LIVE REPORT

石田燿子 ライヴレポート

石田燿子 ライヴレポート

【石田燿子 ライヴレポート】 『30TH ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 〜Everything’s my treasure〜』 2023年12月2日 at 浅草花劇場

2023年12月02日@浅草花劇場

取材:田中隆信

2023.12.26

石田燿子が12月2日に東京・浅草花劇場で30周年記念ライヴ『石田燿子 30 TH ANNIVERSARY SPECIAL LIVE』を行った。昼、夜の2回公演で、昼公演は“BLUE MOON”と題してリリースが予定されている『美少女戦士セーラームーン』(以下『セーラームーン』)カバーアルバム『Blue Moon』の楽曲を中心に披露。夜公演は“Everything’s my treasure”というタイトルで30年の軌跡を辿る楽曲で構成された内容になっていた。ここでは夜公演の模様をお送りする。

オープニングSEが流れる中、バンドメンバーが登場し、続いて赤と白の鮮やかな衣装の石田が現れた。そして、2005年1月にリリースしたテレビアニメ『ああっ女神さまっ』のオープニングテーマ「OPEN YOUR MIND」でライヴがスタート。開放的な雰囲気になる中、続けてアニメ『SHIROBAKO』のオープニング曲「COLORFUL BOX」へ。テンポ感のあるアップテンポナンバーで伸びやかな歌声が会場いっぱいに広がっていった。3曲目の「Sugar Baby Love」は5枚目のシングルとしてリリースしたルベッツのヒット曲の日本語カバー。爽やかなサウンドと歌、コーラスが耳に心地良く響く。

3曲を歌い終わった時点でファンの熱気もかなり高まっていて、“燿子ちゃ~ん!”という掛け声があちらこちらから聞こえてくる。それに“呼ばれたら答えます。はい!”とひとつひとつ返事をしていく石田。“夜の部始まりました。ご来場ありがとうございます”と改めて挨拶し、“30周年ライヴ、夜の部の“Everything’s my treasure”は、これまで出会ってきたみなさん、作品、曲、すべてが自分にとっての宝物だよっていう意味を込めたタイトルです。30年間で出会ってきた曲の中から厳選に厳選を重ね、セットリストを決めました”と、夜公演のテーマを説明。“『セーラームーン』は外せないので、夜の部もちょっと『セーラームーン』の楽曲を歌いたいなって思います。今回はアレンジがだいぶ違っています”と次のコーナーの趣旨を説明しつつ、“知っている人は知っていると思うんですけど、夏にカバーアルバムを出します!って言ったけど...まだ出てません。その『Blue Moon』は全曲が録り下ろしなんですけど、今日ここで先行して聴けちゃうってことなんです”と、今後出る予定のカバーアルバム用の新アレンジで披露することを明かすと会場から大きな拍手が起こった。

そんな『セーラームーン』カバーアルバムからの先行披露曲は、石田のデビュー曲でもある「乙女のポリシー」をはじめ、「ムーンライト伝説」「愛の戦士」「“らしく”いきましょ」の4曲。“「乙女のポリシー」と「ムーンライト伝説」は、私、この30年間で世界で一番歌ってるんじゃないかな?というくらいに歌い続けてきた大切な曲たち。しかし、一番歌ってきているから絶対に間違えないと思っていたけど(笑)”と、歌唱の途中で間違えてしまったことを正直に明かし、“ちょっとビックリしちゃいましたね”と苦笑いする場面も。

途中のMCではバンドメンバー、山本直哉(Ba)、麻生祥一郎(Dr)、岡田基(Key)、入江 誠(Gu)、KAKO♪(Chorus)を紹介し、これまでの活動を振り返るトークも展開した。“1993年に「乙女のポリシー」でデビューして、最初は『セーラームーン』のお仕事がうわーってあって。でも、それがひと段落して、2000年頃は一番バイトをしていた時期だったんです。いろんなバイトを掛け持ちしていたくらい。次の転機になったのが『パラパラMAX』というアニソンをユーロビートにした企画アルバムでした。ヴォーカルの方を探しているということで、つながりで声をかけていただいて。それをきっかけにアニメ『新白雪姫伝説プリーティア』につながり、アニメ『ちっちゃな雪使いのシュガー』につながり、アニメ『ああっ女神さまっ』につながりっていう感じで、第2章が始まりました。そして、2008年にアニメ『ストライクウィッチーズ』という作品に巡り会えて嬉しかったですね。ここから第3章ということで...人に歴史ありですね”と感慨深げに自身の活動を振り返る。

30年をトークで語り尽くすには時間が足りないということで、歌で表現したいと話し後半戦へ。アニメ『藍より青し』のオープニング曲のバラード「永遠の花」を歌い上げ、アニメ『灼眼のシャナ』エンディング曲「紅の静寂」、本人曰く“隠れた名曲”という「Another Sky」を披露。

残り3曲となったところで“ドドドン!といきますから、みんなもついてきてください。ハードだよ! 最後だから立ち上がってもいいよ!”と呼びかけ、観客も立ち上がり、「Whiter Desitiny」「soar」「private wing」を畳み掛け、会場に大きな掛け声が響く中、本編が終了した。

大きく会場に響き渡るアンコールの声に応え、石田はライヴグッズのTシャツに着替えてステージに再登場し、「ソラノイロ」を歌唱。“熱烈なアンコールありがとうございます!”と声援に応え、“またすぐに会えると思いますし、私もどんどん歌い続けていきたいと思います。そして、これからもみなさんが“応援したい”“推したい”と思える人でいたいなと思います。今日からまた始まりです。よろしくお願いします!”と思いを伝え、「乙女のポリシー」と同じくらい、彼女にとって大事な楽曲「STRIKE WITCHES 〜わたしにできること〜」で30周年ライヴの幕が下ろされた。

30年の軌跡を辿る内容のライヴにその時代その時代に想いを馳せながら聴いていたファンの人も多かったはずだろう。デビュー曲「乙女のポリシー」をはじめ、どの曲も今もなお瑞々しく、聴く人に元気と勇気をあたえてくれる。これまでの集大成というだけでなく、石田にとってもファンにとっても次につながる新たな一歩目のライヴとなった。

取材:田中隆信

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 3

    03. Suger baby love

  2. 4

    04. 乙女のポリシー

  3. 5

    05. ムーンライト伝説

  4. 6

    06. 愛の戦士

  5. 7

    07. “らしく”いきましょ

  6. 11

    11. White Destiney

  7. 14

    <ENCORE>

  8. 16

    02. STRIKE WITCHES 〜わたしにできること〜