LIVE REPORT

Am Amp ライヴレポート

Am Amp ライヴレポート

【Am Amp ライヴレポート】 『1st ONEMAN LIVE 「where (Am) we?」』 2023年7月27日 at 代官山UNIT

2023年07月27日@代官山UNIT

取材:山口智男

2023.08.09

宮城紘大(Dr)の影アナに応え、開演前からメンバーの名前を呼んでいた観客の興奮は、メンバーたちがステージに登場した途端、会場中に響きわたる黄色い歓声とともに最高潮に達した。しかし、“Am Amp始めます。やっと会えましたね! 手を上げていきましょうか!”と声を上げた須賀京介(Vo&Gu)は、それだけじゃ満足できないと言わんばかりにスタンディングフロアを埋めた観客の気持ちに火をつけるような言葉を次々に投げかけ、興奮を熱狂に変えていく。

ライヴの幕開けに選んだ「罪綴り」と、“僕たちのために集まってくれてありがとう。今宵は僕たちだけの思い出を作っていきましょう”と須賀が言いながら繋げた「miteyo」もともにアーバンな魅力もあるメランコリックな曲にもかかわらず、観客を自分たちのペースに巻き込む須賀のパフォーマンスはエネルギシュで、ある意味、アグレッシブとも言えるものというところが面白い。

そして、“サイコーAm Amp!”“サイコーAm Amp!”というコール&レスポンスを交え、観客に声を出す気持ち良さを味わわせてから、3曲目の「psycho」になだれ込む。その「psycho」はミッドテンポのロックナンバーだ。

須賀のソロプロジェクトにJOHN(Gu)、矢沢もとはる(Ba)、宮城が加わり、4人編成のバンド・Am Ampになったのが今年6月。『Am Amp 1st ONEMAN LIVE where (Am) we?』と題した今回のワンマンライヴが本格的なライヴデビューとなるそうだが、全11曲を披露したこの日、曲調の幅広さの中にユニークさを印象づける楽曲とともにAm Ampの4人はライヴバンドとしてのアイデンティティもしっかりとアピールしていた。加えて、その場のノリを活かした曲間のトークからは息の合ったメンバーの関係性が垣間見え、彼らがあくまでもバンドということにこだわっていることも想像させた。

“何かが始まると、終わりを意識してしまい、壁を作りがちだった。今回もワンマンライヴが始まってしまったら、このバンドの終わりが近づいてしまうんじゃないかと思ったんだけど、今日、みなさんの顔を見た時、守らなきゃいけないものを再確認しました。みなさんの愛には本当に感謝です!”

そう語った須賀をはじめ、メンバーそれぞれのMCには、ついに初ワンマンライヴを迎えることができた感慨が滲む。

“嬉しい。この一言に尽きる。みんなが楽しんでいる姿を見られることが本当に楽しい”(宮城)

“8年前、正式にバンド人生を歩み始めるためバンドを組みました。そのバンドの初ライヴはお客さんがひとりもいなかった。その時のことを思い出しながらステージに出てきたんだけど、お客さんがいっぱいいて嬉しかった。愛してくれる人がこんなにたくさんいる状態で走っていけるってことをいつまでも忘れずに駆け抜けていきたい”(矢沢)

“これまでサポートでは何本もワンマンを経験しましたけど、自分のバンドが一番楽しい!”(JOHN)

そして、バラードの「責愛」から、「脆寂」「夏の終り」とメランコリックな曲をしっとりと聴かせた中盤から一転、後半戦はカラッとしたギターロックにアレンジした宇多田ヒカルの「First Love」のカバーをきっかけに再びフロアを盛り上げていったのだが、この日一番の熱狂を作り出したのが最新曲「PZA」だった。

“後半戦、まだまだ行けますか? 一緒に踊りませんか? 全員でバカになりましょう!”と観客を煽る須賀も盛り上げる気満々だ。その言葉が活きるのは、曲がアンセミックかつダンサブルなロックナンバーだからこそ。

この日、メンバー達が語ったところによると、異色とも言えるブギ調のサウンドは、矢沢が持ってきたアイディアを基にメンバー全員でアレンジした結果。これまで彼らの曲は、須賀がアレンジまで手掛けていたそうだが、「PZA」ではメンバー全員の共作に初挑戦してみたという。なるほど。だから、曲間に宮城、JOHN、矢沢によるソロ回しという見せ場があるわけか。そんなところからも4人の気持ちがどんどんとひとつになってきたことが窺えるではないか。観客の興奮はチルでアーバンな「chime ga nattara」を挟んでも冷めることはなく、須賀とJOHNがギターをかき鳴らしながら繋げた「雨鳴」「トロイメライ」の2曲でさらに大きなものになったのだった。そして、アンコールは本来の意味でアンコールらしいものに...。

音源のOIKOS (=楽曲原盤権)を販売・購入できるプラットフォーム「OIKOS MUSIC」に参加したこと、「PZA」を配信リリースすること、そして9月27日に同じく代官山UNITで初の2マンライヴを開催することを発表すると、「PZA」を再び披露する...と思わせ、この日、誕生日を迎えた宮城を祝福するサプライズな演出も! 昨年12月に俳優をやめ、ドラマーに転向した宮城が語った“人生にはいろいろな選択があるけど、自分の選択したことを悔いのないように思いっきりやっていきたい”という言葉を受け、“1,000人規模のライヴハウスでライヴをやりたい。ゆくゆくは日本武道館にも行かせてください。お願いします!”と須賀はAm Ampの目標を語った。

そして、最後は「PZA」「罪綴り」の2曲をアンコールして、ダメ押しするようにフロアを沸かせると、その熱狂を今後の活動に繋げるように記念すべき初ワンマンライヴは終演を迎えたのだった。

取材:山口智男

Am Amp

アムアンプ:数々のアーティストへ楽曲提供や編曲、ミックスなども手がけ、俳優・モデルとしても活躍する須賀京介が、2022年に“都内・一人組バンド”と銘打って結成。23年6月に3人のメンバーが加わり、同月に2nd EP『where (Am) we?』を配信リリースした。7月にリリース記念ワンマンライヴを開催。メンバーそれぞれが多彩な経歴を持ち、異色さと相まった枠にとらわれることのないジャンルレスな音楽を展開している。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    01. 罪綴り

  2. 2

    02. miteyo

  3. 3

    03. psyco

  4. 4

    04. 責愛

  5. 5

    05. 脆寂

  6. 6

    06. 夏の終り

  7. 7

    07. First Love ※カバー

  8. 8

    08. PZA

  9. 9

    09. chime ga nattara

  10. 10

    10. 雨鳴

  11. 11

    11. トロイメライ

  12. 12

    <ENCORE>

  13. 13

    01. PZA

  14. 14

    02. 罪綴り

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