LIVE REPORT

Blue Vintage ライヴレポート

Blue Vintage ライヴレポート

【Blue Vintage ライヴレポート】 『Blue Vintage LIVE 2022 〜Going Large〜』 2022年12月17日 at shibuya eggman

2022年12月17日@shibuya eggman

撮影:Ayano Fusawa/取材:田中 大

2022.12.26

Blue Vintageが12月17日、shibuya eggmanにてワンマンライヴ『Blue Vintage LIVE 2022 〜Going Large〜』を開催した。スタート時間は昼の12時。チケットがソールドアウトして満員となった会場内には、明るいムードが漂っている。そして、ついに迎えた開演。ブルーのライトで染まったステージにサポートメンバーのMITSU(Dr)、高橋 将(Ba)、宮脇翔平(Key)が現れたのに続いてJ.Speaks(Vo)、Taiga(Gu)も登場すると、待ちかねていた観客の拍手は力強さを増す。“最後まで楽しんで行きましょう!”とJ.Speaksが言い、1曲目に披露されたのは「Faster」。Taigaが刻むギターのリズムに観客の手拍子も加わり、グルービーなサウンドが高鳴っていく。J.Speaksのソウルフルな歌声が響き、ステージを見つめている人々は次第に身体を揺らして踊り始める。続いて「Hey Hey Hey」と「Too Much」も届けられ、shibuya eggmanは幸福なダンスフロアと化していた。

約2年振りにワンマンライヴを開催できた喜びをJ.SpeaksとTaigaが語り合ったあと、“熱の冷めない内に次の曲を”とスタートさせた「L.O.L」。この曲に至る頃には、まだ昼過ぎであることを完全に忘れてしまう風景が広がっていた。会場内には、もはや日常の煩わしいあれこれを思い出させる要素はゼロ。「いつまでもxx Super HEAVEN」や「Hello World」も届けられ、観客は音に身を任せる喜びに完全に浸っていた。そして、“みなさんにがっつり踊ってもらいたいと思って、このコーナーを設けました”とJ.Speaksが言い、4曲のマッシュアップに突入。「Mojito」「I Like This」「Down Town」「Funk Favorite」がノンストップで連なり、ダンサブルなパワーを高めていくさまが心地良い。Taigaによるブルージーなギターソロで締め括られた瞬間、フロアから起こった拍手は特大級だった。

じっくりと耳を傾けながら心を震わせている観客の様子が、周囲の空気から伝わってきた「Chewing Gum」「Gravity」「Empty Room」を経て、ライヴは後半へと突入。“楽しむ準備はできてますか? いっちゃいましょう、あれを!”というJ.Speaksの言葉を合図に「Living Large」がスタート。一部歌詞を間違える場面もあったのだが、そんなハプニングもフロア内に漂っている高揚感に拍車をかける。「Good Morning Tokyo」を聴きながら身体を揺らしていた人々の姿は、心底気持ち良さそうだった。さらに、「Back to the Basic」も披露されたあとには、“ファンクラブ開設”“来年6月2日に恵比寿リキッドルームでワンマンライヴを開催”という発表があり、観客は拍手喝采。コロナ禍でライヴがなかなかできなかった時期も地道な発信を続けて、少しずつ道を切り開いてきた彼らがファンから深く愛されていることを実感させられた。

本編は「Get it on」と「渚のハニー」で締め括られたが、鳴り止まない手拍子に応えてステージに再登場したJ.Speaks、Taiga、サポートのメンバーたち。本編で着ていたジャケットを脱いで露わになったJ.SpeaksのシャツがTaigaと色違いのお揃いであるのが目を引く。Def Tech のMicroが“ふたりとも、これ着ちゃいなよ”とプレゼントしてくれたシャツなのだという。

“毎月みんなに音楽を届けようっていうことで6カ月連続リリースとか、“これ、実結んでるのかな?”って分からないながらも手探りでやってきた結果が、こうやってライヴをやれてるってことだと思うので、やってきて良かった。来年の6月2日は無謀なチャレンジだけど、チャレンジしないと立てないステージだと思っているので。ここにいるみんなに“Blue Vintage、やったなぁ!”って思ってもらえる日にするので、応援をよろしくお願いします“(Taiga)

“今この場が僕にとっての最高の一日なので、それを思い出に、それを自分の中の“Gold”にして、また明日から頑張りたいと思います“(J.Speaks)

...と、ふたりの言葉が添えられた「So Old, but Gold」は、前に進もうとしているBlue Vintageの姿を伝えてくれた。そして、ラストを飾ったのは「Independence Day」。笑顔を浮かべながら踊る観客のエネルギーが、鳴り響くサウンドをひと際輝かせているのを感じた。こうして終演を迎えた『Blue Vintage LIVE 2022 〜Going Large〜』。記念撮影後にステージから去ったメンバーたちを、温かな拍手が見送っていた。

撮影:Ayano Fusawa/取材:田中 大

Blue Vintage

ブルー・ヴィンテージ:フィリピン生まれサイパンで育ち、学生時代をハワイで過ごしたことで自然と身についた多国籍な感性と日本人離れした歌唱力が魅力のヴォーカル・J.Speaks。音楽業界に関わる父親のもとに生まれ、ギターとともにその人生を歩んできた生粋のギタリスト・Taiga。ふたつの強烈な個性が交わり、豊潤なサウンドを生み出すBlue Vintageは、両者の音楽的基盤となるブルース、ヒップホップを軸に、ロックやポップ、サーフミュージックなど、あらゆる音楽が融合し、新たなサーフポップスを開拓。そのハイブリッドな音楽性には、ふたりが愛する“海”のエッセンスが滲み出し、彼らにしかなし得ない唯一無二な音楽を形成している。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 5

    5.いつまでもxx Super HEAVEN

  2. 7

    7.Mojito〜I Like This〜Down Town〜Funk Favorite

  3. 14

    14.Get it on

  4. 16

    <ENCORE>

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