イロクイ。 ライブレポート
イロクイ。
『おわらないせかいのうたいかた』
2010年03月05日@Shibuya O-EAST
撮影:Yuki Shirai/取材:ジャガー
2010.03.20
“ツアー初日をツアーの中で一番大きな会場で迎えること。これは自分たちにとって挑戦だった”とヴォーカルのゆーりは観客ひとりひとりに目を向けながら静かに口にした。
ニューアルバム『おわらないせかいのうたいかた』を携えての単独公演ツアーは、今日を皮切りに始まるのだが、実は作品自体は今月31日に発売のため、現段階では通常手にすることはできない。会場のみで発売される限定盤をいち早く手にするか、先行配信中の数曲を耳にするだけで、ほとんどの観客はアルバムの全貌を知らない状態で本公演を臨んだことだろう。冒頭の会場の大きさといい、なぜこうまでして自分たちでハードルを上げるのか? それはステージで勇ましくプレイする姿から察するに、バンドとして大きく成長できたアルバムを一番信頼のできる仲間に、その目で、その耳で、その肌でしっかりと受け止めてほしいという純粋な思いからの挑戦だったに違いない。のっけからイロクイ。ワールド全開で、愛らしい振り付けで会場を乗せたかと思えば、しゅうたのギターソロが唸りを上げるとバンドサウンドが大放出! 飄々とした様子ながらも熱いギタープレイで会場を沸かせるはづき、個性の強いリツのベースはスパイス的な役割を果たし、そんな暴れまくる楽器隊を時に支え、時に先導するなつきのドラムがあり、曲々によって劇的な変化を見せるのだが、しっかりとゆーりの歌声は届いてくるのだから不思議である。会場中が釘付けのままにライヴは終了。物の見事にハードルを飛び越えたイロクイ。が各地でどんな単独公演を見せるのか。それは先ほど発表されたO-WESTでの追加公演に期待したい。