the GazettE ライブレポート
the GazettE
the GazettE 国立競技場代々木第一体育館
2008年04月19日@国立競技場代々木第一体育館
SEの「ART DRAWN BY VOMIT」が流れただけで、場内に1万人のハンドクラップが鳴り響く。そんなオーディエンスをヒップホップを取り入れた「AGONY」のダイナミックなグルーブで揺らすと、「Hyena」のスリリングなバンドサウンドが激しく攻め立て、3曲目のヘヴィチューン「COCKROACH」の頃には、すでに場内はひとつとなっていた。過去に日本武道館や横浜アリーナでのライヴを成功させているだけに、会場の広さなど感じさせないのもさすがだ。麗と葵のドラマチックな音世界を彩るツインギター、れいたの下半身に響くベース、戒の痛快なビートを繰り出すドラム、ルキの時にまくしたてるように、時に切々と歌い上げるヴォーカル、そのどれもが絶対的な存在感を持っており、全てのパートに耳を奪われてしまう。そして、もうひとつ。改めて痛感させられるのは、楽曲のふり幅と奥深さだ。1曲の中にもさまざまな表情があり、パンク、ロック、R&B、ジャズ...を飲み込んだサウンドは、ジャンルとしてのミクスチャー以上に多彩に変化しがならも、the GazettEとしての色がブレていないのは特筆すべきところだろう。「Filth in the beauty」で1万人が一斉にヘッドバッキングし、「MOB 136 BARS」ではアグレッシブな音の塊が迫ってくるなど壮絶なライヴだったが、「☆BEST FRIENDS☆」でグランドフィナーレを迎え、最後には威圧的な音の衝撃だけでなく、感動的な温かいものも胸に残った。3時間強というステージを長いと感じさせなかったのも、それだけ見応えがあったということだ。