、磯野未来、永瀬りか、杉本莉愛、夏井さら、宇野みずきが登場すると、観客の興奮で会場内の空気がピリリと震えたような気がした。そして、オープニングに届けられたのは「Understeer」。この曲でセンターを務める夏井を中心として、多彩なヴォーカルのコンビネーションが描かれていくさまが美しい。続いて「overdrive」「Love is self-restraint」「Yes-Yes-Yes」も披露されたが、アツいロックサウンドに包まれながらのパフォーマンスが、とにかく猛烈に凛々しかった。最近の彼女たちのライヴを観た人は口を揃えて“カッコ良いヴォーカリストが7人いるロックバンド”という旨を語る。ギターソロとシンクロするようなドラマチックなダンスも繰り広げ、その印象が改めて強まる場面が何度も連発された。

“ついにこの日がやって来てしまいました。全国5カ所を回ったワンマンツアーが、今日で終ってしまうのがものすごく悲しいです。でも、悲しさではなく、楽しくみんなで最高を更新して終われたらなと思っております。“BRAVE VENUS TOUR”を日本語訳すると“勇敢な女の旅行”?(笑) 勇敢な女神の旅ということで、私たちも勇敢な姿を見せてみなさんを元気づけることができたらなと思っております。最高のワンマンライヴにしましょう!”(なぎさりん)というメンバーの挨拶を挟み、「Color」を皮切りにさらに色とりどりな曲たちが届けられていく。菜月のアカペラからスタートし、バンドサウンドが合流すると、メンバー7人と観客たちが掲げた拳が揺れながら温かな空間が作り上げられた「Infinity」は、印象的な場面として心に刻んでいるファンがたくさんいるのではないだろうか。

ツアーの各地のライヴの様子とメンバーからの手書きのメッセージで構成された特別映像を経て、後半は「After the view」からスタート。じっくりと美メロを噛み締められる曲はもちろん、「Dahlia」や「神様のイジ悪」といったアツいロックチューンも大いに冴え渡っていた。そして、再び迎えた小休止。“コロナが続いている中でのツアーで、不安がすごく多かったんですよ。だけど各地で私たちのことを待ってくれている人たちがいて、ファンのみなさんの力に支えられているなと身をもって感じました。出会ってくれてありがとうございます!”と感謝の言葉を届けた直後、急にステージ袖へと向かったなぎさ。どうやらヘアピンが外れて爆発した髪の毛を直しに行ったらしい。“総括をお願い!”と急にMCを任された菜月は少し慌てつつも“バンドさんとツアーを回るというのは今までやったことがなくて挑戦でした。実際やってみてなかなかうまくいかないところもあったし、葛藤もあったんですが、練習と本番を重ねてきた中で私たちが身につけたものがちょっとずつ増えていきました。今日は一緒に楽しみたいと同時に、みんなへの感謝をライヴで伝えたいと思っています”と観客たちにメッセージを伝えた。

その後、「ファンファーレ」「HONEY TRAP」「Fake News」「The last of days」でラストスパートとして一気に駆け抜けて本編は終了。アンコールでは「Nothing Lose」、ツアータイトルにもなっている「Brave Venus」が届けられる。しかも「Brave Venus」では事前に配布されていたサイリウムを観客たちは一斉に点灯。美しい星空のような空間が生み出されていた。この演出は一応サプライズではあったのだが...所属事務所社長OKB氏がサイリウムを客席に置いているのをメンバーたちは本番前に目撃していたらしい。“社長が魂を込めて一本一本置いていました”というなぎさの言葉が観客たちの心を和ませていたのも、このライヴの素敵な一場面のひとつだ。そして、「endroll」と「大切なお知らせ」も届けられて迎えた終演。現在の7人体制のCANDY GO!GO!が、絶大なパフォーマンス力を手にしていることを再確認させられるライヴであった。彼女たちが気になっている人には、ライヴ会場に足を運ぶことを強くオススメしておきたい。

撮影:佐野 和樹/取材:田中 大

CANDY GO!GO!

キャンディーゴー!ゴー!:2010年より活動を開始した、渋谷系ガールズロックユニット。アイドルのかわいらしさとガールズロックのカッコ良さをミックスした“アイドロック”という音楽スタイルを形成し、渋谷エリアを中心に月間20本以上のライヴを行なう。都内だけでなく、全国に活動の幅を広げ、19年3月には初の名古屋でワンマンライヴを開催。20年は結成10周年を迎え、シングル「Since 2010~」をリリース。21年4月には恵比寿LIQUIDROOMでのバンドセットワンマンを行なった。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1.Spangle

  2. 4

    4.Love is self-restraint

  3. 9

    9.kiss me more

  4. 11

    11.Cinderella Call

  5. 12

    12.Afte the view

  6. 16

    16.Imishinn

  7. 17

    17.神様のイジ悪

  8. 22

    <ENCORE>

  9. 23

    1.MITSUKO

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