ストレイテナー ライブレポート
ストレイテナー
ストレイテナー 新木場STUDIO COAST
2007年12月27日@新木場STUDIO COAST
撮影:橋本 塁/取材:高木智史
2007.12.27
むせ返るような熱さの中、それを作り出していた大観衆は暗転と同時にステージに駆け集まった。その熱いベクトルを受け、ステージに立つ3人はさらに大きなベクトルを返すべく楽器を奏でる。ギターリフの印象的な「TODAY」に呼応するかのように歓声を上げるオーディエンス。メンバーと観客の両者による、とてつもない熱気でスタートは切られたのだった。 ホリエアツシの突き抜けるヴォーカルと卓越したギターテクニック、ナカヤマシンペイの魂を込めるような力強いドラミング、そして日向秀和のエモーショナルな野性味あふれるベーシング。全てにおいてこの日はそのひとつひとつに全力が込められ、ライヴが終わるまで途絶えなかったスタミナにも驚愕した。その3人が鳴らすユニゾンは時に爆発を呼び、静寂を呼び、彼らの真骨頂であるメロディーの美しさはさまざまな形で聴く者の心に響き渡る。だから、オーディエンスはサークルを作り、喜びを分かち合う者もいたし、モッシュし、あふれ出た感情をそのまま体で表す者もいた。 加えてストレイテナーの豊かな音楽性はやはり無視できない。「SIX DAY WONDER」では、ホリエはピアノを弾き、ドラマチックなメロディーを奏でながら美声を響かせる。かと思えば、「KILLER TUNE」では英詩や展開から洋楽かと思うようなグルーヴを効かせ、ラフなシャウトを轟かす。そして終盤の「TRAIN」。疾走するギターロックに一瞬にして会場は沸き立つのだった。それらはひとえに彼ら3人の貪欲なまでの音楽に対する姿勢によるもので、表現してしまう能力にも賞賛するほかない。