LIVE REPORT

花冷え。 ライヴレポート

花冷え。 ライヴレポート

【花冷え。 ライヴレポート】 『花冷え。ONEMANSHOW 2023 〜おかえりジャパン〜』 2023年11月24日 at Spotify O-WEST

2023年11月24日@Spotify O-WEST

2023.12.13

ガールズラウド/ミクスチャーの超新星バンド・花冷え。の勢いがすさまじい。彼女たちの周囲だけ違う時間軸が流れているようだ。ちょっと、前例が見当たらない快進撃でシーンを駆け上がっている。

今年7月にメジャー1stアルバム『来世は偉人!』発表後、8月からヨーロッパ公演11本に加え、9月から10月はUSAで21本(『AFTERSHOCK FESTIVAL』を筆頭に大型フェス3本を含む)という怒涛の海外ツアーをやり遂げ、11月24日に息つく暇なしに2度目のワンマンライヴ『花冷え。ONEMANSHOW 2023〜おかえりジャパン〜』を開催した。同公演の会場である東京・Spotify O-WESTは早々とソールドアウトし、筆者は心の中で“そりゃそうだろう!”と膝を打った。同月3日にBRING ME THE HORIZON主催の『NEX_FEST 2023』で千葉・幕張メッセ、ワンマンライヴ4日前の20日にはLimp Bizkitのサポートアクトで東京・東京ガーデンシアターに立った彼女たち。その大抜擢ぶりを踏まえても、今日の規模感で花冷え。がワンマンをやるのは最初で最後になるかもしれない。

SEが流れると、舞台上のスクリーンにヨーロッパ&USAツアーの奮闘ぶりやオフショット映像(※ロンドンにあるアビーロードの横断歩道をメンバー4人で渡ったり)が流れ、チカ(Dr)、ヘッツ(Ba&Cho)、マツリ(Gu&Vo)、ユキナ(Vo)が登場。“アーユーレディ? シブヤ!? ”とユキナは呼びかけ、メロコアな疾走曲「Today's Good Day & So Epic」で鮮やかなスタートを切った。続いて、ヘヴィなリフを用いた剛腕メタルコアの「ぶっ壊す!!」からピコピコの電子音を配した「NEET GAME」へと繋げ、ジェットコースター級の展開でフロアを揺さぶり続ける。ここでマツリが“ただいまー!”と挨拶すると、満杯の会場から“おかえりー!”の声が飛び交う。しかし、“明日からオセアニアツアー&アジアツアーに行ってきます!”とユキナがMCを挟み、観客を驚かせていた。

チカのタイトなドラムで始まる「SUNRISE 味噌SOUP」でサークルモッシュを作り上げ、その勢いのままに「今年こそギャル〜初夏ver.〜」を投下。いきなり灼熱モード全開で極彩色のミクスチャーをブチかます。観客はヘドバンにダンスに大騒ぎで、“ぎゅうぎゅうだけど、座れる?”とユキナが声をかけ、会場をジャンプでひとつに束ねていった。それからデジタルリリースオンリーの「LOVE乱舞」を演奏。和テイストとメタルコアを融合し、マツリのお経ヴォーカルもフックとなり、華々しい破壊力を叩きつけていた。

そこに「我甘党」、「令和マッチング世代」と人気曲を畳み掛ける。加えて、“ウォー、ウォー!”のシンガロングを巻き起こした「Tales of Villain」を披露。その後、“今日は会場のみんなで歌ってくれた気がする”とユキナが言うと、“(以前は)前の方だけ歌っていた”とヘッツは零し、バンド自身も楽曲の成長ぶりをひしひしと感じているようであった。ライヴは後半に差し掛かり、アンセム楽曲「超次元ギャラクシー」、ラウドからディスコ調のトーテムポール感にシビれる「Warning!!」と続き、フロアはカオスな状態に陥る。トドメに「TOUSOU」を見舞うと、ギチギチのフロアをこじ上げるようにウォール・オブ・デスも勃発し、会場の興奮はマックスに到達していた。

本編ラストを締め括った「Want to TIE-UP」が、また素晴らしかった。ユキナのスクリームとマツリのクリーンヴォイスともにエモーショナル極まりなく、心のヒダに触れまくるメロディーの良さに胸の奥がアツくなってしまった。アンコールにもきっちり応えると、MVがもうすぐ500万再生目前(2023年11月現在)の「お先に失礼します。」をプレイ。和楽器と《ペコペコ》という日本特有のワードを武器にメタルコア/ミクスチャーの新種サウンドで会場をカオスまみれにしていく。最後は今日2度目となる「Today's Good Day & So Epic」が飛び出し、明快な始まりと終わりでライヴにまとまりを持たせる流れも、上昇気流に乗るバンドの勢いを体現しているようだった。

メタル/ラウド/ミクスチャーを音楽的背景に新たな時代を切り拓いている花冷え。。正直、今日のSpotify O-WESTでは収まり切れないほど、彼女たちは著しい成長を遂げていた。メンバー4人のオーラ、バンド総体のエネルギー、観客を引っ張る力強さは過去イチと言えるすご味に溢れていた。ここから花冷え。は日本を含めて世界中をさらにあっ!と驚かせてくれるに違いない。ラウド系という括りの中で、久しぶりに出てきた異次元すぎるガールズバンドに期待せずにはいられない。

撮影:Mei Okabe/取材:荒金良介

花冷え。

ハナビエ:東京発ガールズ・ラウドロックバンド、花冷え。。2015年にユキナ(Vo)、マツリ(Gu&Vo)、ヘッツ(Ba)を中心に高校の軽音部で結成。17年の高校生バンドイベント『スクールズアウト』全国決勝大会で準優勝を飾り、18年に『JAPAN EXPO ROCKs』でコンテスト唯一の10代バンドとして決勝進出を果たす。同年にミニアルバム『開花宣言』、21年に1stフル・アルバム『乙女改革』をリリース。23年1月にリリースした「お先に失礼します。」は多くの反響を呼び動画のトータル再生回数は1,100万回を突破。今なお記録を更新中! 海外からの注目も厚く、世界展開を目指し活動する中、同年にチカ(Dr)が加入し、7月にメジャー1stアルバム『来世は偉人!』を発売。日本、ヨーロッパ、USAでのツアーを開催する。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 2

    02. ぶっ壊す!!

  2. 4

    04. SUNRISE 味噌SOUP

  3. 6

    06. LOVE乱舞

  4. 7

    07. 我甘党

  5. 8

    08. 令和マッチング世代

  6. 11

    11. Invisible wall

  7. 13

    13. 限界沼ライフ

  8. 15

    15. L.C.G

  9. 16

    16. Want to TIE-UP

  10. 17

    17. センチメンタル☆ヒロイン

  11. 18

    <ENCORE>

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